91 / 113
おまけコンテンツ
おまけSS 高山さん、充電中につき♡
しおりを挟む
「――……」
リビングでノートパソコンに向かっていた高山が、ふと目頭を押さえた。
長時間のデスクワークで疲れているのだろう。眉間にしわを寄せて、深く息をついている。
侑人はそんな姿に苦笑し、そっと席を立った。
「ほら、コーヒー。もう遅いしノンカフェでいいよな」
そうして、キッチンでインスタントコーヒーを淹れて戻ってくる。ローテーブルにマグカップを置くと、高山は疲れた表情で微笑みかけてきた。
「ああ悪いな、サンキュ」
「どういたしまして。もう若くないんだから、無理せずほどほどにしとけよ」
「なんだそりゃ。人のことジジイ扱いすんなっての」
軽口を交わしながらも、侑人はソファーに腰掛けることなく横切ろうとする。それを見た高山は、すかさず引き留めてきた。
「おい、どこ行くんだよ」
「寝室。あんま邪魔したくねーし」
「邪魔ってなんだよ。ほら、こっち来て座れって」
と、自分の隣をぽんぽんと叩く。
大人しく従うと、すぐさま腰に腕が回され、侑人の体は容易く引き寄せられた。高山は肩口に顔を埋め、そのまま体重を預けてくる。
「あー、癒される」
そう言って頭を押しつける仕草に、侑人は思わず笑みをこぼした。大柄な男にも関わらず、なんだか愛らしく思えてならない。
「ったく、高山さんってば。でっかい赤ちゃんみたいなんだから」
「おいおい、ジジイ扱いの次は赤ん坊かよ」
ため息交じりに言い返して、こちらを見る高山。
その瞳がいたずらっぽく細められたのを見て、侑人はドキッとした。もしや、と悟ったときにはもう遅く、あっという間にソファーへと押し倒されてしまう。
「ちょ、何して……っ」
Tシャツの裾をたくし上げるなり、大きな手のひらが胸元を撫でていく。指先が突起を掠め、侑人が息を詰めれば、高山は愉しげな表情でそこばかり弄ってきた。
「あっ、ん」
きゅっときつく摘まれ、爪を立てて引っかかれ――すっかり赤く熟れたそれを口に含むなり、強く吸い上げられる。
侑人はたまらず腰をくねらせ、熱い吐息とともに言葉を紡いだ。
「やだ……胸、吸うなって」
「ん? 赤ん坊扱いしたのはそっちだろ?」
「だからってこんな……っ、あ」
こんな赤ん坊がいてたまるか。そう抗議しようとするも、乳首への愛撫を再開されてはどうしようもない。
突起を舌で転がされ、ちゅくちゅくと音を立ててしゃぶられ、恥ずかしさのあまり妙な気分になってしまう。次第に甘い疼きが下腹部へと伝わり、自身が頭をもたげていくのを感じた。
「っは……高山さん」
居たたまれなくなって、高山の髪をくしゃりと掻き乱す。すると高山は顔を上げ、こちらの唇にちゅっと軽く口づけてきた。
「少しだけ、侑人とこうしていたい――駄目か?」
その口から出てきたのは、なんとも率直な懇願だった。
こつんと額を合わせながら見つめられ、侑人はどぎまぎとする。ふとしたときに甘えられると、どうにも弱いのだ。
「コーヒー、冷めるけど……」
「温めなおすからいい」
苦し紛れの言い分にも、高山はしれっと返してくる。
侑人はしばし考え込んだのち、やがて観念したように体の力を抜いた。高山の首に腕を回し、耳元で小さく囁く。
「……少しだけだからな」
少しだけ、なんてものが守られるはずもないのは当然知っている。
それでも、高山の気が済むまで付き合うことにした。互いが好きなときに好きなだけ甘えられる、そんな関係は嫌いではない。
(こういった一面、俺にしか見せないんだろうし)
――いや、むしろ結構好きだったりするのだろうか。
侑人はふっと頬を緩めると、愛おしげに高山の頭を撫でたのだった。
リビングでノートパソコンに向かっていた高山が、ふと目頭を押さえた。
長時間のデスクワークで疲れているのだろう。眉間にしわを寄せて、深く息をついている。
侑人はそんな姿に苦笑し、そっと席を立った。
「ほら、コーヒー。もう遅いしノンカフェでいいよな」
そうして、キッチンでインスタントコーヒーを淹れて戻ってくる。ローテーブルにマグカップを置くと、高山は疲れた表情で微笑みかけてきた。
「ああ悪いな、サンキュ」
「どういたしまして。もう若くないんだから、無理せずほどほどにしとけよ」
「なんだそりゃ。人のことジジイ扱いすんなっての」
軽口を交わしながらも、侑人はソファーに腰掛けることなく横切ろうとする。それを見た高山は、すかさず引き留めてきた。
「おい、どこ行くんだよ」
「寝室。あんま邪魔したくねーし」
「邪魔ってなんだよ。ほら、こっち来て座れって」
と、自分の隣をぽんぽんと叩く。
大人しく従うと、すぐさま腰に腕が回され、侑人の体は容易く引き寄せられた。高山は肩口に顔を埋め、そのまま体重を預けてくる。
「あー、癒される」
そう言って頭を押しつける仕草に、侑人は思わず笑みをこぼした。大柄な男にも関わらず、なんだか愛らしく思えてならない。
「ったく、高山さんってば。でっかい赤ちゃんみたいなんだから」
「おいおい、ジジイ扱いの次は赤ん坊かよ」
ため息交じりに言い返して、こちらを見る高山。
その瞳がいたずらっぽく細められたのを見て、侑人はドキッとした。もしや、と悟ったときにはもう遅く、あっという間にソファーへと押し倒されてしまう。
「ちょ、何して……っ」
Tシャツの裾をたくし上げるなり、大きな手のひらが胸元を撫でていく。指先が突起を掠め、侑人が息を詰めれば、高山は愉しげな表情でそこばかり弄ってきた。
「あっ、ん」
きゅっときつく摘まれ、爪を立てて引っかかれ――すっかり赤く熟れたそれを口に含むなり、強く吸い上げられる。
侑人はたまらず腰をくねらせ、熱い吐息とともに言葉を紡いだ。
「やだ……胸、吸うなって」
「ん? 赤ん坊扱いしたのはそっちだろ?」
「だからってこんな……っ、あ」
こんな赤ん坊がいてたまるか。そう抗議しようとするも、乳首への愛撫を再開されてはどうしようもない。
突起を舌で転がされ、ちゅくちゅくと音を立ててしゃぶられ、恥ずかしさのあまり妙な気分になってしまう。次第に甘い疼きが下腹部へと伝わり、自身が頭をもたげていくのを感じた。
「っは……高山さん」
居たたまれなくなって、高山の髪をくしゃりと掻き乱す。すると高山は顔を上げ、こちらの唇にちゅっと軽く口づけてきた。
「少しだけ、侑人とこうしていたい――駄目か?」
その口から出てきたのは、なんとも率直な懇願だった。
こつんと額を合わせながら見つめられ、侑人はどぎまぎとする。ふとしたときに甘えられると、どうにも弱いのだ。
「コーヒー、冷めるけど……」
「温めなおすからいい」
苦し紛れの言い分にも、高山はしれっと返してくる。
侑人はしばし考え込んだのち、やがて観念したように体の力を抜いた。高山の首に腕を回し、耳元で小さく囁く。
「……少しだけだからな」
少しだけ、なんてものが守られるはずもないのは当然知っている。
それでも、高山の気が済むまで付き合うことにした。互いが好きなときに好きなだけ甘えられる、そんな関係は嫌いではない。
(こういった一面、俺にしか見せないんだろうし)
――いや、むしろ結構好きだったりするのだろうか。
侑人はふっと頬を緩めると、愛おしげに高山の頭を撫でたのだった。
188
お気に入りに追加
649
あなたにおすすめの小説
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる