32 / 43
第二章 学園生活
29.学園祭 2
しおりを挟む
―パチッ
「う~ん…」
「あっ!目が覚めましたわね。おはようございます、エマ」
「うん?ペネ?」
「はい!」
目を開けると見慣れない天井があった。私はヒューに運ばれてきてここ、三大宝石決定戦の控室のソファーで眠っていたらしい。今控室にいるのはペネと私だけだった。私は何が起こったのか少しずつ思い出した。
確か魔術の実験が終わった後にお、オリバーさんが///うっ、考えただけでさっきの恥ずかしさが蘇ってくるよ…はあ~、久しぶりに会ったというのに、まさかオリバーさんにぷ、プロポーズされるとは…
「大丈夫ですか、エマ?お顔がとても赤いですが…もしかして熱が!?」
「ううん、多分違うと思う。……そういえばペネ、私のこと『エマ』って呼んでくれたね!」
「ふふ、勿論ですわ。今は二人だけですもの」
「ありがとう。…あのね、ペネ。ちょっと相談があるんだけど」
「!何ですか、何ですか?このペネ、エマのお役に立つとお約束しますわ」
「それがね――」
私はペネに気絶した理由を詳細に話して、どうしたら良いか相談してみた。ペネは見るからに恋愛上級者みたいだったからだ。
「へぇ~、なるほど、なるほど。(まさか騎士団団長までもがエマの虜になっているとは…)これは、本当に面白くなってきましたわ」
「?何が?」
「いえいえ、こちらのお話ですわ。コホンッ、私が思うにエマは今現在齢七歳にして、『モテ期』に突入したのですわ」
「も、ももも、モテ期!?」
まさかこの世界にもそのような言葉があるとは…
「はい。今下町で流行りの『君と永遠の愛を』という恋愛小説があるのですが、そこでは主人公の女の子が周りの男性たちにどんどん求婚される話で、それを俗に『モテ期』と言うらしいですわ」
「へえ~、ペネって下町の小説も読むんだね」
ペネはザ・お貴族様みたいだから下町の小説を読んでいるイメージは無かったけど。
「ええ、父が家にいた時はよく隠れて読んでいましたわ。…それはともかく、エマは今、沢山の麗しい殿方に囲まれているのですよ。…で、エマ的に誰が好きなのですか?」
「いや~、私はあまりそういうのは」
急に来ましたね…せっかくペネの方に話が傾きそうになったのに。ペネはそう言うけど、皆はたぶん私のことを妹みたいに接していると思うんだけど…
「ペネ、たぶんオリバーさんとか他の皆も私を妹として見てると思うよ。だって私はまだ七歳だし、オリバーさんとだって十八歳も離れているんだよ」
「いえ、私の目に狂いはありませんわ。皆さんのエマに向けるあの熱い視線!あれはもう確実にエマのことが大大大好きですわ」
「そ、そんなに?」
「はい、長らくエマの学園生活を観察してきましたが、あの方々の情熱は他の殿方と比べて飛び抜けていますわ」
うん?『観察してきた』?
「ねえ、ペネ。私のこと監視してたの?」
「か、監視なんて、まさか!私はただエマのことがとっても心配で…」
「本当に?」
「ええ、誓いますわ。だって、エマはまだ七歳。本来なら初等科なのですよ。四歳も年上の方々と一緒だなんてだれでも心配しますわ」
そうなのかな?まあ、一理あるけど。それに、特に支障があったわけでもないから…
「うん、そうだよね。ありがとう」
「いえいえ。それよりエマ。大会まであと少ししか時間がないから早速準備しますわよ」
「うん!」
私達は控室を出て準備室へと向かった。
=================================
???視点
「皆様ようこそいらして下さいました。これより三大宝石決定戦を開催します」
司会の方がそう言うと講堂内は一気に暗くなり音楽がなった。隣にはあのホール公爵ご本人が座っている。何でも公爵のご令嬢がこの大会に出場するらしい。そこで一緒に応援しないかと誘われ、公爵にはとてもお世話になっていたのでぜひということで一番前の特等席に座っている。何故か王国騎士団団長のクロス卿もいらっしゃるが気にしないほうが良いだろう……
そういえば妹も仲の良い友人がこの大会に出場すると言っていたな。名前は聞いていなかったが、最後に出るというのは聞いた。果たして妹がいつも私に自慢している令嬢はどんな方なのだろう…
「エントリーナンバー1、中等第三ガンマクラス、デアナ=バークリー嬢」
おお、早速始まったようだ。ふむ、見た目はそこそこだけど、中身の魔力は薄汚れている。何処にでもいる普通の令嬢だな。
「公爵のご令嬢はどんな方なのですか?」
「うん?ああ、とても愛らしくて天使のような容姿に心優しい性格の子だ」
そう言う公爵は噂される氷のような表情ではなく、蕩けた表情だった。
本当に娘さんを大切に思っているんだな。
公爵やクロス卿と他愛もない話をしているといつの間にか残り二人となっていた。
「エントリーナンバー8、中等第一ベータクラス、ミア=ローデス嬢」
うん?何だあの令嬢は……他の令嬢と比べて明らかに魔力が汚れている。それもドス黒く。長年あらゆる人達の魔力を見てきたが、あんなに汚れた魔力は見たことがない。うわ、目が合ってしまった。ええ~、笑いかけてきたよ、怖い怖い…
「公爵、あの子はどういう…」
「ああ、そなたでも気付くか。あの令嬢は私の娘にちょっかいを掛けてくる非常に迷惑な子なのだよ。いっそのことあの令嬢の家を潰そうかと思ったが、あまりにもその当主が可愛そうでな…」
家を潰すって…でもこの人ならやりかねない…
私が公爵の言葉に恐怖を抱いていると、その令嬢の発表が始まった。前の方の令嬢達はピアノや知識を披露していたが、果たしてあの令嬢は何をするのだろうか…
「私が今から披露するのは魔術です!今までは中等魔法しか出来なかったのですが、今回初めて高等魔術を披露します」
驚いた。あんなドス黒い魔力でも高等魔術が出来るのか!?見るからにまだ十代前半、中等第一ということは十一歳か?本当に大丈夫だろうか?
「ではいきます!高等魔術、光の砲弾!うわっ!」
まてまて、そんな攻撃魔法を大勢がいる前で普通放つか!?
令嬢が放った魔法はそのまま真っ直ぐ進み観客へと向かった。
これは大事になると思った私は直ぐにそこへ向かったが、ある人物が先に着いたかとおもうと、その人は何かつぶやいて、その直後には令嬢が放った魔法は跡形もなく消えてしまった。
ああ、こんな芸当が出来るのはあの方しかおられない。
「はあ~、折角私の大切な人の晴れ舞台を見ようと思ったのに、無駄な体力を使ってしまいました…ああ、疲れた」
疲れたと言っておきながら全然疲れていなさそうなこの方こそ、王国魔術師団の現帥団長、エルフィー=ホール様だ。それにしても高等魔術を消し去ってしまうとは本当に怖いな……そういえばホール卿がおっしゃった『大切な人』とは誰のことだろうか。ホール卿は魔術にしか興味がなかったはず。どういうことだ?
「流石だなエルフィー」
「おや、父上。それにオリバー、久しぶりですね。もしかして、お二人共あの天使を?」
「「勿論」」
私の予想からしてこの方々の目的は最後に登場する令嬢ではないか…今までのところ、どの令嬢に対しても興味を示していなかった。とういうことは、私とこの方々の目的(令嬢)は同じということか!?
「あ、ありがとうございます、ホール卿。で、では決定戦を再開します。因みに先程魔術を放った令嬢は退場という措置を取らせていただきました。続いてはエントリーナンバー9、中等第一デルタクラス、エマ=ホール嬢」
司会者がそう言うと観客は一気に静まった。そしてステージから出てきたのは文字通り『天使』だった。明らかに十一歳とは思えない、おそらく七、八歳ぐらいの女の子が出て来た。
ああ、この子が妹の友人で、公爵の令嬢、ホール卿の『大切な人』、エマ=ホール嬢か…
これはもうあの子の優勝だな。あれほど綺麗な魔力を見たことがない。
私は初めて初恋というのを経験した。
「う~ん…」
「あっ!目が覚めましたわね。おはようございます、エマ」
「うん?ペネ?」
「はい!」
目を開けると見慣れない天井があった。私はヒューに運ばれてきてここ、三大宝石決定戦の控室のソファーで眠っていたらしい。今控室にいるのはペネと私だけだった。私は何が起こったのか少しずつ思い出した。
確か魔術の実験が終わった後にお、オリバーさんが///うっ、考えただけでさっきの恥ずかしさが蘇ってくるよ…はあ~、久しぶりに会ったというのに、まさかオリバーさんにぷ、プロポーズされるとは…
「大丈夫ですか、エマ?お顔がとても赤いですが…もしかして熱が!?」
「ううん、多分違うと思う。……そういえばペネ、私のこと『エマ』って呼んでくれたね!」
「ふふ、勿論ですわ。今は二人だけですもの」
「ありがとう。…あのね、ペネ。ちょっと相談があるんだけど」
「!何ですか、何ですか?このペネ、エマのお役に立つとお約束しますわ」
「それがね――」
私はペネに気絶した理由を詳細に話して、どうしたら良いか相談してみた。ペネは見るからに恋愛上級者みたいだったからだ。
「へぇ~、なるほど、なるほど。(まさか騎士団団長までもがエマの虜になっているとは…)これは、本当に面白くなってきましたわ」
「?何が?」
「いえいえ、こちらのお話ですわ。コホンッ、私が思うにエマは今現在齢七歳にして、『モテ期』に突入したのですわ」
「も、ももも、モテ期!?」
まさかこの世界にもそのような言葉があるとは…
「はい。今下町で流行りの『君と永遠の愛を』という恋愛小説があるのですが、そこでは主人公の女の子が周りの男性たちにどんどん求婚される話で、それを俗に『モテ期』と言うらしいですわ」
「へえ~、ペネって下町の小説も読むんだね」
ペネはザ・お貴族様みたいだから下町の小説を読んでいるイメージは無かったけど。
「ええ、父が家にいた時はよく隠れて読んでいましたわ。…それはともかく、エマは今、沢山の麗しい殿方に囲まれているのですよ。…で、エマ的に誰が好きなのですか?」
「いや~、私はあまりそういうのは」
急に来ましたね…せっかくペネの方に話が傾きそうになったのに。ペネはそう言うけど、皆はたぶん私のことを妹みたいに接していると思うんだけど…
「ペネ、たぶんオリバーさんとか他の皆も私を妹として見てると思うよ。だって私はまだ七歳だし、オリバーさんとだって十八歳も離れているんだよ」
「いえ、私の目に狂いはありませんわ。皆さんのエマに向けるあの熱い視線!あれはもう確実にエマのことが大大大好きですわ」
「そ、そんなに?」
「はい、長らくエマの学園生活を観察してきましたが、あの方々の情熱は他の殿方と比べて飛び抜けていますわ」
うん?『観察してきた』?
「ねえ、ペネ。私のこと監視してたの?」
「か、監視なんて、まさか!私はただエマのことがとっても心配で…」
「本当に?」
「ええ、誓いますわ。だって、エマはまだ七歳。本来なら初等科なのですよ。四歳も年上の方々と一緒だなんてだれでも心配しますわ」
そうなのかな?まあ、一理あるけど。それに、特に支障があったわけでもないから…
「うん、そうだよね。ありがとう」
「いえいえ。それよりエマ。大会まであと少ししか時間がないから早速準備しますわよ」
「うん!」
私達は控室を出て準備室へと向かった。
=================================
???視点
「皆様ようこそいらして下さいました。これより三大宝石決定戦を開催します」
司会の方がそう言うと講堂内は一気に暗くなり音楽がなった。隣にはあのホール公爵ご本人が座っている。何でも公爵のご令嬢がこの大会に出場するらしい。そこで一緒に応援しないかと誘われ、公爵にはとてもお世話になっていたのでぜひということで一番前の特等席に座っている。何故か王国騎士団団長のクロス卿もいらっしゃるが気にしないほうが良いだろう……
そういえば妹も仲の良い友人がこの大会に出場すると言っていたな。名前は聞いていなかったが、最後に出るというのは聞いた。果たして妹がいつも私に自慢している令嬢はどんな方なのだろう…
「エントリーナンバー1、中等第三ガンマクラス、デアナ=バークリー嬢」
おお、早速始まったようだ。ふむ、見た目はそこそこだけど、中身の魔力は薄汚れている。何処にでもいる普通の令嬢だな。
「公爵のご令嬢はどんな方なのですか?」
「うん?ああ、とても愛らしくて天使のような容姿に心優しい性格の子だ」
そう言う公爵は噂される氷のような表情ではなく、蕩けた表情だった。
本当に娘さんを大切に思っているんだな。
公爵やクロス卿と他愛もない話をしているといつの間にか残り二人となっていた。
「エントリーナンバー8、中等第一ベータクラス、ミア=ローデス嬢」
うん?何だあの令嬢は……他の令嬢と比べて明らかに魔力が汚れている。それもドス黒く。長年あらゆる人達の魔力を見てきたが、あんなに汚れた魔力は見たことがない。うわ、目が合ってしまった。ええ~、笑いかけてきたよ、怖い怖い…
「公爵、あの子はどういう…」
「ああ、そなたでも気付くか。あの令嬢は私の娘にちょっかいを掛けてくる非常に迷惑な子なのだよ。いっそのことあの令嬢の家を潰そうかと思ったが、あまりにもその当主が可愛そうでな…」
家を潰すって…でもこの人ならやりかねない…
私が公爵の言葉に恐怖を抱いていると、その令嬢の発表が始まった。前の方の令嬢達はピアノや知識を披露していたが、果たしてあの令嬢は何をするのだろうか…
「私が今から披露するのは魔術です!今までは中等魔法しか出来なかったのですが、今回初めて高等魔術を披露します」
驚いた。あんなドス黒い魔力でも高等魔術が出来るのか!?見るからにまだ十代前半、中等第一ということは十一歳か?本当に大丈夫だろうか?
「ではいきます!高等魔術、光の砲弾!うわっ!」
まてまて、そんな攻撃魔法を大勢がいる前で普通放つか!?
令嬢が放った魔法はそのまま真っ直ぐ進み観客へと向かった。
これは大事になると思った私は直ぐにそこへ向かったが、ある人物が先に着いたかとおもうと、その人は何かつぶやいて、その直後には令嬢が放った魔法は跡形もなく消えてしまった。
ああ、こんな芸当が出来るのはあの方しかおられない。
「はあ~、折角私の大切な人の晴れ舞台を見ようと思ったのに、無駄な体力を使ってしまいました…ああ、疲れた」
疲れたと言っておきながら全然疲れていなさそうなこの方こそ、王国魔術師団の現帥団長、エルフィー=ホール様だ。それにしても高等魔術を消し去ってしまうとは本当に怖いな……そういえばホール卿がおっしゃった『大切な人』とは誰のことだろうか。ホール卿は魔術にしか興味がなかったはず。どういうことだ?
「流石だなエルフィー」
「おや、父上。それにオリバー、久しぶりですね。もしかして、お二人共あの天使を?」
「「勿論」」
私の予想からしてこの方々の目的は最後に登場する令嬢ではないか…今までのところ、どの令嬢に対しても興味を示していなかった。とういうことは、私とこの方々の目的(令嬢)は同じということか!?
「あ、ありがとうございます、ホール卿。で、では決定戦を再開します。因みに先程魔術を放った令嬢は退場という措置を取らせていただきました。続いてはエントリーナンバー9、中等第一デルタクラス、エマ=ホール嬢」
司会者がそう言うと観客は一気に静まった。そしてステージから出てきたのは文字通り『天使』だった。明らかに十一歳とは思えない、おそらく七、八歳ぐらいの女の子が出て来た。
ああ、この子が妹の友人で、公爵の令嬢、ホール卿の『大切な人』、エマ=ホール嬢か…
これはもうあの子の優勝だな。あれほど綺麗な魔力を見たことがない。
私は初めて初恋というのを経験した。
0
お気に入りに追加
309
あなたにおすすめの小説
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
転生悪役令嬢の前途多難な没落計画
一花八華
恋愛
斬首、幽閉、没落endの悪役令嬢に転生しましたわ。
私、ヴィクトリア・アクヤック。金髪ドリルの碧眼美少女ですの。
攻略対象とヒロインには、関わりませんわ。恋愛でも逆ハーでもお好きになさって?
私は、執事攻略に勤しみますわ!!
っといいつつもなんだかんだでガッツリ攻略対象とヒロインに囲まれ、持ち前の暴走と妄想と、斜め上を行き過ぎるネジ曲がった思考回路で突き進む猪突猛進型ドリル系主人公の(読者様からの)突っ込み待ち(ラブ)コメディです。
※全話に挿絵が入る予定です。作者絵が苦手な方は、ご注意ください。ファンアートいただけると、泣いて喜びます。掲載させて下さい。お願いします。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
幼女公爵令嬢、魔王城に連行される
けろ
恋愛
とある王国の公爵家の長女メルヴィナ・フォン=リルシュタインとして生まれた私。
「アルテミシア」という魔力異常状態で産まれてきた私は、何とか一命を取り留める。
しかし、その影響で成長が止まってしまい「幼女」の姿で一生を過ごすことに。
これは、そんな小さな私が「魔王の花嫁」として魔王城で暮らす物語である。
異世界転移した心細さで買ったワンコインの奴隷が信じられない程好みドストライクって、恵まれすぎじゃないですか?
sorato
恋愛
休日出勤に向かう途中であった筈の高橋 菫は、気付けば草原のど真ん中に放置されていた。
わけも分からないまま、偶々出会った奴隷商人から一人の男を購入する。
※タイトル通りのお話。ご都合主義で細かいことはあまり考えていません。
あっさり日本人顔が最も美しいとされる美醜逆転っぽい世界観です。
ストーリー上、人を安値で売り買いする場面等がありますのでご不快に感じる方は読まないことをお勧めします。
小説家になろうさんでも投稿しています。ゆっくり更新です。
ヤンデレ王子とだけは結婚したくない
小倉みち
恋愛
公爵令嬢ハリエットは、5歳のある日、未来の婚約者だと紹介された少年を見てすべてを思い出し、気づいてしまった。
前世で好きだった乙女ゲームのキャラクター、しかも悪役令嬢ハリエットに転生してしまったことに。
そのゲームの隠し攻略対象である第一王子の婚約者として選ばれた彼女は、社交界の華と呼ばれる自分よりもぽっと出の庶民である主人公がちやほやされるのが気に食わず、徹底的に虐めるという凄まじい性格をした少女であるが。
彼女は、第一王子の歪んだ性格の形成者でもあった。
幼いころから高飛車で苛烈な性格だったハリエットは、大人しい少年であった第一王子に繰り返し虐めを行う。
そのせいで自分の殻に閉じこもってしまった彼は、自分を唯一愛してくれると信じてやまない主人公に対し、恐ろしいほどのヤンデレ属性を発揮する。
彼ルートに入れば、第一王子は自分を狂わせた女、悪役令嬢ハリエットを自らの手で始末するのだったが――。
それは嫌だ。
死にたくない。
ということで、ストーリーに反して彼に優しくし始めるハリエット。
王子とはうまいこと良い関係を結びつつ、将来のために結婚しない方向性で――。
そんなことを考えていた彼女は、第一王子のヤンデレ属性が自分の方を向き始めていることに、全く気づいていなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる