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第九話 五月六日(火) エレンちゃんのおうちで幸せ!
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エレンちゃんは、いろんな女子グループで引っ張りだこになり、最終的に、わたしたちのグループに入りました。
「なーなー。せっかくだから、エレンち行ってみねえ?」
「ええ!? 突然行ったら、ご迷惑だよ!」
唐突なレィナちゃんの提案に、苦言するわたし。
「うちは構わないよ。誰もいないし」
そう言うエレンちゃんの横顔は、気のせいか、少し寂しそうに見えました。しかし、なんだろう。それが妙にまた、ミステリアスで。
「じゃー、決まりー! 電話借りていーかー?」
「ええ」
というわけで、四人で彼女の家へ。
「入って」
おじゃましまーすと、上がるわたしたち。
「ここが、私の部屋。飲み物取ってくるから、適当に座ってて」
ラドネスブルグは、靴文化。屋内でも靴のまま。
とりあえず、テーブルを囲む。
「おまたせ」
コーラっぽい飲み物が、ラドネスブルグにもあって、それを配膳してくれます。
皆で、いただきますと口をつける。
改めて、室内を見渡す。ユシャンちゃんほどじゃないけど、結構な数の本。推理小説が多いみたい。あとは、カーリング観戦が好きだと言うだけあって、その雑誌も。
あとは、テレビ。ラドネスブルグではまだ、自分用テレビを持ってる子は少ない。
あとは、ベッドの枕元に、猫ちゃんのぬいぐるみ。
「やっぱり、十二にもなって、ぬいぐるみとかおかしいかな?」
私の視線に気づいたエレンちゃんが、照れくさそうに、もじもじ上目遣いで尋ねてくる。か、可愛い~……!!
「そんなことないよ! わたしのお部屋も、ぬいぐるみだらけだもん!」
さっとフォロー!
「うん。ユーって、女の子っぽいこと全般好きでさ。ほんとリリアンしたり、花育てたりとか大好きなんよ」
ユシャンちゃんが、補足する。
「そうなんだ。中でも、一番興味あることって何?」
吸い込まれそうな瞳で見つめられ、ドキドキしてしまう。
「あ、うん。お菓子作りかな。うち、両親がパティシエとパティシエールだから」
「へえ、素敵だね」
くりくりとした瞳に見つめられる。やだ、なんかドキドキするよう……。
「おいおい、ユーだけじゃなく、アタシらのことも訊いてくれよな」
「ごめん、つい。レィナちゃんは何が好きなの?」
「そりゃもう、カーリングよ! 両親が選手でさ! アタシも自然とな!」
エレンちゃんもカーリング好き。たちまち、大盛り上がり。
「所在ないね。本、読んでていい?」
「ごめんなさい。つい、一人のお話に夢中になっちゃうの、私の悪い癖だね。ユシャンちゃんは、本が好きなの?」
「まあ、家業が本屋だからね。何でも読むよ」
今度は、ユシャンちゃんとおしゃべり。私の方に、もう一周きてくれないかなー。
「なあ、ユー」
「ふぁい!?」
ぼーっとエレンちゃんを見ていたら、突然レィナちゃんに話しかけられて、びっくり!
「うぉっ!? こっちがびっくりするわ! 今度の日曜、試合があるんだけどさ……」
後ろ髪引かれる思いで、レィナちゃんとおしゃべり。あーん、なんでこんなに、エレンちゃんが気になるんだろー!?
◆ ◆ ◆
「おじゃましましたー!」
あまり遅くならないうちに、帰宅。
「またいつでも、遊びに来てね」
「うん! うちにも来てね! 美味しいケーキ、ごちそうするよ!」
レィナちゃんとは途中で別れ、ユシャンちゃんと、てくてく歩く。
「あの子、なーんかフシギな魅力のある子だね」
「わかる!? だよね!?」
ユシャンちゃんがこぼした感想に、がぶーっといく。
「うおっ、めっちゃ食いつくな」
「あ、ごめん。つい」
「まさかね。いや、まさかだよなあ……」
わたしを見て、一人で首を傾げたり、頷いたりしている彼女。はて?
「わたしが、どうかした?」
「ううん、なんでもない! さ、遅くならんうちに帰ろー!」
大股で歩いて行くユシャンちゃん。
「待ってー!」
ほんと、なんなんだろ?
「なーなー。せっかくだから、エレンち行ってみねえ?」
「ええ!? 突然行ったら、ご迷惑だよ!」
唐突なレィナちゃんの提案に、苦言するわたし。
「うちは構わないよ。誰もいないし」
そう言うエレンちゃんの横顔は、気のせいか、少し寂しそうに見えました。しかし、なんだろう。それが妙にまた、ミステリアスで。
「じゃー、決まりー! 電話借りていーかー?」
「ええ」
というわけで、四人で彼女の家へ。
「入って」
おじゃましまーすと、上がるわたしたち。
「ここが、私の部屋。飲み物取ってくるから、適当に座ってて」
ラドネスブルグは、靴文化。屋内でも靴のまま。
とりあえず、テーブルを囲む。
「おまたせ」
コーラっぽい飲み物が、ラドネスブルグにもあって、それを配膳してくれます。
皆で、いただきますと口をつける。
改めて、室内を見渡す。ユシャンちゃんほどじゃないけど、結構な数の本。推理小説が多いみたい。あとは、カーリング観戦が好きだと言うだけあって、その雑誌も。
あとは、テレビ。ラドネスブルグではまだ、自分用テレビを持ってる子は少ない。
あとは、ベッドの枕元に、猫ちゃんのぬいぐるみ。
「やっぱり、十二にもなって、ぬいぐるみとかおかしいかな?」
私の視線に気づいたエレンちゃんが、照れくさそうに、もじもじ上目遣いで尋ねてくる。か、可愛い~……!!
「そんなことないよ! わたしのお部屋も、ぬいぐるみだらけだもん!」
さっとフォロー!
「うん。ユーって、女の子っぽいこと全般好きでさ。ほんとリリアンしたり、花育てたりとか大好きなんよ」
ユシャンちゃんが、補足する。
「そうなんだ。中でも、一番興味あることって何?」
吸い込まれそうな瞳で見つめられ、ドキドキしてしまう。
「あ、うん。お菓子作りかな。うち、両親がパティシエとパティシエールだから」
「へえ、素敵だね」
くりくりとした瞳に見つめられる。やだ、なんかドキドキするよう……。
「おいおい、ユーだけじゃなく、アタシらのことも訊いてくれよな」
「ごめん、つい。レィナちゃんは何が好きなの?」
「そりゃもう、カーリングよ! 両親が選手でさ! アタシも自然とな!」
エレンちゃんもカーリング好き。たちまち、大盛り上がり。
「所在ないね。本、読んでていい?」
「ごめんなさい。つい、一人のお話に夢中になっちゃうの、私の悪い癖だね。ユシャンちゃんは、本が好きなの?」
「まあ、家業が本屋だからね。何でも読むよ」
今度は、ユシャンちゃんとおしゃべり。私の方に、もう一周きてくれないかなー。
「なあ、ユー」
「ふぁい!?」
ぼーっとエレンちゃんを見ていたら、突然レィナちゃんに話しかけられて、びっくり!
「うぉっ!? こっちがびっくりするわ! 今度の日曜、試合があるんだけどさ……」
後ろ髪引かれる思いで、レィナちゃんとおしゃべり。あーん、なんでこんなに、エレンちゃんが気になるんだろー!?
◆ ◆ ◆
「おじゃましましたー!」
あまり遅くならないうちに、帰宅。
「またいつでも、遊びに来てね」
「うん! うちにも来てね! 美味しいケーキ、ごちそうするよ!」
レィナちゃんとは途中で別れ、ユシャンちゃんと、てくてく歩く。
「あの子、なーんかフシギな魅力のある子だね」
「わかる!? だよね!?」
ユシャンちゃんがこぼした感想に、がぶーっといく。
「うおっ、めっちゃ食いつくな」
「あ、ごめん。つい」
「まさかね。いや、まさかだよなあ……」
わたしを見て、一人で首を傾げたり、頷いたりしている彼女。はて?
「わたしが、どうかした?」
「ううん、なんでもない! さ、遅くならんうちに帰ろー!」
大股で歩いて行くユシャンちゃん。
「待ってー!」
ほんと、なんなんだろ?
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