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2話 女神がドS過ぎて困ったよ。
しおりを挟む――今から一年前――
キキーッ!!!
トラックが急ブレーキを踏む。
「え?」
バンッ!!!
地面に大量の血が流れる……………………
「きゃーーーー!」
人が倒れている…………ショウタだ。
…………薄れゆく意識……………………
目の前が真っ暗になった……………………
「あれ……ここどこ…………」
目が覚めた。
気付いたら目の前には真っ白な空間。
ショウタは座っていた。
辺りを見回す。
先が見えない……どこまでも続いているかの様な空間。
なんだろうここ…………
ここに居る前の記憶を辿ってみるか……
そういえば、フラフラになりながら仕事に向かう途中だったな。
信号待ちしてたら……何かがぶつかってきたな……
それから記憶が無い……
轢かれた?
まぁ…………どうでもいいか…………
ショウタは、その空間で大の字になった。
目を閉じる……
何も聞こえない……
あぁ……このままずっと横になっていたい。
職場ではいつも除け者にされ居場所が無い。
安月給に重労働……
まぁ……俺が選んだ仕事だ。
文句を言ったってしょうがない…………
ツラいなら辞めれば良いじゃないか?と良く言うが簡単には辞められない。
派遣でツラいなんて言ってたら他じゃやっていけないよと言われそうでズルズル働いている…………
こんな性格だから彼女どころか友達もいない……
あぁ………………でも死んでるのか……
どうでもいいんだった……
「…………くだらない妄想終わりました?」
突如聞こえる女性の声。
目の前には、女性がショウタを覗き込む様に見ていた。
女性は満面の笑みを浮かべている。
「うわッ!」
慌てて起き上がるショウタ。
「気付きましたか?私は女神です。アナタはシニマシタ(棒読み)。貴方の前世でのプロフィールを読み上げます。トガシ ショウタ、32歳。派遣社員で給料は月12万。彼女無。顔は中の下。性格は真面目だが頑固で卑屈。故に友達もいない。それにちょっと口がくさ……」
急に目の前に乳が不必要にデカい女神が現れ、ショウタのプロフィールを淡々と読み上げた。
「もういい…………わかった!分かったから!最悪なのは良く分かってるから!!羅列しなくて良いから!しかも最後のなんだよ!口がくさ……って!書いてあった?ねぇ?絶対あなたの感想?偏見?でしょ?……」
「はい??書いてありますよ。口が臭い。頭も臭い。エッ?逆に臭く無い所なく無い?全部臭くない?です。」
女神は一仕事終えたかの様な清々しい顔をしていた。
「……………………もういいよ。それで?僕はどうしてこうなったんですか?」
ショウタは諦めた。
「はい…………あなたは不幸にもトラックに撥ねられて亡くなりました。運転手は運転中にパズ○ラに夢中になり脇見運転により貴方を撥ねたらしいです」
女神は淡々と話す。
「……………………なんなの?その情報?胸くそ悪いな!しかも……運転中にパズ○ラなんてやったら両手塞がって完全に事故るでしょ!!しかも今時パ○ドラ?古くない?惰性でやってるおじさんくらいでしょ?」
※ガ○ホーさんごめんなさい。パ○ドラ面白い!
「えっ?なんて?」
女神は聞いていなかった。
「きーーー!!!あー!!もうイライラする!!早く本題聞かせて!!」
頭を掻きむしってジタバタした。
「失礼致しました。死因は先ほど申し上げた通りになります。しかし、本当は別の者が死ぬ運命でしたが手違いにより貴方が亡くなってしまいました。申し訳ございません。そこで、お詫びの意味も込めて、転生を行うか否かを貴方に決めて頂く事となりました。
選択肢は二つです。同じ世界でもう一度同じ人生をやり直すか、別の世界で転生者として生きるかの二択になります。別世界で転生を選んだ場合、『パラディソス』という剣と魔法のファンタジー世界で新しい人生が与えられます。どちらでも問題ありません。どちらになさいますか?」
淡々と話す女神。
「めちゃくちゃ急だな!!!もう一度同じ人生か異世界へ転生?そりゃ転生だろ?今までと同じ人生なんて辛すぎる。転生で!!」
「かしこまりました!転生ですね。転生を選ばれましたので、スキルルーレットを行います!これからルーレットを回しますので良きところでストップと言って下さい。それでは…………ルーレット!!スターティン!!!!」
「は?はい?」
女神があまりにも早口で説明する為、前半なんて言っているか分からなかった。
「はい!!!遅い!!!ストップッ!!!!」
何と!女神がストップと言った。
「えっ?」
「すぐ答えられなかったので私がストップと言いました。えっと……あなたのスキルは『千里眼』です。結構レアなスキルですよ。良かったですね。」
「早い早い早い!もっとゆっくり!」
「チッ……くそが……聞こえてんだろ…………」
女神が舌打ちをしながら独り言を言った。
「えっ?今のはめっちゃ聞こえましたけど!!」
女神の急な暴言に心がついていかない。
「はい?なんて?」
間髪入れずにイライラさせてくる女神。
「きーーッ!!!あーッ!もう!!イライラする………………それで?どんなスキルなの?」
また、諦めた。
スキルの詳細を早く聞きたい。とんでもないスキルかもしれないぞ。
「はい。『イメージした人の居場所が分かる』スキルです。」
淡々と話す女神。
「は?何それ?」
良く分からなかった……どういう事?
イメージした人って何?
知らない人でも分かるのか?
「レアスキルですよ。例えば友達との待ち合わせが便利です。『いまどこー?わたし?えーとね……パチ公の前でタバコ吸ってるー』等のやり取りが要らなくなります。」
ドヤ顔の女神。
「なんじゃそりゃ?!!めちゃくちゃ使えないスキルじゃんか!!それに、それぐらい事前にやり取りしろよ!!しかもパチ公の前は禁煙だよ!!!!…………ん?待てよ!それって人だけじゃ無くてモノも調べられるの?」
調べたいモノが何処にあるか分かれば、ダンジョンで宝箱まで真っ直ぐ行けるのではないか?
「無理です。人のみです。」
「………………」
終わった……。
「もうよろしいですか?転生の準備に入ります。決心がついたらスタートボタンを押して下さい」
すると……目の前にボタンがあらわ………………
「はい!!遅い!!!ポチッ!」
女神かボタンを押した……
「うわーーー!!」
そして目が覚めると17歳の金髪イケメンになっていた。
「あいつ…………酷すぎ」
そして、俺の異世界ライフが強制的に始まった……
――現在――
シンノスケ達にバカにされた後……………………
バシッ!!
「うわ!!なんだ?!」
急に目の前に真っ暗になったと思ったら顔に張り紙が張り付いた。風で飛んで来たらしい。
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プリティファイナンス 担当 クルス」
前世で良く見たな……
こういう怪しい貼り紙……
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へぇ……
紙は適当に捨てた。ポイ……
……ほんと……………………明日は、まともな仕事あるといいな……………………
歩き出すショウタ。
「あ………………」
グニャ…………
足裏に見覚えのある感触……
柔らかく温かい……そう……そしてこの香ばしい香り…………
ショウタは、またう○こを踏んだ………………
MPが2減った……
「……………………」
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