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小さな穴に太くて大きいモノをねじ込んでみる

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 水音が響く室内で、少年と少女が躰を寄せ合っている。
 少年が湿った尖端を、そっと穴に触れさせる。

「んっ」

 少女の緊張した吐息が、少年の耳をくすぐる。

「あ、あの」
「大丈夫よ。そのまま入れて」

 少年は少女の言葉を信じて、不安になりながらも力を入れる。

「あっ」

 途端に上がる少女の声。

「だ、大丈夫だって言うから」

 少年の口から、思わず非難めいた言葉が漏れ出てしまう。
 それに対して少女が返したのは、優しい微笑みだった。

「もう少しゆっくり。ね?」
「は、はい」

 自分はひどいことを言ったのに、彼女は優しく応えてくれる。
 そのことに少年は恥ずかしくなり、自分も彼女に応えようという気持ちになる。

「ん、そう、いいわよ」

 小さな穴に太くて大きいモノが浸入しようとする。
 とても入るとは思えない大きさの違いだった。
 しかし、少女は少年を促す。

「そのまま進んで」
「で、でも」
「私を信じて。ね?」

 少女の言葉に、少年は引き返すという考えを捨てる。
 慎重に力を入れながら、奥へ奥へと少しずつ進んでいく。

「回すようにしながら……そう、上手よ」
「そ、そうですか」

 少女から褒められたことに、少年は嬉しくなる。
 だけど、それがいけなかった。
 知らず知らずのうちに力が入ってしまう。

「あっ!」

 それまで余裕を見せていた少女の顔が苦痛に歪む。

「ご、ごめんなさい!」

 少年は慌てて謝るが、もう遅かった。
 太さと大きさに耐えきれなかった小さな穴が、ほんの少し裂けていた。

「ど、どうしよう」
「慌てないで。もうちょっとだから」

 少年の戸惑いに、それでも少女は微笑みを返す。
 けれど、触れている少女の手が、微かに震えていることを少年へ伝える。

「もう一気に押し込んじゃって」
「で、でも裂けちゃうんじゃ」
「裂けたら嫌いになっちゃう?」
「そ、そんなことありません!」
「なら、平気よ」

 震えを隠すように、少女は気丈に振る舞う。
 それなら、自分もそれに応えなきゃ男じゃない。
 少年は覚悟を決める。

「いきます」
「うん」

 少女の微笑みに背中を押されるように、少年は突き進む。

「あ、あぁ!」

 少女の悲痛な叫びが聞こえてきても、少年はもう止まらない。

「裂けちゃう! ――っ!」

 ぷつっ、という感触が少年に伝わってきた。
 太くて大きいモノに耐えきれずに、ついに小さな穴が裂けたのだ。

「あ、あぁ……」

 喪失に喘ぐ彼女の声を聴きながら、少年はやり遂げた充実感に浸っていた。

 ♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀

 行為が終わった後、少年と少女は肩を寄せ合い、隣り合って座る。

「ごめんね。最後にちょっと失敗しちゃったね」
「いいえ。嬉しかったです。だって、ボクのモノがそれだけ立派だったってことですよね」
「ふふっ、そうね。とっても逞しくて、耐えきれなかったわ」

 少女が、裂けた場所に指を這わせる。
 裂け目は痛々しいのに、少女はそれが宝物のように愛しそうに撫でる。

「あの……」

 少年と少女は無言で見つめ合う。

「ちょっと……」

 言葉なんてなくても、自分と相手は繋がっている。
 その想いが幸福感となって、少年と少女を包み込む。

「ちょっと、二人とも!」

 しかし、二人を包む膜は、唐突に引き剥がされる。

「もう、なによ、副部長?」
「なによ、じゃありません! 家庭科室のすみっこで、いかがわしい会話をしないで下さい!」

 少年と少女の世界に割り込んできた相手は、エプロン姿をしていた。
 副部長と呼ばれた少女の言葉に、甘い世界に浸っていた少女は不満そうに口を尖らせる。

「いかがわしくなんて無いわよ。彼が園芸部で育てたキュウリを持ってきてくれたから、料理を作っていただけよ」
「ボク、料理が苦手なので、家庭科部の部長さんに、こっそり料理を習いにきたんです。ちくわにキュウリを入れたのって、簡単で美味しいですよね」
「でも、切らずに入れたのは欲張りすぎね。ちくわが裂けちゃったもの」
「せっかくなら、丸ごと食べてみたくて」

 少年と少女が和やかに会話をする。
 けれど、副部長は頭痛を堪えるように頭を押さえる。

「二人の会話は、なんていうか、その……エロいんですよ! 周りを見てください!」

 少年と少女は言われて気付く。
 周囲には、頬を赤く染めて視線を逸らす女子部員と、なぜかうずくまる男子部員の集団ができあがっていた。

「みんな、エッチねえ。私と彼のヒメゴトを覗くなんて」

 少女はそう言いながら、少年のキュウリの先端を、ぱくっと咥えた。
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