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第四章 塔の上
067.梯子
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「この食堂で食べるのも、ひさしぶりな気がするわね」
周囲には思い思いに食事を摂っている兵士やメイドがいる。
私もその中の一人だ。
ついでに言うと、メフィもMMQに取り囲まれながら、食事を摂っている。
あの光景は見たことがある。
当時は知らなかったけど、メフィを可愛がっていたのは、MMQの面々だったのか。
メフィを警戒したアーサー王子の指示かとも思ったけど、見ている限りでは素のようだ。
「シンデレラ様は、使者としてシルヴァニア王国に行かれていましたから。あ、お土産ありがとうございました。美味しかったです」
「そう。よかったわ」
私の目の前では噂話が好きなエミリーがいる。
彼女と一緒に食事を摂るのも、ひさしぶりだ。
昼食を彼女と共にしていたのは以前からだけど、今日は用事もある。
「ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど」
以前は知らなかったけど、今は彼女の正体も知っている。
国内を中心に諜報活動をおこなっているアーサー王子の部下のメイドだ。
彼女なら、私の知りたい情報も知っているんじゃないかと思う。
「騎士団長に言い寄っている女性って誰か分かる?」
私はそう尋ねた。
正確には私の知りたい情報じゃなくて、師匠の知りたい情報なんだけど。
それにしても、最近、師匠のキャラが崩れてきている気がする。
出会った頃から森で色々教えてもらった頃までは、いかにも魔女っぽかったんだけど、最近は年甲斐もなく恋に浮かれるようにしか見えない。
「騎士団長に言い寄っている女性ですか?」
私の問いにエミリーがしばし考える。
心当たりはあったようで、すぐに答えが返ってきた。
「ジャンヌさんです」
ジャンヌ?
・・・・・
しまった。
それはそうだ。
そういう答えが返ってくるのは当たり前だ。
「ごめん。師匠以外で」
普段、名前で呼ばないから、とっさに頭に浮かばなかったけど、ジャンヌは師匠の名前だ。
そして、騎士団長に言い寄る女性として師匠の名前が出るのは当たり前だ。
その師匠が、自分以外に言い寄っている女性がいないかを知りたいのだから。
「ジャンヌさん以外で・・・・・私が知っている範囲ではいませんね」
「そうなんだ」
エミリーが情報通とは言っても、政治的に影響のない人物までは範囲外の可能性はある。
けど、騎士団長はそれなりに重要人物じゃないんだろうか。
そうでなくても、噂話が好物のエミリーがゴシップネタを押さえていないとは思えない。
となると師匠の勘違いなんだろうか。
「他の女の匂いがするとか言ってたんだけど、どこかで香水の匂いがついたとか、そんなオチかな」
それならそれで構わない。
手間がかからずに解決するなら、それに越したことは無い。
そう思ったんだけど、エミリーが何かを思いついたように声を上げる。
「匂い?あ、もしかして・・・」
「なに?誰か知っているの?」
匂いと聞いて何かを思い付いたようだ。
香水がキツイ女性とかだろうか。
正直、師匠の勘違いの方が楽だったんだけど、その女が実在するなら知らなかったフリをしてもバレるだろう。
確認しないわけにはいかない。
「知っているというか、あくまで可能性の話ですけど・・・」
「うん、それでいいわ」
「・・・・・」
「どうしたの?」
どうもエミリーの反応が悪い。
普段は聞いてもいないのに、噂話を自分から話したがるのに、なぜが言いづらそうにしている。
「シンデレラ様は、その女性のことを知って、どうするつもりですか?」
そんなことを聞いてきた。
そう言えば、目的を話していなかった。
噂話のノリで訊けると思っていたんだけど、わざわざそんなことを言ってくるということは、ちょっと面倒な相手なんだろうか。
でも、どうするか、か。
「事実かどうかを確認したら、師匠に報告かな。別にその女性が何か悪いことをしたってわけじゃないし、もしかしたら、師匠の方がお邪魔虫の可能性もあるしね」
騎士団長は独り身らしいけど、懇意にしている女性がいないとは限らない。
もし、そうだとすると、割り込んだのは師匠の方ということになる。
略奪愛を否定はしないけど、それは当人同士の問題だ。
「なら、いいのかな。でもなぁ」
私がそう言っても、エミリーは何かを迷っている。
「知らない方がいいと思いますよ」
「私も興味があるわけじゃないんだけど、師匠のお願いなのよ」
そうじゃなければ、男女関係のドロドロなんかに足を踏み入れようとは思わない。
「やっぱりダメです。言えません」
「危険ってこと?」
「いえ、危険というよりは・・・シンデレラ様が巻き込まれた場合、王子様に怒られちゃうので」
「そうなんだ」
エミリーはアーサー王子の部下だ。
命令の優先権はアーサー王子にある。
私は単にお願いしているだけの立場だから、エミリーにアーサー王子に逆らってまで教えてくれなんて無理は言えない。
ましてや、そんな無理を言ってまで聞き出すような内容でもない。
仕方がないな。
「わかったわ。自分で調べてみる」
面倒だけど、そうすることにする。
「あのぉ、できれば巻き込まれないようにして欲しいんですけど」
「大丈夫。迷惑はかけないから」
「私に迷惑がかかるというか・・・・・あの、本当に確認するだけなんですよね?」
「?ええ、そのつもりだけど」
なんだろう。
教えたくなさそうなのに、しつこく聞いてくるな。
もしかして、私が知ること自体を止めたいんだろうか。
「なら、ヒントだけ教えます」
「助かるけど、いいの?」
「その方が安全だと思うので」
「?」
危険は無いって言っていたはずなんだけど、なんだろう。
そこまで言われると、少し不安になってくる。
まあ、情報は持っておいた方がいいだろうし、とりあえず聞いておこう。
「いいですか。騎士団長がどこかの部屋に入って行くのを見つけても、すぐには追いかけないでください。部屋の外から観察するだけでも、部屋の中で何が行われているかはわかると思いますから」
「部屋の中で・・・ね」
なんとなく予想がついた。
けど、私はそんなに初心に見えるんだろうか。
生娘なのは確かだけど、私も男女のそういう付き合い方くらいは知っているんだけど。
まあ、外から声を聞くだけでも、中で何が行われているかは分かるだろうし、部屋の場所を確認すれば相手が誰かも分かるのは確かだ。
ずいぶんと過保護な忠告だとは思うけど、ありがたく受け取っておこう。
「わかったわ。気をつける」
「そうしてください」
礼を言った後は、他愛のない世間話をしながら、昼食を食べた。
そして夜、私は行動を開始することにした。
*****
騎士団長の普段の行動を知るのは、それほど難しいことじゃなかった。
今は特別な任務についているというわけではないらしく、平時の訓練や会議など城にいる人間なら誰でも知っているような予定通りに行動していた。
今日も例外では無かった。
騎士としての一日の予定が終わるのは夜。
それ以降は自由時間だ。
つまり、夜の時間こそが私が調べものをするのに適切な時間ということだ。
「まさか、こことはね」
私は以前アダム王子の寝室に忍び込むときに使ったドレスを身にまとった状態で呟く。
この黒いドレスは、暗闇で相手を追跡するのに都合がいい。
ドレスというと動きづらそうなイメージがあるけど、実はそうでもない。
足が大きく動かせるから、慣れれば走るのにも支障は無い。
むしろ、膝の動きが相手から見えづらいので、格闘戦にも適しているくらいだ。
ただ、そんなことをすれば、はしたないと言われることは確実なので、昼間に着るのは好きではない。
それが私が普段、男装をしている理由だ。
「騎士団長、ここを登っていったわよね」
以前に来たときには無かったと思う。
縄梯子が上階の窓から下げられている。
「どうしようかな」
エミリーの忠告に従って、騎士団長が登っていった後も、しばらく様子を見ていた。
すると、その後、さらに数人が縄梯子を登っていった。
でも、もう登っていく人間はいないようだ。
中で行われているであろうパーティーの招待客が揃ったということなのだろう。
ぎしっ。
私は縄梯子に手と足をかける。
「一応確認だけするかな」
気は進まないけど。
というか、むしろ騎士団長の相手が彼女ということが分かった時点で、師匠には騎士団長を諦めてもらった方がいいような気がする。
特に、こんなパーティーに参加するようなら、なおさらだ。
それに、師匠じゃ、彼女の手練手管には敵わないだろうし。
ぎしっ・・・ぎしっ・・・。
私は縄が軋む音が大きくならないように気をつけながら、縄梯子を登っていく。
階段を登ったときと違い、直線距離だから、距離自体は短い。
けど、高さはそれなりにあるから、風が吹きつけて揺れると、ちょっと怖い。
「でも、なるほど。入口に鍵がかかっているのに、どうやって男を連れ込んでいるんだと思ったけど、こういう方法を取っていたんだ」
私は塔の窓枠に手をかけて、中の様子の覗き込んだ。
周囲には思い思いに食事を摂っている兵士やメイドがいる。
私もその中の一人だ。
ついでに言うと、メフィもMMQに取り囲まれながら、食事を摂っている。
あの光景は見たことがある。
当時は知らなかったけど、メフィを可愛がっていたのは、MMQの面々だったのか。
メフィを警戒したアーサー王子の指示かとも思ったけど、見ている限りでは素のようだ。
「シンデレラ様は、使者としてシルヴァニア王国に行かれていましたから。あ、お土産ありがとうございました。美味しかったです」
「そう。よかったわ」
私の目の前では噂話が好きなエミリーがいる。
彼女と一緒に食事を摂るのも、ひさしぶりだ。
昼食を彼女と共にしていたのは以前からだけど、今日は用事もある。
「ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど」
以前は知らなかったけど、今は彼女の正体も知っている。
国内を中心に諜報活動をおこなっているアーサー王子の部下のメイドだ。
彼女なら、私の知りたい情報も知っているんじゃないかと思う。
「騎士団長に言い寄っている女性って誰か分かる?」
私はそう尋ねた。
正確には私の知りたい情報じゃなくて、師匠の知りたい情報なんだけど。
それにしても、最近、師匠のキャラが崩れてきている気がする。
出会った頃から森で色々教えてもらった頃までは、いかにも魔女っぽかったんだけど、最近は年甲斐もなく恋に浮かれるようにしか見えない。
「騎士団長に言い寄っている女性ですか?」
私の問いにエミリーがしばし考える。
心当たりはあったようで、すぐに答えが返ってきた。
「ジャンヌさんです」
ジャンヌ?
・・・・・
しまった。
それはそうだ。
そういう答えが返ってくるのは当たり前だ。
「ごめん。師匠以外で」
普段、名前で呼ばないから、とっさに頭に浮かばなかったけど、ジャンヌは師匠の名前だ。
そして、騎士団長に言い寄る女性として師匠の名前が出るのは当たり前だ。
その師匠が、自分以外に言い寄っている女性がいないかを知りたいのだから。
「ジャンヌさん以外で・・・・・私が知っている範囲ではいませんね」
「そうなんだ」
エミリーが情報通とは言っても、政治的に影響のない人物までは範囲外の可能性はある。
けど、騎士団長はそれなりに重要人物じゃないんだろうか。
そうでなくても、噂話が好物のエミリーがゴシップネタを押さえていないとは思えない。
となると師匠の勘違いなんだろうか。
「他の女の匂いがするとか言ってたんだけど、どこかで香水の匂いがついたとか、そんなオチかな」
それならそれで構わない。
手間がかからずに解決するなら、それに越したことは無い。
そう思ったんだけど、エミリーが何かを思いついたように声を上げる。
「匂い?あ、もしかして・・・」
「なに?誰か知っているの?」
匂いと聞いて何かを思い付いたようだ。
香水がキツイ女性とかだろうか。
正直、師匠の勘違いの方が楽だったんだけど、その女が実在するなら知らなかったフリをしてもバレるだろう。
確認しないわけにはいかない。
「知っているというか、あくまで可能性の話ですけど・・・」
「うん、それでいいわ」
「・・・・・」
「どうしたの?」
どうもエミリーの反応が悪い。
普段は聞いてもいないのに、噂話を自分から話したがるのに、なぜが言いづらそうにしている。
「シンデレラ様は、その女性のことを知って、どうするつもりですか?」
そんなことを聞いてきた。
そう言えば、目的を話していなかった。
噂話のノリで訊けると思っていたんだけど、わざわざそんなことを言ってくるということは、ちょっと面倒な相手なんだろうか。
でも、どうするか、か。
「事実かどうかを確認したら、師匠に報告かな。別にその女性が何か悪いことをしたってわけじゃないし、もしかしたら、師匠の方がお邪魔虫の可能性もあるしね」
騎士団長は独り身らしいけど、懇意にしている女性がいないとは限らない。
もし、そうだとすると、割り込んだのは師匠の方ということになる。
略奪愛を否定はしないけど、それは当人同士の問題だ。
「なら、いいのかな。でもなぁ」
私がそう言っても、エミリーは何かを迷っている。
「知らない方がいいと思いますよ」
「私も興味があるわけじゃないんだけど、師匠のお願いなのよ」
そうじゃなければ、男女関係のドロドロなんかに足を踏み入れようとは思わない。
「やっぱりダメです。言えません」
「危険ってこと?」
「いえ、危険というよりは・・・シンデレラ様が巻き込まれた場合、王子様に怒られちゃうので」
「そうなんだ」
エミリーはアーサー王子の部下だ。
命令の優先権はアーサー王子にある。
私は単にお願いしているだけの立場だから、エミリーにアーサー王子に逆らってまで教えてくれなんて無理は言えない。
ましてや、そんな無理を言ってまで聞き出すような内容でもない。
仕方がないな。
「わかったわ。自分で調べてみる」
面倒だけど、そうすることにする。
「あのぉ、できれば巻き込まれないようにして欲しいんですけど」
「大丈夫。迷惑はかけないから」
「私に迷惑がかかるというか・・・・・あの、本当に確認するだけなんですよね?」
「?ええ、そのつもりだけど」
なんだろう。
教えたくなさそうなのに、しつこく聞いてくるな。
もしかして、私が知ること自体を止めたいんだろうか。
「なら、ヒントだけ教えます」
「助かるけど、いいの?」
「その方が安全だと思うので」
「?」
危険は無いって言っていたはずなんだけど、なんだろう。
そこまで言われると、少し不安になってくる。
まあ、情報は持っておいた方がいいだろうし、とりあえず聞いておこう。
「いいですか。騎士団長がどこかの部屋に入って行くのを見つけても、すぐには追いかけないでください。部屋の外から観察するだけでも、部屋の中で何が行われているかはわかると思いますから」
「部屋の中で・・・ね」
なんとなく予想がついた。
けど、私はそんなに初心に見えるんだろうか。
生娘なのは確かだけど、私も男女のそういう付き合い方くらいは知っているんだけど。
まあ、外から声を聞くだけでも、中で何が行われているかは分かるだろうし、部屋の場所を確認すれば相手が誰かも分かるのは確かだ。
ずいぶんと過保護な忠告だとは思うけど、ありがたく受け取っておこう。
「わかったわ。気をつける」
「そうしてください」
礼を言った後は、他愛のない世間話をしながら、昼食を食べた。
そして夜、私は行動を開始することにした。
*****
騎士団長の普段の行動を知るのは、それほど難しいことじゃなかった。
今は特別な任務についているというわけではないらしく、平時の訓練や会議など城にいる人間なら誰でも知っているような予定通りに行動していた。
今日も例外では無かった。
騎士としての一日の予定が終わるのは夜。
それ以降は自由時間だ。
つまり、夜の時間こそが私が調べものをするのに適切な時間ということだ。
「まさか、こことはね」
私は以前アダム王子の寝室に忍び込むときに使ったドレスを身にまとった状態で呟く。
この黒いドレスは、暗闇で相手を追跡するのに都合がいい。
ドレスというと動きづらそうなイメージがあるけど、実はそうでもない。
足が大きく動かせるから、慣れれば走るのにも支障は無い。
むしろ、膝の動きが相手から見えづらいので、格闘戦にも適しているくらいだ。
ただ、そんなことをすれば、はしたないと言われることは確実なので、昼間に着るのは好きではない。
それが私が普段、男装をしている理由だ。
「騎士団長、ここを登っていったわよね」
以前に来たときには無かったと思う。
縄梯子が上階の窓から下げられている。
「どうしようかな」
エミリーの忠告に従って、騎士団長が登っていった後も、しばらく様子を見ていた。
すると、その後、さらに数人が縄梯子を登っていった。
でも、もう登っていく人間はいないようだ。
中で行われているであろうパーティーの招待客が揃ったということなのだろう。
ぎしっ。
私は縄梯子に手と足をかける。
「一応確認だけするかな」
気は進まないけど。
というか、むしろ騎士団長の相手が彼女ということが分かった時点で、師匠には騎士団長を諦めてもらった方がいいような気がする。
特に、こんなパーティーに参加するようなら、なおさらだ。
それに、師匠じゃ、彼女の手練手管には敵わないだろうし。
ぎしっ・・・ぎしっ・・・。
私は縄が軋む音が大きくならないように気をつけながら、縄梯子を登っていく。
階段を登ったときと違い、直線距離だから、距離自体は短い。
けど、高さはそれなりにあるから、風が吹きつけて揺れると、ちょっと怖い。
「でも、なるほど。入口に鍵がかかっているのに、どうやって男を連れ込んでいるんだと思ったけど、こういう方法を取っていたんだ」
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