30 / 199
お助けキャラに転生した!
最悪のシナリオ
しおりを挟む
最近家に引き篭もりっぱなしだったから、少し走っただけなのに息が上がった。
ようやく落ち着く事ができて、少し前に忘れちゃいけないからとゲームの内容を書き留めていたノートを机の鍵付きの引き出しから取り出した。
ゲームの始まりの部分を見たくて、ページを捲ったのに中々その内容が出てこない。
いや、あるけど実際のゲーム内容じゃなくなってる。
「なんで…書き変わってるの?」
エルネストとサミュエルの出会いは、サミュエルが遅刻して校舎に向かっている途中でぶつかる事から始まる。
なのに本に書かれているのはサミュエルとエルネスト、公爵令息のラインハルト・クルーヴェル、男爵令息のヴェール・マエステロ、伯爵令息のドレット・ハーペストが一緒に登校した、と書かれている。
でもそんな事をノートに書き込んだ覚えがない。
もしかしてゲーム前に変わった行動をとれば、ゲームの内容が変わるって事?
別のページを捲ればゲームの内容通りではなくて、全く違う行動を取っているという内容が書かれている。
その中で一番目を見張った内容が、俺がいじめられているという内容だ。
本来サミュエルが悪役令嬢から受けるいじめを、そのまま俺に行ったりそれよりも過激ないじめを行ったと書かれていた。
最後は…ありもしない罪をサミュエルになすりつけられ処刑される。
なんで俺が?
予言書に近い内容に変わったノート。
どうして俺に未来の情報が渡ってきたんだ。
一体これで何をしたら良いんだろう。
俺の相手は全員貴族なのに、どうやって貴族を相手すればいいの?
王子様から聞いたフレット先生が伯爵という事を聞いていたのをはっと思い出した。
あの王子様の話が本当なら、フレット先生に貴族の作法を学べるのではないかと思うけど…。
先生は俺に魔道具の作り方を教えにきてくれているのであって、貴族の作法を教えにきてくれているわけではない。
魔道具の授業の時にダメもとで話をしてみるしかないのだろうか…。
ただの平民である俺一人でなんとかなる物でもないから、立てられるのなら対策を立てて対応したい。
一つでも間違えば、俺はこのノートの通りになって死んでしまう。
ただ好きなゲームに生まれただけなのに、サミュエル一人によって死に追い詰められたくなんかない。
このノートは俺が首を切られた神官を見た事がトラウマになり、魔道具作りをしなくなった事によってサミュエルの嫌がらせがヒートアップしたと書いていた。
確かにサミュエルは前に俺が作る魔道具が必要だと仄めかしていた。
サミュエル自身はゲームでもそうだったが、魔道具作りには才能が全くなく魔道具に関してはルドに頼りっぱなしだった。
魔道具によって恋愛が成功した者もいるから、俺が魔道具を作らなくなれば役に立たないからストレスの捌け口として利用したのだと思う。
ただ漠然とした未来が書かれているだけだから、対策も簡単に行う事ができない。
寝れていない頭で考えるのが難しくて、いい考えが全く浮かばない。
でも寝たらあの悪夢を見る気がして寝る事が怖い。
悪循環に陥っているのは頭では理解しているけど、どうしても体が寝る事を拒否してしまっている。
悪循環と、今後の不安にため息しか出なかった。
ようやく落ち着く事ができて、少し前に忘れちゃいけないからとゲームの内容を書き留めていたノートを机の鍵付きの引き出しから取り出した。
ゲームの始まりの部分を見たくて、ページを捲ったのに中々その内容が出てこない。
いや、あるけど実際のゲーム内容じゃなくなってる。
「なんで…書き変わってるの?」
エルネストとサミュエルの出会いは、サミュエルが遅刻して校舎に向かっている途中でぶつかる事から始まる。
なのに本に書かれているのはサミュエルとエルネスト、公爵令息のラインハルト・クルーヴェル、男爵令息のヴェール・マエステロ、伯爵令息のドレット・ハーペストが一緒に登校した、と書かれている。
でもそんな事をノートに書き込んだ覚えがない。
もしかしてゲーム前に変わった行動をとれば、ゲームの内容が変わるって事?
別のページを捲ればゲームの内容通りではなくて、全く違う行動を取っているという内容が書かれている。
その中で一番目を見張った内容が、俺がいじめられているという内容だ。
本来サミュエルが悪役令嬢から受けるいじめを、そのまま俺に行ったりそれよりも過激ないじめを行ったと書かれていた。
最後は…ありもしない罪をサミュエルになすりつけられ処刑される。
なんで俺が?
予言書に近い内容に変わったノート。
どうして俺に未来の情報が渡ってきたんだ。
一体これで何をしたら良いんだろう。
俺の相手は全員貴族なのに、どうやって貴族を相手すればいいの?
王子様から聞いたフレット先生が伯爵という事を聞いていたのをはっと思い出した。
あの王子様の話が本当なら、フレット先生に貴族の作法を学べるのではないかと思うけど…。
先生は俺に魔道具の作り方を教えにきてくれているのであって、貴族の作法を教えにきてくれているわけではない。
魔道具の授業の時にダメもとで話をしてみるしかないのだろうか…。
ただの平民である俺一人でなんとかなる物でもないから、立てられるのなら対策を立てて対応したい。
一つでも間違えば、俺はこのノートの通りになって死んでしまう。
ただ好きなゲームに生まれただけなのに、サミュエル一人によって死に追い詰められたくなんかない。
このノートは俺が首を切られた神官を見た事がトラウマになり、魔道具作りをしなくなった事によってサミュエルの嫌がらせがヒートアップしたと書いていた。
確かにサミュエルは前に俺が作る魔道具が必要だと仄めかしていた。
サミュエル自身はゲームでもそうだったが、魔道具作りには才能が全くなく魔道具に関してはルドに頼りっぱなしだった。
魔道具によって恋愛が成功した者もいるから、俺が魔道具を作らなくなれば役に立たないからストレスの捌け口として利用したのだと思う。
ただ漠然とした未来が書かれているだけだから、対策も簡単に行う事ができない。
寝れていない頭で考えるのが難しくて、いい考えが全く浮かばない。
でも寝たらあの悪夢を見る気がして寝る事が怖い。
悪循環に陥っているのは頭では理解しているけど、どうしても体が寝る事を拒否してしまっている。
悪循環と、今後の不安にため息しか出なかった。
468
お気に入りに追加
1,310
あなたにおすすめの小説
完結・虐げられオメガ側妃なので敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン溺愛王が甘やかしてくれました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない
豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。
とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ!
神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。
そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。
□チャラ王子攻め
□天然おとぼけ受け
□ほのぼのスクールBL
タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。
◆…葛西視点
◇…てっちゃん視点
pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。
所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。
王太子殿下は悪役令息のいいなり
白兪
BL
「王太子殿下は公爵令息に誑かされている」
そんな噂が立ち出したのはいつからだろう。
しかし、当の王太子は噂など気にせず公爵令息を溺愛していて…!?
スパダリ王太子とまったり令息が周囲の勘違いを自然と解いていきながら、甘々な日々を送る話です。
ハッピーエンドが大好きな私が気ままに書きます。最後まで応援していただけると嬉しいです。
書き終わっているので完結保証です。
人生イージーモードになるはずだった俺!!
抹茶ごはん
BL
平凡な容姿にろくでもない人生を歩み事故死した俺。
前世の記憶を持ったまま転生し、なんと金持ちイケメンのお坊ちゃまになった!!
これはもう人生イージーモード一直線、前世のような思いはするまいと日々邁進するのだが…。
何故か男にばかりモテまくり、厄介な事件には巻き込まれ!?
本作は現実のあらゆる人物、団体、思想及び事件等に関係ございません。あくまでファンタジーとしてお楽しみください。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる