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平日2
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授業が終わり、放課後になりました。
部活動をするために部室に来たのですが、そこで思い出しました。
そういえば、やることがありません。
正確に言えば、部としてやっていることはあるのですが、私は手伝いを拒否されてしまったのです。
その手伝いとは同人誌の作成です。
手先が器用なソラは重宝されています。
私も手先は器用なのですが、なぜか拒否されています。
仲間外れにされているわけではないのですが、手伝おうとすると、やんわりとお断りされてしまうのです。
不思議です。
キャラクターの地味な衣装を、魔女っ子衣装に描き変えるくらい頑張ったというのに。
「キララさん、どうしようか? また、校庭でも散歩してくる?」
同じく手伝いを拒否されているおっぱいお化けが話しかけてきます。
ちなみに、彼女の場合は単純に不器用なのでお断りされています。
きっと、おっぱいが邪魔で手元が見えないのだと思います。
「校庭を散歩するのはやめた方がいいでしょうね。運動部の邪魔をしてしまうでしょうから」
「邪魔?」
前回はおっぱいお化けが、おっぱいおっぱい連呼するので、注目を集めてしまっていたのです。
そのせいで、運動で性欲を発散していた男子生徒達が邪念を抱いてしまったであろうことは、疑う余地もありません。
おっぱいお化けは、歩くだけで周囲を邪気に染めてしまいます。
さすがは魔王です。
おそらく、存在しているだけで闇の波動とかを放っているに違いありません。
そんなわけで、被害を少なくするために、校庭を散歩するのは避けたいところです。
「よくわからないけど、わかったよ。でも、どうしようか? ボーッとしているのも暇だよね」
おっぱいお化けは困った顔をしています。
帰宅するつもりはないようです。
彼女は希望してこの部に入ったので、何かしらの活動をしたいのでしょう。
部室でアニメ鑑賞するという方法もあります。
ここはそういう部なので、文句は言われないと思います。
ですが、同人誌を作っている部員達の邪魔になることを心配しているのでしょう。
その方法は選択肢から除外しているようです。
ふむ。
私も同じ状況なので、何か案を考えてみることにします。
「同人誌の売り上げに貢献するための方法でも考えましょうか?」
「あ、それいいね」
私の提案におっぱいお化けも乗り気です。
同人誌作成に直接関わることができなくても、間接的に関わることができるのが嬉しいのでしょう。
私としても、ソラが手伝っている同人誌の売り上げには貢献したいので、真剣に考えます。
「ありきたりだけど、コスプレして売り子をするのはどうかしら?」
「コスプレかぁ。ちょっと恥ずかしいけど、楽しそうだね」
おっぱいお化けが、谷間に引きずり込めば、きっと客寄せになります。
そして、いったん引きずり込まれた客達は、二度と這い出ることはできないでしょう。
だって、おっぱいお化けの谷間は、底は見えません。
たぶん、地球の裏側まで続いているのだと思います。
もしくは、ブラックホールになっている可能性もあります。
「でも、あまり犠牲者を出すのも、しのびないわね。露出は控えめでいきましょう」
「犠牲者? よくわからないけど、露出は控えめの方が私も嬉しいかな」
それに、最近の漫画やアニメでは、胸が大きい=露出が多い、というわけではありません。
むしろ、胸が大きいキャラクターは、露出が少ない傾向にあります。
服の形や用途不明の紐を身に付けることにより、胸の大きさを強調するのです。
言うなれば、昔は剥き出しの大剣を振り回していたのが、今は一撃必殺の暗器を隠し持っているようなものなのです。
昔は警戒していれば攻撃をかわせていたのが、今は背後からグサリと刺されるようなものなのです。
あれ?
その理屈で考えると、露出は多い方がよいのではないでしょうか?
作戦変更です。
「……やっぱり、露出は増やしましょう」
「え? なんで?」
問題は、どのくらいの露出にするかです。
うーん。
たとえば、こういうのは、どうでしょうか。
「胸囲と脅威は比例するだろうから、胸囲と服の面積を反比例で決めるのはどうかしら?」
「あの? キララさん? 聞いてる?」
思い付きですが、よいアイデアの気がしてきました。
物事を定量的に決めるのは、よいことです。
結果を計算しやすいからです。
私は今の計算式をもとに、おっぱいお化けの服の面積を導き出します。
「というわけで、おっぱ……加藤さんのコスチュームは紐ね」
「意味がわからないよ!? 紐ってなに!?」
暗算はそれほど得意ではないのですが、概算で充分でした。
誤差はせいぜい紐の太さが数ミリセンチ変わるくらいでしょう。
「そういうコスチュームのキャラクターはいたかしら? いっそ、オリジナルでも……」
「キララさん、聞いて!?」
私は漫画やアニメを全てチェックしているわけではありません。
そして、私が観る魔女っ子アニメには、そんなコスチュームのキャラクターは出てきません。
出てくるとしたら、深夜アニメやOVAだと思います。
ここは部員のみなさんからも意見を聞いた方がいいでしょうか。
この部のみなさんなら、そういう方面に詳しいはずです。
きっと、よいアイデアを出してくれると思います。
そんなことを考え始めたところで、部長と目が合いました。
どうやら、私とおっぱいお化けの会話を聞いていたようです。
「コスプレするなら、文化祭で劇でもやってみる?」
部長は、そんなことを言ってきました。
部活動をするために部室に来たのですが、そこで思い出しました。
そういえば、やることがありません。
正確に言えば、部としてやっていることはあるのですが、私は手伝いを拒否されてしまったのです。
その手伝いとは同人誌の作成です。
手先が器用なソラは重宝されています。
私も手先は器用なのですが、なぜか拒否されています。
仲間外れにされているわけではないのですが、手伝おうとすると、やんわりとお断りされてしまうのです。
不思議です。
キャラクターの地味な衣装を、魔女っ子衣装に描き変えるくらい頑張ったというのに。
「キララさん、どうしようか? また、校庭でも散歩してくる?」
同じく手伝いを拒否されているおっぱいお化けが話しかけてきます。
ちなみに、彼女の場合は単純に不器用なのでお断りされています。
きっと、おっぱいが邪魔で手元が見えないのだと思います。
「校庭を散歩するのはやめた方がいいでしょうね。運動部の邪魔をしてしまうでしょうから」
「邪魔?」
前回はおっぱいお化けが、おっぱいおっぱい連呼するので、注目を集めてしまっていたのです。
そのせいで、運動で性欲を発散していた男子生徒達が邪念を抱いてしまったであろうことは、疑う余地もありません。
おっぱいお化けは、歩くだけで周囲を邪気に染めてしまいます。
さすがは魔王です。
おそらく、存在しているだけで闇の波動とかを放っているに違いありません。
そんなわけで、被害を少なくするために、校庭を散歩するのは避けたいところです。
「よくわからないけど、わかったよ。でも、どうしようか? ボーッとしているのも暇だよね」
おっぱいお化けは困った顔をしています。
帰宅するつもりはないようです。
彼女は希望してこの部に入ったので、何かしらの活動をしたいのでしょう。
部室でアニメ鑑賞するという方法もあります。
ここはそういう部なので、文句は言われないと思います。
ですが、同人誌を作っている部員達の邪魔になることを心配しているのでしょう。
その方法は選択肢から除外しているようです。
ふむ。
私も同じ状況なので、何か案を考えてみることにします。
「同人誌の売り上げに貢献するための方法でも考えましょうか?」
「あ、それいいね」
私の提案におっぱいお化けも乗り気です。
同人誌作成に直接関わることができなくても、間接的に関わることができるのが嬉しいのでしょう。
私としても、ソラが手伝っている同人誌の売り上げには貢献したいので、真剣に考えます。
「ありきたりだけど、コスプレして売り子をするのはどうかしら?」
「コスプレかぁ。ちょっと恥ずかしいけど、楽しそうだね」
おっぱいお化けが、谷間に引きずり込めば、きっと客寄せになります。
そして、いったん引きずり込まれた客達は、二度と這い出ることはできないでしょう。
だって、おっぱいお化けの谷間は、底は見えません。
たぶん、地球の裏側まで続いているのだと思います。
もしくは、ブラックホールになっている可能性もあります。
「でも、あまり犠牲者を出すのも、しのびないわね。露出は控えめでいきましょう」
「犠牲者? よくわからないけど、露出は控えめの方が私も嬉しいかな」
それに、最近の漫画やアニメでは、胸が大きい=露出が多い、というわけではありません。
むしろ、胸が大きいキャラクターは、露出が少ない傾向にあります。
服の形や用途不明の紐を身に付けることにより、胸の大きさを強調するのです。
言うなれば、昔は剥き出しの大剣を振り回していたのが、今は一撃必殺の暗器を隠し持っているようなものなのです。
昔は警戒していれば攻撃をかわせていたのが、今は背後からグサリと刺されるようなものなのです。
あれ?
その理屈で考えると、露出は多い方がよいのではないでしょうか?
作戦変更です。
「……やっぱり、露出は増やしましょう」
「え? なんで?」
問題は、どのくらいの露出にするかです。
うーん。
たとえば、こういうのは、どうでしょうか。
「胸囲と脅威は比例するだろうから、胸囲と服の面積を反比例で決めるのはどうかしら?」
「あの? キララさん? 聞いてる?」
思い付きですが、よいアイデアの気がしてきました。
物事を定量的に決めるのは、よいことです。
結果を計算しやすいからです。
私は今の計算式をもとに、おっぱいお化けの服の面積を導き出します。
「というわけで、おっぱ……加藤さんのコスチュームは紐ね」
「意味がわからないよ!? 紐ってなに!?」
暗算はそれほど得意ではないのですが、概算で充分でした。
誤差はせいぜい紐の太さが数ミリセンチ変わるくらいでしょう。
「そういうコスチュームのキャラクターはいたかしら? いっそ、オリジナルでも……」
「キララさん、聞いて!?」
私は漫画やアニメを全てチェックしているわけではありません。
そして、私が観る魔女っ子アニメには、そんなコスチュームのキャラクターは出てきません。
出てくるとしたら、深夜アニメやOVAだと思います。
ここは部員のみなさんからも意見を聞いた方がいいでしょうか。
この部のみなさんなら、そういう方面に詳しいはずです。
きっと、よいアイデアを出してくれると思います。
そんなことを考え始めたところで、部長と目が合いました。
どうやら、私とおっぱいお化けの会話を聞いていたようです。
「コスプレするなら、文化祭で劇でもやってみる?」
部長は、そんなことを言ってきました。
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