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【抗魔執行官:殺し屋】NO2
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「我はアンデット騎士、報われぬ魂を救う者なり、
さあ、出でよ! 我と共に戦った古代の戦士、
十字の旗印の下に戦い、非業の最後遂げた彷徨える者達よ!」
アンデットの髑髏剣士が初めて発した声は辺りに響くドスの効いた声だった。
呼びかけにより墓地の、あちらこちらから這い出して来たのは全身骨格のスケルトン達だ。
左手には十字が描かれた盾を持ち、右手には槍を持っている。
腰には片手でも扱えるファルシオンソードと言われる西洋剣を差している。
11世紀~16世紀の十字軍に参加した中世騎士たちに人気があった剣だ。
髑髏騎士は聖地奪還に失敗し、霊界で彷徨う存在になった十字軍を呼び寄せたのだ。
アンデットの言葉から察するに、彼は十字軍を率いた将軍かと思われた。
古代の戦いの猛者達を召喚したのだ。
何時の間にか、青山霊園は霧に覆われて現世と隔離された閉鎖空間になっていた。
スケルトンの兵士達は隊列を組み、ゴキブリ魔物達と対峙した。
兵士200VS魔物1000匹の戦いだ。数では魔物が優勢である。
警察はひた隠しにしているが、首都圏では夜、失踪事件が急に多発していた。
ゴキ魔物は人間を襲い貪欲にも骨も残さず食べ、高い繁殖力で短期間に数を増やしたのだ。
髑髏騎士が合図すると兵士達は一斉に槍を前に突き出した。
そこにゴキブリ魔物が突進し激突した。
「ゴン、ブス、パン、バキ・・・」衝突音と蟲達の血汁が飛び散る音、それにスケルトン兵の骨の折れる音が入り乱れて鳴り響いた。
数十匹のゴキ魔物が最初の激突で槍に串だしにされる。
魔物は腹に槍が刺さるとパンという音がなり破裂した。腹の中にガスが溜まっているからだ。
この魔物の攻撃は高速で動きながら敵に食いつき噛み砕く強力な顎(あご)だ。
魔物は槍に刺されながらもスケルトン兵に飛び掛かり肩骨に食らいつき噛み砕いた。
一進一退の戦いが繰り広げられたが、数で勝るゴキ魔物が押し気味になる。
そこで、いままで傍観していたアンナが動いた。
空中に浮揚しゴキ魔物を見渡し、笛を取り出し吹いた。
それは人間の耳には心地よく聞こえるSound that invites sleep(眠りを誘う音)を魔道具の魔笛で奏でたのだ。
魔物達は、その音を聞くと急に動きを止めた。
そこで、アンナは究極の黒魔術を発動させた。
掌から瘴気が流れ声を発した。
「蟲達、滅びなさい」
それは上級悪魔だけが使えるという滅びの魔法だった。
蟲達は一瞬にして塵になって消えた。
戦いを傍観していたカトリーヌが問いかけた。
「アンナ、その魔法は?」「これは滅びを呼ぶ魔法よ!」
「噂に聞いた事がある。
僕達、死神が上級悪魔と戦う時に気を付けたのは精神攻撃だが、それ以上に危険視された魔法だわ・・・。
あなた上級悪魔でも使える者が殆どいない究極の技が使えるのに、何故、凛太朗達と戦った時、使わなかったの・・・?」
「何故・・・そうだな、敢えて言えば、あたいが工夫して作った人形が動くのが楽しくて、それを見たかった事もあるし、それに精神攻撃にかなり自信があったからね・・・まさか、あたいの精神攻撃を破る者がいるなんて思いも依らなかった。だから、油断したのさ・・・。
でも、今は勝負に負けて後悔はしていない。
そればかりか使い魔になって良かったと思っている。
悪魔なんて忌み嫌われるだけ、誰からも愛される事は無いからね・・・。
少なくとも抗魔執行官の使い魔になって、今は少し、やりがいを感じている。
死神マスターの、あなたなら、あたいの気持ちを分かるんじゃない。」
「そうね。死神だって、人間達に嫌われる存在だから分からない訳ではないわ・・・。
一応は神族だが、人間に嫌われる神、女神になりたいとどれだけ思った事か、嫌われながら長い月日を生きるのは強い精神力でなければやっていけない。
死神の中には悲観して自ら命を絶って転生し直そうとする者がいるくらいだから・・・。
だから僕は死神だって人間の様に心の支えになる愛が必要だって何時も思うんだ。
「ふ~ん、死神マスターが、そんな事を考えているなんて以外だった。
あたいも誰かと恋・・・いや、あたいは魔王に妾にされそうになった過去があるから、少し心の傷が癒えるまで、お預けかな・・・。」
「悪魔は冷酷な者ばかりだと思っていたわ・・・。
ふふふ・・・また、今度、ゆっくり話をしよう。
アンナ、吸血鬼のデルフィーヌは一人で心配ないとして、タイガーとチェリーが少し心配だから応援にいくわよ!」
そう言いながらカトリーヌが神通力で維持していた閉鎖空間を外に開いた。
その時だった。揺れを感じない空気の振動があった。
「何、この振動は、それにこの禍々しい感じは・・・」
「マスター、あたいにも分かる。
とても嫌な感じがするわ・・・」
この時の起こった空振は次元の軸がズレ、現実世界の三次元が、暗黒神が支配する未知の次元に絡みあった瞬間だった。
この事をカトリーヌは勿論、創造神の円城寺五月も知らない。
カトリーヌが感じた気は暗黒神の禍々しい気だった。
*******************************************************
霧の日、古戦場で落ち武者を見たとか、ホラ貝の吹く音を聞いたとかという類の都市伝説を皆さんは聞いた事がないだろうか?それはいい加減な嘘じゃない。
古来より丑三つ時(うしみつどき:午前2時~2時30分)は霊界の扉が開く時とされている。
身近に我々が知らない世界が確かに存在し現世に絡む時がある。
それを偶々目にした目撃談が都市伝説として伝えられるのだ。
閉鎖空間は身近に存在するが、普通の人は行くことが出来ない不可思議な世界だ。
さあ、出でよ! 我と共に戦った古代の戦士、
十字の旗印の下に戦い、非業の最後遂げた彷徨える者達よ!」
アンデットの髑髏剣士が初めて発した声は辺りに響くドスの効いた声だった。
呼びかけにより墓地の、あちらこちらから這い出して来たのは全身骨格のスケルトン達だ。
左手には十字が描かれた盾を持ち、右手には槍を持っている。
腰には片手でも扱えるファルシオンソードと言われる西洋剣を差している。
11世紀~16世紀の十字軍に参加した中世騎士たちに人気があった剣だ。
髑髏騎士は聖地奪還に失敗し、霊界で彷徨う存在になった十字軍を呼び寄せたのだ。
アンデットの言葉から察するに、彼は十字軍を率いた将軍かと思われた。
古代の戦いの猛者達を召喚したのだ。
何時の間にか、青山霊園は霧に覆われて現世と隔離された閉鎖空間になっていた。
スケルトンの兵士達は隊列を組み、ゴキブリ魔物達と対峙した。
兵士200VS魔物1000匹の戦いだ。数では魔物が優勢である。
警察はひた隠しにしているが、首都圏では夜、失踪事件が急に多発していた。
ゴキ魔物は人間を襲い貪欲にも骨も残さず食べ、高い繁殖力で短期間に数を増やしたのだ。
髑髏騎士が合図すると兵士達は一斉に槍を前に突き出した。
そこにゴキブリ魔物が突進し激突した。
「ゴン、ブス、パン、バキ・・・」衝突音と蟲達の血汁が飛び散る音、それにスケルトン兵の骨の折れる音が入り乱れて鳴り響いた。
数十匹のゴキ魔物が最初の激突で槍に串だしにされる。
魔物は腹に槍が刺さるとパンという音がなり破裂した。腹の中にガスが溜まっているからだ。
この魔物の攻撃は高速で動きながら敵に食いつき噛み砕く強力な顎(あご)だ。
魔物は槍に刺されながらもスケルトン兵に飛び掛かり肩骨に食らいつき噛み砕いた。
一進一退の戦いが繰り広げられたが、数で勝るゴキ魔物が押し気味になる。
そこで、いままで傍観していたアンナが動いた。
空中に浮揚しゴキ魔物を見渡し、笛を取り出し吹いた。
それは人間の耳には心地よく聞こえるSound that invites sleep(眠りを誘う音)を魔道具の魔笛で奏でたのだ。
魔物達は、その音を聞くと急に動きを止めた。
そこで、アンナは究極の黒魔術を発動させた。
掌から瘴気が流れ声を発した。
「蟲達、滅びなさい」
それは上級悪魔だけが使えるという滅びの魔法だった。
蟲達は一瞬にして塵になって消えた。
戦いを傍観していたカトリーヌが問いかけた。
「アンナ、その魔法は?」「これは滅びを呼ぶ魔法よ!」
「噂に聞いた事がある。
僕達、死神が上級悪魔と戦う時に気を付けたのは精神攻撃だが、それ以上に危険視された魔法だわ・・・。
あなた上級悪魔でも使える者が殆どいない究極の技が使えるのに、何故、凛太朗達と戦った時、使わなかったの・・・?」
「何故・・・そうだな、敢えて言えば、あたいが工夫して作った人形が動くのが楽しくて、それを見たかった事もあるし、それに精神攻撃にかなり自信があったからね・・・まさか、あたいの精神攻撃を破る者がいるなんて思いも依らなかった。だから、油断したのさ・・・。
でも、今は勝負に負けて後悔はしていない。
そればかりか使い魔になって良かったと思っている。
悪魔なんて忌み嫌われるだけ、誰からも愛される事は無いからね・・・。
少なくとも抗魔執行官の使い魔になって、今は少し、やりがいを感じている。
死神マスターの、あなたなら、あたいの気持ちを分かるんじゃない。」
「そうね。死神だって、人間達に嫌われる存在だから分からない訳ではないわ・・・。
一応は神族だが、人間に嫌われる神、女神になりたいとどれだけ思った事か、嫌われながら長い月日を生きるのは強い精神力でなければやっていけない。
死神の中には悲観して自ら命を絶って転生し直そうとする者がいるくらいだから・・・。
だから僕は死神だって人間の様に心の支えになる愛が必要だって何時も思うんだ。
「ふ~ん、死神マスターが、そんな事を考えているなんて以外だった。
あたいも誰かと恋・・・いや、あたいは魔王に妾にされそうになった過去があるから、少し心の傷が癒えるまで、お預けかな・・・。」
「悪魔は冷酷な者ばかりだと思っていたわ・・・。
ふふふ・・・また、今度、ゆっくり話をしよう。
アンナ、吸血鬼のデルフィーヌは一人で心配ないとして、タイガーとチェリーが少し心配だから応援にいくわよ!」
そう言いながらカトリーヌが神通力で維持していた閉鎖空間を外に開いた。
その時だった。揺れを感じない空気の振動があった。
「何、この振動は、それにこの禍々しい感じは・・・」
「マスター、あたいにも分かる。
とても嫌な感じがするわ・・・」
この時の起こった空振は次元の軸がズレ、現実世界の三次元が、暗黒神が支配する未知の次元に絡みあった瞬間だった。
この事をカトリーヌは勿論、創造神の円城寺五月も知らない。
カトリーヌが感じた気は暗黒神の禍々しい気だった。
*******************************************************
霧の日、古戦場で落ち武者を見たとか、ホラ貝の吹く音を聞いたとかという類の都市伝説を皆さんは聞いた事がないだろうか?それはいい加減な嘘じゃない。
古来より丑三つ時(うしみつどき:午前2時~2時30分)は霊界の扉が開く時とされている。
身近に我々が知らない世界が確かに存在し現世に絡む時がある。
それを偶々目にした目撃談が都市伝説として伝えられるのだ。
閉鎖空間は身近に存在するが、普通の人は行くことが出来ない不可思議な世界だ。
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