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第9話 やっと隣に並べた(11)★
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「ん、あっ……ぁ、あっ!」
明の腰使いが、容赦のない切羽詰まったものになる。振り落とされそうなくらいに激しく揺さぶられては、もう千佳も限界だった。
「も、イく……イッちゃうぅ……ッ」
「俺も……」
もう何も考えられなくて、あるのは純粋な欲望でしかない。
二人して荒い息を吐きながらキスを交わし、夢中で相手を求めていく。目まいのような陶酔感を覚えるなか、互いに愛を伝えあった。
「千佳……好きだ、千佳――」
「っあ、俺もすき……だいすき、あきらぁ……っ」
そうしているうちに、いよいよ絶頂が見えてくる。
明が最奥に自身を穿ってきた瞬間、千佳は彼の背中に爪を立てながら射精したのだった。
「ぁああぁっ……」
ぴったりと重ね合わせた体の間を、生温かいものが伝っていく。
同時に明の分身も大きく脈打ち、低い呻き声が聞こえた。ゴム越しでもドクンドクンという脈打ちと熱い滾りを感じ、彼もまた達したのだと知る。
長い射精のあと、二人は無言で抱きあって余韻に浸った。
(――やっと隣に並べた気ィする)
回らぬ頭でぼんやりとそのようなことを思う。
昔から、明は千佳の少し先を歩いていて、自分はその後ろ姿を追いかけているような感覚があった。
だが今は違う。明の隣に立って、同じ景色を見ている――それが嬉しくて愛おしい。ずっと望んでいた光景だった。
「……明。これから先、何度だって恋人らしいことしような」
満ち足りた思いで口にしてから、キスを求めるように瞼を閉じる。
すると、明の「ああ」という返事が聞こえて、濡れた感触が頬に降ってくるのだった。千佳は軽く期待を裏切られ、目を開けるなり唇を尖らせた。
「なにゆえ、頬にしたし……」
「フェラしたあとだし、嫌かと思って」
「はあ!? さっきまで普通にキスしてたじゃん」
「あれは不可抗力。今になって頭冷えた」
「勝手に賢者タイム入るなよ! とにかく嫌じゃねーからっ……こっちがいい」
と、思いきって唇を寄せる。今度はすぐに明の唇が重なってきて、ちゅっと可愛らしいリップ音がした。それからもう一度、角度を変えて口づけてから離れる。
「恥ずかしいヤツだな」
照れ臭さが滲んでいるものの、明は幸せそうに笑って言った。
きっと自分も同じような表情をしているのだろう。そう考えたらくすぐったくて、千佳は誤魔化すために明の首筋へと顔を埋めた。
「俺ら、昔からバカやってきたけどさ――」
こちらの言葉に明も賛同する。これではバカップルだ、と。
変わったものもあれば、変わらないものもあって、これが二人らしい恋人としての在り方なのだと思う。
この先もずっと、こうして二人で笑いあっていけたらいい――大切な幼馴染みと一緒に歩んでいける幸せを、その腕の中で噛み締めるのだった。
fin.
明の腰使いが、容赦のない切羽詰まったものになる。振り落とされそうなくらいに激しく揺さぶられては、もう千佳も限界だった。
「も、イく……イッちゃうぅ……ッ」
「俺も……」
もう何も考えられなくて、あるのは純粋な欲望でしかない。
二人して荒い息を吐きながらキスを交わし、夢中で相手を求めていく。目まいのような陶酔感を覚えるなか、互いに愛を伝えあった。
「千佳……好きだ、千佳――」
「っあ、俺もすき……だいすき、あきらぁ……っ」
そうしているうちに、いよいよ絶頂が見えてくる。
明が最奥に自身を穿ってきた瞬間、千佳は彼の背中に爪を立てながら射精したのだった。
「ぁああぁっ……」
ぴったりと重ね合わせた体の間を、生温かいものが伝っていく。
同時に明の分身も大きく脈打ち、低い呻き声が聞こえた。ゴム越しでもドクンドクンという脈打ちと熱い滾りを感じ、彼もまた達したのだと知る。
長い射精のあと、二人は無言で抱きあって余韻に浸った。
(――やっと隣に並べた気ィする)
回らぬ頭でぼんやりとそのようなことを思う。
昔から、明は千佳の少し先を歩いていて、自分はその後ろ姿を追いかけているような感覚があった。
だが今は違う。明の隣に立って、同じ景色を見ている――それが嬉しくて愛おしい。ずっと望んでいた光景だった。
「……明。これから先、何度だって恋人らしいことしような」
満ち足りた思いで口にしてから、キスを求めるように瞼を閉じる。
すると、明の「ああ」という返事が聞こえて、濡れた感触が頬に降ってくるのだった。千佳は軽く期待を裏切られ、目を開けるなり唇を尖らせた。
「なにゆえ、頬にしたし……」
「フェラしたあとだし、嫌かと思って」
「はあ!? さっきまで普通にキスしてたじゃん」
「あれは不可抗力。今になって頭冷えた」
「勝手に賢者タイム入るなよ! とにかく嫌じゃねーからっ……こっちがいい」
と、思いきって唇を寄せる。今度はすぐに明の唇が重なってきて、ちゅっと可愛らしいリップ音がした。それからもう一度、角度を変えて口づけてから離れる。
「恥ずかしいヤツだな」
照れ臭さが滲んでいるものの、明は幸せそうに笑って言った。
きっと自分も同じような表情をしているのだろう。そう考えたらくすぐったくて、千佳は誤魔化すために明の首筋へと顔を埋めた。
「俺ら、昔からバカやってきたけどさ――」
こちらの言葉に明も賛同する。これではバカップルだ、と。
変わったものもあれば、変わらないものもあって、これが二人らしい恋人としての在り方なのだと思う。
この先もずっと、こうして二人で笑いあっていけたらいい――大切な幼馴染みと一緒に歩んでいける幸せを、その腕の中で噛み締めるのだった。
fin.
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