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おまけSS 上書き♡痴漢プレイ(1)★
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「ねえ、高山さん……何これ」
「ああ、侑人も入ってこいよ。結構雰囲気あるぜ?」
仕事を終えた侑人は、そのままの足で来てほしい――と高山に呼び出されていた。
指定された場所に来てみれば、何ということはない。セフレ時代を思わせるようなノリでラブホテルに誘われ、侑人も二つ返事でオーケーした。
そうして、予約されていた部屋に足を踏み入れ、冒頭の会話に至るというわけなのだが、
「いやなんで、コンセプトルームなんだよっ!? しかも電車!」
侑人はたまらず声を張り上げる。
そう、そこは電車の車内を模したコンセプトルームだった。
座席やつり革はもちろんのこと、窓から見える駅のホームに至るまでしっかりと作り込まれている。おまけに電車の走行音やアナウンスまで再現されていて、まるで本当に電車に乗っているかのようなリアリティだ。
「俺が金出す、つってんだからいいだろ? しかし本当によく出来てるもんだ、なんか見てて楽しいよなあ」
「……高山さんって俺には勿体ないくらい、いい人だと思ってるんだけどさ」
「うん?」
「こういったとこ、すごく残念だよな?」
「そりゃ人間なんだから、ちょっとくらい残念なところがあってもいいだろ」
ジト目で見つめるも、高山は悪びれた様子もなく肩を竦めてみせる。そうして背後からこちらの手を掴むなり、つり革を握らせてきた。
「お、おい!」
「で? こうやって立ってたら、痴漢されたんだっけか?」
「なっ……」
侑人が痴漢にあったのは、つい先日のことでまだ記憶に新しい。
ただ、本人としてはさして気にすることもなく、高山にもそう言い聞かせていたのだが――どうやらこの様子だと、気にしていたのは高山の方だったらしい。
見れば、高山はどこか余裕のない顔をしている。考えていることが手に取るようにわかって、侑人は呆れ顔で呟いた。
「痴漢に対抗心燃やしてどうすんだよ。相変わらずエロオヤジなんだから」
「仕方ねえだろ、俺の気が収まらないんだ」高山は耳元に唇を寄せてきて、「本当は誰にも触らせたくないし、お前のこと独占したいってのに……」
囁くようにそう続けると、耳朶を甘噛みしてみせる。掴んだままの手首も柔らかく撫でてくるものだから、より侑人はいやらしい気分にさせられるのを感じた。
「っ、本気かよ」
「感触とか残ってたら嫌だし、上書きくらいさせろ。なあ、どんなふうに痴漢されたんだ?」
「どんなふうに、って」
普段は年上として、包容力のある男だというのに――こうして独占欲を剥き出しにされてはたまったものではない。
とはいえ、こちらだって大概だ。激しく求められることに少なからず悦びを感じ、どうしようもなく体が熱くなってしまうのだから。
「言えよ、侑人。……全部、俺が同じようにしてやるから」
吐息交じりに囁かれ、侑人はぶるりと背筋を震わせた。
先ほどまでの威勢もどこへやら。悪態の一つや二つ言いたかったけれど、もはやどうにもならなかった。
「し、尻を……」
侑人の唇が自然と言葉を紡ぎだす。
「尻を?」
「撫で、まわされて」
そう答えるなり、高山の指先がするりと尻を撫でてきた。そっと円を描くようにしたあと、手のひら全体で大きく撫でまわしてくる。
その感触だけでゾクゾクと快感が走り、つい腰が揺らめいてしまう。
「はっ、ん……」
「ったく、痴漢されてるってのに。『襲ってください』って、自分で腰揺らしてんのか?」
「ち、ちが」
「違わねえだろ? それで、他にはどんなことされたんだ?」
くつくつと喉奥で笑い、さらに高山は追及してきた。
侑人は熱っぽい視線にすら感じ入りながらも、おずおずと口を開く。
「ああ、侑人も入ってこいよ。結構雰囲気あるぜ?」
仕事を終えた侑人は、そのままの足で来てほしい――と高山に呼び出されていた。
指定された場所に来てみれば、何ということはない。セフレ時代を思わせるようなノリでラブホテルに誘われ、侑人も二つ返事でオーケーした。
そうして、予約されていた部屋に足を踏み入れ、冒頭の会話に至るというわけなのだが、
「いやなんで、コンセプトルームなんだよっ!? しかも電車!」
侑人はたまらず声を張り上げる。
そう、そこは電車の車内を模したコンセプトルームだった。
座席やつり革はもちろんのこと、窓から見える駅のホームに至るまでしっかりと作り込まれている。おまけに電車の走行音やアナウンスまで再現されていて、まるで本当に電車に乗っているかのようなリアリティだ。
「俺が金出す、つってんだからいいだろ? しかし本当によく出来てるもんだ、なんか見てて楽しいよなあ」
「……高山さんって俺には勿体ないくらい、いい人だと思ってるんだけどさ」
「うん?」
「こういったとこ、すごく残念だよな?」
「そりゃ人間なんだから、ちょっとくらい残念なところがあってもいいだろ」
ジト目で見つめるも、高山は悪びれた様子もなく肩を竦めてみせる。そうして背後からこちらの手を掴むなり、つり革を握らせてきた。
「お、おい!」
「で? こうやって立ってたら、痴漢されたんだっけか?」
「なっ……」
侑人が痴漢にあったのは、つい先日のことでまだ記憶に新しい。
ただ、本人としてはさして気にすることもなく、高山にもそう言い聞かせていたのだが――どうやらこの様子だと、気にしていたのは高山の方だったらしい。
見れば、高山はどこか余裕のない顔をしている。考えていることが手に取るようにわかって、侑人は呆れ顔で呟いた。
「痴漢に対抗心燃やしてどうすんだよ。相変わらずエロオヤジなんだから」
「仕方ねえだろ、俺の気が収まらないんだ」高山は耳元に唇を寄せてきて、「本当は誰にも触らせたくないし、お前のこと独占したいってのに……」
囁くようにそう続けると、耳朶を甘噛みしてみせる。掴んだままの手首も柔らかく撫でてくるものだから、より侑人はいやらしい気分にさせられるのを感じた。
「っ、本気かよ」
「感触とか残ってたら嫌だし、上書きくらいさせろ。なあ、どんなふうに痴漢されたんだ?」
「どんなふうに、って」
普段は年上として、包容力のある男だというのに――こうして独占欲を剥き出しにされてはたまったものではない。
とはいえ、こちらだって大概だ。激しく求められることに少なからず悦びを感じ、どうしようもなく体が熱くなってしまうのだから。
「言えよ、侑人。……全部、俺が同じようにしてやるから」
吐息交じりに囁かれ、侑人はぶるりと背筋を震わせた。
先ほどまでの威勢もどこへやら。悪態の一つや二つ言いたかったけれど、もはやどうにもならなかった。
「し、尻を……」
侑人の唇が自然と言葉を紡ぎだす。
「尻を?」
「撫で、まわされて」
そう答えるなり、高山の指先がするりと尻を撫でてきた。そっと円を描くようにしたあと、手のひら全体で大きく撫でまわしてくる。
その感触だけでゾクゾクと快感が走り、つい腰が揺らめいてしまう。
「はっ、ん……」
「ったく、痴漢されてるってのに。『襲ってください』って、自分で腰揺らしてんのか?」
「ち、ちが」
「違わねえだろ? それで、他にはどんなことされたんだ?」
くつくつと喉奥で笑い、さらに高山は追及してきた。
侑人は熱っぽい視線にすら感じ入りながらも、おずおずと口を開く。
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