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第五章 仮面の告白

第六話 謎のメッセージ

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一方――こちらは一冴である。

スマートフォンが鳴ったので、鞄から取り出した。壁紙は「だいふくねこ」のイラストだ。

LIИEにメッセージが入っていた。送信相手は「東條麦彦」である。

――何であいつ俺のアドレス知ってんだよ。

ともかくも開いてみる。

「おまえ、筆坂紅子と一緒に図書館へなんぞ行って大丈夫なのかの🤪
初めて図書館へ行くという設定なのに図書カードはどうするんじゃい😁
ま、それを誤魔化すのは簡単かもしれんがな、
筆坂紅子はどうなるかの?ww
図書カードを作るためには、身分証明書が必要ぞい💩
つまりは学生証じゃなw
筆坂紅子は持って来とるかの?💩
あと、鈴宮蘭なら今、菊花の部屋におるぞい🤪
色々と愉しい光景が見られるんじゃないかのうwww😂」

図書カードの件は確かに気にかかった。だが、「上原いちご」の学生証を一冴は持っている。寮の住所を書けば、新しい図書カードを作ることもできるだろう。

だが、そんなことより気になることがある。

――蘭先輩が菊花の部屋に?

なぜいるのだろう。

それを考えると、胸騒ぎがした。

あれだけ蘭を避けていたのに、部屋に上げたのか。

昨晩は、つきあえないと蘭に言うことでさえ菊花は渋った。それは――なぜだ。

そうでなくとも麦彦のことである。ろくでもないことを考えているに違いない。

そんな一冴の様子を紅子は気にかける。

「どうしたの、いちごちゃん?」

「いや――別に。」

気にかかりだしたら、居ても立ってもいられない。

とりあえず、言葉を選んで説明する。

「あの――今、知り合いのお爺さんからメッセージが来たんだけどさ――図書カードを作るためには、学生証が必要なんだって。――紅子ちゃん、持ってる?」

紅子は少し考え、困ったような顔となる。

「あー、持ってない。」

「そう。」

「いちごちゃんは?」

「持ってるよ? 校則だもん。」

紅子はさらに困った顔をする。

「うーん、じゃあ、どうしよ? 図書館で本借りるかもしれないし――一旦、戻って、取りに帰った方がいいかな?」

「まあ、そっちのほうが間違いはないよね。」

「そっか――」

「幸い、学校からまだあんま離れてないし、一旦戻ろうか。」

うん――と紅子はうなづく。

それから、二人で元来た道を戻りだした。
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