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井戸素材収集の旅が始まりました

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スタたたたた……

ただ今森の中を爆走中。

スタたたたた……

ギガントモアの背中に乗り、ティナの後をくっついて行く。

(この速度で普通に走ってんのか?コレ120キロは出てるだろ……今鞭入れたらどんな加速するんだ?200オーバー?)

そんな事を考えつつティナに離されないように着いていく。

(ティナもギガントモア初めてって言ってたけど乗るの上手いなぁ……)

山道なのでお世辞にも走り易いとは言え無いが、右に左にと体重移動をしてヒラヒラ走らせている。

走り出す前にコツを教えて貰ったのだが、
モア種全般首が長い(ダチョウの様)なので
モアの頭の位置を気をつけながら乗ると危険回避も含めて上手く乗れるらしい。

(なる程なぁ……そりゃモアが前屈みで走ってるのに人が普通に乗ってたら、横に伸びてる枝とかに当たるよなぁ……)

「ジジーッ……マサキ、300m先岩が落ちてるからジャンプで越えるよ。」

「ジッ……了解。」

この世界にもトランシーバー的な物があった。
電力の代わりに魔石で動くトランシーバー。
片耳のレシーバーとピンバッジの様なマイクだ。
魔石が大きければ大きい程、話せる距離は伸びるそうだが、ツーマンセルだし、素材収集が目的なのでそこまで距離は無くても良い。
それでも森の中で500m、拓けた所だと1キロ位離れても会話出来るとの事だった。

(魔石侮れんな……)

「ジジッ……マサキ、岩まで距離200、私がジャンプしたら続けてジャンプするんだよ!やり方憶えてる?」

「ジッ……了解、多分大丈夫!踏み込みながら~の鐙の位置と手網だよな!」

「ジジッ……そうそう、強く引きすぎるとジャンプ高度が高くなるから気を付けてね!とは言え、モアも馬鹿じゃないから、普通にすればマサキの乗ってるモアも同じ様にジャンプするよ!」

「ザッ……了解。頑張ります……」

「ジッ……頑張らないで、普通でオケ!以上交信終わり。」

交信がおわるや否やティナが乗っているモアがジャンプした。

山の中で道幅が狭いのでティナの乗ってるモアとは20m程、間隔を開けて走っている。

次は自分の番か!等と思ってる暇は無く、何もしないまま「ひょいっ」とモアはジャンプして何事もなかったかのように走り続けた。(笑)

(俺氏、出番ナッスィング!てか岩デカっ!!あれ、4m位あるだろ?)



街道から山道に入り、2時間程経った頃ティナからそろそろ休憩しようとの連絡があった。

そして休憩なう。

その辺に落ちている枝を集めて魔法で火をつけ、
理科の実験道具の様な折り畳みのミニコンロでお湯を沸かしている。

「ティナ旅支度とか色々手馴れてるよなぁ!びっくりしたわ。」

「そうかな?(笑)多分、昔お父さんと旅してたから、その時の癖がまだ身体に染み付いてるのかもね(笑)」

(オヤジさんと昔は旅とかしてたんだなぁ……あれ?話していい事なのか?色々疑問が浮かんで来るけど……)

「マサキも私に良く付いて来られたね!今日初めて乗ったにしては上出来だよ~!(サムアップ)」

「え?つー事は、やっぱ飛ばしてたの?」

「うん。出発の時間遅くなっちゃったでしょ?だから少しでも挽回しようと思ってね、(ニヤリ)」

「やっぱそうか!良くは知らんけどさ、こっちの旅ってあんなスピード上げてするものなのかなぁ?って思ってたんだよ。」(結構必死で付いて行きました……)

「や~……普通はアレの半分位かな?
最初はね、やっぱ、マサキ乗るの今日初めてでしょ?だから様子見でゆっくり走ってたんだけど、速度上げても走ってる間隔が全然開かないんだもん(笑)
それで、乗るセンス有るなって思ってあんな感じになっちゃいました!(笑)」

「ですよねー(棒読み)かなり必死に着いて行きました……(白目)
てかさ、目的地まで後どれくらいあるの?」

〇ップ〇ードルの器をひっくり返した様な小さいサイズのケトルから湯気が出始めている。

「あ、ちょっと待って」、と何回も書いては削ってを繰り返した、ペラッペラな羊皮紙の地図を見ながら教えてくれた。

「ん~……ちょうど今半分来た所だよ。」

「あ、お湯沸いた!ハーブティーで良いよね?」

「うむ!」

時計を見ると16時40分
まだ陽は高いが傾き始めている。

「前から思ってたんだけど……」

話しながらお茶の用意をしてくれるティナ。
ケトルの中にお茶っ葉を入れ、軽く蒸して木のコップに入れる。

「うん。」

「はい!」
とコップを渡しながら続けた。

「その腕に付けてるの何?」

「これ?」
と、腕時計に眼を落とす。

「そう。それ!」

腕時計を外してティナに渡してやる。

前世の90年代爆発的な人気だったGショックだ。
その時の流行に乗り何となく買ったレイズマンと言う品名。
何が便利かと言うと、ソーラーパネルで充電するから電池交換の必要が無いってこと(笑)
正確にはメモリーした電話番号とかのバックアップとかで必要なんだろうけど、時計だけで使うのには全く問題無い。

「これは腕時計だよ。」

「腕時計?時計て日時計みたいな?」

「そうそう!日時計よりももっと正確なの。」

「へぇ~……こんなの付けて分単位?で生きてたんだねぇ~…………ココで生きてる殆どの人は朝、昼、夕方、夜だけだもん。」

「まぁそうなるわな。」

「マサキって本当に違う世界から来た人なんだねぇ~……(白目)」

「左様でござる。てか白目なるなし!」

父親の事やティナの過去には敢えて触れず(気になるには気になるが)今は焦らず、落ち着いたら聞いてみようと思った。

「じゃぁ~もうひとっ走りしますか!」

自分の分のお茶も入れたら直ぐにケトルやストーブの片付けをしていたのでスムーズに再出発できる。

(ホント、手際良いよなぁ……)

「ティナ~、後2時間もすれば暗くなるけど目的地には今日中に着くのか?」

「ん~……ちょ~っと無理っぽいかなぁ~……だから目的地の近場で良い所が有ればそこで野営するしか無いよね。」

(やっぱ着かないか。そらそーだわな……1日掛かる所を半日で行こうなんて……)

「だからさ、暗くなる前に野営の準備したいから1時間位したら教えて!」

「解った!」

(ん~……今17時過ぎで陽は高いから1時間後でもまだ暗くはないよな!
何とかなるか!)

あ、因みにお茶を入れる時の火を付ける魔法は俺が付けた。
隙を見て練習はしているものの、まだライター並の【 ファイヤ】しか出来ない。(白目)

それと、流石に寝巻き(某紅〇団のジャージとスウェット)では色々不都合があったので、かなりゴワゴワな帆布の様な布で出来たズボンと皮の編み上げブーツ、それとポンチョみたいなマントを買って貰った!(俺氏、完全にヒモ状態……)


「シーザザッ……じゃ行くよ!さっきの後半ペースで行ける?」

「ザッ……大丈夫。(行きますよ!行きますとも!)」

「シー……ザッ……途中しんどくなったら直ぐに言ってね!後、時間宜しく!」

「ザッ……了解。」


目的地まではまだ遠い。





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