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彼女の話。了
しおりを挟むside 主人公
翌日、その日は休日だった。
私は朝から、出入り禁止になったはずの、要くんの家に呼ばれ、要くんの自室に招かれていた。
「要くん、良いの?家にはもう来ちゃ行けないんじゃ…。」
「大丈夫さ、そんなに怖がらなくても、人払いは済ませてる。」
大きな要くんの背中を見つめながら、後を着いていくが、そこに会話はない。
要くんの部屋に着くと、部屋に入るよう、無言で示された。
部屋に入ると、パタンと、襖を静かに閉められた。
薄暗くなった部屋に、二人きり、私と要くんは向かい合って座る。
「さて…何から話そうか。」
「……あの、要くん」
今回の話からして、多分、これからについてのことだろうと思う。
私は敢えて、自ら逃げ道を作ることにした。
「要くん、別にいいよ。無理しなくても。」
私は潔く諦めて、開き直るつもりでいる。
除け者でしかない以上、そうやって長々と堕落論を展開しながらも、現実を受け入れるしかない。
要くんが例え、織芽くんを選ぼうと、要くんが私を、そう、切り捨てられなければ別にいい。
側室の愛人だろうが、なんだろうが、大事な人間に、捨てられさえしなければ、後はもう、長い長い、時間が解決してくれる。
「私は、要くんと繰くんが大事だから、どの選択肢を選んでも、それで捨てられないなら、何でもいいよ。」
__ それでも、私は要くんを受け入れよう。
それがβの限界だと認めよう、もっと疑い、真実を見極められなかった自分のせいだと、そう思おう。
「愛音ちゃん」
「ん?」
瞬間、視界が回った。
部屋で二人きり、人に見られない場所で、急に強い力で畳に押し倒された。
あっ、と思う間もなく、押し倒され、目の前には、要くんの顔があった。
「どうして、そんなことを言うの?」
「要くん…?」
「ねえ、愛音ちゃん、そうやって優しくして、僕から逃げるつもりじゃないよね?」
「え?」
そんなつもりはない。
毛ほども思ってはいない。
「軽蔑しているんだろう?本当は。あのΩに嫉妬して、意味の無い罵詈雑言を吐きかけたい、全てを投げ出したいって、そう思ってる。」
「!、要く、」
「薄々ね、気付いてたよ。君にΩの兆候が全く訪れないことも、不吉な予感を君が感じていたのも。」
ギュウッと強い力で手首を押えられ、痛みに呻く。
「そんな日は来ない、来ても僕が止めるってそう考えてたのに、それが今じゃ現実になった。」
キス出来そうなほどに、顔が近くに降りてくる。
「なんて愚かしいんだろうね、酷い気持ちだ。…ねえ、愛音ちゃん、僕の『獣』はあの程度じゃ終わらないよ。」
ドロリとした瞳が見える。
酷く濁っていた。
「アレは、僕の本性のほんの一部でしかない。僕の本性は、もっと醜くて、浅ましい。」
「………」
「君を外に出したくない、逃げないように、常に僕の隣に繋いで、僕無しじゃ生きていけないぐらい依存させて、僕以外の人間にうつつを抜かすつもりなら、四肢を切断して、目を潰して、二度とその駄馬に目を向けないようにしてやりたい。」
一切の冗談を抜きにするように、真顔で要くんはそう言った。
「君の番は僕だ。僕しか有り得ないんだ。でも、君はそうやって全く運命を感じていないように振る舞う。」
「…だって、αとβじゃ、事実上番えな……っ!!」
「それ以上言うなら、今この場で君の目を潰す。」
片方の瞼に指を置かれ、私は思わず口を噤んだ。
「僕はどこまで行ってもαだったよ、たかがΩなんかの誘惑に負けて、番である君のことを裏切った。」
「………」
「そして、君は、僕がいなくなっても良いと言うんだ。想ってもいないΩと結婚して、愛してもいない子供を生み育てても、君は許すときた。」
どうして?という顔で、要くんは私を見る。
「裏切ったよ、君を。裏切ったさ。これからどうするつもりなのかって、そりゃあ今まで通りに接したいさ。でも君は一生、裏切られた苦しみを背負ってかなきゃならない。こうなってしまった以上、その事柄から逃げない保証がどこにある?」
「……、」
「もしも、果てに逃げられたら、僕は今度こそ、本当の意味で発狂する。何でもするだろうね、君を閉じこめるためなら。君が子供を生むことすら許せないんだ、僕は。僕だけの番でいて欲しい。苦しいよね、諦めたいよね、僕を軽蔑するよね、でも、駄目だ。僕は君を離せない、逃がしもしないし、君が僕以外を見ることすら許せなくなった。」
刹那、鋭い痛みが喉に走った。
要くんの鋭い犬歯が、肉の中に食い込む感覚。
ペロリと、滲んだ私の血を舐めて、要くんは恍惚とした表情を浮かべる。
「ごめんね、愛音ちゃん。僕は、今起こった、この状況を利用する狂人に成り下がろうと思う。」
愛音ちゃんに付け込んで、許してくれるって思うから。
彼はそう言って、氷のような笑みを浮かべた。
「愛してる、愛音。」
愛しそうに、要くんは私にキスを落とし、徐々にそれを深くしていく。
鉄の味が口の中に広がるのに、どこまでもそのキスは、危険な程に甘かった。
要くんはもう、この時点で、静かに発狂していたように思う。
それぐらい、正気じゃなかった。
何となく、全てを悟られていたのだと思う。
全てを察した上で、その境地に達したのだろう。
否、多分、要くんは元々私を、そうするつもりでいたのかもしれない。
Ωに変わらない以上、βであっても、私を確実に番にする気でいた。
それが本格的に、本性として現れ始めただけ。
そんな気がした。
「ねえ、愛音ちゃん。頷いてくれる?僕の告白。」
「……、うん。」
「そう、嬉しいよ。将来を約束してくれるって誓ってくれるんだね?」
「……要くん」
本当に良いのかな、と疑問が混じり、一瞬、言い淀む。
すると、要くんの指が、私の左目に置かれていた親指が、強く瞼にくい込んだ。
「痛い……っ、要くん……!」
「愛音ちゃん、僕は不安なんだ。君にあんな姿を見せてしまった、だから逃げられても、罵倒されても、暴力を振るわれても、文句は言えない。だから嫌なんだ。」
ボタ、と要くんの汗が、畳に落ちる。
笑いながらも、要くんの声は尋常じゃないくらい震えている。
「逃げられたらどうする?、君がそこで、駄馬のような男と縁を結び、結婚したら?番の僕はどうなる?僕が死んだって、君はその男と幸せに暮らすだろう。ああ、嫌だ、虫唾が走る。」
「っ!!」
痛い、痛い、目が潰れる。
「愛音ちゃん、愛音、愛してる、もう二度と君しか見ないと誓うよ、全部君に捧げるし、欲しいものがあるなら何でも与えてあげる。僕は君のものだ、愛しい愛音ちゃん、僕の番、さあ、答えは?」
ギリッ、とさらに指圧を強められ、
「要くん分かったから!!」
と、私は叫んだ。
「…分かった、要くんと結婚する。ちゃんと番になる。……逃げないよ、一緒にいる。」
私は、要くんの手を握りながらそう呟いた。
「愛音ちゃん」
するりと瞼から手を離し、私の頬を撫でる。
「……要くんとは一緒になりたいよ。でも、正直、私苦しいよ。私はあんな風に、必死に愛して貰えないんだもん。……Ωみたいに理性を吹き飛ばすようなフェロモンも、皆を見惚れさせる容姿もないから…嫉妬もするし、自分の劣等感には勝てないよ。」
諦めて、開き直っているけれど、その中で苦しいという感情がない訳じゃない。
きっとこれからも、私も見苦しい所は見せるだろう。
「なら、今ここで試してみる?今まで我慢して、大事にして来たつもりなんだ。君に嫌われないようにね。君が望むなら獣みたいに、自分から理性を飛ばして、泣いて叫んでも止めないで、君を犯してあげようか?」
「……」
「腹の中にね、壊れるまで、全部注ぐんだ。愛音ちゃんが思ってるより、僕は醜いよ。愛音ちゃんよりも酷く浅ましい。番の前では、薬の力じゃなく、自分からしっぽを振って『獣』になるしかない、単なるα。」
愛音ちゃんは無防備だねえ、と、ケタケタ、ケタケタと要くんは笑う。
「可愛そうに、愛しい愛音ちゃん。君は、自分から理性を手放した僕に犯されて、プライドもお願いも、その済ましたお顔も全部握り潰されるんだ。」
「…」
生暖かい息が、肌に当たった。
「でも、今はその時じゃないから我慢するよ。けどね、全部終わったら、僕は全部捨てて、君の体が二度と元に戻れないようにするからね。」
情欲を孕んだその瞳と、妖艶な唇は、私に何度もキスを落として、次の為のマーキングをしてくる。
どうも、もう戻れない地点まで、私は足を踏み入れてしまったのだろう。
ひとしきりのキスの後、くいっと抱き起こされ、背後から抱きしめられたまま、今後のことについて、囁かれた。
■■
その後、要くんや繰くんは、すぐに動いてくれた。
結局、要くんは様々なことを考慮した上で、家を継ぐことを決意したらしい。
ただ、これに関しては、要くんの両親に酷くごねられたからと言えばいいのだろうか。
最初、要くんは、このままあのΩと本気で婚姻を結ぶくらいなら、家を捨てるとそう言い放った。
双方の両親は怒ったが、あんなことを仕出かした上に、今まで親らしいことを何もして来なかった他人に情は無いと、ハッキリ言い放たれ、自分達は、このままでは捨てられる立場なのだと、よく分かったのだろう。
このまま行けば、要くんは家を捨てるつもりだし、繰くんも家を継ぐつもりは毛頭無く、養子でも何でもお好きにどうぞという、放任っぷり。
要くんを手放せば、今まで安泰だった仕事は、水の泡になる可能性があるのに、本人は、私と居られれば、あとはどうでもいいと言う始末。
双方の両親は、どの選択をすれば懸命な判断になるのか、ここでようやく理解したようだ。
結果、要くんの家は要くんの言う通りに、織芽くんの家も、それに同意するようだった。
そうして、一連の流れが、全て要くんに向いてきた時、要くんは迅速に全てを対応して行った。
一番問題である、子供と織芽くんのこと。
婚姻はしないし、子供は跡継ぎとして育てる方針で行くのと、織芽くんには、絶対に生活に困らない援助をする条件を付けた。
ただし、金輪際それ以外で、一切、私や要くんと関わらないことも、条件につけ加えた。
本人はごねていたが、じゃあ家を捨てると、要くんが話を進めようとすると、慌てて双方の両親から止めが入り、織芽くんは家に引き取られて行った。
その他のことも、要くんや繰くんが、目まぐるしく片付けて行ったおかげで、今じゃもう、邪魔するものが何も無い。
要くんの優秀っぷりと、繰くんの補佐役があってこその芸当であると、改めて私は感じた。
色々なことが解決に向かい、事実上は、もう私と要くんを邪魔する壁はなくなった。
気がつく頃には、いつもと同じ日常が戻ってきた。
要くんはいつも通り、学校に一緒に登校出来るし、織芽くんに関しては、家の事情で、また転校して行ったと学校側から聞かされた。
繰くんとも元通りの関係になり、何にも思い悩むことはなくなった。
「……。」
まあ、突っかかりがないと言えば嘘になるけど。
あの日のことは、やはり忘れ難い。
何度も謝られたし、その謝罪も誠心誠意、こういう形で全て解決に持って行ってくれた。
要くんや、繰くんの謝罪は、やはり受け取るべきだと思っている。
……今はそうでも、長い時間が解決してくれる。
そう信じよう。
「愛音ちゃん、考え事かい?」
不意に話しかけられ、私は視線をそちらに向ける。
要くんがいた。
「…ううん、なんでもない。」
首を横に振って、私は立ち上がる。
「お着物よく似合ってるよ。」
「ありがとう、要くん。変なところはないかな。」
「何も心配いらないさ。おいで。」
今は要くんの家にいる。
今日はお泊まりしよう、と要くんに言われ、夕飯時に合わせて、私は着物を着せられていた。
無地の着物だが、着心地がよく、上質な布で作られているのが、素人ながらも、よく分かる。
要くんも、自分を引き立てる着流しに身を包んでいた。
夕飯なので、迎えに来てくれたようだ。
「愛音ちゃん、『今日は?』」
「薬のこと?」
「いや?もう良いかなって、思ったから。君を汚して、僕のものにしても。」
「要くん、怖いよ。」
ちょっと距離を取ろうとすると、倍以上、要くんに距離を詰められた。
「愛音ちゃん」
「要くん、待って、分かってる、嫌いになったわけじゃないよ。」
ぐいぐいと、壁に追いやられて、私は要くんの背中に手を置く。
タレ目がちな目が、酷く淀んでいた。
「愛音ちゃん」
「うん。」
キュッと裾を掴まれ、返事を返す。
「愛してるよ。」
「うん。」
「何でもする、どんな事でも、どんな願いでも、だから、意地悪しないておくれよ。」
逃がさないと言わんばかりに、私の体は、すっぽりと要くんの体に覆われる。
私は、何となく不安になった心を隠すように、
「……要くん……ご飯、後でいいや」
と、そう言って、要くんの体にしがみつくように、ぎゅうっと抱き着いた。
「そう。じゃあ、愛音ちゃん、先に一緒にお風呂入ろうか。」
「…うん。」
「おいで。」
言われるがまま、私は要くんの手を取る。
「要くん」
「ん?」
「……もう、離れないでね。」
その一言は、多分、私からの最後の、要くんへの我儘だと思う。
もう堕落するところまで、一度は落ちた。
あとは、上がるだけだと、これ以上の下がないことを願っている。
「愛音ちゃん、そんなこと、番として当たり前だ。……離れないよ、ずっと、ずっと、この先も。__ 僕達は、『運命の番』だ。」
「……うん。」
視界が歪み、ぽたりと目から頬にかけて、生温かい涙がこぼれた。
俯きながら、涙を拭う。
「愛音ちゃん、」
「うん。」
事実が変わらない以上、信じなければならない人間である彼を、私は疑い続けて生きていく。
この先の人生、私は彼を受け入れ、開き直りながらも、心のどこかで、ずっと、「私を裏切った癖に。」と。
__ 人間失落。
私は、彼に依存し、何にも困らない人生を、これから先、歩んでいくだろう。
自分の価値を見出せぬまま、ひっそりと、緩やかに、その生命を枯らして生きていくのだ。
「愛音」
「うん、大丈夫、行こう。」
キュッと、要くんの手を握る。
「私も、要くんを愛してる。」
「…ああ、愛音ちゃん、僕もだよ。」
要くんのその言葉を聞きながら、私は、自分が心底安堵しつつも、決して素直に喜ぶことは出来ない感情を抱いている。
でも、それもこれも、もう仕方がないことだから。
どうにでも、何にでもなる。
さようなら。
かつての純粋な約束と共に生まれた、淡い恋心よ。
終
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