9 / 50
ヘンリエッタ・エヴァーガーデン
街の防衛
しおりを挟む
「この街に魔族……です。攻めてくる……です。急がないと全員死ぬ……です」
「行くぞ!ロク!!」
「分かっているわよ!!」
「加勢する……です!!」
こうしてヘンリエッタ、ロク、シーフを主軸とした、街の防衛が始まった。
「おいおい……こいつが魔族かよ」
「えぇ、そうよ」
シーフは魔族を見て率直な感想を言葉にする。
「聞いてた以上に脳筋っぽいな……」
「知能はそこまでないわ。さっさと片付けちゃいましょう」
「分かった!」
互いに少し距離を取り、魔族と交戦する二人。
「二人して私を無いもの扱い……です。酷い……です」
そう言って街全体に風の防御を張るヘンリエッタ。
「無詠唱かよ……。さすがロクと一緒に戦ってたやつだな……」
「すごいでしょ……です」
褒めて欲しそうにない胸を張るヘンリエッタ。こういう所は、ロクに少しだけ似ている。
「だが、風の防衛もいつまで保つか分からない。それに、防御を張る前に街の中に魔族が入ってきている。おい、ロク!この街には国の三分の一の人が住んでいる!ここで守りきらないと国は壊滅寸前まで陥るぞ!!」
「防衛している途中に余所見とは随分と生意気になったものね、シーフ!だけど、それは少し不味いわね!対象をこの街の中の者全員に絞って、時留めをしましょう!それから人だけを戻すわよ!」
「分かった!」
「「対象 街全体時留め」」
その瞬間、街全体の時が止まる。
「あぶねぇ…」
「まだ終わっていないわ!!街の中に魔族が入ってきているのよ!油断しないで!!」
「っ!?分かった!!」
よく見れば、街の外にいた魔族達がぞろぞろと入ってきている。それからは、時を止めた魔族と、街に入ってきた魔族の抹消を繰り返した。
「ロク、そっちいった……です」
「えぇ!シーフ、そっちに二体!」
「おう!ヘンリエッタ、防御の強化頼む!」
「わかった……です」
延々と、魔族の抹消を繰り返す。ヘンリエッタは、戦いには参加せず、街に防衛魔法をかけている。
「二人とも、魔族が少なくなってきた……です」
「おう!」
「ええ!」
二人は最後の踏ん張りを見せる。
「あと二体……です」
「丁度魔力が無くなってきたところだ……あぶねぇな」
「これぐらいで音を上げるとは……。フローリアはもっと手強いわよ?」
「それよりも魔族に集中して……です」
「「分かっている!!」」
二人は最後の一体ずつを倒した。
「「「やっと終わり……(です)」」」
三人の意見がシンクロした。その時ロクが声を上げた。
「まだよ!街の人達が戻っていないわ!」
「……でも」
「でも……です」
二人は腰を下ろす。二人の言いたい事が伝わったのか、ロクも腰を下ろす。
「「「魔力がない……(です)」」」
三人の意見がまたもシンクロしたところで、皆輪になって寝てしまった。
「「「明日でいいや……(です)」」」
次の日、無事に時間が戻った街の人達は、一日分の記憶が無くなっていたという……。
「行くぞ!ロク!!」
「分かっているわよ!!」
「加勢する……です!!」
こうしてヘンリエッタ、ロク、シーフを主軸とした、街の防衛が始まった。
「おいおい……こいつが魔族かよ」
「えぇ、そうよ」
シーフは魔族を見て率直な感想を言葉にする。
「聞いてた以上に脳筋っぽいな……」
「知能はそこまでないわ。さっさと片付けちゃいましょう」
「分かった!」
互いに少し距離を取り、魔族と交戦する二人。
「二人して私を無いもの扱い……です。酷い……です」
そう言って街全体に風の防御を張るヘンリエッタ。
「無詠唱かよ……。さすがロクと一緒に戦ってたやつだな……」
「すごいでしょ……です」
褒めて欲しそうにない胸を張るヘンリエッタ。こういう所は、ロクに少しだけ似ている。
「だが、風の防衛もいつまで保つか分からない。それに、防御を張る前に街の中に魔族が入ってきている。おい、ロク!この街には国の三分の一の人が住んでいる!ここで守りきらないと国は壊滅寸前まで陥るぞ!!」
「防衛している途中に余所見とは随分と生意気になったものね、シーフ!だけど、それは少し不味いわね!対象をこの街の中の者全員に絞って、時留めをしましょう!それから人だけを戻すわよ!」
「分かった!」
「「対象 街全体時留め」」
その瞬間、街全体の時が止まる。
「あぶねぇ…」
「まだ終わっていないわ!!街の中に魔族が入ってきているのよ!油断しないで!!」
「っ!?分かった!!」
よく見れば、街の外にいた魔族達がぞろぞろと入ってきている。それからは、時を止めた魔族と、街に入ってきた魔族の抹消を繰り返した。
「ロク、そっちいった……です」
「えぇ!シーフ、そっちに二体!」
「おう!ヘンリエッタ、防御の強化頼む!」
「わかった……です」
延々と、魔族の抹消を繰り返す。ヘンリエッタは、戦いには参加せず、街に防衛魔法をかけている。
「二人とも、魔族が少なくなってきた……です」
「おう!」
「ええ!」
二人は最後の踏ん張りを見せる。
「あと二体……です」
「丁度魔力が無くなってきたところだ……あぶねぇな」
「これぐらいで音を上げるとは……。フローリアはもっと手強いわよ?」
「それよりも魔族に集中して……です」
「「分かっている!!」」
二人は最後の一体ずつを倒した。
「「「やっと終わり……(です)」」」
三人の意見がシンクロした。その時ロクが声を上げた。
「まだよ!街の人達が戻っていないわ!」
「……でも」
「でも……です」
二人は腰を下ろす。二人の言いたい事が伝わったのか、ロクも腰を下ろす。
「「「魔力がない……(です)」」」
三人の意見がまたもシンクロしたところで、皆輪になって寝てしまった。
「「「明日でいいや……(です)」」」
次の日、無事に時間が戻った街の人達は、一日分の記憶が無くなっていたという……。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる