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来週のお祭りの打ち合わせ_03
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同じ頃、マホの機転で解放された学友の少女は、ホノオを探して、真善美高校の校舎内を駆けずり回っていた。
ちなみに、彼女を乗せて来た改造スクーターの少女は、校門前でホノオを連れて来るのを待っている。
学友の少女はホノオのいる美術室に向かう前に、生徒会室に立ち寄っている。副会長や書記達に事情を説明し、どう対処するかを相談するためである。
そこで居残り作業をしていた数名と話し合い、教師達(大人)に相談すべきか否かで意見が分かれてしまった。
でも、マホの身の安全を第一に考えた。
マホ本人が教師達(大人)には告げ口するなと言っていたことが決め手となり、先ずはここにいるメンバーだけで改進高に向かおうという話になった。
改進高との約束どおりにホノオを迎えに、メンバー全員で血相変えて美術室に向かった。
途中、その剣幕に気づいた生徒達の多くが声をかけて来て、マホ救出部隊が急遽編成されることになった。
まぁ、……中には面倒事に関わりたくないと言って表情を落として去って行く者もいたのだけれど。
何だかんだで人望のあるマホ。そこそこの人数を集めることに成功した。
それで、美術室にはホノオはいなかったのだけど、その姉のヨウがいた。
ヨウは彼女達の異変を察知すると、問い詰めて白状させてしまった。彼女は直ぐに何か所かに電話をかけて、その相手にも現地に急行するよう、声を荒げて脅し付けている。
その電話の話しぶりから察するに、改進高のOBのところに連絡を入れた模様。
どうやら、……五砲家の権力は、相も変わらず絶対のようだ。
居残りの美術部員達も、ヨウにならってマホ救出部隊に加わった。
救出部隊総勢30数名で校門のところまで行くと、黒塗りの大型国産車が、エンジンのかかったまま10台並んで停車していた。
それで黒服に身を包んだ青年が、先程の改造スクーターの少女の胸倉を掴んで、怒鳴り声で説教している。
彼女は半泣きでごめんなさいごめんなさいと謝っており、その青年がヨウを見るや、少女共々土下座で詫びを入れ始めた。
ヨウは、その場では彼の後輩に対する監督不行き届きを咎めることはしなかった。
でも、今後一切両高校の間ではトラブルを起こさせないよう努めなさいと厳命すると、相手は平謝りに謝まっている。
それから、彼はヨウ達マホ救出部隊の面々を10台の車に乗せ、スクーターの少女共々、改進高方面に向けて出発した。
同じ頃、マホの機転で解放された学友の少女は、ホノオを探して、真善美高校の校舎内を駆けずり回っていた。
ちなみに、彼女を乗せて来た改造スクーターの少女は、校門前でホノオを連れて来るのを待っている。
学友の少女はホノオのいる美術室に向かう前に、生徒会室に立ち寄っている。副会長や書記達に事情を説明し、どう対処するかを相談するためである。
そこで居残り作業をしていた数名と話し合い、教師達(大人)に相談すべきか否かで意見が分かれてしまった。
でも、マホの身の安全を第一に考えた。
マホ本人が教師達(大人)には告げ口するなと言っていたことが決め手となり、先ずはここにいるメンバーだけで改進高に向かおうという話になった。
改進高との約束どおりにホノオを迎えに、メンバー全員で血相変えて美術室に向かった。
途中、その剣幕に気づいた生徒達の多くが声をかけて来て、マホ救出部隊が急遽編成されることになった。
まぁ、……中には面倒事に関わりたくないと言って表情を落として去って行く者もいたのだけれど。
何だかんだで人望のあるマホ。そこそこの人数を集めることに成功した。
それで、美術室にはホノオはいなかったのだけど、その姉のヨウがいた。
ヨウは彼女達の異変を察知すると、問い詰めて白状させてしまった。彼女は直ぐに何か所かに電話をかけて、その相手にも現地に急行するよう、声を荒げて脅し付けている。
その電話の話しぶりから察するに、改進高のOBのところに連絡を入れた模様。
どうやら、……五砲家の権力は、相も変わらず絶対のようだ。
居残りの美術部員達も、ヨウにならってマホ救出部隊に加わった。
救出部隊総勢30数名で校門のところまで行くと、黒塗りの大型国産車が、エンジンのかかったまま10台並んで停車していた。
それで黒服に身を包んだ青年が、先程の改造スクーターの少女の胸倉を掴んで、怒鳴り声で説教している。
彼女は半泣きでごめんなさいごめんなさいと謝っており、その青年がヨウを見るや、少女共々土下座で詫びを入れ始めた。
ヨウは、その場では彼の後輩に対する監督不行き届きを咎めることはしなかった。
でも、今後一切両高校の間ではトラブルを起こさせないよう努めなさいと厳命すると、相手は平謝りに謝まっている。
それから、彼はヨウ達マホ救出部隊の面々を10台の車に乗せ、スクーターの少女共々、改進高方面に向けて出発した。
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