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第7章

条件

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 人間にも幻獣に対する正しい態度や行動が出来る者もいる事が判って、アルバの主張が正しいかもしれないと認められ、解放の話しが出たが、その前に直接レナードと会ってみたいという事を両精霊王が言い出した。他の四精霊王との交信絶っている状況で会おうとするならば、闇の精霊王の管轄のダンジョン以外はあり得ない。だがレナードが自宅を離れないのはアルバの捜索の為に待機しているせいである。
 どうすれば他の精霊王に気付かれずにダンジョンに向かわせるのか。色々な案があったが、夢魔ナイトメアの能力を持つ蝶に、就寝に何かに両親や兄弟達が襲われている幻夢を鸚鵡に見せ、レナードにもアルバらしき姿を見せてダンジョンへ向かわせる様に仕向ける事にした。

 翌朝レナードは思案げな表情をしたまま朝のルーティンである従魔や家畜達の世話をし、クレドと鸚鵡のいる小屋へ行くと鸚鵡の様子が気になった。
《眠れなかった?》
《…ユメミタ》
《夢見が悪かったんだね》
《オソワレテタ》
《そう。どうしたい?》
《タシカメニイキタイ》
《じゃあ行こうか》
《イイノ?》
《ああ、良いよなクレド》
《良い》
 元気に餌を啄む様子を確認して小屋を出るとギルドへ向かい留守の時の手配をして来た。鸚鵡の件以外にはギルドさえ滅多に来なくなっていたので快く送り出された。但し行き先不明というので、定期的に居場所を連絡する様にと念押しされたが。
 クレド以外を集めて出かけること告げる。鸚鵡が家族の夢を見た同じ時に、レナードもアルバの夢を見たから情報が得られるかもしれないからと告げると同行していたメンバーは喜んだ。変異種メンバーは出発の準備が出来るまで隣りの森へウォーミングアップに出かけた。今回は出立を急ぐため魔電報などで旅の物資を頼み、配達便で荷物の受け渡しをした。
 鸚鵡からは自分がいたダンジョンの場所の正確な位置は知らないと聞いたが、人間が急に多くなって危険を感じたという情報から、スタークツ帝国かアデッソ王国の周辺ではないかと調べるとカリュプスの森があった場所に数年前にダンジョンが発見され、両国が争う様に人間を送り込んでいるというので此処ではないかとあたりをつけた。
 急な出立の連絡なのに伝書屋と魔性植物園、リベルタのギルドから、旅に入り用な物が入ったマジックバックが届いた。アルバが居ないため持てる荷物が限られるため有り難く利用する。移動を急ぐためスティードに騎乗し、疲労回復ポーションを使用し最短の日程で向かった。無論幻獣達が望んだからだ。
 ダンジョン街で宿を取り幻獣達を休ませ、手続きや足りない物の補給を済ませる。直ぐにでも行きたがる幻獣達を説得するのは大変だった。
 焦りは大敵だと言い聞かせ、先ずは踏破済みの半分までは最短距離で襲って来るものだけを討伐し素材を回収、道中の薬になる素材は採取しつつ先へ進む。素材や経験値目的以外の多くの者は制覇を目指し未踏破階層付近にいるからだ。
レナード達が前後の階層に1組も居ない場所に到達するとダンジョンがゆっくりと変化する。
 先回りした鸚鵡を監視していた中精霊達は、光が移転の魔法陣を、闇が鸚鵡への念話で誘導をした。
《コッチ》
突然ジャコウ鸚鵡が強く羽ばたいて先導する。普段は慎重なレナードも迷う事なく追いかける。アルバの時に後悔したからだ。横穴に飛び込む鸚鵡を追って次々に続いて飛び込む。全員が通り抜けると床の魔方陣が光る。
 眩しさに目を閉じ次に目を開けた時には、レナードは懐に入れていたシャンスとタンザナイト以外が居らず、先程飛び込んだ場所より広い場所にいた。
《貴様ガレナードカ。我ハ闇の精霊王ダーストニダ》
《ワタクシハ光精霊王ルーチェデス》
突然の念話に驚き正面の奥に目を向けた。
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