生徒がどんどん消えていくんですが

エピローグ

俺達は金白学園での残りの授業を受けた。
そして何事もなかったかのように帰宅。本当に不思議な時間だった。
あのブラックホールが一体何だったかかも分からない。あるいはブラックホールではないのかもしれない。
でも、突如金白学園に現れた理由があるのだとしたら―
そう妄想しただけで、ひとりでに笑いが込み上げてきた。

「ただいまー」
ドアを開けて挨拶をした。今日はお父さん、早めに帰ってくるって言ってたっけ。
テレビを観て楽しんでいると思ったら、お父さんは大量の涙を流しながら俺に抱きついてきた。え、何事？
「ポケっこおおおおお！！！！一日もどこ行ってたんだよおおおおお！！！！」
お父さんはそう大きな声で泣き叫んだ。そしてその発言を俺は聞き逃さなかった。
一日！？三日ぐらいあったんじゃないのか！？金黒の時間はどうなってるんだ？
「お、おう。とにかくごめんなさい」
親を心配させてしまったことを謝った。しかし、お父さんには影がかかっている知らない世界を俺は知っている。

『金白学園』そこは俺達が通っている学園だ。
学園は普段平和で、優しい先生達が勉強を教えている。
『金黒学園』そこは謎がはこびる未知の学園。
規則は乱れていて、それを破るものは一生の罰を受けることになってしまう。

この出来事は俺達の胸の内にしまっておくことにした。
不思議な体験をした二学期の始まりだった。



【終わり】