義兄に想いを告げられない私は､､､

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｢兄様…やっぱり貴方は私以外の方と結ばれる運命ですのね。｣

目の前で幸せそうに手を繋ぎながら庭を歩いている義兄と未来の義妹に向けて小さな声でどうしようもない嘆きを口にしてしまう。

もし、私と義兄妹きょうだいになっていなければ兄様はずっと私の隣で笑っていてくれたのかしら。

もし、私がその女ひとみたいに素直に甘えることが出来ていたなら私のことを守ってくれていたのかしら。

たらればが頭の中を駆けていく。

どれだけ嘆いても現実は変わらないのにどうしても現実を受け入れたくない私は貴方から距離を置くことにします。

あと一年もしないうちに貴方とその女ひとが屋敷にやってきて、同じ空気を吸いながら過ごすなど考えたくもないのです。

お父様はとても反対しておられましたが、最終的には私の意見を尊重してくださいました。

サヨナラは言いません。
いえ、言いたくありません。

願わくば、私の気持ちを貴方が読み取ってくださいますように。

義兄妹きょうだいとして最後まで近くにいようとした臆病で狡賢い私のことを忘れないでください。

そして私は、神に祈りを捧げる場所で貴方と私の来世の幸せを祈り続けることにします。