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場の収め方

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 俺とティナ、アクセル、アリス、アリシアが円に座り大自然の中でレーションを黙々と食べるお茶会なうである。
 「腹減ったなぁ……」と思わず俺が呟いた事から端を発したのだが、この馴染めない空気はどうしたもんだか…
 サバイバルキットのレーションは、やはり某カ〇リーメ〇ト的な物であったが、好みを選んで支給してもらえるらしくチーズ、メイプル、フルーツと三者三様であった。

 「クラタナさんとティナさんはどれになさいますか?」
 アクセルが気を利かせて聞いてくれたので、「すまんねぇ、ありがとう!」とお礼を言ってチーズを貰い、ティナはメイプルを貰った。
 
 隊員三人が各々の簡易ストーブでお湯を沸かしている。
 ぶっちゃけ、このシーンだけ見れば「何の集まり?」となる事間違い無い!

 そんな光景を眼にしていると「アレだよな、やっぱ備えはしっかりしてるんだなぁ……」と正直に思った事を口にした。

「だねぇ!」
ティナもそんな事を思っていたらしい。
 
「はは……一応規則ですからねぇ。幾ら教導隊とは言え、有事になれば前線に赴く事もありますからそれなりの準備は日頃からしているんですよ!」
 アクセルはそう説明してくれた。
(どうのこうの言っても、やっぱ俺らとは違うなぁ……)
 
 アリスとアリシアは黙々とお茶を入れて給仕役に徹しているwww

「ど、どうぞ……です!」とアリシアがお茶を持ってきてくれた。
 お礼を言って受け取ろうとした時、咄嗟に胸に眼が行ってしまった。だって、ヌラヌラ制服の前ボタンを何個か外して前屈みで渡してくれるんだもの。そりゃ見るわ!ああ!見ますとも!
「ロリ子。どうもありがとう!」
(ロリ子……お前はおっぱいだwwwそして合法ロリだ!)

「な、何がです?」と最初はキョトンとしていたアリシアであったが、アリスが自分の胸元を指差していたのでそれに気付き、顔を真っ赤にして一瞬で遠ざかった。

当然の事ながらティナは溜息を吐いてジト目で俺を見ていた。
(か、帰ったら恐ろしい事になるかな?またおっぱい演説しないとダメかな?)
 
 「なぁ、アクセル。君は視線行かないの?ロリ子だけに限らずさ、イロドリミドリじゃん?」

 アクセルは「ブフォッ!」と飲んでいたお茶を噴き出しそうになり「い、いや、そりゃ最初の頃はそんな事も有りましたが、い、今はもう無いですねぇ~。慣れは怖いものですね(笑)」
(あ~……やっぱアクセルでも最初はそうだったのね~www)
 
「マ~サ~キ~……」
 おどろおどろしい声が背後から聴こえたので振り返るとティナが思いっきり蔑んだ眼でこちらを見ていた。
(これはコレでそそられるのだが、今は抑えておこう……)

「わかった!わかったってば!ティナ、何度も言うが大きさでは無いのだぞ!」
(こんな所で何言わせんだよwww)

「ホントかなぁ……(ジト目)」
 全く信用してない眼である。

 そして、何を考えているのか、おもむろに前ボタンを外し出すアリスが目の端に止まった。
「おい!そこ!何してる!あたまおかしーだろ!」

「実験。ほんとに大きさじゃないのかなって……」
そう淡々と無表情で答えつつもボタンを外す手は止まらない。

「てか、やめろし!そんな実験するなよ!おい!ちょティナ!アリス止めて!え?!」
手で眼を覆いながら(一応変態紳士の体なので) ティナに助けを求めたが、ティナまでもがシャツのボタンを外し始めた。

「ちょ、なにしてんの?!ティナさん!何故貴方も脱ぎ出す!頼むから手を止めてアリスもとめてくれ!」

 アクセルとアリシアはオロオロしつつもしっかり見ているが、どう対応して良いのやら唯々見守るしか出来なかった。

「本当に大きさじゃ無いのならどっちが好きなんですか?」
 アリスは全く恥じらいを見せず、大きく胸元を開けマサキに問い掛けた。
 眼のやり場に困るマサキは、交互に地面と空に視線を泳がせてどうこの場を収めようかと考えて居たが、考えれば考える程何も思い浮かばなくなり、結局考えるのをやめたwww

「うわっはっはっはっは!お前ら!全く解ってない!全くもって浅はかなり!」

 突然高笑いをしたマサキは、眼がぐるぐる状態になり、とうとうリミッターが切れて変態モードに入ってしまった。
 そんな様子を見て一瞬ビクッとアリスとティナはなったが、熱くなっていた二人は少し冷静を取り戻し、傍から見ているアクセルとアリシアは未だ何が起きるのかと怯えた様子で見守る事しか出来なかった。

「よく聞けぇ!胸の大きさを比べるなんぞ笑止!お前らは他人の夢や希望を基準にして自分に優劣を付ける愚かな生き物なのか!否!断じて否だ!」

「え……?」
 とその場の四人は一様に一瞬にしてポカン顔になった。

「夢が小さくて何故それを馬鹿に出来よう!小さな希望を何故馬鹿に出来よう!愚かなお前らに教えてやる!今から言う事をしっかりと心に刻めるが良い!パンドラの箱はな、開けた事が罪では無いのだ!それはな、一番最後に希望が出たからなのだ!絶望の中、最後に希望が出たから人類は諦め切れないと言う感情を持つようになったのだ!そんな希望を何故嘲笑うことが出来るであろうか!希望は大きくても小さくても希望である!本質を見誤るな!夢も同じだ!お前らは他人の夢や希望の大きさで自分に価値をつけるのか!ならば小さな夢や希望は価値はないのか?否!断じて否だ!そうであってはならないのだ!もう一度言う。本質を見誤るな!夢や希望は大きさでは無い!その存在こそが至高であるのだ!はぁはぁ……」

 久しぶりに一気におっぱい論をぶちまけたマサキは、ポケットからタバコを取り出して大きく息を吸うように目を瞑り吹かし始めた。

 そんな何故かドヤ顔のマサキを見て一同唖然とし、誰一人も言葉を繋げる物は居なかった。

 妙な空気になり、何も無かったかの様にアリスもティナも無言でシャツのボタンを閉めてお茶を飲み始めた。
 そんな仕草を見てアリシアもはだけた胸元を隠す様にボタンを閉め始めた。
(あ、あれ……?なんか外した……?ま、場は収まったから良いか……どうしようもない状況になった時は、空気を読まず畳み掛けるように何か言った方が良いってのを何かで読んだんだけど、全くその通りなんだな……)

「く、クラタナさん……ま、まぁ取り敢えず落ち着いて……」
(ん、俺落ち着いてるよ。省エネ志向だもん。)

「大きさじゃないってのは分かりましたから、か、彼女等も理解した……と思いますよ!」
 アクセルが苦笑しながらマサキにフォローを入れた。

「あ、ああ。うん。ありがとう。ま、まぁ……ここだけの話……」
と小声でアクセルに耳打ちをする。
「実際、大きさは関係ないんだが……やっぱ好みって有るよねwwwニヤニヤ。それに、見せられるよりも盗み見る方が絶対的にエキサイトするよねぇ!」

 ブフォ!っとアクセルが吹き出し、反射的に女性陣が眼を向けるが何事も無かったのように眼鏡を直しながらこう言った。

「絶対に彼女等の前でそれは言わないで下さいね……とてもデリケートな事ですので……」
 と念を押されたマサキであった。
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