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2章 幼少期編 II
65.岬公園 1
しおりを挟む観光の目玉になっている岬公園の〈岬展望台〉
とんがって突き出ている場所に立つと、障害物がいっさいない海を一望できる名スポットだと聞いている。
海風が凄いので「《危険》手すりにつかまっていないと吹き飛ばされます─自己責任─」という注意喚起は、刺激を欲しがる人々の好奇心を大いにくすぐり、宣伝などせずとも大変な人気を博しているそうだ。
……思うに、沈没する豪華客船タイタニッ…なんとかの映画「私、飛んでるわ」状態になるのではないかと思われる。
「飛んでいった奴っているのか?」
岬公園に近くなると砂利舗装された道になったので、ようやく雑談が出来るようになった。
「ああ、年に数件子供が飛ばされたと報告が上がっている。体が軽いからな」
「シュシュは間違いなく飛ぶな……行くなよ」
向かいに座るベール兄さまにキッと睨まれた。
「行きませんよ。そんなビュービュー風が吹く端っこなんて。空中街道の上より怖いではないですか。それよりベール兄さまはどうなのです? 好きですよね。高いところ」
「……そうだったな」
私の突っ込みに同意したアルベール兄さまは、やんちゃな弟をじろりと見た。
しかし悪戯が成功したかのような笑顔をニヒャッと返されてしまう。
「これを持ってきた」
チャキッと両手を顔の横に掲げる。
そして手にしたそれをカチカチと鳴らす。
なんと、ワンタッチフックであった。
「モジャ眼鏡たちに作ってもらった。見ろ、鎖付きだ」
フィカス・ベンジャミンは〈モジャ眼鏡〉の称号を第三王子から賜った。
「馬鹿者。そのフックは安全帯とセットになっている。服のベルトに付けてもズボンが脱げたらそれまでだ」
アルベール兄さまの言葉に、ベール兄さまの口は「あ」の形になった。
「不名誉な死にざまだなぁ、ベール」
遺体発見。パンツ一丁。
「プーーーーーッ」
「シュシュ! 想像するな!」
手すりに旗めく主なきズボン。
「ふっ……くっ!」
「兄上も!」
「う……うはっ」
赤くなって怒っていたが、ベール兄さまも一拍おいて笑いだした。
「うははははっ!」
どんな場面を想像したのか……
「ふふっ、くくっ、かははっ」
馬車を下りても小火はくすぶり続け……
「シュシューア、来なさい」
しばらくベールは使い物にならないと、アルベール兄さまは私を抱っこ装着した。
「くくくく」
相当ツボっているようだ。
どんな想像したのか知りたい。後で聞いてみよう。
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……では、またアレなところがありましたらコッソリ教えてくださいませm(__)m
更新をありがとうございます。
相変わらずとってもキュートなシュシューアちゃんにお会い出来て、とても嬉しいです。
イラストもどれも凄く雰囲気があって綺麗ですね。特に王妃様とレイラ様は溜め息が出るくらい美人で何度も見てしまいました✨
そしてベール兄様は、想像していたとおりな感じで可愛くて、シュシューアちゃんと手を繋いでいるイラストがお気に入りです。( *´艸`)
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設定ブログを見ていただけて嬉しいです。今、AIイラストにハマりまくっていますので、これからもガンガンつけ足していきますね(裏設定や番外編風イラストなど)
小説の方も新しい展開を予定しています。今後もよろしくおねがいします。
ファンタジー大賞の5万文字クリアもがんばります。