141 / 227
閑話⑪
アストの奇妙な一日:アストのお家(で☆)騒動①
しおりを挟む
「「「「「お帰りなさいませ、アストお嬢様」」」」」
「只今戻りました。 皆、健勝そうで何よりです」
道を作るように列をなし、深々と頭を下げてくるメイドや衛兵たち。それに、私はそう返す。
すると即座に、数人のメイドが流れるような所作で傍へ寄ってきた。
「お荷物、お運びいたします!」
「お着物、お預かりいたしますね」
「遠路はるばるお疲れにございましょう。ご休息の準備は整えております」
そして、私が引いていたトランクや上着やらを鮮やかに受け取っていく。無理やり感は全く無く、私の指先や肩の動きの機微すら読むようにして、極々自然に。
ここに―、家に住んでた頃は必ずやってもらっていたことだけど…こう見ると、結構熟練の技……。
特に『誰かに仕える立場』になってからだと、学ぶべきところが多いように思える。上手く参考にして、社長相手に実践してみるのも面白いかも…!
…――あ。コホン。 私は今、実家に帰って来ているのだ。そう、『アスタロト家』に。
前々からちょこちょこと明らかにしているように、私のフルネームは『アスト・グリモワルス・アスタロト』。
そしてそのアスタロト家は、魔界大公爵として名を馳せる、魔王様に仕える最上位悪魔族一族である。
それ故に手にしている権威も凄まじく、その名を聞けば人魔問わず震えあがる威風すらある。…まあ私はそれが面倒だから、今はあえて名前だけで通しているのだけど。
そんな英姿を示すため、我が家はとても豪華絢爛な城館宮殿。ミミック派遣会社の社屋…箱工房や倉庫群分を合わせたとしても、それを悠々と凌ぐほどの。
更に外には当然、整備が行き届いた庭園や東屋、泉や噴水とかもある造り。そして見た通り、多数の使用人を召し抱えているのだ。
私が小さいころは箱入り娘状態だったため、この広い家や庭で色々と遊んだもの。その度に使用人たちは優しく接してくれたり、無茶を叱ってくれたり。時には、隠れておやつなんか…!
――ふふっ。久しぶりに帰ってくると、なんだかちょっと懐かしくなってしまう。そう長く離れていた訳でもなく、頻度は高くないとはいえ時折戻って来ているというのに。
……へ? 本当に貴族のお嬢様だったんだ、って…―。
では、この光景で信じていただけました? それなら何よりですよ。
「有難う。でも、先にお父様方に挨拶を致しますので、休むのはその後で」
「かしこまりました」
とりあえずメイドの1人にそう伝え、着替えのために自室へ向かおうとする。因みに今日は、いつもみたいなスーツではない。普通の服である。
前にも言った通り、両親には仕事の話を通しているが…使用人たちには誰にも詳細を教えていない。そんな状況で仕事服を着て来たら、妙な質問攻めをされちゃうから。
まあ、この格好のままお父様たちの元へ向かっても良いのだが…やはり貴族のマナーというものがある。余裕のない状況ならばいざ知らず、そうでなければ悪魔族の伝統装束にでも着替えるべきであろう。
最も、普段からそうしているのだが……今回は絶対にそうしなければいけないのだ。なにせ―…
…今日家に帰って来たのは、自分の意思ではない。……実を言うと、両親に呼び出しを受けたのである…。
ちょっと前に話した『グリモワルス女子会』の開催は、まだもう少し先。その時にも色々と準備のために実家に戻る必要があるため、両親たちへの顔見せはそのタイミングで良いかと思っていたのだが…。
…ついこの間、急に呼び出しの手紙が届いたのである。そのグリモワルス女子会よりも前に、少し話をしたいという旨の…。
……うーん…。文面的には怒っている様子や責める様子、悲しむ様子はない、至極いつも通りのものだったのだけど…。
あでも、若干心配してくれているような感じはあったかも…? いや、楽しんでいるような…?
――とにかく。そんな手紙が届き、休日を利用して帰宅しにきたという訳である。何事もないと良いのだけども…。
え? 社長? 社長は当然ながら――…。
「あの…お嬢様…。 こちらの宝箱は…?」
ふと、荷物を預かってくれたメイドが、私が持ってきた宝箱をおずおず示す。そうそう!忘れてた!
「これはお土産の詰め合わせです。皆で食べてください」
固定していた紐を魔法で解き、浮かび上がらせパカリと開ける。中には、厳選したお菓子がたっぷり。しかも、『お菓子なダンジョン』などの各ダンジョンから買い付けたもの多数である。
「宜しいのですか!? この間も沢山頂きましたのに……」
「えぇ勿論! 特に今回は私が選び抜いたものばかりですから、是非!」
そう微笑みつつ蓋を閉じ、手すきのメイドへとそれを手渡す。あ、そうだ。
「この宝箱、ネヴィリーへあげたのと同じ箱なんです。ですから見た目以上に中身が入っていますし、お菓子を出した後は有効活用しちゃってくださいね」
「まあ…っ!! あの箱と同じにございますか! あれは大変重宝しております!」
嬉しそうな声をあげてくれるメイド。良かった、喜んでもらえて!
――前に市場で、我が家のメイドの1人であるネヴィリーに出会った時のことである。日頃の恩返しとして、とある箱を買ってあげたのだ。
それが、この『見た目の何倍もの容量があって、且つ重量も軽減される魔法の宝箱』。実はこれ、我が社の箱工房謹製品。しかもミミックの能力を模した。
実はあの市場での一件の後、ネヴィリーからお礼の手紙が来たのだ。あげた宝箱がとても便利で、皆で色々と使いあっていると書かれた。 ならばと思って、今回も持ってきたのである。
前は店でわざわざ買って渡したのだけど、今回はラティッカさんに頼んで作ってもらった。おかげで懐は痛んでいない。…そんな痛むほど懐は冷えてないけど。
更に言うと、本当は複数個持ってきたかった。けど下手に数を用意して訝しまれるわけにはいかないから、残念。
…――宝箱と聞いて社長だと思いました? いやいや、流石にそれは警戒し過ぎ。
社長は当然ながら置いてきた。ハッキリ言ってこの戦いには……―。
じゃなくて! 当たり前ながらお留守番?である。 ミミックをアスタロト家にあげたらなんと言われることか。
私としては、寧ろ連れて来ても良かったりはするのだが…。それこそ仕事先がバレたら大変である。社長に限って、そんなミスをするはずはないと思うが。
まあ、さしもの社長も、呼ばれてもいないのに秘書の実家に突撃するのは控えたのだろう。出かける少し前に、行ってらっしゃーい♪と声をかけてくれただけである。
ただ、直後に箱工房に遊びにでも行ったのか、社屋を出た時のお見送りにはいなかったけども。
さて、じゃあ一回自室へ…―。 あ。噂をすれば、ネヴィリーがこちらに。
「お帰りなさいませ、お嬢様! 御挨拶が遅れてしまい大変申し訳ございません」
「ただいま、ネヴィリー。 あの宝箱、もう一つプレゼントします!」
「ま! それはそれは! 私共のために…感無量にございます!」
深々と一礼をしてくれるネヴィリー。―と、顔を上げた彼女と、つい笑いあってしまった。
なにせ、ネヴィリーだけは私の仕事場…且つ、あの宝箱の製造元をメイドで唯一知っているのだから。正しくは、知られてしまった、だけども。
ただ他のメイドの様子から、それは秘密としてしっかりと守ってくれているらしい。やっぱり優秀。
「お嬢様、ご主人様方がお集まりになっておられます。 早速、お顔を見せて欲しいと―」
「わかりました。軽く服を着替えたらすぐに向かうと伝えてください」
「かしこまりました」
再度深い一礼をし、去っていくネヴィリー。 …やっぱり揃っているよね…。
――うん! 溜息をついていても仕方ない! 着替えるついでに、気持ちも切り替えてしまおう!
「「では、お嬢様。 私共は外で待機しておりますので、御用がございましたら何なりと」」
トランクや綺麗にしてくれた上着を運び込んでくれた二名のメイドは、恭しく頭を下げ廊下に。
そして扉は静かに閉じられ、部屋には…私の自室には私一人。思わず、深呼吸…!
流石メイドたち…! 部屋の様子が全く変わっていない…! 全てが綺麗に維持されている…!
トランクを開けるのを後回しに、色々と見て回る。本棚や机にくすみはおろか、塵の欠片すらない…!
ぬいぐるみの山もそのまま。けどやっぱり、しっかり世話をしてくれていたらしい。汚れなんてなく、全部可愛く飾られている。
更に更に…ベッドにぃ……ぼすんっ! 柔らかく、良い香り…! 勿論、埃が舞う事もない…!
……あ…。ベッドに倒れたらちょっと眠気が…。 魔法使っても、会社と実家の距離はそこそこあるから…。
それに、緊張していたのがあるし…。それがベッドに寝ころんだらふわっと溶けちゃって…。今からが本題だと言うのに…。
あぁ…駄目…。瞼が……。 ……ちょっと…だけ…………。
「ダメよアスト! 寝たら、くすぐっちゃうわよ~!」
「はぁい…社長…。 起きますから…」
耳に入ってきた声に、瞼を擦りながらそう答える…。 しかし、珍しい。基本、私が社長を起こす側な…の…に…………。
…………………………ん? んん?? んんん???!?
えっ!?!? へっ!?!?!? はっ!?!?!?!?
「しゃ、社長!?!?!?!?!?」
「お目覚めのようで何よりです、アストお嬢様?」
「只今戻りました。 皆、健勝そうで何よりです」
道を作るように列をなし、深々と頭を下げてくるメイドや衛兵たち。それに、私はそう返す。
すると即座に、数人のメイドが流れるような所作で傍へ寄ってきた。
「お荷物、お運びいたします!」
「お着物、お預かりいたしますね」
「遠路はるばるお疲れにございましょう。ご休息の準備は整えております」
そして、私が引いていたトランクや上着やらを鮮やかに受け取っていく。無理やり感は全く無く、私の指先や肩の動きの機微すら読むようにして、極々自然に。
ここに―、家に住んでた頃は必ずやってもらっていたことだけど…こう見ると、結構熟練の技……。
特に『誰かに仕える立場』になってからだと、学ぶべきところが多いように思える。上手く参考にして、社長相手に実践してみるのも面白いかも…!
…――あ。コホン。 私は今、実家に帰って来ているのだ。そう、『アスタロト家』に。
前々からちょこちょこと明らかにしているように、私のフルネームは『アスト・グリモワルス・アスタロト』。
そしてそのアスタロト家は、魔界大公爵として名を馳せる、魔王様に仕える最上位悪魔族一族である。
それ故に手にしている権威も凄まじく、その名を聞けば人魔問わず震えあがる威風すらある。…まあ私はそれが面倒だから、今はあえて名前だけで通しているのだけど。
そんな英姿を示すため、我が家はとても豪華絢爛な城館宮殿。ミミック派遣会社の社屋…箱工房や倉庫群分を合わせたとしても、それを悠々と凌ぐほどの。
更に外には当然、整備が行き届いた庭園や東屋、泉や噴水とかもある造り。そして見た通り、多数の使用人を召し抱えているのだ。
私が小さいころは箱入り娘状態だったため、この広い家や庭で色々と遊んだもの。その度に使用人たちは優しく接してくれたり、無茶を叱ってくれたり。時には、隠れておやつなんか…!
――ふふっ。久しぶりに帰ってくると、なんだかちょっと懐かしくなってしまう。そう長く離れていた訳でもなく、頻度は高くないとはいえ時折戻って来ているというのに。
……へ? 本当に貴族のお嬢様だったんだ、って…―。
では、この光景で信じていただけました? それなら何よりですよ。
「有難う。でも、先にお父様方に挨拶を致しますので、休むのはその後で」
「かしこまりました」
とりあえずメイドの1人にそう伝え、着替えのために自室へ向かおうとする。因みに今日は、いつもみたいなスーツではない。普通の服である。
前にも言った通り、両親には仕事の話を通しているが…使用人たちには誰にも詳細を教えていない。そんな状況で仕事服を着て来たら、妙な質問攻めをされちゃうから。
まあ、この格好のままお父様たちの元へ向かっても良いのだが…やはり貴族のマナーというものがある。余裕のない状況ならばいざ知らず、そうでなければ悪魔族の伝統装束にでも着替えるべきであろう。
最も、普段からそうしているのだが……今回は絶対にそうしなければいけないのだ。なにせ―…
…今日家に帰って来たのは、自分の意思ではない。……実を言うと、両親に呼び出しを受けたのである…。
ちょっと前に話した『グリモワルス女子会』の開催は、まだもう少し先。その時にも色々と準備のために実家に戻る必要があるため、両親たちへの顔見せはそのタイミングで良いかと思っていたのだが…。
…ついこの間、急に呼び出しの手紙が届いたのである。そのグリモワルス女子会よりも前に、少し話をしたいという旨の…。
……うーん…。文面的には怒っている様子や責める様子、悲しむ様子はない、至極いつも通りのものだったのだけど…。
あでも、若干心配してくれているような感じはあったかも…? いや、楽しんでいるような…?
――とにかく。そんな手紙が届き、休日を利用して帰宅しにきたという訳である。何事もないと良いのだけども…。
え? 社長? 社長は当然ながら――…。
「あの…お嬢様…。 こちらの宝箱は…?」
ふと、荷物を預かってくれたメイドが、私が持ってきた宝箱をおずおず示す。そうそう!忘れてた!
「これはお土産の詰め合わせです。皆で食べてください」
固定していた紐を魔法で解き、浮かび上がらせパカリと開ける。中には、厳選したお菓子がたっぷり。しかも、『お菓子なダンジョン』などの各ダンジョンから買い付けたもの多数である。
「宜しいのですか!? この間も沢山頂きましたのに……」
「えぇ勿論! 特に今回は私が選び抜いたものばかりですから、是非!」
そう微笑みつつ蓋を閉じ、手すきのメイドへとそれを手渡す。あ、そうだ。
「この宝箱、ネヴィリーへあげたのと同じ箱なんです。ですから見た目以上に中身が入っていますし、お菓子を出した後は有効活用しちゃってくださいね」
「まあ…っ!! あの箱と同じにございますか! あれは大変重宝しております!」
嬉しそうな声をあげてくれるメイド。良かった、喜んでもらえて!
――前に市場で、我が家のメイドの1人であるネヴィリーに出会った時のことである。日頃の恩返しとして、とある箱を買ってあげたのだ。
それが、この『見た目の何倍もの容量があって、且つ重量も軽減される魔法の宝箱』。実はこれ、我が社の箱工房謹製品。しかもミミックの能力を模した。
実はあの市場での一件の後、ネヴィリーからお礼の手紙が来たのだ。あげた宝箱がとても便利で、皆で色々と使いあっていると書かれた。 ならばと思って、今回も持ってきたのである。
前は店でわざわざ買って渡したのだけど、今回はラティッカさんに頼んで作ってもらった。おかげで懐は痛んでいない。…そんな痛むほど懐は冷えてないけど。
更に言うと、本当は複数個持ってきたかった。けど下手に数を用意して訝しまれるわけにはいかないから、残念。
…――宝箱と聞いて社長だと思いました? いやいや、流石にそれは警戒し過ぎ。
社長は当然ながら置いてきた。ハッキリ言ってこの戦いには……―。
じゃなくて! 当たり前ながらお留守番?である。 ミミックをアスタロト家にあげたらなんと言われることか。
私としては、寧ろ連れて来ても良かったりはするのだが…。それこそ仕事先がバレたら大変である。社長に限って、そんなミスをするはずはないと思うが。
まあ、さしもの社長も、呼ばれてもいないのに秘書の実家に突撃するのは控えたのだろう。出かける少し前に、行ってらっしゃーい♪と声をかけてくれただけである。
ただ、直後に箱工房に遊びにでも行ったのか、社屋を出た時のお見送りにはいなかったけども。
さて、じゃあ一回自室へ…―。 あ。噂をすれば、ネヴィリーがこちらに。
「お帰りなさいませ、お嬢様! 御挨拶が遅れてしまい大変申し訳ございません」
「ただいま、ネヴィリー。 あの宝箱、もう一つプレゼントします!」
「ま! それはそれは! 私共のために…感無量にございます!」
深々と一礼をしてくれるネヴィリー。―と、顔を上げた彼女と、つい笑いあってしまった。
なにせ、ネヴィリーだけは私の仕事場…且つ、あの宝箱の製造元をメイドで唯一知っているのだから。正しくは、知られてしまった、だけども。
ただ他のメイドの様子から、それは秘密としてしっかりと守ってくれているらしい。やっぱり優秀。
「お嬢様、ご主人様方がお集まりになっておられます。 早速、お顔を見せて欲しいと―」
「わかりました。軽く服を着替えたらすぐに向かうと伝えてください」
「かしこまりました」
再度深い一礼をし、去っていくネヴィリー。 …やっぱり揃っているよね…。
――うん! 溜息をついていても仕方ない! 着替えるついでに、気持ちも切り替えてしまおう!
「「では、お嬢様。 私共は外で待機しておりますので、御用がございましたら何なりと」」
トランクや綺麗にしてくれた上着を運び込んでくれた二名のメイドは、恭しく頭を下げ廊下に。
そして扉は静かに閉じられ、部屋には…私の自室には私一人。思わず、深呼吸…!
流石メイドたち…! 部屋の様子が全く変わっていない…! 全てが綺麗に維持されている…!
トランクを開けるのを後回しに、色々と見て回る。本棚や机にくすみはおろか、塵の欠片すらない…!
ぬいぐるみの山もそのまま。けどやっぱり、しっかり世話をしてくれていたらしい。汚れなんてなく、全部可愛く飾られている。
更に更に…ベッドにぃ……ぼすんっ! 柔らかく、良い香り…! 勿論、埃が舞う事もない…!
……あ…。ベッドに倒れたらちょっと眠気が…。 魔法使っても、会社と実家の距離はそこそこあるから…。
それに、緊張していたのがあるし…。それがベッドに寝ころんだらふわっと溶けちゃって…。今からが本題だと言うのに…。
あぁ…駄目…。瞼が……。 ……ちょっと…だけ…………。
「ダメよアスト! 寝たら、くすぐっちゃうわよ~!」
「はぁい…社長…。 起きますから…」
耳に入ってきた声に、瞼を擦りながらそう答える…。 しかし、珍しい。基本、私が社長を起こす側な…の…に…………。
…………………………ん? んん?? んんん???!?
えっ!?!? へっ!?!?!? はっ!?!?!?!?
「しゃ、社長!?!?!?!?!?」
「お目覚めのようで何よりです、アストお嬢様?」
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします
リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。
違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。
真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。
──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。
大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。
いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ!
淑女の時間は終わりました。
これからは──ブチギレタイムと致します!!
======
筆者定番の勢いだけで書いた小説。
主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。
処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。
矛盾点とか指摘したら負けです(?)
何でもオッケーな心の広い方向けです。
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる