こんなとこじゃイヤ!

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結婚式準備

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 レオとの結婚が決まり喜んだのも束の間、今は結婚式のための準備に追われていた。

 作法やドレスの採寸、貴族の名前など、覚えることが多くて大変だ。

 レオも忙しいらしく、余り会えていない。

 寂しいけど、これが終われば暫くはゆっくりできると聞いたので、頑張っている。


「あ~!もう、疲れた!」

「休憩しますか?お茶をお持ちいたしますね」

「うん。ありがとう、セレナさん」


 レオとの結婚を基に、結婚するまでセレナさんに敬語を使うことを止めることになった。 

 最近、ようやくそれに慣れてきた。

 結婚してからは、さ・ん・を付けるのを止めるように言われている。


「あ~、もう、やだー」

「ん?何が嫌なんだ?」


 すると、後ろから声がした。


「!…レオ!!」

「疲れているみたいだな。俺との結婚、嫌になったのか?」

「そんなわけないじゃない!」

「良かった。そうなったら、桜を閉じ込めるところだった」

「……え」

「ははっ、大丈夫だ」


 私は少し怖いと思ったが、気のせいだと思うことにした。


「そ、そう言えば、どうしてここに?」

「ああ、桜に会いたかったからだよ。最近、ゆっくり会ってなかったからな」

「そうなんだ!私も会いたいなって、思っていたところだったの!」

「そうか。嬉しいな」


 レオはそう言うと私の隣に座り、私の膝の上に頭を置いた。


「?どうしたの?」

「少し寝るからそのままな」

「うん、分かった」


 私はそう言って、レオの頭を撫でた。


 レオは疲れていたらしく、すぐに眠りに入った。

 私もうとうとしてきて、いつの間にか眠っていた。


 ――――――――――――

 ―――――――


 起きると、私はベッドの上にいた。

 周りを見ても、レオの姿はなかった。

 その時、セレナさんが扉をノックして部屋に入ってきた。


「桜様、お目覚めになられたのですね」

「うん。私、どのくらい寝てた?」

「30分程だと思います。よほど、お疲れになられていたのですね」

「疲れが溜まっていたのかな?そういえば、レオは?」

「陛下は20分程前に執務に戻られましたよ。桜様をベッドに運ばれてから戻られましたよ」

「レオにお礼言っとかないとね」

「今日の夕食は、陛下もご一緒に取ることがてきるそうですよ」

「そうなんだ!じゃあ、その時にお礼言っとこう」


 ――――――――――――

 ―――――――


「桜様、夕食の準備が整いました」


 作法の勉強をしているうちに、いつの間にか夕食の時間になっていた。


「分かった。今行く」


 私は机に向かっていて固まった体を伸ばし、夕食を食べる部屋に向かった。

 部屋につくと、既にレオが椅子に座っていた。


「レオ!もうきてたんだ。待った?」

「いいや。今きたところだ」


 私が席に着くと、料理が運ばれてきた。


「桜、勉強は順調か?」

「うん!マナーとか結構覚えてきてるよ。あ、そうだ。私のことベッドまで運んでくれてありがとう」

「大丈夫だ。あまり無理するなよ」

「うん。ありがとう」


 夕食を食べ終わると、レオが部屋に戻ろうと言ってきた。


「今日はこの後、仕事はないの?」


 このところレオは、毎晩夜遅くまで仕事をしていたのだ。


「ああ、今日の分は終わらせてきたから大丈夫だ」

「そうなんだ!じゃあ、今日はゆっくり寝れるね」

「そうだな。今日は、普通にゆくっりと寝るとするか」


 私達はお風呂に入り、ベッドに入ると、レオに抱き寄せられた。


「もうすぐで結婚式だね」

「そうだな。今更、嫌になったとか言うなよ」

「言わないよ!レオこそ言わないでよね」

「言うわけないだろ。一生離さないからな」

「私も離さないからね。…大好きだよ、レオ」

「俺は、愛してるよ、桜」


 部屋が暗いおかげで、私の顔が赤くなったことは、レオにはバレなかった。


「……っ、私も、愛してる。おやすみ、レオ」

「ああ、おやすみ」


 私達は、何事もなく眠りについた。


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