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再会
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げんき達は二階を探索しようと、二階まで移動している途中だった。
二階に続く階段をあがると、すぐそこには図書室がある。
「……ま、まずは俺らの教室からだな」
げんき達は廊下を歩き、自分の教室―5Aの教室へと向かった。
「……こう見ると、廊下が長く思えてくるな」
「そうー?」
「見えるかー?」
「そんなわけないでしょ」
「ちょっと!そんなに言わなくたって……」
「いや、ていうかホントに廊下長くなってるんじゃね?」
「やめろよ、こえーよ」
そんな話をしている間に、5Aの教室の目の前まで来た。
先頭のげんきが室内に入る。
「ううっ……寒い……」
げんきは腕をさすった。
すると、怒ったきはちがげんきに怒鳴った。
「おい寒そうにすんなよ!俺とえいとなんか半袖半ズボンの体操服着てんだぞ!俺らの方がよっぽど寒いんだからな」
「そ、そう言われても寒いのは寒いし……」
「ち、ちょっともう別のところに行きたいな……」
この場の空気を切り替えたいと思ったのか、じゅりが言い出す。
げんきは教室を出て図書室の方に向かった。
「行ったり来たりの連続で忙しいな!」
りおが怒っている時の声で叫ぶが、目は笑っていた。
「図書室まで来たな」げんきが呟く。
図書室の扉を開けると、部屋の前にある黒板には、いつも通り『図書室へようこそ!』の文字が書かれていた。
「……行こう」
げんきは図書室の床に一歩踏み入れた。
と、その時。
「「「……!!!」」」
しゅう、えいと、坂上が驚愕の表情を見せる。
「どうしたんだ……っ!!?」
げんきも口を開けて驚いた。
―そこにいたのは、あの謎の少女だった。
「……あ、さっきの……どうしたの……?」少女が訊ねる。
その問いにしゅうが力なく答えた。
「……う、うん……ちょっと……」
「………アイツか?」
小声でげんきがしゅうに訊ねた。
しゅうは少女と目を合わせたまま、「そう」と小声で返した。
暗い図書室に気まずい空気が漂う。
少女は横目で隣の棚を見た。その棚には分厚い動植物や歴史の図鑑がズラリと並んでいる。
やがて少女はまたしゅうと目を合わせた。
そしてそのまま、名前を名乗った。
「……私の名前は、レイ」
その後の沈黙は非常に重かった。
お互いにずっと黙っていたが、レイが重い口を開いた。
「……名前は……?」
「?それ、俺らの名前ってこと?」
レイは小さく頷く。
げんきは笑顔を浮かべて全員の名前を言った。
レイは「そう……」と目を伏せて素っ気なく発する。
しゅうがレイに問いを投げかけた。
「……あ、レ、レイ?レイって……藤花小とどういう関係が……」
「―藤花小の生徒……」
レイはその問いに一言だけそう返した。
「生徒だったのか……じゃあ、、、」
しゅうは続けて質問をしようとする。
しかし、その時レイの姿は消えていた。
二階に続く階段をあがると、すぐそこには図書室がある。
「……ま、まずは俺らの教室からだな」
げんき達は廊下を歩き、自分の教室―5Aの教室へと向かった。
「……こう見ると、廊下が長く思えてくるな」
「そうー?」
「見えるかー?」
「そんなわけないでしょ」
「ちょっと!そんなに言わなくたって……」
「いや、ていうかホントに廊下長くなってるんじゃね?」
「やめろよ、こえーよ」
そんな話をしている間に、5Aの教室の目の前まで来た。
先頭のげんきが室内に入る。
「ううっ……寒い……」
げんきは腕をさすった。
すると、怒ったきはちがげんきに怒鳴った。
「おい寒そうにすんなよ!俺とえいとなんか半袖半ズボンの体操服着てんだぞ!俺らの方がよっぽど寒いんだからな」
「そ、そう言われても寒いのは寒いし……」
「ち、ちょっともう別のところに行きたいな……」
この場の空気を切り替えたいと思ったのか、じゅりが言い出す。
げんきは教室を出て図書室の方に向かった。
「行ったり来たりの連続で忙しいな!」
りおが怒っている時の声で叫ぶが、目は笑っていた。
「図書室まで来たな」げんきが呟く。
図書室の扉を開けると、部屋の前にある黒板には、いつも通り『図書室へようこそ!』の文字が書かれていた。
「……行こう」
げんきは図書室の床に一歩踏み入れた。
と、その時。
「「「……!!!」」」
しゅう、えいと、坂上が驚愕の表情を見せる。
「どうしたんだ……っ!!?」
げんきも口を開けて驚いた。
―そこにいたのは、あの謎の少女だった。
「……あ、さっきの……どうしたの……?」少女が訊ねる。
その問いにしゅうが力なく答えた。
「……う、うん……ちょっと……」
「………アイツか?」
小声でげんきがしゅうに訊ねた。
しゅうは少女と目を合わせたまま、「そう」と小声で返した。
暗い図書室に気まずい空気が漂う。
少女は横目で隣の棚を見た。その棚には分厚い動植物や歴史の図鑑がズラリと並んでいる。
やがて少女はまたしゅうと目を合わせた。
そしてそのまま、名前を名乗った。
「……私の名前は、レイ」
その後の沈黙は非常に重かった。
お互いにずっと黙っていたが、レイが重い口を開いた。
「……名前は……?」
「?それ、俺らの名前ってこと?」
レイは小さく頷く。
げんきは笑顔を浮かべて全員の名前を言った。
レイは「そう……」と目を伏せて素っ気なく発する。
しゅうがレイに問いを投げかけた。
「……あ、レ、レイ?レイって……藤花小とどういう関係が……」
「―藤花小の生徒……」
レイはその問いに一言だけそう返した。
「生徒だったのか……じゃあ、、、」
しゅうは続けて質問をしようとする。
しかし、その時レイの姿は消えていた。
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