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13"旅の羞恥はかき捨て

59.泡泡プレイ

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(哀香視点)

「どうですか? 痒いところとかありませんか?」

 私はタオルで男性の背中を洗っていた。彼らの背中は筋肉質でがっちりしていて硬い。華奢な女にはない広い背中に男らしさを感じる。

「ああ、大丈夫だよ」

 2人のうちの上司風の男性が答えた。

「本当ですか? 遠慮せずに言ってくださいね」

 寒空の下、温泉に浸かって火照った身体に冷たい風が吹く。でも全然寒くなかった。

 全裸で男の人の体を洗っているという非日常的な状況(しかも野外)。それが私の興奮を煽ってアドレナリンを分泌させている。

 人間は脳内麻薬の奴隷なのだと思う。もっと、もっと。脳の何かを満たすために生物は生きているのだから。

 だからこそ、私は衝動に抗うことができなかった。

 見ず知らずの私(変態)に向ける無防備な背中。いざとなったら力比べで勝てるという自信に加えて、なにも隠し持っていないことを証明している全裸。それが彼を油断させていたのだろう。

「わっ!?」

 男性が驚きの声を上げた。

 私は彼の背中に身体を密着させた。そして、自分の胸を彼の背に押しつける。



 突然のことに彼は驚いていた。

「ちょっ、ちょっと!?」

 慌てた様子で彼がこちらを振り向こうとしたが、私はそれを制止した。

「動かないでください」

 戸惑う彼を無視して、私は彼の背中に胸を押し当て続ける。そして、ゆっくりと上下に動かした。

 私の胸が形を変えながら彼の背中を滑っていく。泡立てた石鹸が潤滑油の役割を果たしていて、摩擦を軽減してくれる。

「な、なにを……」

 戸惑いながらも彼は抵抗しなかった。ただ困惑しているだけで、私の行為を受け入れていた。

 乳首の先端で感じる彼の硬い背中の感触。彼も背中で私の乳首の硬さを感じているはず。

「ふふ……っ」

 私は思わず笑みをこぼしていた。そして、彼の耳元で囁いた。

「気持ちいいですか?」

「……うっ」

 彼が息を詰まらせた。私はさらに強く胸を押し付ける。すると、彼の背中がぴくりと動いた。

 反応が楽しくなってさらに続けた。

「どうですか? 私のおっぱい」

 胸を回して彼の背中で円を描くように動かした。まるで自分の乳首を筆先に見立てて彼の身体に塗りつけるかのように。

「す、すごいね君……。こんなことまでしてくれるなんて……」

「えへへ、喜んでもらえて嬉しいです」

「ずるいですよ部長。……俺もいいかな?」

「はぁい、もちろんです」

 あらかた洗い終わって、もう片方の男性にも胸を押し当てた。こっちはさっきの小太りの中年の人に比べて年も近く、おそらく20代か30代前半。筋肉質で背も高い。

 彼も同じようにおっぱいで背中を洗ってあげた。

 その後、泡を塗りたくってヌルヌルにして滑りやすくなった乳房で彼の腕を包み込んだ。

「おぉ……。いいね」

 彼も感嘆の声を漏らす。私は嬉しくなって奉仕を続けていた。

「喜んでもらえてよかったです」

 私は激しくおっぱいをスライドして上下させる。泡立った胸の谷間を彼の腕が滑っていく。

「おっぱい大きくて、柔らかい……。最高だよ」

「えへへ、ありがとうございます」

 自分の裸が男の人に見られている。私の胸の感触さえこの人たちは知っている。そう頭の中で反芻すると、子宮がきゅんきゅんとうずく。

「ここもお願いできるかな?」

 その時、不意にかけられた声。

 もう一方の男性の方を何気なく向いた時、私は驚いてしまった。

「え……?」

 いつの間にか彼の股間を隠していたタオルがなくなっていた。

 そして露わにされているモノは、硬く勃起し上を向いた肉棒。毛むくじゃらな膨らみ。

「ん?」

「あ、あのっそ、それって」

 それは男性器だった。

 私は動揺して言葉に詰まってしまった。ソレを直視したことなんてなかったし、ましてや大きくなった状態を見るなんて初めてのことだったから。

「ああ、これかい? いやー恥ずかしいな」

 彼は照れ笑いを浮かべて頭をかいた。その仕草は一見可愛らしくも見えるが、股間のモノはグロテスクな存在感を放っていて異様な存在感がある。

「それが男の人の……なんですね。初めて見ました」

「え? そうなの?」

 彼らは意外そうな顔をした。おそらくは、自分の裸を見せつける変態のくせに、異性のを見たことないなんて、おかしいと思ったのだろう。私がまだ処女だなんてこの人たちは気づいていないのだ。

「はい。男の人のってそうなってるんですね……」

「どう? 俺のも見る?」

 私がまじまじと目の前の彼のモノを見つめながら言うと、傍の男性もニヤついた笑みを浮かべてこちらに正面を向けてきた。

 2人の男性のモノが眼前に迫り、私は息を吞んだ。

「人によって形って違うんですね……。そんなに大きくなって痛くないんですか?」

「君のせいでこうなったんだよ」

「私のせい、ですか?」

「君たちの裸を見たら自然とね。おっぱいも感触も柔らかいし、すごくエッチだった」

「あ……私で興奮してくれたってことですよね。うれしいですぅ」

 自分の胸を振るわせながら喜んだ。彼らが私に向ける欲望が具現化したモノがそこにある。

 私は興味津々といった顔をつくって、目を輝かせた。本心からの演技だった。

 私の表情を見た彼らは目配せしてニヤリと笑った。そして提案する。

「ここも洗ってみる?」

 期待に胸を膨らました。

「え、いいんですか?」

「もちろん。でも敏感だからやさしくしてね」

「……はい。ありがとうございます」

 私は恐る恐る彼らのモノに手を伸ばした。

 泡だらけの手で優しく握ると、ビクッと震えるのが分かった。

「わぁ……。すごい、硬い……」

 私は感動していた。これが男の人のアレなんだ……と。あたりまえだけど、おもちゃとは全然違う。ちょっとだけグロテスクで脈打つ血管が浮き出ていて、まるで個別の生き物のようで、たしかな生を感じた。

「じゃあ……失礼します」

 私はその先端に泡を塗りつけるように手で包み込んだ。そしてゆっくりと上下に動かす。デリケートな部分だろうから慎重に優しく、大切に。その棒の魔力に吸い寄せられる気分。



「皮の間に汚れが溜まりやすいから、しっかり洗ってね」

「そうなんですね……」

 彼らの指示に従って、私は丁寧に洗っていく。爪を立てないように気をつけて、亀頭のくびれに引っかけるようにして、皮の隙間に指の腹を滑り込ませる。

「おぉ……上手だね」

「えへへ……」

 褒められて嬉しくなった私は、もっと気持ちよくなってもらおうと手の動きを早めた。手で作った輪っかで彼らの肉棒を包み込み、泡の力を借りて上下に動かした。

「「うっ……」」

 2人の男性が同時に呻いた。いつの間にか私は2人の男性のモノを洗っていた。左手は年配の人、右手は若い方の人へ。

「これ、気持ちいいでしょうか?」

 私が上目遣いで聞くと彼らは息を荒くした。

「あ、ああ……すごくいいよ」

「ほんとですか? よかったぁ」

 男性のモノを愛撫するなんて初めての経験だったけど、彼らの反応を見てなんとなくコツが掴めてきた気がする。

 気づけば洗浄行為は愛撫に変わっていた。

 私の手の動きに合わせて彼らのモノがビクビクと反応する。それが面白くて何度も繰り返してしまう。

 血が集まってガチガチに固くなっていく肉棒は彼らの興奮のバロメーターだと思う。

 ──ほらほら、もっと大きくなっちゃえ!

 私が彼らの衝動をコントロールしているような気がして、優越感に浸っていた。文字通り彼らのモノは私の手のひらの上で踊っている。

「うぁ、やばい。一旦やめて!」

「お、俺も!」

 2人が切羽詰まった声で叫ぶ。

「えへへ、もう少し洗わせてくださいよー」

 私は彼らの呻きを冗談くらいにしか思ってなくて、さらに手の動きを早めてしまった。

 すると2人は苦悶に満ちた顔で上を向いた。それと同時に握っていた2本の肉棒が大きく膨らんだ。

「だ、だめだ! もう我慢できない!」

「出るっ!!」

 次の瞬間、2本の先端から白い液体が飛び出した。

「きゃっ!?」

 私は驚いて悲鳴を上げて反射的に目をつぶった。

 勢いよく放たれた液がびちゃびちゃ……と私の顔や身体に降りかかる。

 生温かくて、鼻につくような匂いを放つどろりとした液体。

 目を開けるとびゅくびゅくと白濁液が肉棒の割れ目から溢れていた。

「わ、わぁ……すごい……まだ出てる……」

 私は呆然として呟いた。

 ──男の人ってこんなに出るんだ。

 驚きは確かにあったけれど、私は彼らのモノを離せないでいた。どくどくと脈打つそれをぎゅっと握って、軽く振った。もったいなくて、最後の一滴まで搾り取るように。

「すまない! かけるつもりはなくて……我慢できなかったんだ」

「ごめんね……でも、君が離してくれないから……」

「あ、あの……大丈夫ですから。気にしないでください」

 私は慌てて言った。

「ありがとう……ごめんね」

 2人は申し訳なさそうに謝ってくれたけど、そんな必要ない。私は嬉しかった。

 彼らの欲望の捌け口にされていることを感じたから……。

 私で興奮してくれたということが、私を必要としてくれているようで、心が満たされた気がした。どれほど人前で自分を偽ろうとも絶頂に達したという事実は残るのだから。それがたとえ脳の快楽物質が見せたその場限りの幻想だったとしても。真実なのだ。

 私も彼らを利用している。快楽のために。

 だから罪悪感なんて覚える必要はないのに、彼らは私に対してご機嫌を伺うような姿勢を見せている。

 だからその表情を和らげたくて、私は明るい声で提案した。

「じゃあ今度は私の身体を洗ってくれませんか? 汚されちゃったので綺麗にしてください♡」

 力強さを失ったかに思えた肉棒が、再び反り返った。

 ──やっぱり、嘘つき。

 彼らの罪悪感を消すための演技は簡単に破綻した。

 卑猥な嘘発見器♡

「ああ、もちろんだよ」

「任せてくれ」

 2人は笑顔で応えてくれた。私は嬉しくなって彼らに身体を預けた。すると手が伸びてきて乳房を揉みしだかれて、お尻も撫で回される。

「……んっ♡」

 強引な力強さに驚いて声が出てしまった。

「おっぱいも洗わないとね……」

「お尻は俺がしっかり洗ってあげるから……」

 彼らの手が私を這い回る。

「乳首ばっかり洗わないでくださいよぉ。……あん♡」

「ごめん、つい可愛くって」

「あなたはお尻ばかり……」

「俺、尻フェチなんだ。特に君みたいな若い子のプリッとしたお尻が好みでね」

「もう……しょうがないですね。特別ですよ?」

 許可を得た彼らはニタニタと笑いながら私の身体を弄ぶ。まるで私は彼らのおもちゃだった。でもそれが逆に心地良いと思っている自分がいる。

 彼らのタガは外してあげた。私のタガはもう壊れている。

「あの、ここも……洗ってほしいです」

 私は自分の股間を指さしておねだりしてしまった。

「いいの?」

「はい……」

 お尻ばかり洗っていた男性が、私の恥丘へと手を伸ばした。優しい手つきで脱毛したツルツルの丘が撫でられる。

 そして、くちゅりという音が響いて、泡と指が膣内に侵入してきた。

「あぁん♡」

 待ち望んでいた刺激に私は歓喜の声を上げた。

「すごいな、もうトロトロじゃないか」

 男性は感心したように言って、さらに激しく動かした。卑猥な水音が響き渡る。

 やがて手はクリトリスまで伸びてきて、摘まれた。

「あぁん♡そこぉ……ひゃうっ♡」

 強烈な快感に襲われて腰がガクガクになったたけど、後ろから抱きかかえられているため倒れることはなかった。胸を揉む男性も前から支えてくれる。

 もはや操り人形に成り果てて、無理やり立たされていた。

 そのまま容赦なく責め立てられる。

 めちゃめちゃに掻き回すように、私の中を弄ばれる。乱暴に扱われているようで、時折やさしく撫でられる緩急にきゅんきゅんと筋肉が伸縮する。

 ──すごい。この人、上手。これが大人の男性なんだ。

 私は彼のテクニックに感心してしまった。今まで経験したことのない快感で、頭が真っ白になる。

「あうぅぅん♡……っ、ん♡……あっ、あっ、あっ♡」

「こんなに喘いで……淫乱な子だな」

 耳元で囁かれる言葉責めも、今の私にとっては興奮材料でしかなかった。

「……んっ♡あぁん♡ すみませぇん。変態でごめんなさぃ♡」

 罰を与えるように乳首をつねられた。鋭い痛みが走ると同時に快感が押し寄せてくる。

 刺激され続ける恥部ときゅうと引っ張られる乳首。

 ──私、野外で身体を弄ばれてる!!

 快晴の青空と露天風呂というシチュエーションがさらに気分を高めていく。

「んっ♡……あぁん♡ あっ、あっ、あっ♡」

 もう自分がどんな声を出しているのかもわからなかった。ただ与えられる快楽に身を任せているだけ。

 そして、その時が確実に近づいてきた。

「イキそうなのかい?」

「……はい♡」

 ゾクゾクと走った快感で思わず男性の指を締め付けてしまったことで、バレてしまったようだ。

「イっていいよ」

 男性が耳元で囁いた。それと同時に今までで一番強くクリトリスをつねられる。同時に乳首も目一杯引っ張られた。

「……あっ♡……んっ、イクッ!イキまぁぁぁす!!」

 宣言と共に私は絶頂を迎えた。身体が痙攣して、頭が真っ白になる。倒れかかったところを男性に受け止められて覆い被さる形になった。

「はぁ……はぁ……」

 絶頂の余韻に浸って、肩で息をする。

 ──あっ、舐められてる。

 私の乳首を男性が舐めていた。まるで赤ちゃんのように夢中で吸ってくる。それがなんだか可愛らしく思えた。

 ──あっ、そこも!? 舐めるんだ……。

 私の股間が後ろからチロチロと舐め上げられていた。

 流石に男性にアソコを舐められるなんて初めてだったから恥ずかしかった。でも脱力してしまっていて、されるがままになっている。

「んっ♡……あっ、またっ!」

 絶頂の余韻が抜けきっていない私の身体は敏感で、すぐに次の絶頂を迎えた。

 目の前がチカチカとしてしばらく地べたで呆けてしまった。

「大丈夫? 少し休もうか」

「はい……」

 2人は心配そうに声をかけてくれた。

「ありがとうございます。気持ちよくしてもらちゃって……」

「いいんだよ。俺たちも楽しませてもらったんだから」

 単純にうれしいと思った。さっき初めてあった男性たち。この人たちのことが恋愛的に好きなわけじゃないけれど、私の性欲を受け止めてくれたことには感謝している。

 変態扱いされてドン引きされてもおかしくなかったのに。

 だから私は彼らにもう少し何かしてあげたい、と思ったのだ。

 なにより……2人の男性器は完全に元気を取り戻していて、ぎんぎんに屹立していた。

 男女の違いはあれど発散できないもどかしさは分かる。

「あの、よかったら……」

 ──私も舐めてあげましょうか?

 私がおずおずと申し出ようとした時、予想外の声がした。それは、もはや甲高い音だった。

「んっ♡んんーっ!! あん♡あん♡あん♡んんっ!! んぁっ!!」

「えっ?」

 驚いて振り向くと、悠莉の姿があった。

 彼女は露天風呂にある石の角でオナニーをしていた。

「んっ♡……あっ、んぁっ!! んんっ!!」

 私たちの視線など一切気にしない様子で、一心不乱に性器をこすり続けている。

 まさに今、彼女は絶頂に達していた。

 そり上がる背中。彼女のスレンダーな体軀が弓なりに反らされ、ビクビクと痙攣している。

 立ち上る湯気と、彼女の濡れた肢体は美しかった。小ぶりな胸だからこそピンッと上を向く乳首には芸術性さえ感じる。

「はぁ……はぁ……」

 悠莉は肩で息をしながら、絶頂の余韻に浸っていた。

「ゆ、悠莉?」

 私は恐る恐る声をかけたが、彼女は返事をしなかった。ただぼーっと虚空を見つめている。

 それから、ふうっと息を吐いた。

「あーすっきりした」

 何事もなかったかのようにくるりとこちらを振り向いた悠莉は、晴れやかな顔をしていた。

 私もそして男性2人を含めて呆然とその様子を眺めていた。

 彼女は豹変していた。

 さっきまでは恥ずかしがっていたのに、もはやそんな様子は微塵もない。

 乳首も陰毛も丸見えの状態で、堂々としている。

 そして悠然と近づいてきた彼女は虫ケラを見るような冷たい目で私を見下ろした。

「なに? なにか文句あるの?」

「……え、いや」

 私は言葉に詰まった。親友の変わりように頭が追いつかない。

「ふん」

 悠莉は鼻で笑って、私と男性たちを指さした。

「跪きなさい!」

 彼女は命令した。

 その圧力に畏怖された私たちは素直に従って正座した。

 秋の紅葉で色づけられた雄大な自然に囲まれた露天風呂。

 全裸の男女が4人。

 ──この状況はなんだろう?

 おそらく彼女は壊れてしまった。
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