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第三十五話 六月二十一日(木) イメチェンで幸せ!

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「おはよー……って、どした急に!?」

 朝、ユシャンちゃんを迎えに行くと、鳩が豆鉄砲食らったようなお顔。

「うふふ~? 似合う?」

 わたし、ツインテールにしました!

 もとが、ウェービーロングだから、結構なボリューム感。

「似合ってる、似合ってる。やっぱ、ユーはそういうのサマになるなー」

「ええへ~。ありがとー!」

 ツインテールは、女の子、それも子供のうちじゃないとできない髪型! 一回、やってみたかったんだ~。

 「クラスのみんなの反応が、楽しみだな~」なんて、ユシャンちゃんとおしゃべりしながら、学校へ向かうのでした。


 ◆ ◆ ◆


「うお、どしたユー!?」

「えへへ~。イメチェン~」

「似合ってるよ。触っていい?」

 レィナちゃん、びっくり。エレンちゃんは落ち着いたもので、髪を触りたがるので、もちろんオーケー。

「お……おう……似合ってるじゃねーか」

「あら、ありがとねユベール。オンナゴコロがわかってきたかな?」

 ふっふーんと、ドヤ顔。あのユベールでも、褒められて悪い気はしない。

 その後も、クラスの女子から、やいのやいのと心境の変化を尋ねられたり。ただのイメチェンだよ~と言うと、納得してくれる。

 んふふ~。朝から注目の的で、いい気分!


 ◆ ◆ ◆


「ねえ、今日もどう?」

 お昼休み、エレンちゃんから例のミステリアスな笑みで尋ねられる。

 「も」というからには、昨日の続きというワケで。ぼっと、頬が熱くなる。

「それもいいんだけどー。ちょっと今日の宿題、ニガテな理科と算数なんだよね。教えてもらえる?」

 彼女自慢じゃないけど、エレンちゃんは頭がいい。

「お安い御用。どっちの家でやる?」

「今日は、エレンちゃんちがいいかな」

「OK」

 そんなこんなで、いちゃラブ勉強会の予約と相成りました。


 ◆ ◆ ◆


「終わり!」

「はやっ! 早いよエレンちゃん!」

 あっという間に、宿題をやっつけてしまったエレンちゃん。さすがというか……。

「私、いつもこのぐらいでやるし。そうじゃないと、教えられないでしょ?」

「それもそうだけど……」

「どれ、どこで詰まってるのかな?」

「この、面積の求め方なんだけど……ひゃう!?」

 背後に回り込まれて、髪を手漉きで梳かれてしまいました。大声に、お膝のアメリちゃんもびっくり。

「いきなりはやめて~」

「ごめん。アメリもごめんね。というわけで、続きいい?」

「あ、うん」

 すーっ……すーっ……と、エレンちゃんの細い指が、櫛のように通っていく。

 なんだか、気持ちいいやら、こそばゆいやら。

「それはねー。長方形と三角形別々に計算して足せばいいんだよ」

「なるほど」

 エレンちゃん、飽きもせず、髪を梳きながらレクチャー。

「ほんと、ユーの髪質っていいよね~」

「エレンちゃんだって。あとで、触らせてね」

それ宿題、片付けたらね」

 というわけで、アドバイスを受けながら奮闘!

 お膝のアメリちゃんは、すやすや爆睡中。静かな時間だなあ……。ずっとこうしていたい。


 ◆ ◆ ◆


「でーきーたーっ!」

 ついに、攻略完了! ふーっ、国語なら得意なのになあ。

「お疲れ様。アメリ、こっちおいで」

 アメリちゃんをお膝に乗せて、対面に座るエレンちゃん。

「はい、ユーの番」

「うん……」

 すーっ……すーっ……。絹みたいで、きれいな髪だなあ。

「エレンちゃんの髪、ステキ……」

「ありがとう」

「キス、しながら触りっこしようか」

 「うん」とうなずくと、彼女はアメリちゃんを床に降ろし、向き合う。

 ちゅっ……。

 おなじみの、ディープキス。アンド、髪の触り合い。

 ふふ、変な感じ。でも、気持ちいいな。

 最後はハグして、唇を離す。

「愛してるよ、ユー」

「わたしも」

 再度唇を重ね合わせ、時間いっぱいまで、いちゃつくのでした。

 大好きなエレンちゃん。この幸せが、ずっと続きますように!
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