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鬼ごっこと言う名の模擬戦
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「ザッ……ティナ、索敵開始!」
そう言いつつマサキは300系モアを加速させた。荷重が後ろに掛かり、肺の空気が押し出される。
シュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「ガッ……了解。今の所はまだ見えないよ!」
ティナは一瞬顔を歪めたが、暫くするといつも通りのニュートラルな表情に戻り、言われた仕事を卒無くこなしている。
(こっからじゃ後ろのティナの様子は伺えないけど、実際優秀だよなぁ…言われたら一回で覚えるし……いや、アルフレッドさんの教育のお陰なのか?俺には到底無理な芸当だわ……)
そんな事を考えながら、マサキは、手網コントローラーを手前に引き、加速状態でジャンプした。
グンッ!と上からの重さを身体に感じてモアは高く跳躍した。
その頃、隊員達は散開して待機してた。
部隊全員が共闘を組んで二グループづつ攻撃を仕掛ける予定だ。
「ザザッ……各員、これよりクラタナさんのモアはロメオと呼称。先程の作戦通りに、相手に休む間を与えないよう順次攻撃開始。相手の対応が解らない現在は無理はするな。攻撃タイミングで反撃される様なら、即その場から離脱で次に備えよ!あと、各機の位置関係を注意。以上。ではエンゲージ開始!」
「了解!」
とスチュアートの無線に全員が呼応する。
一番手の火蓋を切ったのはジェニファーのグループであった。
「ザザッ……アリス!フレアバーストで対空迎撃!みてあれ!モアが飛んでる!有り得なくない?」
「ガッ……了解ジェニファー。射撃軸線確認。アレはただのジャンプよ。」
「ザザッ……あんなに高く飛んでwww飛んでるのかと思ったわ!こちらジェニファー、各員、ロメオ9時方向からフレアバーストを発動する。軸線に居るものは退避宜しく。」
「シー……了解、私達は後ろから狙う。」
とシャーロット、アリシアグループから応答が入る。
スチュアートは指揮をする為少し離れた所から戦況を観察して居た。
「ザッ……マサキ、9時アルファ、6時ブラボー魔力発動確認。」
「ガッ……了解、んじゃ、アルファから蹴散らす、ブースター起動するから舌噛むなよ。ストライカーパックの火器管制頼む。」
「ザッ……了解。」
ティナの返事と同時にアリスがフレアバーストをマサキに目掛けて撃った。 ドゴォォォっと火炎放射器の強力版の様な炎がマサキとティナが乗ったモアを襲う。数秒前までいた所に炎が走り強烈な熱を肌に感じた。
「うわっ!やっべ!熱が凄い事になってるぞ……」
何かしら攻撃されるのは解って居たので、マサキは左脚を踏み込み、追加装備のブースターを点火しながら攻撃して来るアリスに片方の羽根を広げ空中でモアの向きを変えた。
かなり無理矢理方向転換をしたので激しい横Gが二人を襲い、マサキは照準を定められないで居た。
「クソッ!」
人は撃たれたら反射的に撃ち返すもので、禄に照準も決めないままストライカーパックに搭載されているリニアカノンを発射した。
ズビュシュュュュュュューン!
青白い光を放ちながら一直線に線が伸びるが、当然アリスから離れた所に着弾した。
後ろから狙っていたシャーロットは、マサキ達が向きを変えた為、ガラ空きの側面からアリスの攻撃の続け様にフレアランスを撃ち込んだ。
「ザザッ……9時、ブラボーから魔法発動。」
「ザッ……ティナ!チャフディスペンサー!一旦降りる、座標は?」
ティナはチャフをシュパパパっと放ち、ゆっくりと落下していくそれにフレアランスが吸い込まれる。
「ザザッ……この位置だと、進路300、距離800」
横向きに滑空しながらリニアカノンでアリスに向けて牽制し、めいいっぱい今度は右足を踏み込み、向きを変えて着地ポイントに加速した。
「ザッ……そろそろ俺らも行くか!」
事の成り行きを見ていたアクセルがスミスに通信を入れる。
「ジーザザッ……そうですね、私達の出番が無くなる前に行かないと本当にやる事が無くなりそうですしね(笑)」
スチュアート同様、スミスも暫くクラタナの軌道や戦い方を観察していたが、アクセルにそう言われモアの移動を開始する。
「ザッ……それな~!」
「ザザッ……アクセル、油断は禁物です。対空迎撃は私がやりますので貴方は着地した時を狙って下さい!」
「ザザッ……了解。俺がやる前に焼き鳥にすんなよ!」
アクセルは余興を楽しむ様に答えモアをマサキ達に向けて加速した。
「シー……ははは。出来る事ならそうしたいですが、それは無理でしょうね……」とスミスは糸目の眼を開いた。
「ガッ……ティナ!大丈夫か?」
とマサキはティナに通信を入れて安否の確認を取る。
「ザザッ……私は大丈夫。次、12時チャーリー、2時デルタ距離1500。」
「ガッ……チャーリー、デルタ、1500了解。タッチアンドゴーはしないで着地後、スーパーパック点火、チャーリーに向かう。」
(いゃぁ~……流石と言うべきなのか、ただ単に俺がヘタレだからなのかわからんけど、やっぱ7対1だとキツいわ……っても、まだ全員出て来てないよな……
マサキは、今更ながら少々自分の提案した案を後悔する。
着地に備えて両翼を広げ、直ぐ様強烈な衝撃がマサキ達を襲うが、着地と同時に両翼に装備しているスーパーパックに点火して、お構い無しにチャーリーに向けて加速した。そして左手で右手の手網コントローラーを持ち替え、ホルスターからM500を抜いた。
「ザザッ……チャーリーとエンゲージ後ジャンプ。方向転換してデルタに対応!」
「ガッ……了解。6時からアルファ、魔力感知!」
ティナは四方から迫る隊員の動きを逐一観察して脅威の警戒に追われている。
(こんなの、身体強化して無かったら持たないじゃないの~!)
「ザッ……アクセル、こっちにロメオが突っ込んで来るから、後の対応頼むぞ!」
とスミスは言いながらリニアカノンの照準をマサキ達に合わせ、 セーフティーを解除し連続発射した。
マサキの後方からジェニファーがフレアドライブを連射するが中々致命傷を与えられないでいた。
右に左にとモアを振りながらスミスとジェニファーからの攻撃
を避けながら、接触直前にモアをジャンプさせる。その瞬間左下に見えるスミスを上方からM500を発射した。
ドゴォォォーン!ドゴォォォーン!ドゴォォォーン!
と三発撃ち辺りは火の海……では無くスライムの海になった。
すれ違いざまに、上方からの攻撃を喰らいスミスは呆気に取られ、周りの状況に更に唖然とした。
「な、なんだコレは……」とドロドロのになっている一帯を見回した。
「ザッ……何アレ……」
とティナが嫌な表情をしながらマサキに言った。
「ザザッ……いや、リニアカノンって前方しか撃てないから、保険で直前にM500用の模擬弾作っといた!直撃しなくても粘液まみれになる特別性スライムバースト弾だぞ!」
実は硬竹採取の際、魔虫を撃退して魔石を拾ったのだが、その時にマサキは何個かちょろまかしていたのであった。その魔石を弾頭に仕込んで、着弾と同時にゲル状のスライムを爆発させる「ブッカケ弾」を造っていた。
「ザザッ……マサキぃ~……(白目)」
ティナは呆れたように呟いた。
「ザザッ……俺的には野郎に粘液はアレだけどな……」
当然、当初の目的は女子隊員に発射して粘液まみれにするつもりだったが、最初の相手が男とは……と着弾の確認もせずデルタに向かうのであった。
後から現場に着いたジェニファーはスミスの様を見て唖然とする。
何が起こったのか解らないアクセルは、スミスに連絡するが応答は無かった。
「まさか、スミスがやられたのか?」
信じられないと言わんばかりにアクセルは頭を振り、鬼ごっことは言え、仲間がやられたことに対して怒りをぶつけるべくマサキ達に襲い掛かった。
行動不能になった時は、他との通信は禁止されているのでスミスはじっと事の成り行きを見ているしか無く、自機の状態を表す MFDにはFailedの文字が表示されて居た。
「な、なんなんだ……あの人は……」
「ザッ……マサキ、デルタまで距離500、9時アルファ、3時ブラボー、6時エコー接近。エコーからの魔力確認。」
(人が多い、仕事が多い、もっとサクッとやるつもりだったんだが、現実はそうは甘くないか……)
マサキは前方から来るアクセルの左側に向けて二段ジャンプを加速させた。
(何となく動作のコツを覚えてきたぞ!慣性の法則で落下、若しくは滑空するより、他の推力を使って目標ポイントに到達した方が効率的だよな。)
アクセルのモアは走りながら上空から来るマサキに狙いを定めてリニアカノンを連射した。
「くっそ!なぜ当たらん!」
「ザザッ……マサキ!3時ブラボー!6時エコー!2秒後魔法発動!」
「ザッ……了解。デルタと接触後、即ジャンプ、ブラボーに向き直りリニアカノンで攻撃。」
「ザザッ……了解。」
きっちり2秒後、6時方向に居たアリシアからのフレアバーストが空を切り、マサキのモアはスーパーパックの推力を使ってアクセルの左側に着地。と、同時に3時方向に居るアリスがフレアドライブを発動させた。
(よし!掛かった!)
着地と同時にジャンプし、アリスの放ったフレアドライブはアクセルに直撃した。
「ばっ!お前!」
ズドドドドっとフレアドライブがモアに吸い込まれてアクセルは行動不能に陥った。
その間にマサキは進路をアリスに向け加速し、ティナはリニアカノンでアリスを捉えた。
「ん?動きが変わった?」
とスチュアートは未だ戦況の観察をしている。
ジェニファーはアクセルがフレンドリーファイアされるのを目撃し、アリスから直角の方向に移動した。
「ふ~ん。クラタナさん、結構やるのね。スミスもあんなになっちゃうしwww」
既にスミス、アクセルと行動不能にされ、不安を隠せないアリスが闇雲にリニアカノンを撃って来た。
「私のミスでアクセルが行動不能に……」
「ザッ……ティナ、次は飛び越えて後ろに回り込むぞ!かなり無理な軌道するけど踏ん張れ!」
その間もティナはリニアカノンで応戦する。
「ザッ……了解。もうずっと踏ん張ってるわよっ!9時アルファ、距離2000。4時フォックスロット、距離3000!」
くぅ~!あと五人も居るのかよ~……(白目)
そう言いつつマサキは300系モアを加速させた。荷重が後ろに掛かり、肺の空気が押し出される。
シュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「ガッ……了解。今の所はまだ見えないよ!」
ティナは一瞬顔を歪めたが、暫くするといつも通りのニュートラルな表情に戻り、言われた仕事を卒無くこなしている。
(こっからじゃ後ろのティナの様子は伺えないけど、実際優秀だよなぁ…言われたら一回で覚えるし……いや、アルフレッドさんの教育のお陰なのか?俺には到底無理な芸当だわ……)
そんな事を考えながら、マサキは、手網コントローラーを手前に引き、加速状態でジャンプした。
グンッ!と上からの重さを身体に感じてモアは高く跳躍した。
その頃、隊員達は散開して待機してた。
部隊全員が共闘を組んで二グループづつ攻撃を仕掛ける予定だ。
「ザザッ……各員、これよりクラタナさんのモアはロメオと呼称。先程の作戦通りに、相手に休む間を与えないよう順次攻撃開始。相手の対応が解らない現在は無理はするな。攻撃タイミングで反撃される様なら、即その場から離脱で次に備えよ!あと、各機の位置関係を注意。以上。ではエンゲージ開始!」
「了解!」
とスチュアートの無線に全員が呼応する。
一番手の火蓋を切ったのはジェニファーのグループであった。
「ザザッ……アリス!フレアバーストで対空迎撃!みてあれ!モアが飛んでる!有り得なくない?」
「ガッ……了解ジェニファー。射撃軸線確認。アレはただのジャンプよ。」
「ザザッ……あんなに高く飛んでwww飛んでるのかと思ったわ!こちらジェニファー、各員、ロメオ9時方向からフレアバーストを発動する。軸線に居るものは退避宜しく。」
「シー……了解、私達は後ろから狙う。」
とシャーロット、アリシアグループから応答が入る。
スチュアートは指揮をする為少し離れた所から戦況を観察して居た。
「ザッ……マサキ、9時アルファ、6時ブラボー魔力発動確認。」
「ガッ……了解、んじゃ、アルファから蹴散らす、ブースター起動するから舌噛むなよ。ストライカーパックの火器管制頼む。」
「ザッ……了解。」
ティナの返事と同時にアリスがフレアバーストをマサキに目掛けて撃った。 ドゴォォォっと火炎放射器の強力版の様な炎がマサキとティナが乗ったモアを襲う。数秒前までいた所に炎が走り強烈な熱を肌に感じた。
「うわっ!やっべ!熱が凄い事になってるぞ……」
何かしら攻撃されるのは解って居たので、マサキは左脚を踏み込み、追加装備のブースターを点火しながら攻撃して来るアリスに片方の羽根を広げ空中でモアの向きを変えた。
かなり無理矢理方向転換をしたので激しい横Gが二人を襲い、マサキは照準を定められないで居た。
「クソッ!」
人は撃たれたら反射的に撃ち返すもので、禄に照準も決めないままストライカーパックに搭載されているリニアカノンを発射した。
ズビュシュュュュュュューン!
青白い光を放ちながら一直線に線が伸びるが、当然アリスから離れた所に着弾した。
後ろから狙っていたシャーロットは、マサキ達が向きを変えた為、ガラ空きの側面からアリスの攻撃の続け様にフレアランスを撃ち込んだ。
「ザザッ……9時、ブラボーから魔法発動。」
「ザッ……ティナ!チャフディスペンサー!一旦降りる、座標は?」
ティナはチャフをシュパパパっと放ち、ゆっくりと落下していくそれにフレアランスが吸い込まれる。
「ザザッ……この位置だと、進路300、距離800」
横向きに滑空しながらリニアカノンでアリスに向けて牽制し、めいいっぱい今度は右足を踏み込み、向きを変えて着地ポイントに加速した。
「ザッ……そろそろ俺らも行くか!」
事の成り行きを見ていたアクセルがスミスに通信を入れる。
「ジーザザッ……そうですね、私達の出番が無くなる前に行かないと本当にやる事が無くなりそうですしね(笑)」
スチュアート同様、スミスも暫くクラタナの軌道や戦い方を観察していたが、アクセルにそう言われモアの移動を開始する。
「ザッ……それな~!」
「ザザッ……アクセル、油断は禁物です。対空迎撃は私がやりますので貴方は着地した時を狙って下さい!」
「ザザッ……了解。俺がやる前に焼き鳥にすんなよ!」
アクセルは余興を楽しむ様に答えモアをマサキ達に向けて加速した。
「シー……ははは。出来る事ならそうしたいですが、それは無理でしょうね……」とスミスは糸目の眼を開いた。
「ガッ……ティナ!大丈夫か?」
とマサキはティナに通信を入れて安否の確認を取る。
「ザザッ……私は大丈夫。次、12時チャーリー、2時デルタ距離1500。」
「ガッ……チャーリー、デルタ、1500了解。タッチアンドゴーはしないで着地後、スーパーパック点火、チャーリーに向かう。」
(いゃぁ~……流石と言うべきなのか、ただ単に俺がヘタレだからなのかわからんけど、やっぱ7対1だとキツいわ……っても、まだ全員出て来てないよな……
マサキは、今更ながら少々自分の提案した案を後悔する。
着地に備えて両翼を広げ、直ぐ様強烈な衝撃がマサキ達を襲うが、着地と同時に両翼に装備しているスーパーパックに点火して、お構い無しにチャーリーに向けて加速した。そして左手で右手の手網コントローラーを持ち替え、ホルスターからM500を抜いた。
「ザザッ……チャーリーとエンゲージ後ジャンプ。方向転換してデルタに対応!」
「ガッ……了解。6時からアルファ、魔力感知!」
ティナは四方から迫る隊員の動きを逐一観察して脅威の警戒に追われている。
(こんなの、身体強化して無かったら持たないじゃないの~!)
「ザッ……アクセル、こっちにロメオが突っ込んで来るから、後の対応頼むぞ!」
とスミスは言いながらリニアカノンの照準をマサキ達に合わせ、 セーフティーを解除し連続発射した。
マサキの後方からジェニファーがフレアドライブを連射するが中々致命傷を与えられないでいた。
右に左にとモアを振りながらスミスとジェニファーからの攻撃
を避けながら、接触直前にモアをジャンプさせる。その瞬間左下に見えるスミスを上方からM500を発射した。
ドゴォォォーン!ドゴォォォーン!ドゴォォォーン!
と三発撃ち辺りは火の海……では無くスライムの海になった。
すれ違いざまに、上方からの攻撃を喰らいスミスは呆気に取られ、周りの状況に更に唖然とした。
「な、なんだコレは……」とドロドロのになっている一帯を見回した。
「ザッ……何アレ……」
とティナが嫌な表情をしながらマサキに言った。
「ザザッ……いや、リニアカノンって前方しか撃てないから、保険で直前にM500用の模擬弾作っといた!直撃しなくても粘液まみれになる特別性スライムバースト弾だぞ!」
実は硬竹採取の際、魔虫を撃退して魔石を拾ったのだが、その時にマサキは何個かちょろまかしていたのであった。その魔石を弾頭に仕込んで、着弾と同時にゲル状のスライムを爆発させる「ブッカケ弾」を造っていた。
「ザザッ……マサキぃ~……(白目)」
ティナは呆れたように呟いた。
「ザザッ……俺的には野郎に粘液はアレだけどな……」
当然、当初の目的は女子隊員に発射して粘液まみれにするつもりだったが、最初の相手が男とは……と着弾の確認もせずデルタに向かうのであった。
後から現場に着いたジェニファーはスミスの様を見て唖然とする。
何が起こったのか解らないアクセルは、スミスに連絡するが応答は無かった。
「まさか、スミスがやられたのか?」
信じられないと言わんばかりにアクセルは頭を振り、鬼ごっことは言え、仲間がやられたことに対して怒りをぶつけるべくマサキ達に襲い掛かった。
行動不能になった時は、他との通信は禁止されているのでスミスはじっと事の成り行きを見ているしか無く、自機の状態を表す MFDにはFailedの文字が表示されて居た。
「な、なんなんだ……あの人は……」
「ザッ……マサキ、デルタまで距離500、9時アルファ、3時ブラボー、6時エコー接近。エコーからの魔力確認。」
(人が多い、仕事が多い、もっとサクッとやるつもりだったんだが、現実はそうは甘くないか……)
マサキは前方から来るアクセルの左側に向けて二段ジャンプを加速させた。
(何となく動作のコツを覚えてきたぞ!慣性の法則で落下、若しくは滑空するより、他の推力を使って目標ポイントに到達した方が効率的だよな。)
アクセルのモアは走りながら上空から来るマサキに狙いを定めてリニアカノンを連射した。
「くっそ!なぜ当たらん!」
「ザザッ……マサキ!3時ブラボー!6時エコー!2秒後魔法発動!」
「ザッ……了解。デルタと接触後、即ジャンプ、ブラボーに向き直りリニアカノンで攻撃。」
「ザザッ……了解。」
きっちり2秒後、6時方向に居たアリシアからのフレアバーストが空を切り、マサキのモアはスーパーパックの推力を使ってアクセルの左側に着地。と、同時に3時方向に居るアリスがフレアドライブを発動させた。
(よし!掛かった!)
着地と同時にジャンプし、アリスの放ったフレアドライブはアクセルに直撃した。
「ばっ!お前!」
ズドドドドっとフレアドライブがモアに吸い込まれてアクセルは行動不能に陥った。
その間にマサキは進路をアリスに向け加速し、ティナはリニアカノンでアリスを捉えた。
「ん?動きが変わった?」
とスチュアートは未だ戦況の観察をしている。
ジェニファーはアクセルがフレンドリーファイアされるのを目撃し、アリスから直角の方向に移動した。
「ふ~ん。クラタナさん、結構やるのね。スミスもあんなになっちゃうしwww」
既にスミス、アクセルと行動不能にされ、不安を隠せないアリスが闇雲にリニアカノンを撃って来た。
「私のミスでアクセルが行動不能に……」
「ザッ……ティナ、次は飛び越えて後ろに回り込むぞ!かなり無理な軌道するけど踏ん張れ!」
その間もティナはリニアカノンで応戦する。
「ザッ……了解。もうずっと踏ん張ってるわよっ!9時アルファ、距離2000。4時フォックスロット、距離3000!」
くぅ~!あと五人も居るのかよ~……(白目)
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