上 下
131 / 196
第6章

出国

しおりを挟む
選ばれた2枚のカード。
提案者が案が壁に張り出された。

半年後の恒例の学園内の異常の有無を調査する時に偶然発見する
のと
約3ヵ月後に学園内で把握されていない幻獣がパラディの付近で発見され調査している時

というものだった。
色々意見が出て白熱したが、突然幻獣が現れる方が、今まで発見されなかった古城の秘密が偶然見つかるより自然だと言う事になり、ようやく決まった。
ピュードル経由で精霊王達にも伝えられ、それを聞いた幻獣王達が張り切り出したと聞いたのは、レナードが次の目的地に着いた頃だった。
それはさておき前日の内に決まったので気持ち良く出発する事が出来た。
滞在中に作成した幻獣にも効く傷薬は学園長に納品し、以後は定期的に幻獣士の行商から購入するか、学園の幻獣士が幻獣士ギルドへ行く際に購入する手筈が整った。
それと並行して学園の薬師の教授クラスの研究者に、レナードの知識から人族には有効でも幻獣に害になる素材の情報を進呈し、代わりに学会で必要なデータ集めや発表をお願いした。
今後は学園内で認可前の全ての薬の臨床試験と、改良や研究を共同で行う事で合意した。
幻獣士ギルドで試作した薬のレシピの臨床試験の結果をギルドに送ったら、次回のギルドからの購入時に臨床試験で使用した半量を無償で送る契約をした。
認可を受けた後は学園内で消費する分はレシピ代は無償だが、学園外の人物に売却する際には規定のレシピ代を薬師ギルドへ納付すること。
但し例え治療自体は学園内でも、学園に治療のために外部からわざわざ来た場合でも同様に支払い対象になる事を念押しした。
逆に学園で試作した薬で幻獣士ギルドへの検証の依頼があれば、ギルドが費用を負担しギルド員に依頼する約束もした。
こうして公式に学園と幻獣士ギルドの友好関係になる事が決まった。
盛大な見送りは断ったので、ほとんどの人が宿舎の前で別れを惜しんだ。
第1期生の幻獣士5人と事務局長が都市の門まで送ってくれた。

懸念のパラディの件も、収入源のギルド製の薬の販売先も成果を上げて学園都市を出発した。
これから向かうのは金剛石アダマースの森。
行ったことのない新しい迷いの森に、レナードの幻獣も変異種達はわくわくして上機嫌の様子。
アダマースは鉱石物が多い森の一つとして有名で、レナードとしては新しい薬の素材が見つかればラッキーかなぁと言ったところで、森の通称通りこの森は金剛石が比較的多いのが特徴なので、素材に関してはあまり期待はしていなかった。
入口こそ木々が生い茂るが、中央に行くほど傾斜があり丘の様に盛り上がっていて、いくつか洞窟や洞穴があるのが特徴である。
鉱石物はそういった地中にあるものが多いが、稀に地表にも転がっている。
それを見つけて喜んで見せに来るソルとルナ。
大きな塊だが鉱石物が少ない物を咥えて来たソル。
大きさは拳大だが、びっしりと鉱石物がありそうな物を咥えて来るルナ。
「拾って来る物も性格が出るなぁ」
と呟いていたら偵察から帰って来たクレドが珍しい事に何か口に咥えて戻って来た。
「クレド、宝物でも持って来たのか?」
定位置の左肩に乗るクレドにいつものようにお疲れ様の意味を込めて撫でる。
普段ならここで気持ち良さげに喉を鳴らすのだが、石を手に当てて来た。
《クレド、どうした?》
《持って帰りたい》
《宝物にしたいのか、分かった》
クレドが咥えていたのは鉱物の塊で、角度によって含有する鉱物が光って見える物だった。
鳥類はキラキラした物が好きだが、もしこれが価値ある鉱物だったとしても、鑑定せずにクレドの宝物として取っておこうとマジックバックにしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺のスキルが無だった件

しょうわな人
ファンタジー
 会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。  攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。  気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。  偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。  若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。  いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。 【お知らせ】 カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

捨てられ従魔とゆる暮らし

KUZUME
ファンタジー
旧題:捨てられ従魔の保護施設! 冒険者として、運送業者として、日々の生活に職業として溶け込む従魔術師。 けれど、世間では様々な理由で飼育しきれなくなった従魔を身勝手に放置していく問題に悩まされていた。 そんな時、従魔術師達の間である噂が流れる。 クリノリン王国、南の田舎地方──の、ルルビ村の東の外れ。 一風変わった造りの家には、とある変わった従魔術師が酔狂にも捨てられた従魔を引き取って暮らしているという。 ─魔物を飼うなら最後まで責任持て! ─正しい知識と計画性! ─うちは、便利屋じゃなぁぁぁい! 今日もルルビ村の東の外れの家では、とある従魔術師の叫びと多種多様な魔物達の鳴き声がぎゃあぎゃあと元気良く響き渡る。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

ぽっちゃり無双 ~まんまる女子、『暴食』のチートスキルで最強&飯テロ異世界生活を満喫しちゃう!~

空戯K
ファンタジー
ごく普通のぽっちゃり女子高生、牧 心寧(まきころね)はチートスキルを与えられ、異世界で目を覚ました。 有するスキルは、『暴食の魔王』。 その能力は、“食べたカロリーを魔力に変換できる”というものだった。 強大なチートスキルだが、コロネはある裏技に気づいてしまう。 「これってつまり、適当に大魔法を撃つだけでカロリー帳消しで好きなもの食べ放題ってこと!?」 そう。 このチートスキルの真価は新たな『ゼロカロリー理論』であること! 毎日がチートデーと化したコロネは、気ままに無双しつつ各地の異世界グルメを堪能しまくる! さらに、食に溺れる生活を楽しんでいたコロネは、次第に自らの料理を提供したい思いが膨らんできて―― 「日本の激ウマ料理も、異世界のド級ファンタジー飯も両方食べまくってやるぞぉおおおおおおおお!!」 コロネを中心に異世界がグルメに染め上げられていく! ぽっちゃり×無双×グルメの異世界ファンタジー開幕! ※基本的に主人公は少しずつ太っていきます。 ※45話からもふもふ登場!!

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

処理中です...