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「訂正する気はないようだな。ハーレライトはそこの赤髪の隣に座ってくれ」
担任が指さしたのは確か男爵令嬢だった筈だ。
少し前までは平民だったが、親の事業が成功してお金で爵位を買ったとかなんとか…。
かなり有名な話ではあるからクラス内でもかなり話されていた内容だったが、この生徒自身は商売人気質ではなく至って普通の令嬢であるから貴族になってもその態度は全く変わらないかった。
令嬢としての礼儀は身についているから、そこはかなり変わったと言えるがな。
「よろしくお願い致します。私ミーナ・コレッティと申します」
「よろしくねミーナ!あたしはメレディ!メレディって呼んでね!」
「え、えぇ…よろしくお願い致しますわハーレライト令嬢…」
「えー!なんで名前で呼んでくれないのぉ?」
「ハーレライト静かにしろ。授業の妨げになる」
「はーい」
あの女は間延びした返事をして詰まらなさそうに頬杖をついた。
淑女の勉強を終えている令嬢も、平民の生徒もあの女の態度に目を見張った。
これから授業である事を担任から告げられているのに、授業を聞く気がない姿勢に相当苛立っている感じがする。
「みんなは知っていると思うが、新たに編入してきたクラスの仲間がいるからクラス制度について説明を行う」
学部が上がるときのお決まりのように始まるクラス制度の説明だ。
ほぼ内容は変わらないが偶に学部が上がる時に内容が変わるから聞き漏らさないようにする。
「まずこれは例年通りではあるが全てのテスト順位を総合した結果でクラスが決まる。部屋のレベルもクラス毎に変わるから各自気を抜かないように。そして今年から新たな事項の追加がされた」
新たな事項の追加か。
内容を忘れないようにする為に普段持っている手帳とペンを机の上に出した。
「公平であるべき我らのテスト順位であるが、少しだけこれに訂正が加えられる。今まで体質、種族的能力については考慮がされていなかったが、体質による体術のテストの減点や、種族的能力による体術のテストの高得点などで適切な得点をつけることができていなかった。よってこれからは適切な授業の振り分けを行う事になった」
担任が黒板に様々な授業の内容を書き出し始めた。
今まで通りの体術の授業、高度魔法陣学、尋問・拷問学、高度薬草学…とかなりの量の学習内容が書き出されてきた。
異彩を放っている尋問・拷問学以外は全て今習っている学習内容の高度内容のみとなっていた。
「ここに記載されているものが今後体術の代わりになる授業となる。そのまま体術の授業を受けても良し、体術の結果が思わしくない者は黒板に記載している授業を選択しても良い。その代わり、体術の代わりの授業は全て高度授業もしくは特殊な授業内容となっているから迂闊に手出しできる内容にはなっていないから留意するように」
これ、私にかなり優位ではないか?
私がAクラスにいる最もたる理由が体術だから、その科目が置き換えられるのであれば私は次のテストでSクラスに上がれるのではないだろうか。
私の得意分野になってしまっている尋問・拷問学は何か嫌な予感がするから、それ以外の授業に変更する事にしよう。
体術の授業がなくなって別の授業が置き換える事に心躍らせながら、高等部初めての授業を受けた。
担任が指さしたのは確か男爵令嬢だった筈だ。
少し前までは平民だったが、親の事業が成功してお金で爵位を買ったとかなんとか…。
かなり有名な話ではあるからクラス内でもかなり話されていた内容だったが、この生徒自身は商売人気質ではなく至って普通の令嬢であるから貴族になってもその態度は全く変わらないかった。
令嬢としての礼儀は身についているから、そこはかなり変わったと言えるがな。
「よろしくお願い致します。私ミーナ・コレッティと申します」
「よろしくねミーナ!あたしはメレディ!メレディって呼んでね!」
「え、えぇ…よろしくお願い致しますわハーレライト令嬢…」
「えー!なんで名前で呼んでくれないのぉ?」
「ハーレライト静かにしろ。授業の妨げになる」
「はーい」
あの女は間延びした返事をして詰まらなさそうに頬杖をついた。
淑女の勉強を終えている令嬢も、平民の生徒もあの女の態度に目を見張った。
これから授業である事を担任から告げられているのに、授業を聞く気がない姿勢に相当苛立っている感じがする。
「みんなは知っていると思うが、新たに編入してきたクラスの仲間がいるからクラス制度について説明を行う」
学部が上がるときのお決まりのように始まるクラス制度の説明だ。
ほぼ内容は変わらないが偶に学部が上がる時に内容が変わるから聞き漏らさないようにする。
「まずこれは例年通りではあるが全てのテスト順位を総合した結果でクラスが決まる。部屋のレベルもクラス毎に変わるから各自気を抜かないように。そして今年から新たな事項の追加がされた」
新たな事項の追加か。
内容を忘れないようにする為に普段持っている手帳とペンを机の上に出した。
「公平であるべき我らのテスト順位であるが、少しだけこれに訂正が加えられる。今まで体質、種族的能力については考慮がされていなかったが、体質による体術のテストの減点や、種族的能力による体術のテストの高得点などで適切な得点をつけることができていなかった。よってこれからは適切な授業の振り分けを行う事になった」
担任が黒板に様々な授業の内容を書き出し始めた。
今まで通りの体術の授業、高度魔法陣学、尋問・拷問学、高度薬草学…とかなりの量の学習内容が書き出されてきた。
異彩を放っている尋問・拷問学以外は全て今習っている学習内容の高度内容のみとなっていた。
「ここに記載されているものが今後体術の代わりになる授業となる。そのまま体術の授業を受けても良し、体術の結果が思わしくない者は黒板に記載している授業を選択しても良い。その代わり、体術の代わりの授業は全て高度授業もしくは特殊な授業内容となっているから迂闊に手出しできる内容にはなっていないから留意するように」
これ、私にかなり優位ではないか?
私がAクラスにいる最もたる理由が体術だから、その科目が置き換えられるのであれば私は次のテストでSクラスに上がれるのではないだろうか。
私の得意分野になってしまっている尋問・拷問学は何か嫌な予感がするから、それ以外の授業に変更する事にしよう。
体術の授業がなくなって別の授業が置き換える事に心躍らせながら、高等部初めての授業を受けた。
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