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お助けキャラに転生した!

熱を出しました

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朝目が覚めたら頭が痛くて、ちょっと意識がぼーっとしてる。
寝返りを打とうとしたら体が悲鳴を上げて、寝返りも打つことができない。

背中の怪我が原因で熱出ちゃったのかな…。
うー、しんどいよー。

呻き声しか出なくて誰も呼ぶことができない。
しんどくて涙も出てきた。

視界もふわふわしてきた頃に俺が起きてこないから、母さんが起こしにきてくれた。

「ルド?どうしたの?」

「か、さ…しんど、い…」

「しんどいの?ちょっとお熱測らせてね」

額に当てられる母さんの手が冷たくて気持ちいい。

「酷い熱ね。お医者さんを呼んで来るから一人で待ってられる?」

「や、だ…一人に、しな、い、で…」

一人にして欲しく無い。
俺の側に居て。

「分かったわ。他の人にお医者さんを呼んできてもらうから少しだけ待てる?」

「ん…」

「ありがとう」

霞む視界の中母さんが扉の近くで従業員を呼んでる声が聞こえる。
声が遠く聞こえる…



ーーーーーーーーーーー

再び目を覚ましたら、母さんが椅子に座っていた。

「母さん…?」

「目を覚ましたのね。お医者さんからお話しを聞いたらね、とても熱が高くて沢山お休みしないといけないんだって」

お医者さんがいうぐらいなら相当熱があったんだ。
今は朝起きた時よりも調子がいい。

まだ頭も体も痛いけど…。
優しく撫でてくれる母さんの手が気持ちいい。

ずっと撫でてくれたらいいな。

「お薬も飲まなきゃいけないから、少しだけご飯を食べましょうか」

ベッドの近くにある机にあるお椀からひと匙掬って、口元まで運んでくれたご飯をパクッと食べた。
ご飯はすりおろしたりんごでとっても甘くて美味しい。

口元に運ばれるすりおろしりんごを食べ終わると、俺が飲む薬を母さんが準備を始めた。
薬特有の苦い匂いがしてきて、甘くなっている口の中が何故か苦くなってきた。

「お薬苦いけど頑張って飲んでね」

早く治したいから差し出された匙を口にすると凄い苦くて顔がくしゃってなった。
涙目になりながら頑張って薬を飲み切った。

「ごめんね。後一回分残ってるから頑張って」

絶望のおかわり。
我慢して残りの薬も全部飲み切った。

口の中が苦いのがずっと居座ってて辛い。

「頑張ったね。口直しに頂いた美味しいお菓子よ」

本当に滅多に食べられないお菓子を口に入れてもらったら、りんごと比べ物にならないぐらいの甘さが口いっぱいに広がった。
トロッととろける甘さ。

「このお菓子はチョコレートと言って、まだこの国では流通してない甘いお菓子なの」

んふふ~。
久々に食べたチョコレートはとっても美味しい。

「美味しいようで何よりだわ。もう一ついる?」

ぶんぶんと勢い良く頭を縦に振ったら、母さんがくすくす笑いながら口元に持ってきてくれたチョコレートをパクッと食べた。
二個目のチョコレートはドライフルーツが入っていて、もきゅっとしたアクセントがあって噛む感覚も凄く楽しい。

もう一個食べたかったけど、体に良くないからって事で三個目はダメだって言われてしょんぼりした。

「お薬の時間になったら起こしにくるからね?」

「ん」

少し元気になったから、母さんが仕事に行くのを見送った。
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