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第3話 恋人としての距離感(4)★
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「もう後ろに欲しいのか?」
「………………」
侑人は無言で頷く。恥ずかしいこと続きでもう嫌になるが、どうせなら高山のものを体内で感じながら達したかった。
「ん、了解」
高山は小さく笑みをこぼして、頭をぽんっと叩いてくる。そして、サイドボードの引き出しからローションとコンドームを取り出すと、まずはローションを手のひらに垂らした。
その一連の動作を食い入るように見つめながら、侑人はごくりと喉を鳴らす。
指先にローションが絡まったところで、高山が口を開いた。
「脚、広げろよ」
言いつつ、こちらに向き直る。
侑人が恥ずかしげに脚を広げると、その間に割り入って腰を上げさせられた。
「ん……ぁ」
ローションにまみれた指が後孔に触れ、円を描くように周囲を撫でられる。高まる期待に、半開きになった口から甘い吐息がこぼれ落ちた。
ところが、高山はマッサージでもするかのように指圧するばかりで、一向に挿入しようとはしない。
「っ、なんで」
焦れた侑人は自ら腰を動かして、高山の指を迎え入れようとするが、意地悪な指はするりと逃げてしまう。そうして、また周囲を撫でられての繰り返しだった。
「うん? どうした。ここ、こんなにヒクヒクさせて」
――どうしたではない。この男はいつだってそうだ。
(人が素直になったとみたら、すぐ調子に乗りやがって……)
心の中で悪態をつきつつも、体は正直に反応してしまう。物欲しそうに後孔がヒクついて、こんな生殺しの状態がいつまでも続くだなんて耐えられない。
ジリジリと焼けつくような焦燥感に駆られるなか、侑人の唇がゆっくりと言葉を紡いだ。
「それ……も、いーから」
「もういい? じゃあやめるか?」
「あ……」
高山が手を離そうとしたので、つい切なげな声が漏れ出てしまった。すぐさま、高山はいたずらっぽい笑みを返してくる。
「――嘘だよ」
言って、再び指先を這わせてくると、今度はしっかりと挿入してきた。
「ふあっ……あ、ぁ」
待ちわびた刺激に内壁が絡みつき、さらに奥へと誘いこもうとしているのが自分でもわかる。
高山は浅いところを擦るように抜き挿ししたあと、ずぶずぶと奥深くまで埋め込んできた。事前に準備をしていたこともあって、そこはこれ以上ほぐす必要もなく、すんなりと異物を受け入れてしまう。
「柔らかいな。こんなんじゃ物足りないだろ」
一本だった指が三本に増やされ、指の付け根まで挿入される。手首ごと捻るようにして中をかき混ぜられ、じわじわと快楽に呑まれていく。
「あ、んっ、あぁ……」
もっと、とねだるように腰を揺らしてしまうのをやめられない。にも関わらず、高山の動きはひどく緩慢だ。とっくに準備はできているというのに、焦らされているようでもどかしい。
そのうちにどうしようもなくなって、理性もぐずぐずに溶けていくのを感じた。そんなこちらの様子を察してか、高山は意地悪く笑う。
「ほら、どうされたい?」
こんなときに訊いてくるとはいやらしいにも程があるが、侑人も度重なるお預けをくらって、もう我慢の限界だった。羞恥心をかなぐり捨てて口を開く。
「っあ……はやく、いれて……ほし――」
「それならもう入ってるだろ? 指、三本も呑み込んでおいて何言ってるんだ?」
「や、指じゃ……っ、なくて」
視界が涙でぼやけるなか、顔を見上げて訴えかける。
高山は微動だにしなかったが、やがて観念したように息をついた。
「………………」
侑人は無言で頷く。恥ずかしいこと続きでもう嫌になるが、どうせなら高山のものを体内で感じながら達したかった。
「ん、了解」
高山は小さく笑みをこぼして、頭をぽんっと叩いてくる。そして、サイドボードの引き出しからローションとコンドームを取り出すと、まずはローションを手のひらに垂らした。
その一連の動作を食い入るように見つめながら、侑人はごくりと喉を鳴らす。
指先にローションが絡まったところで、高山が口を開いた。
「脚、広げろよ」
言いつつ、こちらに向き直る。
侑人が恥ずかしげに脚を広げると、その間に割り入って腰を上げさせられた。
「ん……ぁ」
ローションにまみれた指が後孔に触れ、円を描くように周囲を撫でられる。高まる期待に、半開きになった口から甘い吐息がこぼれ落ちた。
ところが、高山はマッサージでもするかのように指圧するばかりで、一向に挿入しようとはしない。
「っ、なんで」
焦れた侑人は自ら腰を動かして、高山の指を迎え入れようとするが、意地悪な指はするりと逃げてしまう。そうして、また周囲を撫でられての繰り返しだった。
「うん? どうした。ここ、こんなにヒクヒクさせて」
――どうしたではない。この男はいつだってそうだ。
(人が素直になったとみたら、すぐ調子に乗りやがって……)
心の中で悪態をつきつつも、体は正直に反応してしまう。物欲しそうに後孔がヒクついて、こんな生殺しの状態がいつまでも続くだなんて耐えられない。
ジリジリと焼けつくような焦燥感に駆られるなか、侑人の唇がゆっくりと言葉を紡いだ。
「それ……も、いーから」
「もういい? じゃあやめるか?」
「あ……」
高山が手を離そうとしたので、つい切なげな声が漏れ出てしまった。すぐさま、高山はいたずらっぽい笑みを返してくる。
「――嘘だよ」
言って、再び指先を這わせてくると、今度はしっかりと挿入してきた。
「ふあっ……あ、ぁ」
待ちわびた刺激に内壁が絡みつき、さらに奥へと誘いこもうとしているのが自分でもわかる。
高山は浅いところを擦るように抜き挿ししたあと、ずぶずぶと奥深くまで埋め込んできた。事前に準備をしていたこともあって、そこはこれ以上ほぐす必要もなく、すんなりと異物を受け入れてしまう。
「柔らかいな。こんなんじゃ物足りないだろ」
一本だった指が三本に増やされ、指の付け根まで挿入される。手首ごと捻るようにして中をかき混ぜられ、じわじわと快楽に呑まれていく。
「あ、んっ、あぁ……」
もっと、とねだるように腰を揺らしてしまうのをやめられない。にも関わらず、高山の動きはひどく緩慢だ。とっくに準備はできているというのに、焦らされているようでもどかしい。
そのうちにどうしようもなくなって、理性もぐずぐずに溶けていくのを感じた。そんなこちらの様子を察してか、高山は意地悪く笑う。
「ほら、どうされたい?」
こんなときに訊いてくるとはいやらしいにも程があるが、侑人も度重なるお預けをくらって、もう我慢の限界だった。羞恥心をかなぐり捨てて口を開く。
「っあ……はやく、いれて……ほし――」
「それならもう入ってるだろ? 指、三本も呑み込んでおいて何言ってるんだ?」
「や、指じゃ……っ、なくて」
視界が涙でぼやけるなか、顔を見上げて訴えかける。
高山は微動だにしなかったが、やがて観念したように息をついた。
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