最弱スキルと最強幼女の金融屋さん。異世界の方がトラブル続きで疲れます‥‥

閑話 ちょっと休憩

――プリティファイナンス――


「なぁ～カス！！」
急にショウタに話しかけるクルス。
クルスは、椅子に座り足をプラプラさせ、雑誌を両手で掲げている。

「…………カスって人はいません。俺はショウタです……いい加減覚えて下さい……」
ショウタは呆れながら答える。

「どっちでもいいわ。それよりカスにとって『人生に必要な3つのもの』ってなんじゃ？」
クルスは、唐突に変な質問をして来た。

ん？なんだ、その質問。
妙に哲学チックな質問だな。

クルスさんが俺に振る話なんていつもは『ねっ！見た今のオッサン！！絶対ヅラじゃよな？な？ギャハハ』とか『見て！！ホラ！でっかい鼻くそ！！ギャハハ』とか、本当にSS級冒険者かと疑う様な言動ばかりだ。

なのに…………
『人生に必要な三つのものって何？』だと～！
なんなんだ一体…………


ん？もしや……俺を試してるのか？
面接の時も、変なこと言って試してた………………

あっ！！

そう言えばチャップリンの名言に『人生に必要なものは勇気と想像力と少しのお金』っていうのがあった気がする。

これだな！！
ふふふ！！どうせ今見ている雑誌にでも書いてあったのだろう……



これは真面目に答えなければ！！

「えっと……努力、愛、希望です……」
どうだ。結構良い答えだろう。

「…………は？……つまんねーな。なんじゃそりゃ？」
クルスはキャンディーを舐めている。

イラっとしたショウタはクルスに尋ねた。
「じゃあ！クルスさんの3つって何なんですか？」

「そんなに知りたいか？もう！しょうがないのぅ。ワシにとって大切なモノはゲーム、漫画、お菓子、映画じゃ！！」
ドヤ顔だ。

「………………それ…………4つ…………ですけど……」

「……………………え？…………1……2……3……4………………あっ！！……」
指で数えるクルス。数えながら思わず声が出てしまった様だ。

「…………それにゲーム、漫画、映画ってこの世界無いでしょ？」

「う………………うるさい！！さっさと仕事しろ！！」
キレるクルス。

「はぁ？？無茶苦茶な……」
呆れるショウタ。

なんだかんだ今日も平和だ………………
と、ショウタは思った。