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第2章

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卵は大きさから小鳥系だと思っていたが、実は火蜥蜴という竜の一種だった。
迎えに来ない他の理由が、一度巣から一定時間以上離れると温度が変わり、孵化の時間が変わってしまう。
しかも最初の孵化が始まった翌日から片親になり、それまでに孵化出来ない可能性があり、そうなると他の子の餌を取りに行くため巣を離れるために最終的に育たないことが多いからという何とも悲しい事情だった。
1つでも無事だったことは嬉しいが、半数の卵と引き換えに引き取りに行くことはしたくても出来ないのだ。
親の代わりに出来る限りの愛情を持って育てようとレナードは心に誓った。
そして帰り際に大精霊より2つのアクセサリーを渡された。
指輪とペンダントで、指輪はレナードに、ペンダントは誘拐された子らの捜索する責任者にと。
出来れば幻獣使いか、召喚士など従魔術など幻獣や魔物などと話せるスキルがある者に渡して欲しいと言われた。

森を麒麟の子の背に妖精と精霊を乗せ出た。
直ぐに幸運なる蒼き仲間達の他のメンバーが次々と合流し、ギルド職員達がいるところまで戻る。
行きは多少の魔物や魔獣の襲撃があったが、帰りは全く遭遇しなかった。
コナーの姿を見つけ声をかける。
「副ギルド長、無事送り届けて来ました」
「ご苦労様。ところでその妖精と精霊?はどうしたのです」
「あぁ、魔性果実が気に入って着いて来たいというので、許可を得て連れて来ました。あとこの卵も」
「まあ、無断じゃなきゃ幻獣に襲われることはないだろうが、人間に狙われるゾ」
「そこは2人に言い聞かせてなんとかしますよ。
ところで内密にお話ししたいことがあるのですが、少しお時間をいただいても?」
周りと充分距離を取って小言で話す。
大精霊から誘拐の捜索の協力のため渡されたものがあると。
指輪は今度この森に来た時にレナードが襲われたり、幻影に惑わされることがないようにするもの。
ペンダントは捜索に森の者が邪魔や悪戯しないようにするもので、引き渡しをスムーズに行うことが出来るようにしてあるらしい。
但しこれを利用して誘拐や素材の乱獲をした場合には、関係者全員即死させると。
それは実行犯だけでなく、依頼をした者や協力した者だけでなく、見て見ぬふりをした者や目撃したのに告げなかった者までも含むらしい。
ということを説明してシリルに手渡す。
「凄い物を預かって来ましたねぇ。
要するに誘拐した者を取り締まり、出来れば連れて帰って欲しいと。
で、管理を怠って悪用されたら関係者が全員即死と。それって盗まれた人も含まれるんですか?」
「そこまでは確認しなかったですね。でもこれがあれば、保護した幻獣を返しに行くのに被害が出なくなりますよ」
「そうですね、良い方に捉えましょう」
「捜索隊のリーダーはコナー副ギルド長のような召喚士など、魔獣や幻獣と話せる者が良いって言ってました。
たぶん交渉出来る人ってことでしょうね。
あとこの卵ですが、火蜥蜴でした」
「幻獣の卵としては小さいから鳥系かと思っていましたが。
ということは、今までも鳥の卵などだと思って見逃した物の中に、火蜥蜴だけでなく、未だに繁殖や卵の形状を確認出来ていない種族の卵が紛れていたということか!」
思い当たることがあるのか、悔しそうに拳を握り締め歯を食い縛っていた。
冒険者達は引き続き密猟者を捜索するというので別れたが、昨夜使った洞穴を野営地候補に教えておいた。
一足早くギルド職員と一緒に町に帰ることになった。

冒険ギルドへそのまま行くことに。
色々報告があるため、いっぺんに済ませたいとギルド長の部屋に直接連れて行かれた。
「ギルド長戻りました。レナードさんも連れて来ましたよ」
「レナードさん、報告と対応してくれて感謝する。
変異種達は変わりはないか?」
「長距離の移動で疲れているくらいですかね?」
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