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レイside

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今日も婚約候補が家に来る。
いったい何人と会えば気が済むのだろうか。
僕には剣術の腕がない。
魔力は多いけどコントロールができない。
しかも次男だからか早めに婚約者を決めようとされている。
公爵家という事もあり令嬢の候補は多い。
何人と会っても惹かれる人はいなかった。
政略結婚だから選んでいる場合ではないんだけどね。

リオン・グランチェスタ子爵令嬢。
彼女を見た時声が出なかった。
一瞬にして引き込まれてしまった。
美しく長い髪、切り揃えられた前髪、ピンクがかった瞳。人形が動いているのではと思うほど可愛らしかった。
しかも体の中から湧き起こる何かを感じる。
一目惚れとはこのような事をいうのか。
彼女の全てが欲しいと思ってしまった。

しばらくの沈黙の後彼女から挨拶をしてくれた。
僕からしなきゃいけないのに。

その後も何も言葉が出ず、彼女から話かけてきた。
「レイ様は剣術をされるのですか?」

稽古はしてるが誇れるものではない。そして魔力は多いがうまくできないことを伝えた。

「今度一緒に練習しませんか?」
彼女の方から誘われてしまった。
また彼女に会いたい。
是非にと笑顔で答えると、可愛いと彼女は言った。
その後失礼なことを言ってしまったというような顔で急いで帰られてしまった。

そんな彼女の事が愛おしすぎて、誰にも取られたくなくてすぐに正式な婚約の申し込みをした。

そういえば可愛いって言われたな…
少なくとも好意は持ってもらえたのかな。
でも、できたらかっこいいって思われたい…

そうだ剣術をもっと頑張ろう。
今より強くなって彼女を守れるように。
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