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第二章 学園生活
37.幹部会議2
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「では、まず最初はクロス様からどうぞ」
「ああ。では、エマと剣術の練習したことを話そう。―――」
その後オリバー様は永遠に自慢?話をエルフィー様や殿下達、グレイソン様に話して、皆それぞれ凄い怖い顔で聞いていた。
「それで、エマが『私にも剣の握り方を教えて下さい』と言ってきたから、エマの手も覆って一緒に剣を握ったのだ」
「はあ?オリバー、エマちゃんの手を握ったのですか?」
「ああ、それはもう小さな手で…最高だったよ」
エルフィー様は今にもオリバー様に突っかかる勢いだ。後少しのところでアルバート様が取り押さえているが…
「それを言うなら講師のエルフィーはもっといい思いをしているのでは?」
「そりゃそうですよ。エマちゃんはなんと言っても僕だけの生徒ですから」
おお!流石アルバート様。エルフィー様をいい感じに抑えている。ストーカーだけど、この中ならアルバート様はマシな方なのかもしれない。たぶん、まだ一言も喋っていないグレイソン様もしっかりした人なのだろう。
「エマちゃんとは学園の日は毎日一緒に研究していますからね。何度エマちゃんの頭をなでたことか!」
「エルフィー?今エマの頭なでたって言った?」
いや、ルーク殿下。口調が…いつもの王子様口調は何処に…
「ええ。あっ!そうでした!僕は魔術大会の時にエマちゃんから頰にキスされたこともあるんでした」
なんともわざとらしい言い方……ああ~、ルーク殿下、無表情になっていますよ…
「魔術大会といったら私はエマの頰にキスをしましたよ。それも、初めだったらしいです」
「ふふっ、それは違いますよ。エマちゃんの初頰キスはオリバーですよ」
「はい?」
「すみません、殿下。私が一番最初にエマの頰にキスしました」
オリバー様…そんな嬉しそうな顔で謝っても意味ないですよ…ああ、ルーク殿下、顔が死んでしまっていますよ。いつもの完璧な王子スマイルは…妹なんかそんなやり取りを見て笑いをこらえているよ…
オリバー様はルーク殿下なんかお構いなしに嬉しそうにエマの頰はどうだったとか話し、満足したところで妹が次にアルバート様に聞いた。
「私はこれといったことはないな。ただ見守っているだけだ」
「え~、本当ですか~?もっと何かしていると思っていましたわ。ということは、これからも見守るだけでいいのですか?」
妹の言うとおりだ。正直言ってストーカー行為をしているアルバート様はもっとヤバいことをしているのではないかと私も思った。
「まあ…私はまだ皆のように完全にエマのことが好きだというわけではないからな」
いや、まだ好きではないのに、もうストーカー行為を始めているとは後々ホール嬢のことがとても心配なのですが…
「なるほど。クロス様、ホール様、ルーク殿下はエマ様のことが完全に好きで、アルバート様はまだそこまではいっていないと…では、ウォーカー様はどうですの?」
ああ、気になるな。グレイソン様は何故変態しか集まっていないこの会議に参加されたのか。今の時点だと、だいたいホール嬢のことが好きだとか気になるとかそこら辺のことなのだろう…
「そうですね。私はアルバート殿下のような変態ではないのですが、エマがエルフィーにキスをした後の彼女の恥ずかしくて泣きそうな顔はたまりませんでしたね」
「グレイソン、あなただったのですか…誰かが見ていると思ってはいましたが…」
「ええ。アルバート殿下ほどではないですが、私も一応エマのことを見守っている人間ですから」
はぁ~!?宰相様!?まままっまさか、あなたもストーカー野郎だったのですか!?それも、凄い性癖をお持ちに……
「グレイソンは相変わらず変態だな。私よりも酷いぞ」
「お褒めのお言葉ありがとうございます、アルバート様」
「いや、褒めてないが」
なるほど。私が一番マシだと思っていた人がまさか、一番の変態だったとは…
「ではお次はお兄様の番ですわね。最近はどうですの?」
「は?」
もしかして私も含まれているのか!?いやいや、私には何も無いぞ。ホール嬢は確かに理想の人だけれども!妹に『ホール嬢と婚約できたらなぁ~。はははっ』って冗談で言ったのは自分だけど!この人達相手は無理ですよ。この中で一番マシなのは自分だと思うけど、ここで『私はホール嬢のことが好き?かもしれないです』なんて言ったら、舐めてると思われて半殺しにされそうだよ!
「いや、私は特にホール嬢のことは何も思っていないので…」
「えっ?お兄様、以前『ホール嬢と婚約できたらなぁ~』って言ってましたわよね」
―ギロッ
妹よ!何故それを言ってしまう!うわ~、一斉に睨まれた……
「バンナ卿、後でじっくりお話しましょう」
エルフィー様にそう言われた後、私は全員に尋問された。勿論妹は部屋から出て、直ぐにいなくなってしまった。
====================================
―ホール公爵邸
「エルフィー先生、おかえりです」
「ただいまです」
休日である今日は学園はお休みでいつも公爵邸でまったりと過ごしている。エルフィー先生は午後から大事な用事があると言って出かけていたのだ。
「どこに行っていたんですか?」
「それは、内緒です。その代わりに王都で人気のケーキを買ってきましたよ」
「何のケーキですか?」
「エマちゃんの好物のチーズケーキです」
「流石です!」
エルフィー先生はそう言うと後ろで控えていた従者に箱を持って来させて、ケーキをお皿にのせ、紅茶を準備し、お茶の時間になった。メイドさんが毎回準備しようするのだが、『僕が自分でする』と言って全て準備してしまうのだ。だからといって、エルフィー先生が淹れてくれる紅茶はとても美味しいので私は何も言っていない。
今回のチーズケーキは上の方にクリームが沢山乗っていて食べるのが難しそうだ。何故か毎回、エルフィー先生は食べるのが難しいデザートを買ってくるのだ。美味しいから文句は無いが…
私は目の前のチーズケーキをじっくり観察して一口、口の中に放り込んだ。
「ん~!美味しいです!はあ~、幸せ~」
「良かったです、エマちゃんが気に入ってくれて。ふふっ、クリームが口元についていますよ」
エルフィー先生は自身の親指で私の口周りについたクリームを拭い取るとぺろりと舐めてしまった。
「ちょっとエルフィー先生!?クリームなら自分で拭けますよ」
「そうですか?まあ、気にしなくていいですよ。僕が好きでしているので(ニコッ)」
「いや、そういう問題じゃないです」
以前の私ならもっと騒いでいたが、最近こういう事が多すぎて慣れてしまった。だからといって、周りの使用人の方たちの生暖かい目はやめてほしいが…
「エマちゃん、ところで今度の長期休みは何かする予定はありますか?」
「えーっと、特に何もありませんね。何処か友達と遊びに行きたいですが…お茶会やパーティーで忙しいと思うので」
長期休みといっても、貴族の生徒にとっては休みなんかではなく、逆に忙しくなる期間なのだ。令嬢や令息はお茶会の招待・参加、パーティーなどイベントが盛りだくさんなのだ。だから、公爵家令嬢である私はお茶会・パーティーなどを主催しなければならなく、友達とバカンス!というわけにはいかないのだ。フィンお父様には『やりたくなかったらそんなことしなくて良いんだぞ』と言っていたが、流石に一回も招待しないのはだめだと思う。
「そうですか…なら、そんな面倒くさいこと放っといたらどうですか?」
いや、あんたもかい!親もそうだったら子もそうなんですね。
「いや、……やっぱりちゃんと貴族としての責務を果たします」
逆にやる気が出てしまった私であった。
====================================
―あるメイド達の話
「エルフィー様は毎回食べるのが難しそうなデザートを購入しますよね。何故なんでしょう?」
「ふふっ、知らないの?それはね、エマお嬢様のお口にクリームなどがつきやすいようにするためよ」
「何のためにですか?」
「それはもう、ご自身がそれを食べるためですよ」
「え~!エルフィー様は本当にエマお嬢様のことがお好きなんですね」
「もう『好き』というよりか『愛している』の方が正しいわね。あなたもエルフィー様の恋が実るようにお手伝いするのよ」
「はいっ!」
知らないところでエマとエルフィーの応援隊ができてしまっていた。
「ああ。では、エマと剣術の練習したことを話そう。―――」
その後オリバー様は永遠に自慢?話をエルフィー様や殿下達、グレイソン様に話して、皆それぞれ凄い怖い顔で聞いていた。
「それで、エマが『私にも剣の握り方を教えて下さい』と言ってきたから、エマの手も覆って一緒に剣を握ったのだ」
「はあ?オリバー、エマちゃんの手を握ったのですか?」
「ああ、それはもう小さな手で…最高だったよ」
エルフィー様は今にもオリバー様に突っかかる勢いだ。後少しのところでアルバート様が取り押さえているが…
「それを言うなら講師のエルフィーはもっといい思いをしているのでは?」
「そりゃそうですよ。エマちゃんはなんと言っても僕だけの生徒ですから」
おお!流石アルバート様。エルフィー様をいい感じに抑えている。ストーカーだけど、この中ならアルバート様はマシな方なのかもしれない。たぶん、まだ一言も喋っていないグレイソン様もしっかりした人なのだろう。
「エマちゃんとは学園の日は毎日一緒に研究していますからね。何度エマちゃんの頭をなでたことか!」
「エルフィー?今エマの頭なでたって言った?」
いや、ルーク殿下。口調が…いつもの王子様口調は何処に…
「ええ。あっ!そうでした!僕は魔術大会の時にエマちゃんから頰にキスされたこともあるんでした」
なんともわざとらしい言い方……ああ~、ルーク殿下、無表情になっていますよ…
「魔術大会といったら私はエマの頰にキスをしましたよ。それも、初めだったらしいです」
「ふふっ、それは違いますよ。エマちゃんの初頰キスはオリバーですよ」
「はい?」
「すみません、殿下。私が一番最初にエマの頰にキスしました」
オリバー様…そんな嬉しそうな顔で謝っても意味ないですよ…ああ、ルーク殿下、顔が死んでしまっていますよ。いつもの完璧な王子スマイルは…妹なんかそんなやり取りを見て笑いをこらえているよ…
オリバー様はルーク殿下なんかお構いなしに嬉しそうにエマの頰はどうだったとか話し、満足したところで妹が次にアルバート様に聞いた。
「私はこれといったことはないな。ただ見守っているだけだ」
「え~、本当ですか~?もっと何かしていると思っていましたわ。ということは、これからも見守るだけでいいのですか?」
妹の言うとおりだ。正直言ってストーカー行為をしているアルバート様はもっとヤバいことをしているのではないかと私も思った。
「まあ…私はまだ皆のように完全にエマのことが好きだというわけではないからな」
いや、まだ好きではないのに、もうストーカー行為を始めているとは後々ホール嬢のことがとても心配なのですが…
「なるほど。クロス様、ホール様、ルーク殿下はエマ様のことが完全に好きで、アルバート様はまだそこまではいっていないと…では、ウォーカー様はどうですの?」
ああ、気になるな。グレイソン様は何故変態しか集まっていないこの会議に参加されたのか。今の時点だと、だいたいホール嬢のことが好きだとか気になるとかそこら辺のことなのだろう…
「そうですね。私はアルバート殿下のような変態ではないのですが、エマがエルフィーにキスをした後の彼女の恥ずかしくて泣きそうな顔はたまりませんでしたね」
「グレイソン、あなただったのですか…誰かが見ていると思ってはいましたが…」
「ええ。アルバート殿下ほどではないですが、私も一応エマのことを見守っている人間ですから」
はぁ~!?宰相様!?まままっまさか、あなたもストーカー野郎だったのですか!?それも、凄い性癖をお持ちに……
「グレイソンは相変わらず変態だな。私よりも酷いぞ」
「お褒めのお言葉ありがとうございます、アルバート様」
「いや、褒めてないが」
なるほど。私が一番マシだと思っていた人がまさか、一番の変態だったとは…
「ではお次はお兄様の番ですわね。最近はどうですの?」
「は?」
もしかして私も含まれているのか!?いやいや、私には何も無いぞ。ホール嬢は確かに理想の人だけれども!妹に『ホール嬢と婚約できたらなぁ~。はははっ』って冗談で言ったのは自分だけど!この人達相手は無理ですよ。この中で一番マシなのは自分だと思うけど、ここで『私はホール嬢のことが好き?かもしれないです』なんて言ったら、舐めてると思われて半殺しにされそうだよ!
「いや、私は特にホール嬢のことは何も思っていないので…」
「えっ?お兄様、以前『ホール嬢と婚約できたらなぁ~』って言ってましたわよね」
―ギロッ
妹よ!何故それを言ってしまう!うわ~、一斉に睨まれた……
「バンナ卿、後でじっくりお話しましょう」
エルフィー様にそう言われた後、私は全員に尋問された。勿論妹は部屋から出て、直ぐにいなくなってしまった。
====================================
―ホール公爵邸
「エルフィー先生、おかえりです」
「ただいまです」
休日である今日は学園はお休みでいつも公爵邸でまったりと過ごしている。エルフィー先生は午後から大事な用事があると言って出かけていたのだ。
「どこに行っていたんですか?」
「それは、内緒です。その代わりに王都で人気のケーキを買ってきましたよ」
「何のケーキですか?」
「エマちゃんの好物のチーズケーキです」
「流石です!」
エルフィー先生はそう言うと後ろで控えていた従者に箱を持って来させて、ケーキをお皿にのせ、紅茶を準備し、お茶の時間になった。メイドさんが毎回準備しようするのだが、『僕が自分でする』と言って全て準備してしまうのだ。だからといって、エルフィー先生が淹れてくれる紅茶はとても美味しいので私は何も言っていない。
今回のチーズケーキは上の方にクリームが沢山乗っていて食べるのが難しそうだ。何故か毎回、エルフィー先生は食べるのが難しいデザートを買ってくるのだ。美味しいから文句は無いが…
私は目の前のチーズケーキをじっくり観察して一口、口の中に放り込んだ。
「ん~!美味しいです!はあ~、幸せ~」
「良かったです、エマちゃんが気に入ってくれて。ふふっ、クリームが口元についていますよ」
エルフィー先生は自身の親指で私の口周りについたクリームを拭い取るとぺろりと舐めてしまった。
「ちょっとエルフィー先生!?クリームなら自分で拭けますよ」
「そうですか?まあ、気にしなくていいですよ。僕が好きでしているので(ニコッ)」
「いや、そういう問題じゃないです」
以前の私ならもっと騒いでいたが、最近こういう事が多すぎて慣れてしまった。だからといって、周りの使用人の方たちの生暖かい目はやめてほしいが…
「エマちゃん、ところで今度の長期休みは何かする予定はありますか?」
「えーっと、特に何もありませんね。何処か友達と遊びに行きたいですが…お茶会やパーティーで忙しいと思うので」
長期休みといっても、貴族の生徒にとっては休みなんかではなく、逆に忙しくなる期間なのだ。令嬢や令息はお茶会の招待・参加、パーティーなどイベントが盛りだくさんなのだ。だから、公爵家令嬢である私はお茶会・パーティーなどを主催しなければならなく、友達とバカンス!というわけにはいかないのだ。フィンお父様には『やりたくなかったらそんなことしなくて良いんだぞ』と言っていたが、流石に一回も招待しないのはだめだと思う。
「そうですか…なら、そんな面倒くさいこと放っといたらどうですか?」
いや、あんたもかい!親もそうだったら子もそうなんですね。
「いや、……やっぱりちゃんと貴族としての責務を果たします」
逆にやる気が出てしまった私であった。
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―あるメイド達の話
「エルフィー様は毎回食べるのが難しそうなデザートを購入しますよね。何故なんでしょう?」
「ふふっ、知らないの?それはね、エマお嬢様のお口にクリームなどがつきやすいようにするためよ」
「何のためにですか?」
「それはもう、ご自身がそれを食べるためですよ」
「え~!エルフィー様は本当にエマお嬢様のことがお好きなんですね」
「もう『好き』というよりか『愛している』の方が正しいわね。あなたもエルフィー様の恋が実るようにお手伝いするのよ」
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