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第二十六話 六月六日(水) エレンちゃんと、例によってイチャイチャして、超幸せ!
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「ねえ、ユー。今日、私のうちに遊びにこない?」
昼休み、四人で固まってると、エレンちゃんが不意にそんなことを切り出す。
「え、でも……」
ちらりと、ユシャンちゃんを見る。
「今更、あたしのこと、気にせんでいーぞー」
手を、ひらひら振る彼女。ほっ。
「じゃあ、ユシャンはアタシと付き合ってくれよ! 今度買う服、選びたいんだ!」
向こうは向こうで、カップル同士デートするみたい。ユシャンちゃんを取られちゃったようで切ないけど、元々、わたしが選んだことだもんね。
◆ ◆ ◆
「ただいまー」
「おじゃましまーす」
不思議よね。なんで他所様のお家って、違う匂いがするんだろう。不思議!
「ジュース出すから、くつろいでて」
「あ、うん」
カバンをソファの脇に置く。
「あ、そうだ。アメリちゃんは?」
「私の寝室。今連れてくるから」
オレンジジュースをソファ前のテーブルに置くと、そのまま別室に向かう彼女。
ややあって、可愛い毛玉ちゃんを抱っこしてきました。
「わあ! 結構大きくなった?」
「そうだね。すくすく育ってるよ」
にぃにぃ鳴いてるアメリちゃんを、抱っこさせてもらう。
温かい。ちっちゃな命が、ここにある。わたしも、いつかこの手に自分の赤ちゃんを抱いてみたかったけど。
こちょこちょ。うふ、くすぐったそうにしてる。可愛いなあ。
「お世話、大変?」
「それなりに。まだ、ケージから出して育てるのは危ないかな」
「そっかー」
もふもふ。わたしなんて、アメリちゃんもマオちゃんも、たまにもふるだけだから気楽なもんだけど、育てるの、大変だよね。
「あ、そうだ。渡そう渡そうと思ってて、タイミングがなくて」
アメリちゃんをソファに置き、紙包みを手渡す。
「開けていい?」
「うん」
「……クッキー! 猫のもあるね。ありがとう!」
えへへ。そんなに喜んでもらえると、照れるな。
「お皿に空けるから、一緒に食べよ」
「ええ!? エレンちゃんのために作ったのに」
「二人で食べたほうが、美味しいじゃない。ねっ?」
ミステリアスな微笑み。ああ、これには勝てないのデス。
かくして、クッキーとジュースを楽しむわたしたち。二人で、空いた手でアメリちゃんをもふもふ。
「はい、あ~ん」
不意に、エレンちゃんが、クッキーを差し出してきました。これって……。
「あ~んだよ、ユー」
「あ、あ~ん……」
ぱくっ。さく、さく。うう、照れくさい……。
「私にも~」
もう、やけです!
「あ~ん……」
「……ん、美味しい~!」
エレンちゃんは、こういう恥ずかしいムーブ、よく平気だなあ……。
「なんかさ、こうしてると」
「うん?」
「アメリ、私たちの赤ちゃんみたいだね」
思わず、ジュースをむせる。「大丈夫!?」と、背中を擦ってくれる、エレンちゃん。
「けほ、びっくりさせないでよ~。こほ」
「ごめん。ここまで驚くとは思わなくて。でも、結婚したら、ペットを子供代わりに育てるっていいと思わない?」
「まあ、それには賛成かも」
女同士で、赤ちゃん産めたらいいのにね。
「ねえ、ユー」
「なあに?」
「キス、しよっか」
あぶな! 今、なにか口に含んでなくてよかった。
「キ、キキ……キ!?」
「だめ?」
ミステリアスな微笑み。だからそれ、反則だってば……。
「だめ、じゃないけど……恥ずかしい……」
「アメリしか、見てないよ」
「じゃあ、軽く、なら。ほんとに軽く」
こくりと頷き、頬を押さえてくるエレンちゃん。
「目、つぶって」
言われた通りにすると、ややあって、柔らかい感触が唇に触れた。どっひゃあ~! 心臓が爆発するぅ~!!
娘の前で、キスしちゃった……。直接キスも、オレンジの味。
軽く、という約束なので、すぐに唇を離してくれました。
「どうだった?」
「柔らかかった……」
「私も。ユー、可愛かったよ」
エレンちゃんから、私がどう見えてたのだろうと思うと、ボンッ! と顔が熱くなる。
「あう~……。恥ずかしいこと言わないでえ~」
「ふふ。照れてるユー、ほんと可愛い」
くすくすと、笑う彼女。
ああ、この笑顔、ほんと弱い。
「今度は、もっとすごいのしようね」
「すごいの……」
顔が、アツアツです。
「それは今度のお楽しみにして、アメリと遊びましょ」
「あ、うん……」
わたし、エレンちゃんにペース握られっぱなしだな。こういうの、受けって言うんだっけ……。
今日もまた一つ、愛のメモリーを重ねたのでした。
昼休み、四人で固まってると、エレンちゃんが不意にそんなことを切り出す。
「え、でも……」
ちらりと、ユシャンちゃんを見る。
「今更、あたしのこと、気にせんでいーぞー」
手を、ひらひら振る彼女。ほっ。
「じゃあ、ユシャンはアタシと付き合ってくれよ! 今度買う服、選びたいんだ!」
向こうは向こうで、カップル同士デートするみたい。ユシャンちゃんを取られちゃったようで切ないけど、元々、わたしが選んだことだもんね。
◆ ◆ ◆
「ただいまー」
「おじゃましまーす」
不思議よね。なんで他所様のお家って、違う匂いがするんだろう。不思議!
「ジュース出すから、くつろいでて」
「あ、うん」
カバンをソファの脇に置く。
「あ、そうだ。アメリちゃんは?」
「私の寝室。今連れてくるから」
オレンジジュースをソファ前のテーブルに置くと、そのまま別室に向かう彼女。
ややあって、可愛い毛玉ちゃんを抱っこしてきました。
「わあ! 結構大きくなった?」
「そうだね。すくすく育ってるよ」
にぃにぃ鳴いてるアメリちゃんを、抱っこさせてもらう。
温かい。ちっちゃな命が、ここにある。わたしも、いつかこの手に自分の赤ちゃんを抱いてみたかったけど。
こちょこちょ。うふ、くすぐったそうにしてる。可愛いなあ。
「お世話、大変?」
「それなりに。まだ、ケージから出して育てるのは危ないかな」
「そっかー」
もふもふ。わたしなんて、アメリちゃんもマオちゃんも、たまにもふるだけだから気楽なもんだけど、育てるの、大変だよね。
「あ、そうだ。渡そう渡そうと思ってて、タイミングがなくて」
アメリちゃんをソファに置き、紙包みを手渡す。
「開けていい?」
「うん」
「……クッキー! 猫のもあるね。ありがとう!」
えへへ。そんなに喜んでもらえると、照れるな。
「お皿に空けるから、一緒に食べよ」
「ええ!? エレンちゃんのために作ったのに」
「二人で食べたほうが、美味しいじゃない。ねっ?」
ミステリアスな微笑み。ああ、これには勝てないのデス。
かくして、クッキーとジュースを楽しむわたしたち。二人で、空いた手でアメリちゃんをもふもふ。
「はい、あ~ん」
不意に、エレンちゃんが、クッキーを差し出してきました。これって……。
「あ~んだよ、ユー」
「あ、あ~ん……」
ぱくっ。さく、さく。うう、照れくさい……。
「私にも~」
もう、やけです!
「あ~ん……」
「……ん、美味しい~!」
エレンちゃんは、こういう恥ずかしいムーブ、よく平気だなあ……。
「なんかさ、こうしてると」
「うん?」
「アメリ、私たちの赤ちゃんみたいだね」
思わず、ジュースをむせる。「大丈夫!?」と、背中を擦ってくれる、エレンちゃん。
「けほ、びっくりさせないでよ~。こほ」
「ごめん。ここまで驚くとは思わなくて。でも、結婚したら、ペットを子供代わりに育てるっていいと思わない?」
「まあ、それには賛成かも」
女同士で、赤ちゃん産めたらいいのにね。
「ねえ、ユー」
「なあに?」
「キス、しよっか」
あぶな! 今、なにか口に含んでなくてよかった。
「キ、キキ……キ!?」
「だめ?」
ミステリアスな微笑み。だからそれ、反則だってば……。
「だめ、じゃないけど……恥ずかしい……」
「アメリしか、見てないよ」
「じゃあ、軽く、なら。ほんとに軽く」
こくりと頷き、頬を押さえてくるエレンちゃん。
「目、つぶって」
言われた通りにすると、ややあって、柔らかい感触が唇に触れた。どっひゃあ~! 心臓が爆発するぅ~!!
娘の前で、キスしちゃった……。直接キスも、オレンジの味。
軽く、という約束なので、すぐに唇を離してくれました。
「どうだった?」
「柔らかかった……」
「私も。ユー、可愛かったよ」
エレンちゃんから、私がどう見えてたのだろうと思うと、ボンッ! と顔が熱くなる。
「あう~……。恥ずかしいこと言わないでえ~」
「ふふ。照れてるユー、ほんと可愛い」
くすくすと、笑う彼女。
ああ、この笑顔、ほんと弱い。
「今度は、もっとすごいのしようね」
「すごいの……」
顔が、アツアツです。
「それは今度のお楽しみにして、アメリと遊びましょ」
「あ、うん……」
わたし、エレンちゃんにペース握られっぱなしだな。こういうの、受けって言うんだっけ……。
今日もまた一つ、愛のメモリーを重ねたのでした。
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