23 / 106
【ダンジョン:女性の敵 スライム】
しおりを挟む
岩場を過ぎて、遠くに見えていた大きな洞窟に入った。
洞窟は暗く先が見えなかったが、ヴァルガー老師が、火球を浮かべ、それを頼りにしながら進んだ。
『どうも、この洞窟はありふれたダンジョンじゃと思ったが、厄介なことに「魔法の迷宮」になっているようだ』
ヴァルガー老師は誰に聞かせる訳でもなくつぶやいた。
『ヴァルガー老師、魔法の迷宮って何なの?』老師の言葉に反応したイレーネ姫が素朴な疑問を投げかけた。
『姫様はダンジョンと呼ばれる洞窟にはモンスターやトラップなど障害があるのは知ってなさるかな?
魔法の迷宮は、加えて構造が変わる不思議なダンジョンのことですじゃ。
その代わりに最下層まで行って、ボスモンスターを倒すと、目が眩(くら)むような財宝などが手に入るそうですじゃ』
『モンスターやトラップに気を付けろ!』二人の話を聞いていたブルーノ騎士長は騎士たちに注意喚起した。
洞窟を降りて行くと、そこは大きな空洞になっていた。
ダンジョンの一層に入ったのだ。
足元は粘性(ねんせい)を帯びたが物が、所々に水溜まりのようにあった。
突如、水たまりが膨らんだと思うと、丸みを帯びた透き通った物が、あちら、こちらから飛びついて来た。
飛びつかれた騎士が、慌てて剣で切るが、二つに切られても次の瞬間にはまた一つに戻って、再び飛びついてきた。
『きゃ~』姫が悲鳴を上げた。
見ると姫の胸当て部分の鎧にスライムが貼り付いていた。
姫は慌てて、剥がそうとするが、なかなか剥がす事が出来なかった。
竜馬が手伝って、何とか剥がしたが、再び『きゃ~』と姫からの悲鳴が洞窟に響いた。
何と、スライムに貼り付かれた片方の胸あてが部分的に溶けて、姫の下乳があらわになり掛けていたのである。
『もう、何よ!誰も見ないで・・・見たものは不敬罪にするわよ!』
『誰か、布切れで隠すんだ!早くしろ』ブルーノ騎士長が叫んだ。
『早く、このやらしい生き物を何とかしなさい』姫は怒った命令口調だった。
『ここは儂の出番かな?』ヴァルター老師が、手の平に火の玉を浮かべ玉投げのように、次から次へと、ねばねばした生き物に投げつけた。
火の玉は見事に、ねばねばに当たったかと思うと、水蒸気となって消えてしまった。
『カ、カ、カ、面白いのう』老師は奇妙な笑いをした。
『老師が退治した、やらしい、あのぬるぬるは何なの?』姫はブルーノ騎士長に聞いた。
『姫は、ご存知なかったのですか?あれはスライム(slime)ですよ。
ダンジョンでは粘土や泥などが、核になるマスターから漏れ出す魔力によって、生き物になった魔物です。
攻撃力は殆どないのですが、変わった習性があり、スライムは鉄を食し、特に何故か?女子の鎧の鉄が好きなようです。
女の冒険者には油断は禁物の魔物です。姫も気を付けて下さい』
『もう、嫌な魔物ね・・・でも、さすが、元Sランクの冒険者、よく知っているわね!』姫は尊敬した眼差しで騎士長を見た。
ブルーノ騎士長は王国に騎士として雇われるまでは、森やダンジョンにいる魔物を狩って、生計を立てていた凄腕の冒険者だった。
冒険者のランクは魔物を狩る力に加え、ハンターギルドへの貢献した者に、Eランクから始まりDCBAとランク付けされていた。
そして数少ない冒険者に最上級のSランクが与えられていた。
彼は冒険者として最上級のSランクを持っていたが、危険な魔物討伐の仕事で、力を帝国に認められ騎士となる機会を得た。
そして戦場での、手腕が認められ、騎士としての最高位の騎士長まで上り詰めたのだ。
エストランド帝国は皇帝を元首として頂き、公候拍子男の爵位持ちが、大小の領地と常駐の軍隊を持っている。
王直属の騎士は爵位持ちの三男や四男などの子息が多くいたので、荒事に向かない者も少なからずいた。
イレーネ姫が今回、聖剣を見つけ出す旅に連れて来た騎士は、ブルーノ騎士長の眼鏡にかなった者たちでエストランドでは精鋭だと言えた。
騎士長は若い騎士を戦闘の教練では厳しく鍛えたが、日頃から面倒見がよかったため、親父のように慕われていた。
イレーネにはそんな騎士長に絶大の信頼を置いていたのは言うまでもない。
まさに、騎士長は「たたきあげ」であるが、騎士達に好かれる大漢(男の中の男)だった。
竜馬は布で隠される前のイレーネ姫の下乳を覗き見した。
とても張りのあるおっぱいがに思えたが・・・残念ながら〇〇を見ることができなかった。
鎧を食べる魔物だと知っていたら、もう少し鎧から引っぺがすのを遅らせたのにと思うのだった。
スライムを退治して大きな空洞を進んで行くと、徐々に空洞が狭まり、更に進むと少しずつ降りて行っている感じがした。
洞窟は暗く先が見えなかったが、ヴァルガー老師が、火球を浮かべ、それを頼りにしながら進んだ。
『どうも、この洞窟はありふれたダンジョンじゃと思ったが、厄介なことに「魔法の迷宮」になっているようだ』
ヴァルガー老師は誰に聞かせる訳でもなくつぶやいた。
『ヴァルガー老師、魔法の迷宮って何なの?』老師の言葉に反応したイレーネ姫が素朴な疑問を投げかけた。
『姫様はダンジョンと呼ばれる洞窟にはモンスターやトラップなど障害があるのは知ってなさるかな?
魔法の迷宮は、加えて構造が変わる不思議なダンジョンのことですじゃ。
その代わりに最下層まで行って、ボスモンスターを倒すと、目が眩(くら)むような財宝などが手に入るそうですじゃ』
『モンスターやトラップに気を付けろ!』二人の話を聞いていたブルーノ騎士長は騎士たちに注意喚起した。
洞窟を降りて行くと、そこは大きな空洞になっていた。
ダンジョンの一層に入ったのだ。
足元は粘性(ねんせい)を帯びたが物が、所々に水溜まりのようにあった。
突如、水たまりが膨らんだと思うと、丸みを帯びた透き通った物が、あちら、こちらから飛びついて来た。
飛びつかれた騎士が、慌てて剣で切るが、二つに切られても次の瞬間にはまた一つに戻って、再び飛びついてきた。
『きゃ~』姫が悲鳴を上げた。
見ると姫の胸当て部分の鎧にスライムが貼り付いていた。
姫は慌てて、剥がそうとするが、なかなか剥がす事が出来なかった。
竜馬が手伝って、何とか剥がしたが、再び『きゃ~』と姫からの悲鳴が洞窟に響いた。
何と、スライムに貼り付かれた片方の胸あてが部分的に溶けて、姫の下乳があらわになり掛けていたのである。
『もう、何よ!誰も見ないで・・・見たものは不敬罪にするわよ!』
『誰か、布切れで隠すんだ!早くしろ』ブルーノ騎士長が叫んだ。
『早く、このやらしい生き物を何とかしなさい』姫は怒った命令口調だった。
『ここは儂の出番かな?』ヴァルター老師が、手の平に火の玉を浮かべ玉投げのように、次から次へと、ねばねばした生き物に投げつけた。
火の玉は見事に、ねばねばに当たったかと思うと、水蒸気となって消えてしまった。
『カ、カ、カ、面白いのう』老師は奇妙な笑いをした。
『老師が退治した、やらしい、あのぬるぬるは何なの?』姫はブルーノ騎士長に聞いた。
『姫は、ご存知なかったのですか?あれはスライム(slime)ですよ。
ダンジョンでは粘土や泥などが、核になるマスターから漏れ出す魔力によって、生き物になった魔物です。
攻撃力は殆どないのですが、変わった習性があり、スライムは鉄を食し、特に何故か?女子の鎧の鉄が好きなようです。
女の冒険者には油断は禁物の魔物です。姫も気を付けて下さい』
『もう、嫌な魔物ね・・・でも、さすが、元Sランクの冒険者、よく知っているわね!』姫は尊敬した眼差しで騎士長を見た。
ブルーノ騎士長は王国に騎士として雇われるまでは、森やダンジョンにいる魔物を狩って、生計を立てていた凄腕の冒険者だった。
冒険者のランクは魔物を狩る力に加え、ハンターギルドへの貢献した者に、Eランクから始まりDCBAとランク付けされていた。
そして数少ない冒険者に最上級のSランクが与えられていた。
彼は冒険者として最上級のSランクを持っていたが、危険な魔物討伐の仕事で、力を帝国に認められ騎士となる機会を得た。
そして戦場での、手腕が認められ、騎士としての最高位の騎士長まで上り詰めたのだ。
エストランド帝国は皇帝を元首として頂き、公候拍子男の爵位持ちが、大小の領地と常駐の軍隊を持っている。
王直属の騎士は爵位持ちの三男や四男などの子息が多くいたので、荒事に向かない者も少なからずいた。
イレーネ姫が今回、聖剣を見つけ出す旅に連れて来た騎士は、ブルーノ騎士長の眼鏡にかなった者たちでエストランドでは精鋭だと言えた。
騎士長は若い騎士を戦闘の教練では厳しく鍛えたが、日頃から面倒見がよかったため、親父のように慕われていた。
イレーネにはそんな騎士長に絶大の信頼を置いていたのは言うまでもない。
まさに、騎士長は「たたきあげ」であるが、騎士達に好かれる大漢(男の中の男)だった。
竜馬は布で隠される前のイレーネ姫の下乳を覗き見した。
とても張りのあるおっぱいがに思えたが・・・残念ながら〇〇を見ることができなかった。
鎧を食べる魔物だと知っていたら、もう少し鎧から引っぺがすのを遅らせたのにと思うのだった。
スライムを退治して大きな空洞を進んで行くと、徐々に空洞が狭まり、更に進むと少しずつ降りて行っている感じがした。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる