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冒険者カード

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只今の時刻15時30分。

朝から行って冒険者登録に半日以上掛かった。
まぁ、登録以外に準備の為の手続きとか買い出しとかしたんだけど。(同建物内にて)

2人して食卓に突っ伏している状態が早30分。

ティナが「着替える。」とモソモソ起きて自室に引っ込んだ。

俺はと言うと
まだHP回復に努めている。

HP回復は実年齢にも比例して、若ければ若い程、薬草、ポーション等の効果が大きく回復速度も早い。

俺、46歳……
年齢と共に体力は右肩下がり一直線。
常識的に考えると、年齢が進むに従って経験値が増え当然HPも増えるしくみだ。
その代わり薬草、ポーションの効き目が悪くなり速度も遅くなる。

若いと経験値が少ない為HPのゲージは少なくなる。が薬草やポーションの効きが良いので短時間で何回もアタック出来る様になっている。

ここでレベルの問題が出てくるのだが、殆どの場合HPには影響が出ない。
個人個人の技術や経験により得た素早さ危険察知能力、魔法の知識等のみレベルが上がる様になっている。

要は自分で魔法の勉強したり基礎体力を上げる為にトレーニングをしたりと日々の努力をしなければレベルは上がらないと言う事が解った。

「だよなぁ……勝手に経験値が加算されて行っていつの間にかレベルが上がりました。はい、上級魔法覚えましたとか屋根伝いに飛べます!とか、そんな上手い話ある訳ない。」

 それでもやはりセンスがある人、所謂天才肌の人は何となくやってみてパッと出来てしまうらしい。

 (前世でも自分のセンスを理解してソコを伸ばせば成功する人、沢山居るもんなぁ…)

 マサキは、出来たての冒険者カードに眼を通してみると数字は全く書いてなく、アルファベットの様な文字か記載されているのだが、全く読めないので、自分の都合の良いように勝手に脳内変換をするのであった。

ステータスには
基礎体力
知力
精神力
瞬発力
腕力
等の表になって居て
5段階評価してある。

基礎体力C
知力B
精神力AA
瞬発力D
腕力D
となっていた。

まぁ解って居たけどね。
なんか学校の通知表みたいで嫌な感じだわ……

精神力のAAってなんだ?枠飛び出してるじゃんワロス!

スキルの方を見ると属性は「無」となっていた。

「え?、俺属性無し?」

わかりやすく色で属性が表されている。
何かのRPGみたいだが
赤は火
青は水
緑は木
黄色は太陽
白は月で無属性
他にも黒とか紫が有るらしいんだが
魔族と神に仕える者達の属性らしかった。
 (神ってwww神様って存在するのか?この世界は。)

丸がしてあるのは
限付、普中B、普A種 、上B種
となっていた。

(よくわからん。)

他は、特召2種、とか上A種、上A2種、中召、とかあった。

「後でティナに聞いてみよう…」

(見れば見る程車の免許証みたいだよなぁ……)

通常の免許証の写真の場所は所属するギルドの(町のマーク)紋章が描いてあり、右上には物凄く小さな魔石がカードに埋め込まれて偽造出来ないようになってる。らしい。

この世界のIDチップ搭載ってか?


「マ~サキ!調子は戻った?」
何か憑き物が落ちた様な顔で着替えてリビングに来た。

(今こそ言うぞ!こ、コレが若さか……By.ホニャララバジーナ(涙)

「いや、まだちょっとしんどいわ……」
(あんな短時間で戻る訳ねーつーの。)

「あ、さっき作った冒険者カード見てたの?見たい!見たい!」

本来ならば冒険者カードを他人に簡単に見せるのは危険と紙芝居で習った。
が、どうせ一緒に旅する仲だ、

「大したステータスじゃ無いけどどうぞ~!」
と食卓の上を滑らした。

ティナは俺の冒険者カードを数分間ジッと見入っていた。

「何コレ……」

「え?CとDばっかでしょ?」

「それはそうなんだけど……精神力AAて何?それに上B種って……」

「それの区分けと言うかさ、何が使えて何が使えないのか解らないから説明してよ。」

「解った。」
居住まいを正して、いつも見せないキリッとした表情で区分の説明を始めた。

(やっぱティナタソどんな表情でも美少女なんだなぁ……ハァハァ)

「あのね……」と説明をしてくれた。

 限付と言うのは初歩の初歩の魔法で火属性ならライター低度、水なら冷水機の水低度、木なら朝顔の蔦程度、太陽ならちっさい灯り(蝋燭の明るさ)程度が操れたり出したり出来るらしい。
 
因みに「ライター」や「冷水機」は俺が勝手に脳内変換しているだけである。
 ([火]と[太陽]って似たような感じなんだけど、光の明るさを変えれるって、どう言う意味なんだろう?)


普中Bってのは中級魔法を最大2人(場合によっては3人まで)同時に掛けれる力があり、威力は数値的には限付の8倍で火属性の魔法に例えるならライターから火炎放射器レベルまで上がるそうだ。

「普中B種でそれだけの威力あったら上B種だとどれ位になるの?」

「うん、上B種だと普中B種の何倍って云う枠が無くなるのよ。」

「な、なんだってー!By.〇バヤシ」

「1回でその人のMPが枯渇するだけの魔法も使えるって事。まぁ、そんな馬鹿な事する人は居ないと思うけどね。」

「なら、普A種ってのは?」

「普A種ってのは中級魔法全部と上A種手前ギリギリの上級魔法に足りない魔法全部が使えるって事よ。あと、A種とB種の違いは魔法を同時に掛けられる人数の違いね。」

「人数?」

「うん、B種は最大2人なんだけど、道具を使えば3人まで同時に掛けられるの。
でも、普A種は通常で最大10人まで同時に敵味方関係なく掛けられるのよ。」

「まじか……(汗)」

 「マジよ。後ここちょっと見て、小さく中級召喚は中級魔法(8000MP)に限るって書いてあるでしょ?」
 
 (数字は異世界でも何となく解るんだよな。一は一本線だし、零は〇だし……)

「うん」

「コレは最大8000MP掛かる召喚迄は出来ますよって意味なのね。逆に8001MP掛かる召喚は出来ませんという事になるの。」

「なるほどなぁ……、で、コレは凄い事なの?全く魔法の「魔」の字も使えないんだけどさ……」

「冒険者カードは(魔法を)使える前提で作ってるから今日明日で使えなくても練習すれば使える様になると思うわ!で、凄いか凄くないかと言えば普通に凄い事だよ!何もしてないのに上B種使えるなんて!」


(グ~ゥギュロロ~……)

「お、おお……凄い事なんだな……てか腹減った。」
(力ってもしかしてこの事なのか?
でも何故かチートっぽく無いのは気の所為か?)

腕時計を見ると既に夜中を回っている。
(そりゃ腹も減るわな………)

「お腹減ったし何か軽い物でも作るね!」
(ティナタソ面倒見良いなぁ……)

「あ、俺も手伝うわ…」
ノソノソと立ち上がると

「おいちゃんは座ってて!(ウインク&サムアップ)」
で返して来た。

(おいちゃんそれでノックアウト(死語)ですわ!)


ティナの後ろ姿を見ながら
(無属性って云うのと、唯一Aが付いていた精神力のメリット?なんかも出発する前に聞いておかないとなぁ……)
と薄ら思ったのであった。





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