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第33話
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次の日、僕は一樹さんと、莉佐さんに会っていた。ある相談をするために。
「そっか・・・。凛子さん、何ともなかったんだ。よかったね」
「凛子さんって・・・もしかしてあの時のデザイナーさん?」
「うん、そうです。よかった。莉佐さん、覚えていてくれたんだ」
「ええ。でも、今日は、どうしたの?」
「あっ、いや・・・あのーえーっと・・・・」
決意していたのに・・・・
「やっぱりいいや・・・。だって、迷惑だし・・・」
「いや、呼び出しといてそれはないだろ?なに?榊さんに言えないこと?」
一樹さんは、言った。
この際だ。
「あ、あのさ・・・。僕、あの部屋を出ようかなーって思って」
「えっΣ(゚д゚;)」
2人は驚いている。そりゃそうだよね
「だって、やっぱり僕はあの二人の邪魔になるんじゃないかなって。ほら、付き合うみたいだしさ。部外者は、いらないじゃん?」
「でも、榊さんはいてほしいって言ってくれてるんでしょう?」
「・・・・うん・・・・でも・・・・」
「もしかして、凛子さんのこと好きなんですか?」
そう言ったのは莉佐さんで
「えっΣ(゚д゚;)」
と、一樹さんは驚いている。
「あっ💦いやそれは💦」
「・・・・なんか、切ないね・・・」
「やっぱり、そういう事か・・・。って、出ていく決意してるってことはまさか諦めようとしてるの?」
「・・・・・・好きになるつもりはなかったんだ」
一樹さんたちには、嘘つけないや。
「・・・・どうしたら、平気でいられるかなって考えたら、出ていくしかなくて。だってあのままあそこに居たら、ぼくは、榊さんを傷つけることを沢山言いそうで、なんだか怖いんです」
「そんなまさか・・・・」
「僕はどうしたらいいでしょうか・・・・」
「でも本当は彼女のそばにいたいんだよね?」
「・・・・・はい、いたいです。離れたくないです」
「だったら、いてあげるべきだよ」
莉佐さんのアドバイスに
「またむちゃなことを・・・・」
「わたしは、東さんの味方だよ?あなたの気持ち、通じるといいね」
「えっ・・・・」
「頑張って」
「・・・・・・・」
まだ、迷いがある僕だった。
そして、
「《裕、おはよう》」
凛子さんが起きてきた。
《凛子、もう起きていいんですか?》
「《寝てばかりはいられないから》」
もう、お昼の時間だった。
《じゃあ、お昼ご飯用意するね。》
「《うん、ありがとう》」
そんなとき、
ピンポン
呼び鈴が鳴り、ピカピカ光った
《誰か来たみたいですね》
「《わたし、出るね》」と、
凛子さんが玄関に行き・・・・
「はーい!どなですか?開けたのでどうぞ」
と、ガチャりと開けて入ってきた。
「凛子さん、こんにちは」
と、来てくれたのは
「・・・・あっ」
《凛子?どなた?》
と、そこへ榊さんも玄関にきて・・・・
「えっ?」
《・・・・暁美さん》
そう、暁美さんだった。
「な、なんであなたがここにいるの?」
《・・・・・・》
「あの、一緒に住んでいるんです。」
「えっ?」
暁美さんは戸惑っている。
「榊裕平さん。私の恋人です」
「こ、恋人って。まさかあなたが同棲してる人って・・・」
「彼です」
「あなたが?」
《あの?ここはもともと僕の家なので・・。表札見ませんでしたか?》
「・・・・嘘・・・」
「あの?暁美さん、どうしたんですか?・・・あれ?榊?」
《山根・・・・》
「えっ?」
「いや、こないだ言いましたよね?同級生だと。《ちょっと待って?お前、凛子さんとそういう関係だったのか?》」
《・・・・まぁ・・・・》
曖昧な答え方だった。
「みなさん、お見舞いに来てくれたんですね。ありがとうございます」
「大人数でおしかけてごめん。まさかそうとは知らなかったし」
「・・・・・・」
「若い方の彼じゃなかったんだ」
「えっ?」
「ただいまー」
そこへ東さんも帰ってきて・・・・
「あー!若い方のイケメン」
「・・・・・?」
「あっ、彼は私の高校の時の同級生なんです。偶然再会して・・・・」
「ただいまーってことは、もしかして彼も一緒に?(2人きりじゃないんだ)また、偶然。」
「はい。居候です。あの?この方たちは・・・・」
「あっ、紹介するね!私の務めてるデザイン事務所のみなさん。お見舞いに来てくれたの」
「そっか。そうなんだね」
《何もお構いも出来なくてすみません》
「《こっちこそ、ごめんな?病み上がりなのに大勢出来ちゃって》じゃあ、凛子さん、お大事に。元気になったらでいいからきてね」
「じゃあねー」
と、一気に帰っていき、シンとする。
《・・・・・・》
「・・・・・」
「・・・・・」
しばらく沈黙したが、それを破ったのは・⇳・
「あっ、そうだ。明後日なんだけど、2人とも空いてる?」
《明後日・・・ですか?》
「わたしは大丈夫だよ」
「今日、一樹さん達からきいたんだけど正也さんの店でイベントをやるらしくて」
と、チラシを見せながら東さんが言う。
《イベント?なんか楽しそうですね。どんなイベントですか?》
「《ダンスパーティなんですって》」
《へぇー、それは楽しそう。あっ、でも・・明後日なんですよね・・・?》
「《もしかして都合、悪いですか?》」
《はい、実は・・・ボランティアを頼まれてまして、少し遠方に出るんです。》
「《そっか。それは残念。条件があって、ペアでしか参加出来ないってなってるから、2人にぜひって思っていたんだけど・・・・》」
《東さんも、参加しないんですか?》
「《いや、僕は一緒に参加する相手というか、彼女もいないので。あっ、別に恋人同志だけが、ペアってわけではないとは思いますけど》」
と、言ったが榊さんがある提案をした。
《それなら、二人で行ったらどうですか?せっかくのイベントだし。ほら、東さんの得意のダンスだし》
と、ニッコリ。
「《でも私、踊れないよ?》」
「《凛子ちゃん、大丈夫!そこは僕がフォローするから》」
《ねっ?凛子の骨休みにもなると思うよ?》
と、榊さん。
「《・・・どうかな?僕じゃダメかな?》」
「それじゃあ、行こうかな」
「・・・・・」
ということで、凛子ちゃんとペアで参加することになった。
そして、
「一樹、おはよう」
「おはよう、莉佐」
あれから2ヶ月・・・・一樹さんと莉佐さんはやっと一緒になれて2人で住んでいるみたいだ。
「・・・・・・」
それを、悟さんはまだ、認めてないのかじっと見ていて・・・・
「悟・・・・」
その様子を近くで見ていたのはやはりめぐみちゃんで・・・・
「めぐみ・・・」
「あのふたり、やっと恋人らしくなりましたね。」
と話しかけるが・・・・
「あぁ、そうだな」
と、彼は素っ気ない。
このふたりが、一樹さんと莉佐さんのように恋人同士になる日は来るのだろうか?
「ねぇ?悟・・・。ずっと聞きたかったんだけど・・・・」
「なんだよ」
「悟、最近目の調子でも悪いの?ほら、よく目を抑えて・・・」
「お前には関係ないだろ?」
「関係なくないよ。眼科から出てくるのみたから・・・・」
「お前まさかつけていたのか」
「な、なによそれ!そんなことする訳ないじゃない・・・・。たまたま近くを通りかかって見ただけなのに。その時住田君と一緒にいたし・・・・。幼なじみだから、心配してるのにそんな言い方ひどい!」
と、泣いて出ていってしまった。
「めぐみ・・・・」
そんな言い方するつもりなかったのに。
「ほんとに酷いですよね。もっと、素直に受け止められないんですか?」
「・・・・住田・・・・」
「言っておくけど、僕はめぐみちゃんの手伝いをしただけなんで。仕事で、一緒にいただけだし」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あれ?めぐみちゃん?」
莉佐さんが、めぐみちゃんに気が付き・・・
「お疲れ様・・・・です」
何故か涙が止まらないめぐみちゃんに
「な、なんで泣いてるの?」
一緒にいた一樹さんが驚いている。
「・・・・・・」
だが、2人はなにがあったか少し気づいていた。
そして、気にしていた。
めぐみちゃんと、悟さんのことを・・・・。
悟さんは、資料室にいた。
「えーっと・・・・」
何かを取ろうとしたが、
バサバサ
と、落としてしまった。
と、そこには一樹さんもいて・・・
資料を拾う悟さんに近づいて、拾うのをてつだい、
「ねぇ?さっき、めぐみちゃん泣かせたのって悟さん?」
と、直球に聞いた。
「はぁ?余計なお世話だ。っていうか、あんたに答える必要ないだろ?関係ないくせに」
「ところが関係あったりするんだよなぁー・・・。まぁ?仕事に関してはあなたより、後輩だけど・・・・。実は、謝りたいって思ってるんだろ?」
「別に?住田ってやつと宜しくやればいいんだよ!」
「ふーん。随分気にしてるじゃん。本当は二人の仲が気になるとか?」
「・・・・・」
「ははっ、図星だ。」
「あ、あなたは、どうしてカメラを始めたんだよ。昔からなのか?に、してはまだ経験ないみたいですけど。この写真集・・・」
「・・・急にどうしたんだよ(笑)そうだよ、確かに僕は、始めたばかりだよ?昔からカメラに興味があったわけでもないし」
「・・・・・・」
「実はさ、最近出したその写真集に載せたのは、全部仲間なんだよ。」
と、自分の写真集を手にしてる悟さんに笑顔を向けた。
「えっ?」
「僕はある日、人と関わるのがすごく苦手になった・・・・今とは違って、無口に近かった。ほら、隣にいる、正也って言うんだけど・・・本当は、彼と歌手をめざしてCD出すのが最初の夢だった。」
「・・・へぇー、歌手・・・・CDを出す・・・」
「それぞれ決めた【人生や夢】って言うのに向かって歩き出した時に、莉佐と再会したんだ。」
「・・・・・・」
「その時、怜香さんが、出した写真集を見て、撮った人に会いたいって思った。忘れていた何かを思い出すきっかけになるんじゃないかって」
「忘れていた何か・・・」
「ここからはまた、話が長くなるけど、手短に言えば、莉佐との約束とか、仲間と過ごしてきた日々とか・・・・そういうのを考えたら撮りたいテーマも決まって、出せたのがその写真集ってわけ」
「・・・・・・」
なんだかんだ悟さんは、その写真集を見てくれている。
「莉佐と再会しなければ見つけられない夢だった。仲間にも背中押してもらったしな」
「俺は、お前にカメラを続けて欲しい」
そういう正也の顔を思い浮かべていた。
「僕はまだまだ、莉佐には追いつけないんだ」
「・・・・・」
「で?悟さんはどうなの?めぐみちゃんとの約束果たそうって思ってないの?
僕は答えたよ?」
「別にあなたには関係ないですよ。それじゃあ」
と、行ってしまった。
「(あいつ、人に聞いといて自分のことは話さない気か?ったく、素直じゃないやつ)」
そして、資料室を出た悟さんは・・・・
「ねっ?おかしいでしょ?」
「はい、面白かったです」
住田くんと笑うめぐみちゃんを見て・・・
「な、なんだ。笑ってんじゃん」
と、呟いた。
だが・・・・・
グラリ
「・・・・・」
彼はめまいがして・・・・
「・・・・・」
フラリとその場を去った。
そして、悟さんの目の異変にいち早く気づいたのが
「・・・・悟?」
めぐみちゃんであることにまだ、彼は気づかずにいた。
このふたりが、どうか結ばれますように!
「そっか・・・。凛子さん、何ともなかったんだ。よかったね」
「凛子さんって・・・もしかしてあの時のデザイナーさん?」
「うん、そうです。よかった。莉佐さん、覚えていてくれたんだ」
「ええ。でも、今日は、どうしたの?」
「あっ、いや・・・あのーえーっと・・・・」
決意していたのに・・・・
「やっぱりいいや・・・。だって、迷惑だし・・・」
「いや、呼び出しといてそれはないだろ?なに?榊さんに言えないこと?」
一樹さんは、言った。
この際だ。
「あ、あのさ・・・。僕、あの部屋を出ようかなーって思って」
「えっΣ(゚д゚;)」
2人は驚いている。そりゃそうだよね
「だって、やっぱり僕はあの二人の邪魔になるんじゃないかなって。ほら、付き合うみたいだしさ。部外者は、いらないじゃん?」
「でも、榊さんはいてほしいって言ってくれてるんでしょう?」
「・・・・うん・・・・でも・・・・」
「もしかして、凛子さんのこと好きなんですか?」
そう言ったのは莉佐さんで
「えっΣ(゚д゚;)」
と、一樹さんは驚いている。
「あっ💦いやそれは💦」
「・・・・なんか、切ないね・・・」
「やっぱり、そういう事か・・・。って、出ていく決意してるってことはまさか諦めようとしてるの?」
「・・・・・・好きになるつもりはなかったんだ」
一樹さんたちには、嘘つけないや。
「・・・・どうしたら、平気でいられるかなって考えたら、出ていくしかなくて。だってあのままあそこに居たら、ぼくは、榊さんを傷つけることを沢山言いそうで、なんだか怖いんです」
「そんなまさか・・・・」
「僕はどうしたらいいでしょうか・・・・」
「でも本当は彼女のそばにいたいんだよね?」
「・・・・・はい、いたいです。離れたくないです」
「だったら、いてあげるべきだよ」
莉佐さんのアドバイスに
「またむちゃなことを・・・・」
「わたしは、東さんの味方だよ?あなたの気持ち、通じるといいね」
「えっ・・・・」
「頑張って」
「・・・・・・・」
まだ、迷いがある僕だった。
そして、
「《裕、おはよう》」
凛子さんが起きてきた。
《凛子、もう起きていいんですか?》
「《寝てばかりはいられないから》」
もう、お昼の時間だった。
《じゃあ、お昼ご飯用意するね。》
「《うん、ありがとう》」
そんなとき、
ピンポン
呼び鈴が鳴り、ピカピカ光った
《誰か来たみたいですね》
「《わたし、出るね》」と、
凛子さんが玄関に行き・・・・
「はーい!どなですか?開けたのでどうぞ」
と、ガチャりと開けて入ってきた。
「凛子さん、こんにちは」
と、来てくれたのは
「・・・・あっ」
《凛子?どなた?》
と、そこへ榊さんも玄関にきて・・・・
「えっ?」
《・・・・暁美さん》
そう、暁美さんだった。
「な、なんであなたがここにいるの?」
《・・・・・・》
「あの、一緒に住んでいるんです。」
「えっ?」
暁美さんは戸惑っている。
「榊裕平さん。私の恋人です」
「こ、恋人って。まさかあなたが同棲してる人って・・・」
「彼です」
「あなたが?」
《あの?ここはもともと僕の家なので・・。表札見ませんでしたか?》
「・・・・嘘・・・」
「あの?暁美さん、どうしたんですか?・・・あれ?榊?」
《山根・・・・》
「えっ?」
「いや、こないだ言いましたよね?同級生だと。《ちょっと待って?お前、凛子さんとそういう関係だったのか?》」
《・・・・まぁ・・・・》
曖昧な答え方だった。
「みなさん、お見舞いに来てくれたんですね。ありがとうございます」
「大人数でおしかけてごめん。まさかそうとは知らなかったし」
「・・・・・・」
「若い方の彼じゃなかったんだ」
「えっ?」
「ただいまー」
そこへ東さんも帰ってきて・・・・
「あー!若い方のイケメン」
「・・・・・?」
「あっ、彼は私の高校の時の同級生なんです。偶然再会して・・・・」
「ただいまーってことは、もしかして彼も一緒に?(2人きりじゃないんだ)また、偶然。」
「はい。居候です。あの?この方たちは・・・・」
「あっ、紹介するね!私の務めてるデザイン事務所のみなさん。お見舞いに来てくれたの」
「そっか。そうなんだね」
《何もお構いも出来なくてすみません》
「《こっちこそ、ごめんな?病み上がりなのに大勢出来ちゃって》じゃあ、凛子さん、お大事に。元気になったらでいいからきてね」
「じゃあねー」
と、一気に帰っていき、シンとする。
《・・・・・・》
「・・・・・」
「・・・・・」
しばらく沈黙したが、それを破ったのは・⇳・
「あっ、そうだ。明後日なんだけど、2人とも空いてる?」
《明後日・・・ですか?》
「わたしは大丈夫だよ」
「今日、一樹さん達からきいたんだけど正也さんの店でイベントをやるらしくて」
と、チラシを見せながら東さんが言う。
《イベント?なんか楽しそうですね。どんなイベントですか?》
「《ダンスパーティなんですって》」
《へぇー、それは楽しそう。あっ、でも・・明後日なんですよね・・・?》
「《もしかして都合、悪いですか?》」
《はい、実は・・・ボランティアを頼まれてまして、少し遠方に出るんです。》
「《そっか。それは残念。条件があって、ペアでしか参加出来ないってなってるから、2人にぜひって思っていたんだけど・・・・》」
《東さんも、参加しないんですか?》
「《いや、僕は一緒に参加する相手というか、彼女もいないので。あっ、別に恋人同志だけが、ペアってわけではないとは思いますけど》」
と、言ったが榊さんがある提案をした。
《それなら、二人で行ったらどうですか?せっかくのイベントだし。ほら、東さんの得意のダンスだし》
と、ニッコリ。
「《でも私、踊れないよ?》」
「《凛子ちゃん、大丈夫!そこは僕がフォローするから》」
《ねっ?凛子の骨休みにもなると思うよ?》
と、榊さん。
「《・・・どうかな?僕じゃダメかな?》」
「それじゃあ、行こうかな」
「・・・・・」
ということで、凛子ちゃんとペアで参加することになった。
そして、
「一樹、おはよう」
「おはよう、莉佐」
あれから2ヶ月・・・・一樹さんと莉佐さんはやっと一緒になれて2人で住んでいるみたいだ。
「・・・・・・」
それを、悟さんはまだ、認めてないのかじっと見ていて・・・・
「悟・・・・」
その様子を近くで見ていたのはやはりめぐみちゃんで・・・・
「めぐみ・・・」
「あのふたり、やっと恋人らしくなりましたね。」
と話しかけるが・・・・
「あぁ、そうだな」
と、彼は素っ気ない。
このふたりが、一樹さんと莉佐さんのように恋人同士になる日は来るのだろうか?
「ねぇ?悟・・・。ずっと聞きたかったんだけど・・・・」
「なんだよ」
「悟、最近目の調子でも悪いの?ほら、よく目を抑えて・・・」
「お前には関係ないだろ?」
「関係なくないよ。眼科から出てくるのみたから・・・・」
「お前まさかつけていたのか」
「な、なによそれ!そんなことする訳ないじゃない・・・・。たまたま近くを通りかかって見ただけなのに。その時住田君と一緒にいたし・・・・。幼なじみだから、心配してるのにそんな言い方ひどい!」
と、泣いて出ていってしまった。
「めぐみ・・・・」
そんな言い方するつもりなかったのに。
「ほんとに酷いですよね。もっと、素直に受け止められないんですか?」
「・・・・住田・・・・」
「言っておくけど、僕はめぐみちゃんの手伝いをしただけなんで。仕事で、一緒にいただけだし」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あれ?めぐみちゃん?」
莉佐さんが、めぐみちゃんに気が付き・・・
「お疲れ様・・・・です」
何故か涙が止まらないめぐみちゃんに
「な、なんで泣いてるの?」
一緒にいた一樹さんが驚いている。
「・・・・・・」
だが、2人はなにがあったか少し気づいていた。
そして、気にしていた。
めぐみちゃんと、悟さんのことを・・・・。
悟さんは、資料室にいた。
「えーっと・・・・」
何かを取ろうとしたが、
バサバサ
と、落としてしまった。
と、そこには一樹さんもいて・・・
資料を拾う悟さんに近づいて、拾うのをてつだい、
「ねぇ?さっき、めぐみちゃん泣かせたのって悟さん?」
と、直球に聞いた。
「はぁ?余計なお世話だ。っていうか、あんたに答える必要ないだろ?関係ないくせに」
「ところが関係あったりするんだよなぁー・・・。まぁ?仕事に関してはあなたより、後輩だけど・・・・。実は、謝りたいって思ってるんだろ?」
「別に?住田ってやつと宜しくやればいいんだよ!」
「ふーん。随分気にしてるじゃん。本当は二人の仲が気になるとか?」
「・・・・・」
「ははっ、図星だ。」
「あ、あなたは、どうしてカメラを始めたんだよ。昔からなのか?に、してはまだ経験ないみたいですけど。この写真集・・・」
「・・・急にどうしたんだよ(笑)そうだよ、確かに僕は、始めたばかりだよ?昔からカメラに興味があったわけでもないし」
「・・・・・・」
「実はさ、最近出したその写真集に載せたのは、全部仲間なんだよ。」
と、自分の写真集を手にしてる悟さんに笑顔を向けた。
「えっ?」
「僕はある日、人と関わるのがすごく苦手になった・・・・今とは違って、無口に近かった。ほら、隣にいる、正也って言うんだけど・・・本当は、彼と歌手をめざしてCD出すのが最初の夢だった。」
「・・・へぇー、歌手・・・・CDを出す・・・」
「それぞれ決めた【人生や夢】って言うのに向かって歩き出した時に、莉佐と再会したんだ。」
「・・・・・・」
「その時、怜香さんが、出した写真集を見て、撮った人に会いたいって思った。忘れていた何かを思い出すきっかけになるんじゃないかって」
「忘れていた何か・・・」
「ここからはまた、話が長くなるけど、手短に言えば、莉佐との約束とか、仲間と過ごしてきた日々とか・・・・そういうのを考えたら撮りたいテーマも決まって、出せたのがその写真集ってわけ」
「・・・・・・」
なんだかんだ悟さんは、その写真集を見てくれている。
「莉佐と再会しなければ見つけられない夢だった。仲間にも背中押してもらったしな」
「俺は、お前にカメラを続けて欲しい」
そういう正也の顔を思い浮かべていた。
「僕はまだまだ、莉佐には追いつけないんだ」
「・・・・・」
「で?悟さんはどうなの?めぐみちゃんとの約束果たそうって思ってないの?
僕は答えたよ?」
「別にあなたには関係ないですよ。それじゃあ」
と、行ってしまった。
「(あいつ、人に聞いといて自分のことは話さない気か?ったく、素直じゃないやつ)」
そして、資料室を出た悟さんは・・・・
「ねっ?おかしいでしょ?」
「はい、面白かったです」
住田くんと笑うめぐみちゃんを見て・・・
「な、なんだ。笑ってんじゃん」
と、呟いた。
だが・・・・・
グラリ
「・・・・・」
彼はめまいがして・・・・
「・・・・・」
フラリとその場を去った。
そして、悟さんの目の異変にいち早く気づいたのが
「・・・・悟?」
めぐみちゃんであることにまだ、彼は気づかずにいた。
このふたりが、どうか結ばれますように!
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