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変態紳士?降臨!
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マサキは取り敢えずスミスとアクセル(フレンドリーファイアで)を屠り、今はアリスを標的にして向かっている。
(アリスを飛び越えて着地、即信地回転で攻撃とか……出来るのかな?俺……)
着地の動作と信地回転の手順、そして攻撃、離脱と同時に出来るのかと不安になるが、やらなければどちらにせよ終わりは目に見えて居るので再度気合いを入れた。
「ザッ…………ティナ、着地と同時に180度回転するからリニアカノンで撃て!そしたら後ろ向きにジャンプして離脱にアルファに対応!着地の時舌噛むなよ!」
「ザザッ……了解。4時フォックスロット接近、距離1500、ブラボーは距離照準合わせなくても撃てば良いのね!」
「ガッ……それで良い!じゃ行くぞっ!」
シュゴゴォォオォォォォーとスーパーパックから轟音を立てながら魔力を吹き出してアリスの後方に強制着陸した。
モアの脚が、ほぼ降着姿勢程しゃがみこみ、立ち上がる瞬間に羽根を広げて回転した。
アリスは上方からの攻撃に目を瞑り、やり過ごそうと考えて居たが甘かった。モアのディスプレイには、自分と他の機体のマーカーが重なっている。
「え?!」
と思った瞬間、反射的に全力ブーストで回避行動を掛けるが、それよりも早くティナが至近距離でアリスにリニアカノンをお見舞いした。
マサキはバックでブースターに点火、マイナスGを身体に感じつつもジャンプしてアルファ呼称のジェニファーを視界に捉えた。
「おお!なんだあれ?あんな動きモアが出来るのか?平面の攻撃じゃダメか……」
ジェニファーは動きを見ながら、自分の出来る攻撃方法を思考していた。
「ザッ……ティナ、サンクス。着地衝撃の後のマイナスGはキッついなぁ!」
(レッドアウトとは逆で、目ん玉が置いて行かれそうな感覚だよな…いや、飛び出るって感じか?どうしても眼を閉じちゃうよ。)
「ザザッ……アレは気持ち悪いねぇ……特に眼が……あ、そう言えばさ、スチュアートさんとか出てる?」
「ザッ……いや、多分まだ出て無い。今ので三人だよな。あと四人か……かなり疲れるな、これは……」
「ザザッ……だねぇ……あ!アルファ9時、距離500、魔法発動、2秒後来るよ!」
「ザザッ……了解。右に避けたら強制着地、フルブーストでアルファに接近、駆逐する。」
ドゴォォォーっとジェニファーの放つフレアバーストが左側を掠め、マサキは冷や汗をかきながら強制着地のコマンドをコントローラーで入力した。
(そろそろコレも使えなくなるよなぁ……)
そう思った時、不意に着地してからの映像が頭によぎった。
「ガッ……ティナ!着地と同時に回避行動しつつリニアカノン!タッチアンドゴーで行く。」
「ガッ……了解!」
木々が生い茂る場所に強制着地する為、着地して直ぐに敵を視認する事は難しいが、元より待機していればなんの事は無い、変化が有る場所を見つけたら撃つだけだ。
そう考えジェニファーは有る一定の所で待機していた。
マサキは目の前のアルファよりも先程から一度も攻撃を仕掛けて来ないフォックスロットが気になってティナに指示を出した。
「ザッ……ティナ!フォックスロットの動きは?」
「ザザッ……フォックスロットは3時方向、距離1000!」
(ん、さっきから距離が縮まって無いな……なんか気味が悪いぞ……)
森の中に強制着地した途端、正面からフレアドライブの雨が降り注いだがティナが直ぐに応戦し、再ジャンプを掛けた。
(やっぱりなぁ、着地の時どうしても次の行動に入る迄にワンテンポ有るから、そこを狙って来ると思ったんだよな…)
モアは重力に逆らい飛ぶが、ジェニファーが追い討ちのフレアランスを発動した。
「ザッ……マサキ10時アルファ魔法発動!」
「ザッ……ティナ!フレア展開!!」
ティナは答えるよりも早くフレア展開スイッチを入れ後ろを振り向く。
すると、火の玉がモアの尻尾のあたりから数個ポンポンポンと吐き出されるのを眼にする。
ジェニファーが展開したフレアランスは軌道を変えその火の玉に吸い込まれて行った。
「ザッ……マサキ、アレどう云う仕組みなの?」
「ザザッ……さぁ?」と曖昧に返事をして、再ジャンプで更に高度を上げた。
高度を上げ、旋回中にM500の再装填を済まし、残りの四人の位置確認をした。
(ちょっと距離を取るか……)
と、スーパーパックに点火して近くに居るアルファとフォックスロットから離れ、当初予定していたいくつかの着地ポイントに着陸した。
(う~ん……白兵戦と言っても槍も剣も使えんし、俺の魔法もままならないからなぁ……どうしたもんだか……)
その頃、シャーロットとアリシアは
「ザッ……わ、私、あんな動きしてる相手に攻撃とか出来ないです。瞬殺ですよぉ~……」
「ザザッ……攻撃はしなくても良いから、相手がそっちに眼を向けさえすれば良いんだって!だから魔法は発動しなくても発動直前に止めれば良い。そうやって私を支援して!」
モアのレーダーには魔力感知と魔法発動感知がある。要はロックオン時と発射された時の違いだ。
シャーロットは、それをアリシアに頼みマサキを撹乱しようと考えていた。
「ザッ……うーん……アルファ、エコー、フォックスロットは未だ健在、ゴルフは最初から動きは無し。アルファは私達の11時方向、距離6000、エコーは2時方向、距離5500、フォックスロットは12時方向、距離5000、ゴルフはフォックスロットの後ろ12時方向で、距離8000よ。フォックスロット接触まで最短三分。」
(う~ん……背水の陣とはこの事か……どうする……)
「ザザッ……ティナ、アルファから片付ける。三度目の正直だ。それを片付けたら3時に移動しつつフォックスロットを叩く。多分と言うか、ゴルフはスチュアートだ。どのタイミングで出てくるか解らんからゴルフの動向にも注意してくれ!」
「ザッ……了解。私は何すればいい?」
「ザザッ……ん~、魔力感知と発動だけ気をつけてくれれば……てか、ティナは魔法撃てないの?」
「ザッ……撃てない事は無い事は無いと思うけど……」
「ザザッ……どっちなんだよ……(白目)リニアカノンはさっきも言ったけど前面と上方しか撃てないから側面援護でやって欲しかったんだけど……ま、良いか!」
「ザザッ……ゴメンね…」
(前も聞きそびれたけど、なんか魔法使うのに躊躇するのは、理由があるのか?治癒魔法は普通に使ってるんだけど……)
色々と思う所が有るが、今は目の前の敵(鬼ごっこだけど)を倒す事に集中しようとマサキは意識を入れ替えた。
(鬼ごっこって……俺が鬼なのに追われてる立場?あれ?何故こうなった……)
考えても仕方ないとばかりに、idle状態のスロットルをミリタリーパワーに上げ轟音を立てながらアルファに狙いを定めて加速した。
「ザッ……アルファ、距離1000、エンゲージまで五秒、魔力感知。発動、来るよ!」
(何がくる?ドライブかランスか?)
その瞬間、ドゴォォォーォォォっと森林の樹木を焼き払う様なフレアバーストが正面から迫った。
マサキは思い切り左足の鐙ペダルを引き、直ぐに右足のペダルを踏み込んで体制を立て直し、ギリギリの所で回避行動を取って速度を落とさないままジェニファーに突っ込んで行った。
「ザザッ……ティナ、牽制で良い!リニアカノン!すれ違いざまににチャフばらまけ!」
ティナにそう伝えると左手にコントローラーを持ち替えM500を抜いた。
直後ティナがリニアカノンを連射して牽制し、ジェニファーも華麗にモアを操り回避行動をしている。
(ほえ~……美味いもんだなぁ…なんつーか、動きがめっちゃ滑らかだわ……実際は素早く動いてるのにゆっくりに見える錯覚……)
そんな事を思いながらM500のハンマーを起こし接触のタイミングを見計らった。
次の瞬間正面に向けて一発、すれ違った後に後ろ向きに一発お見舞いしてやった。
ドゴォォォーン!ドゴォォォーン!シュババババッ!
目の前でスライム粘液が「どっぷぁぁぁ!」と卑猥な音を立てて爆発し、ジェニファーは「ひっ!」っと怯んで一瞬の反撃のタイミングを逃した。
それに追い討ちを掛けるかの如く、二発目がモアに「ぼちゃっっっ!」と着弾しジェニファーは粘液まみれのぬちゃぬちゃ状態になり戦意喪失した。
「な、なによぅ!これぇ!生暖かくてドロっとしてるぅ……」
チャフの金属片らしき物が空中にキラキラと舞う中、ジェニファーの乗ったモアのディスプレイには「Failed」の表示が点滅した。
そんな姿のジェニファーをわざわざ振り向いて確認。
「いやっほぅ!ワッフル!ワッフル!ブッカケ成功!」
とマサキは独りでガッツポーズをした。
「ザザッ……マサキ…………最低だよ……アレ……(ドン引き)」
(その反応待ったましたぁ!)
「ザッ……どうよ~!特製スライムバースト弾の威力はっ!(ドヤ顔)」
「ザザッ……本当なら凄いって言える所だけど、敢えて言うわよ!マサキ最っ低!」
「ザザッ……最っ低頂きましたァ~!でゅふでゅふ……後でジェニファーに感想聞いてみよっと!あのボンキュッボンが粘液まみれに……うしし……」
マサキはにやけ顔で笑いを堪え切れない状態であった。
この時、ティナはこれ以上何を言っても、この変態には無駄だと思った。そして、いつ、その変態行為が自分に向けられるのだろうかと同時に恐怖した。
「ザッ……ティナ、次行くぞ!目標フォックスロット。距離宜しく。でゅふでゅふ……」
「ザザッ……はぁ……りょ~かい~。え~、フォックスロットぉ~……12時方向~、距離2000~、接触まで10秒~。以上。」
「ザザッ……おいおいティナさんや、そんな露骨にやる気無くさんでくれよ。ぷっ……くくく……」
「シー……パチッ……あんなやり方でねぇ……ヤル気とか言われても……ねぇ……」
(お、おっさん、ちょっと頑張っちゃうぞぃ!い、幼気な少女達を粘液まみれにして……うほっ!超ヤル気出てきた!)
この時、マサキのスイッチが入った。別の言い方をすれば「種が割れた」である。
攻撃目標及び、鬼ごっこのタッチはマサキのスイッチが入った時点で反故になり、目的は「幼気な少女にブッカケ!」が目標になってしまった。がティナを始め、他の真面目に鬼ごっこと言う模擬戦を行ってる隊員達も気付かなかった。
(ムフフフフ……次は誰だ?ながもんか?ロリ子か?俺様に歯向かおうとは良い度胸だ!その行い、粘液まみれで凌辱という形で償ってもらおう!ふはははは!)
凌辱シーンを見たい為にスーパーパックもブーストパックも点火し続け全開でフォックスロット(ロリ子)に迫る。
アリシアはビクッと背中に悪寒が走り徐々にモアの速度を落とした。
「な、なんです?こ、この悪寒は……と、とてつもなく、身の危険を感じるです……」
アリシアの行動に異変を感じたシャーロットから連絡が入った。
「ザッ……アリシア~!ち、ちょっとスピード落ちてるよ~!言った通りにやってくれないと私も攻撃出来ないでしょ~!」
「ザザッ……シャーロット……さ、さっき、あ、貴方は何か感じませんでしたか?わ、私は感じましたです。あ、アレはヤバいです。か、回避行動に移ります!」
と、アリシアは突如急制動を掛け、来た方角にフルブーストで逆戻りしてしまった。
「ザザッ……ちょ!ちょっと!アリシア!アリシアったら!どこ行くよの!」
思わぬ展開にシャーロットも焦りを隠せなかった。
「ザッ……マサキ、何故か急にフォックスロットが離れて行きます。」
(なん……だと……ちっ……我から逃げれるとでも思っているのかっ!ブッカケる迄は地の果てでも追ってやるわ……)
マサキはティナの応答に物理的には答えず、脳内で対応していた。
「ザザッ……マサキ?どうしたの?」
ティナは、後ろからマサキの乗っている前を少し覗いて見るが、表情は伺い知れない。
「ちょっと……何よ、アリシアったら……急にビビっちゃって。そ、そりゃ私も急に悪寒を感じたけど、戦場だったらいつものことでしょっ!」
シャーロットは悪寒と殺気を勘違いしていた。どちらも本能的に感じる物で、身の危険と言う意味では同じ意味合いだが、今回はまた違った身の危険であった。がそこまでの違いを理解出来ないで居た。
フル加速でシャーロットを迎撃するマサキの脳内には、既に粘液まみれのシャーロットの画像が再生されており、今か今かと待ちわびたように、硬くて長いビッグマグナム(M500)を握り締めて居た。
(アリスを飛び越えて着地、即信地回転で攻撃とか……出来るのかな?俺……)
着地の動作と信地回転の手順、そして攻撃、離脱と同時に出来るのかと不安になるが、やらなければどちらにせよ終わりは目に見えて居るので再度気合いを入れた。
「ザッ…………ティナ、着地と同時に180度回転するからリニアカノンで撃て!そしたら後ろ向きにジャンプして離脱にアルファに対応!着地の時舌噛むなよ!」
「ザザッ……了解。4時フォックスロット接近、距離1500、ブラボーは距離照準合わせなくても撃てば良いのね!」
「ガッ……それで良い!じゃ行くぞっ!」
シュゴゴォォオォォォォーとスーパーパックから轟音を立てながら魔力を吹き出してアリスの後方に強制着陸した。
モアの脚が、ほぼ降着姿勢程しゃがみこみ、立ち上がる瞬間に羽根を広げて回転した。
アリスは上方からの攻撃に目を瞑り、やり過ごそうと考えて居たが甘かった。モアのディスプレイには、自分と他の機体のマーカーが重なっている。
「え?!」
と思った瞬間、反射的に全力ブーストで回避行動を掛けるが、それよりも早くティナが至近距離でアリスにリニアカノンをお見舞いした。
マサキはバックでブースターに点火、マイナスGを身体に感じつつもジャンプしてアルファ呼称のジェニファーを視界に捉えた。
「おお!なんだあれ?あんな動きモアが出来るのか?平面の攻撃じゃダメか……」
ジェニファーは動きを見ながら、自分の出来る攻撃方法を思考していた。
「ザッ……ティナ、サンクス。着地衝撃の後のマイナスGはキッついなぁ!」
(レッドアウトとは逆で、目ん玉が置いて行かれそうな感覚だよな…いや、飛び出るって感じか?どうしても眼を閉じちゃうよ。)
「ザザッ……アレは気持ち悪いねぇ……特に眼が……あ、そう言えばさ、スチュアートさんとか出てる?」
「ザッ……いや、多分まだ出て無い。今ので三人だよな。あと四人か……かなり疲れるな、これは……」
「ザザッ……だねぇ……あ!アルファ9時、距離500、魔法発動、2秒後来るよ!」
「ザザッ……了解。右に避けたら強制着地、フルブーストでアルファに接近、駆逐する。」
ドゴォォォーっとジェニファーの放つフレアバーストが左側を掠め、マサキは冷や汗をかきながら強制着地のコマンドをコントローラーで入力した。
(そろそろコレも使えなくなるよなぁ……)
そう思った時、不意に着地してからの映像が頭によぎった。
「ガッ……ティナ!着地と同時に回避行動しつつリニアカノン!タッチアンドゴーで行く。」
「ガッ……了解!」
木々が生い茂る場所に強制着地する為、着地して直ぐに敵を視認する事は難しいが、元より待機していればなんの事は無い、変化が有る場所を見つけたら撃つだけだ。
そう考えジェニファーは有る一定の所で待機していた。
マサキは目の前のアルファよりも先程から一度も攻撃を仕掛けて来ないフォックスロットが気になってティナに指示を出した。
「ザッ……ティナ!フォックスロットの動きは?」
「ザザッ……フォックスロットは3時方向、距離1000!」
(ん、さっきから距離が縮まって無いな……なんか気味が悪いぞ……)
森の中に強制着地した途端、正面からフレアドライブの雨が降り注いだがティナが直ぐに応戦し、再ジャンプを掛けた。
(やっぱりなぁ、着地の時どうしても次の行動に入る迄にワンテンポ有るから、そこを狙って来ると思ったんだよな…)
モアは重力に逆らい飛ぶが、ジェニファーが追い討ちのフレアランスを発動した。
「ザッ……マサキ10時アルファ魔法発動!」
「ザッ……ティナ!フレア展開!!」
ティナは答えるよりも早くフレア展開スイッチを入れ後ろを振り向く。
すると、火の玉がモアの尻尾のあたりから数個ポンポンポンと吐き出されるのを眼にする。
ジェニファーが展開したフレアランスは軌道を変えその火の玉に吸い込まれて行った。
「ザッ……マサキ、アレどう云う仕組みなの?」
「ザザッ……さぁ?」と曖昧に返事をして、再ジャンプで更に高度を上げた。
高度を上げ、旋回中にM500の再装填を済まし、残りの四人の位置確認をした。
(ちょっと距離を取るか……)
と、スーパーパックに点火して近くに居るアルファとフォックスロットから離れ、当初予定していたいくつかの着地ポイントに着陸した。
(う~ん……白兵戦と言っても槍も剣も使えんし、俺の魔法もままならないからなぁ……どうしたもんだか……)
その頃、シャーロットとアリシアは
「ザッ……わ、私、あんな動きしてる相手に攻撃とか出来ないです。瞬殺ですよぉ~……」
「ザザッ……攻撃はしなくても良いから、相手がそっちに眼を向けさえすれば良いんだって!だから魔法は発動しなくても発動直前に止めれば良い。そうやって私を支援して!」
モアのレーダーには魔力感知と魔法発動感知がある。要はロックオン時と発射された時の違いだ。
シャーロットは、それをアリシアに頼みマサキを撹乱しようと考えていた。
「ザッ……うーん……アルファ、エコー、フォックスロットは未だ健在、ゴルフは最初から動きは無し。アルファは私達の11時方向、距離6000、エコーは2時方向、距離5500、フォックスロットは12時方向、距離5000、ゴルフはフォックスロットの後ろ12時方向で、距離8000よ。フォックスロット接触まで最短三分。」
(う~ん……背水の陣とはこの事か……どうする……)
「ザザッ……ティナ、アルファから片付ける。三度目の正直だ。それを片付けたら3時に移動しつつフォックスロットを叩く。多分と言うか、ゴルフはスチュアートだ。どのタイミングで出てくるか解らんからゴルフの動向にも注意してくれ!」
「ザッ……了解。私は何すればいい?」
「ザザッ……ん~、魔力感知と発動だけ気をつけてくれれば……てか、ティナは魔法撃てないの?」
「ザッ……撃てない事は無い事は無いと思うけど……」
「ザザッ……どっちなんだよ……(白目)リニアカノンはさっきも言ったけど前面と上方しか撃てないから側面援護でやって欲しかったんだけど……ま、良いか!」
「ザザッ……ゴメンね…」
(前も聞きそびれたけど、なんか魔法使うのに躊躇するのは、理由があるのか?治癒魔法は普通に使ってるんだけど……)
色々と思う所が有るが、今は目の前の敵(鬼ごっこだけど)を倒す事に集中しようとマサキは意識を入れ替えた。
(鬼ごっこって……俺が鬼なのに追われてる立場?あれ?何故こうなった……)
考えても仕方ないとばかりに、idle状態のスロットルをミリタリーパワーに上げ轟音を立てながらアルファに狙いを定めて加速した。
「ザッ……アルファ、距離1000、エンゲージまで五秒、魔力感知。発動、来るよ!」
(何がくる?ドライブかランスか?)
その瞬間、ドゴォォォーォォォっと森林の樹木を焼き払う様なフレアバーストが正面から迫った。
マサキは思い切り左足の鐙ペダルを引き、直ぐに右足のペダルを踏み込んで体制を立て直し、ギリギリの所で回避行動を取って速度を落とさないままジェニファーに突っ込んで行った。
「ザザッ……ティナ、牽制で良い!リニアカノン!すれ違いざまににチャフばらまけ!」
ティナにそう伝えると左手にコントローラーを持ち替えM500を抜いた。
直後ティナがリニアカノンを連射して牽制し、ジェニファーも華麗にモアを操り回避行動をしている。
(ほえ~……美味いもんだなぁ…なんつーか、動きがめっちゃ滑らかだわ……実際は素早く動いてるのにゆっくりに見える錯覚……)
そんな事を思いながらM500のハンマーを起こし接触のタイミングを見計らった。
次の瞬間正面に向けて一発、すれ違った後に後ろ向きに一発お見舞いしてやった。
ドゴォォォーン!ドゴォォォーン!シュババババッ!
目の前でスライム粘液が「どっぷぁぁぁ!」と卑猥な音を立てて爆発し、ジェニファーは「ひっ!」っと怯んで一瞬の反撃のタイミングを逃した。
それに追い討ちを掛けるかの如く、二発目がモアに「ぼちゃっっっ!」と着弾しジェニファーは粘液まみれのぬちゃぬちゃ状態になり戦意喪失した。
「な、なによぅ!これぇ!生暖かくてドロっとしてるぅ……」
チャフの金属片らしき物が空中にキラキラと舞う中、ジェニファーの乗ったモアのディスプレイには「Failed」の表示が点滅した。
そんな姿のジェニファーをわざわざ振り向いて確認。
「いやっほぅ!ワッフル!ワッフル!ブッカケ成功!」
とマサキは独りでガッツポーズをした。
「ザザッ……マサキ…………最低だよ……アレ……(ドン引き)」
(その反応待ったましたぁ!)
「ザッ……どうよ~!特製スライムバースト弾の威力はっ!(ドヤ顔)」
「ザザッ……本当なら凄いって言える所だけど、敢えて言うわよ!マサキ最っ低!」
「ザザッ……最っ低頂きましたァ~!でゅふでゅふ……後でジェニファーに感想聞いてみよっと!あのボンキュッボンが粘液まみれに……うしし……」
マサキはにやけ顔で笑いを堪え切れない状態であった。
この時、ティナはこれ以上何を言っても、この変態には無駄だと思った。そして、いつ、その変態行為が自分に向けられるのだろうかと同時に恐怖した。
「ザッ……ティナ、次行くぞ!目標フォックスロット。距離宜しく。でゅふでゅふ……」
「ザザッ……はぁ……りょ~かい~。え~、フォックスロットぉ~……12時方向~、距離2000~、接触まで10秒~。以上。」
「ザザッ……おいおいティナさんや、そんな露骨にやる気無くさんでくれよ。ぷっ……くくく……」
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(お、おっさん、ちょっと頑張っちゃうぞぃ!い、幼気な少女達を粘液まみれにして……うほっ!超ヤル気出てきた!)
この時、マサキのスイッチが入った。別の言い方をすれば「種が割れた」である。
攻撃目標及び、鬼ごっこのタッチはマサキのスイッチが入った時点で反故になり、目的は「幼気な少女にブッカケ!」が目標になってしまった。がティナを始め、他の真面目に鬼ごっこと言う模擬戦を行ってる隊員達も気付かなかった。
(ムフフフフ……次は誰だ?ながもんか?ロリ子か?俺様に歯向かおうとは良い度胸だ!その行い、粘液まみれで凌辱という形で償ってもらおう!ふはははは!)
凌辱シーンを見たい為にスーパーパックもブーストパックも点火し続け全開でフォックスロット(ロリ子)に迫る。
アリシアはビクッと背中に悪寒が走り徐々にモアの速度を落とした。
「な、なんです?こ、この悪寒は……と、とてつもなく、身の危険を感じるです……」
アリシアの行動に異変を感じたシャーロットから連絡が入った。
「ザッ……アリシア~!ち、ちょっとスピード落ちてるよ~!言った通りにやってくれないと私も攻撃出来ないでしょ~!」
「ザザッ……シャーロット……さ、さっき、あ、貴方は何か感じませんでしたか?わ、私は感じましたです。あ、アレはヤバいです。か、回避行動に移ります!」
と、アリシアは突如急制動を掛け、来た方角にフルブーストで逆戻りしてしまった。
「ザザッ……ちょ!ちょっと!アリシア!アリシアったら!どこ行くよの!」
思わぬ展開にシャーロットも焦りを隠せなかった。
「ザッ……マサキ、何故か急にフォックスロットが離れて行きます。」
(なん……だと……ちっ……我から逃げれるとでも思っているのかっ!ブッカケる迄は地の果てでも追ってやるわ……)
マサキはティナの応答に物理的には答えず、脳内で対応していた。
「ザザッ……マサキ?どうしたの?」
ティナは、後ろからマサキの乗っている前を少し覗いて見るが、表情は伺い知れない。
「ちょっと……何よ、アリシアったら……急にビビっちゃって。そ、そりゃ私も急に悪寒を感じたけど、戦場だったらいつものことでしょっ!」
シャーロットは悪寒と殺気を勘違いしていた。どちらも本能的に感じる物で、身の危険と言う意味では同じ意味合いだが、今回はまた違った身の危険であった。がそこまでの違いを理解出来ないで居た。
フル加速でシャーロットを迎撃するマサキの脳内には、既に粘液まみれのシャーロットの画像が再生されており、今か今かと待ちわびたように、硬くて長いビッグマグナム(M500)を握り締めて居た。
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辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
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『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
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