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第6話 愛しい人へ捧ぐ未来(5)★

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「あ……っ、ん」

 返事をする暇もなかった。間髪をいれずに指が増やされ、手首を回しながら抜き挿しされてしまう。
 高山は快感を与えるというより、受け入れる準備が整うよう仕向けているのだ。そうとわかっていても体は快楽を覚えており、早くも三本目の指を呑み込もうとしていた。

「もう柔らかくなった。指もこんなに呑み込んで――」
「んっ、あ……」

 そこはすっかり高山の形を覚えてしまっているようで、もっと欲しいとばかりに収縮を繰り返す。
 次第に物足りなくなって腰を揺すれば、高山がいやらしく口角を上げて言った。

「何が欲しい?」

 何度訊かれたかもわからないその言葉。今までは「オヤジくさい」の一点張りで、大した返事などしてこなかった。
 が、意地を張るのも終わりだ。侑人は高山の首に腕を回し、思いのままに言葉を紡ぐ。

「っ、はやく――高山さんのが、ほしい」

 恥ずかしげもなく懇願してみせると、高山は愛おしげに目を細めて頭を撫でてきた。

「おねだり、上手になったな。……ゴム付けるから少し待ってろ」

 高山の手が枕元へと伸びる。しかし、侑人はその手を掴んで引き戻してやった。

「も、我慢できないから……このまま、挿れて」

 自ら臀部を左右に広げ、秘所をさらけ出す。
 すると、高山がわずかに息を呑む気配がした。余裕のない表情を見せるなり、すぐさまこちらに覆い被さってくる。

「本当にいいのか、ゴム付けなくて」
「いい、から……はやく」

 急かすように言えば、獲物を狩る猛獣のようなそれと視線がかち合い、背筋がゾクゾクと震えるのを感じた。

 高山は昂った自身を取り出して、侑人の膝裏を抱え上げてくる。
 先走りを塗りつけるように先端が押し当てられれば、侑人の頭は期待でいっぱいになった。後孔も先ほどからずっとヒクつきを見せてやまない。

「挿れるぞ」

 そんな言葉とともに熱い楔が打ち込まれる。待ち望んでいた質量に、侑人は喉を反らして喘いだ。

(高山さんのが、ナマで入ってきてる……っ)

 薄い膜の隔たりがないだけに、高山の雄々しい形がはっきりと伝わってくる。
 視線を落とせば、生々しいそれが自分の中に埋め込まれていく様を目の当たりにし、居たたまれない気分になった。今になって、部屋の電気が点けっぱなしだったことを思い出す。

「こーら、なに顔隠してんだ」

 さりげなく顔を隠そうとしたのだが、高山に目ざとく見抜かれてしまった。すかさず手首を掴まれ、シーツへと縫い留められる。
 悪あがきにそっぽを向いてみるけれど、今度は顎を掴まれて正面を向かされてしまう。

「こっち見ろよ、侑人」

 言いながら、高山は腰を進めてくる。内壁を押し広げながらゆっくりと満たされていく感覚に、侑人の顔がとろんと蕩けだした。

「あっ、あぁ……」
「可愛いな。とろっとろに顔蕩けさせちまって」
「ん……やだ、見んなあっ」
「そいつは無理な相談だ。ほら、もう少しで全部入るぞ」
「ぁ、あっ……ん」

 唇を塞がれ舌を絡め取られる。その間も下半身はどんどん密着していき、やがてすべてが収まると、高山は動きを止めてこちらを見下ろしてきた。

「あー、すげえ気持ちいい」

 前髪をかき上げながら、どこか恍惚とした笑みを浮かべる。その色気にあてられて、侑人は思わず中を締めてしまった。
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