お助けキャラに転生したのに主人公に嫌われているのはなんで！？

ストーリーが開始されました！

改悪されたイベント

地面が揺れるほどの大きな揺れにかなり近くで爆発が起こった事がわかった。
だけどここに可燃物はないはずなのに…どうして爆発なんて…。

きっと爆発した場所は魔物の襲撃イベントが発生している筈だ。
クルドにクマのぬいぐるみを押し付けて俺は爆発した場所まで走った。

「ルドくん！？」

治癒の魔石が入っているポーチの確認を行いながら爆発の現場まで走った。
クルドはきっと俺の置いた荷物のせいですぐについてこれないと思う。

走りついた先は屋台が何店舗かぐちゃぐちゃになっていて、火薬の匂いと血の匂いが混ざっていて酷い吐き気が襲ってきた。
でもここで吐いていたら体力が奪われるだけだから、無事な人を見つけて治療しなくちゃ。

崩れた屋台から人を引っ張り出している姿を見つけて、その場所に駆け寄ったが引っ張り出されている人は既に亡くなっていてただだらんとした体がそこにあるだけだった。

「うぐっ…」

胃から食べた物が迫り上がってきそうだったけど、なんとか飲み込んで無事な人を探そう。
誰かの叫び声が聞こえた場所に行けば怪我人が集まっている。

そこら中にする火薬の匂いがこの爆発は人為的だということだけはわかる。
だけどゲームでは最初のイベントでは人為的だったけど、ただ結界が古かったそれだけが理由だった筈だ。

それなのに今回は火薬の匂いがして、被害も生徒だけではなく学校に招かれた商会の人や、一般の人まで巻き込まれる災害になっている。
ゲームでは死んだ人はいなかったのに、今回は既に死んでいる人もわかる限りでも数人は存在している。

「どうしてここまで被害が出てるんだっ…」

理解したくてもしたくないようなそれにただ意味も持たない言葉だけが吐き出されていく。

「痛いよぉ…」

「誰か助けてくれ…」

「ママー！！」

痛みと泣き叫ぶような声にハッとし、俺は慌てて怪我人たちの所に駆け寄った。
少しでも多くの人を治せるようにと作った治癒の魔石をパッと見た中では一番重症な人の体の上に置いた。

本当は翳して使うものだけど、大量に持ち歩くために魔石だけにしたから体の近くじゃないと能力を遺憾なく発揮してくれない。
魔石が壊れてもいいから治癒の魔石に大量の魔力を流し込み治癒魔法を行使する。

本当なら淡い光だが、大量の魔力を流したことによって目が痛いほど光る。
光が収まると重症患者だった人はそこには居らず、元気な体に回復をしていた。

治癒の魔石は精々傷を塞ぐ程度で、ここまで重症の怪我は治せなかった筈…。
理解できない事を考えても意味はないから、俺は次々と怪我人を治し回った。

先に重症者の治療にまわっていたけど来るのが遅すぎて、亡くなってしまった人も出た。
それでも治さなきゃいけない人は沢山いて、亡くなってしまった方の家族に縋りつかれても申し訳ない気持ちを抑え込みながら振り払い次の怪我人の元に向かった。