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第7話 ドキドキ♡温泉デート(4)★
しおりを挟む旅館での夕食は、新鮮な海の幸を使った懐石料理だった。
旬魚や伊勢海老のお造り、あわびの踊り焼きなど、目にも鮮やかな料理が次々と並べられ、二人で舌鼓を打ちながら堪能する。地酒も豊富に取り揃えられており、ついつい飲みすぎてしまったのはご愛嬌というものである。
そうしてすっかり満足感を得て、食事処から部屋に戻ったはいいが――問題はそこからだった。
「………………」
畳の上には二組の布団が敷かれており、部屋に入った瞬間から侑人はギクリとした。
一方で高山はというと、特に気にする様子もなく広縁の方へと足を向け、窓からの景色を眺め始める。
「侑人、こっち来てみろよ。星が見えるぞ」
手招きされて、侑人も広縁へ移動する。
雲ひとつない夜空には、宝石を散りばめたように美しい星々が輝いていた。都会では見ることのできない光景に、侑人は心を奪われたかのように小さく呟く。
「綺麗だ……」
「ああ、本当に」
高山が静かに相槌を打つ。
その横顔は月明かりでほんのりと照らされ、浴衣姿と相まって妙に色っぽく見えた。思わず見惚れてしまいそうになって、侑人はそそくさと視線を戻す。
広縁にはテーブルと椅子が設えられており、テーブルの上には茶器が用意されていた。高山は椅子に腰掛けると、それらを確認しながら口を開く。
「せっかくだ。夜景見ながら茶でも飲むか?」
「え?」
「緑茶にほうじ茶か。ああ、茶菓子もあるなんて気が利いてるな」
いや、茶など飲んでいる場合だろうか。恋人同士で旅行に来ている以上、〝そういったこと〟をするものだと思っていたし、先ほどから布団の方が気になって仕方ない。
そのうちに侑人は我慢ならなくなって、真っ赤な顔で高山に詰め寄った。
「や、やることだったら……他にあんだろっ」
と、高山の帯を緩めて態度で示してみせる。
膝をついて前をはだけさせ、下着の上から膨らみに触れれば、ピクッと微かな反応が返ってきた。
「……大胆」
苦笑を浮かべながらも、高山が嬉しそうに頭を撫でてくる。
侑人は布地越しに顔を埋め、すんすんと匂いを嗅ぐようにして鼻先を擦りつけた。そこはすぐに硬度を増して、窮屈そうに下着を押し上げていく。
(風呂入ったってのに、雄の匂いがして興奮する――)
うっとりと目を細めつつ下着をずらすと、高山のものが勢いよく飛び出してきた。
もうはやる気持ちを抑えきれない。侑人は舌先で亀頭を舐め回し、竿の裏側も丁寧に愛撫し始める。
「んっ、ん、ふ……」
次第に先走りが滲み出し、ほんのりと塩味が広がった。
ちらりと視線を上げれば、熱を帯びた目でこちらを見下ろす恋人の姿があり、ゾクゾクとした快感が背筋を駆け抜けていく。つい勢いづけられて、喉奥まで呑み込んでみせるのだが、口の中が高山のものでいっぱいになってしまった。
「はは、口いっぱいになってら。侑人がそこまでしてくれるなんて珍しいな」
「む……」
悪態をついてやろうかと思ったけれど、頭を撫でてくる手つきがあまりにも優しかったのでその気も失せた。
もっと気持ちよくなってもらいたい一心で、侑人は懸命に奉仕を続ける。唾液をたっぷり絡めながら頭を前後に動かし、時折吸い上げるようにして口を窄め、先端や裏筋にも舌を這わせていく――。
拙い技術ではあったが、高山のものはしっかりと反応を見せてくれていた。
「んはっ、あ……高山さん、ちゃんと気持ちい?」
「ああ、すごくいい。上手だな」
気になって問いかけてみれば、すぐに答えが返ってきて嬉しくなる。
けれど、高山は肩に手を置いて、やんわりとこちらの体を引き離した。そのまま布団の方へと導かれて、あっという間に押し倒されてしまう。
覆い被さってくる高山の目は、明らかにぎらついていた。
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