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聴取の会場は大きな館でした
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ぼんやりとした頭のままで漸く聴取会場である館にたどり着いた。
ずっと思考がふわふわしている状態で、表情もきっとぼやっとしてるんだろうけどそれを管理するほども考えられない。
馬車にずっと乗っていたのと、長く寝ていたせいもあって体がかなり重たく感じる。
馬車から降りるために扉を開けようと手をかけると、先にクルドの手によって開けられた。
「ルド様お手を…」
「要らないよ。お前は周りの警護をしなさい」
「その様な事はできません。大公殿下よりルド様の護衛と共にエスコートを申し付けられております。決して殿下に負担を掛けない様にとも命じられております故ご配慮頂けます様願います」
「あの叔父上が…?」
「はい。私ですら全てお話した上で、漸くこの役回りを就かせて頂いております」
「全てか…。そうか、あの叔父上も遂に全てを排除する事を選んだ様だね。ルド、申し訳ないけどエスコートができそうにないから、この騎士に君を任せることにしたよ。安心して、ルドを見捨てる訳ではないからね」
クルドが俺のエスコート…。
そういえばクルドも居たんだった。
「うん…分かったよ。えっと、クルドお願いね?」
手をクルドに差し出したら、優しく受け入れてくれて馬車から降りるのをエスコートしてくれた。
到着した聴取会場はびっくりする程大きな館で、家族で住んでいる館と同じぐらい大きい気がする。
ただの聴取会場にここまで大きな館を当てる必要はあったんだろうか。
「流石兄上の別荘だ。本邸と変わらない館を別荘扱いにできるのは兄上だけだ」
ヴァンクラフトのお兄さんという事は、第何王子さまなんだろう。
そういえばヴァンクラフトが王子殿下なのは分かるんだけど、何番目の王子様なのか知らない。
「ようこそおいで下さいました。ここからは私グヴェーノが両殿下をご案内いたします」
「バラルトロイ伯爵だね。もう引退をしてもいい年なのにまだ、兄上に仕えているんだね」
「ご心配ありがとうございます。愚息はまだまだ教育が足りませんので、引退をしたくてもできないのです。どうかご容赦願えますかな?」
「そんな事は考えてないよ。そろそろ年齢が年齢だから、兄上のサポートができるかと考えてね。あの人は無茶振りがすごいでしょう?」
「ほほほっ。王太子殿下の事をよくご理解されていますな。流石唯一我が主人から一線を引かれているお方。貴方さまとは対立関係にならなくて一番安心しておりますよ」
「そんなに買い被らなくてもいいよ。それに僕も兄上とは対立関係になってもいい事はないって知っているからね」
「左様でございましたか。それではルド様、フレット様、クルド様参りましょうか」
バラルトロイ伯爵の後ろを着いて歩きながら俺は王太子殿下の館に入った。
館の中はとても綺麗で本当に別荘なのかと思う。
通された部屋は窓が沢山あって開放的で、何ヶ所かは窓が空いていて風通しがいい。
いた場所も場所だったから、これだけ澄んだ場所に入れるのは嬉しい。
ずっと思考がふわふわしている状態で、表情もきっとぼやっとしてるんだろうけどそれを管理するほども考えられない。
馬車にずっと乗っていたのと、長く寝ていたせいもあって体がかなり重たく感じる。
馬車から降りるために扉を開けようと手をかけると、先にクルドの手によって開けられた。
「ルド様お手を…」
「要らないよ。お前は周りの警護をしなさい」
「その様な事はできません。大公殿下よりルド様の護衛と共にエスコートを申し付けられております。決して殿下に負担を掛けない様にとも命じられております故ご配慮頂けます様願います」
「あの叔父上が…?」
「はい。私ですら全てお話した上で、漸くこの役回りを就かせて頂いております」
「全てか…。そうか、あの叔父上も遂に全てを排除する事を選んだ様だね。ルド、申し訳ないけどエスコートができそうにないから、この騎士に君を任せることにしたよ。安心して、ルドを見捨てる訳ではないからね」
クルドが俺のエスコート…。
そういえばクルドも居たんだった。
「うん…分かったよ。えっと、クルドお願いね?」
手をクルドに差し出したら、優しく受け入れてくれて馬車から降りるのをエスコートしてくれた。
到着した聴取会場はびっくりする程大きな館で、家族で住んでいる館と同じぐらい大きい気がする。
ただの聴取会場にここまで大きな館を当てる必要はあったんだろうか。
「流石兄上の別荘だ。本邸と変わらない館を別荘扱いにできるのは兄上だけだ」
ヴァンクラフトのお兄さんという事は、第何王子さまなんだろう。
そういえばヴァンクラフトが王子殿下なのは分かるんだけど、何番目の王子様なのか知らない。
「ようこそおいで下さいました。ここからは私グヴェーノが両殿下をご案内いたします」
「バラルトロイ伯爵だね。もう引退をしてもいい年なのにまだ、兄上に仕えているんだね」
「ご心配ありがとうございます。愚息はまだまだ教育が足りませんので、引退をしたくてもできないのです。どうかご容赦願えますかな?」
「そんな事は考えてないよ。そろそろ年齢が年齢だから、兄上のサポートができるかと考えてね。あの人は無茶振りがすごいでしょう?」
「ほほほっ。王太子殿下の事をよくご理解されていますな。流石唯一我が主人から一線を引かれているお方。貴方さまとは対立関係にならなくて一番安心しておりますよ」
「そんなに買い被らなくてもいいよ。それに僕も兄上とは対立関係になってもいい事はないって知っているからね」
「左様でございましたか。それではルド様、フレット様、クルド様参りましょうか」
バラルトロイ伯爵の後ろを着いて歩きながら俺は王太子殿下の館に入った。
館の中はとても綺麗で本当に別荘なのかと思う。
通された部屋は窓が沢山あって開放的で、何ヶ所かは窓が空いていて風通しがいい。
いた場所も場所だったから、これだけ澄んだ場所に入れるのは嬉しい。
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