19 / 268
第1節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われる復讐
19.女子高生(おっさん)と女子達と学年主任
しおりを挟む「ふーっ……ふーっ……ふひひ……」
「うわ……またいるよ【ガハラ】の奴……マジきもい……」
登校時、通学路でヒナヒナグループと一緒になり、話ながら正門をくぐると……そこには学年主任の【高原ガハラ】がいた。
タイムリープする前の俺より少し上くらいだったはず(興味無いので覚えてない)のおっさんは、控え目にいってもデブで、更にすだれハゲの役満リーチ主任だ。今日も油ぎった顔で女子生徒達をいやらしい目付きで見ている。
その挙動に風貌も相まって女子生徒からは大層不人気である。
女子生徒と気の弱そうな男にだけは強気で、セクハラまがいな生活指導をしているというのを男時代に何度も噂で耳にした。学年主任の立場を笠に着せて、指導室でやりたい放題やっているらしい。
間違いなく誠実とは言い難い教師であるのは明白であり、どんな悪口を言われていようが、味方する気も同情する気も起きはしない。
たとえ、タイムリープする前の自分が同類のおっさんであったとしても。いや、それ故の同族嫌悪かもしれない。一応言っておくが、俺は女性にセクハラをした事はないぞ。
「しつこく標的にされてる子もいるってハナシだけど悔しいけど証拠ないし……キモいからあんま近寄りたくないしね。さっさと行こう。あんなの見てる価値もないよ」
ヒナヒナグループの一人【姫廻陽女(ひめぐりひめ)】がゴミを見る眼でガハラを敬遠する。ヒナヒナグループの中では〈陽菜(ヒナ)、陽葵(ヒマリ)、陽女(ヒメ)で真の陽キャ三女傑と勝手に命名〉可愛い顔してけっこう毒づくタイプ。
まるでおっさんの自分に言われているようで、少し興奮した。
「おぉ~ぅ……? 1年C組【姫廻陽女】。何だその眼はぁ~? ずいぶん生意気じゃないか……ふーっ……ふーっ……ふひひっ」
「は? ……いえ、そんなつもりは……」
ガハラがヒメに目をつけて詰め寄ってくる。まるでエルフを見つけたオークだ。ヒメは目線を逸らし、威圧しながら近寄るガハラから顔を背ける。
いくら強気な性格だとしても、目上の男性にずかずかと詰め寄られれば恐怖だろう。たぶんそーいう事をわかってガハラはやっている。
大人のやる事じゃない、いくらスケベなおっさんだろうと節度と分別くらいは弁えるべきだ。
俺はヒメを庇うように、ガハラの前に割って入った。
〈続く〉
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる