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閑話⑩

我が社の日常:市場で取引お買い物⑥

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「ッッ…!!? お…お嬢様…!?  は、ははぁっ!!」


…私の発した一言に、『そこに直れ』という命令に、ネヴィリーは血相を変えその場に跪く。


先ほどまで誹謗の言葉を吐いていた彼女の口はこれ以上ないほどに縛られ、ラティッカさんを睨んでいた瞳は問い詰めの光を失い戦慄へと。



……最も、彼女は地に擦り付けんばかりに頭を垂れている。だから今それを目にしているわけではないが、その様子は手に取るようにわかる。


なにせ、蒼白と称しても良いほどに彼女の身は青ざめている。だというのに、首筋にも頬にも手の先にも汗が流れ出している。


更に…その全てが、ガクガクと震えを起こしているのだから。








――あぁ…。きっと私の身体からは、周囲を歪ませるようなオーラ威圧でも出ているのだろう…。悪魔族の角も羽も尾も、これ以上ないほどに揺らめいているのだろう…。


なにせ周囲を歩く人々の視線が、平伏しているネヴィリーではなく、立っている私に向けられているのを感じる。



そして背後にいるラティッカさんと、箱の隙間からこちらを窺っている社長が、驚愕の目を向けていることも。





…それがわかるぐらいには、私の頭は冷静。今もこうして、思考することができている。


――けど、心の内は煮えたぎるマグマの如く。魔王様の落とす天雷の如く。…!











「ネヴィリー。 そのまま聞きなさい」


「はっ……!」


先程と同じく、重々しく命じる。 更に身を震わせる彼女に、私は溜息交じりに告げた。


「貴女が私を想い、そのために私を叱り、そして先の提案をしてくれていることは、充分にわかっています。 昔から貴女は、厳しくも私を守ってくれたのですから」


「は…ははぁ…! 勿体なきお言葉を…!」


「…ですが―。」


深々と更に頭を下げるネヴィリーを、そのピシャリとした一言で硬化させる。そして、ゆっくり息を吸い…。



「こちらの事情を、私の考えを、彼女ラティッカさん達の人柄を―。何一つ知らぬ貴女が、たった一回話しただけで、たった一度姿を見ただけで…」



そこで言葉を一旦止め、瞬間詠唱。幾体もの槍もち下位悪魔を呼び出し、ネヴィリーを囲ませ…―。



――自らの胸中にある憤慨全てを叩きつけるかのように、彼女を怒鳴りつけた。




「私の朋輩ほうばいを…大切な人達をけなそしるなぞ、どういう料簡かッ!!」











その大喝に合わせ、ネヴィリーを囲んでいた下位悪魔は一斉に槍を突きつける。 彼女は言葉もなく、身をひらに縮こませるのみ。



…当たり前だけど、ネヴィリーを処する気なんてない。ただそうでもしないと、私の気が収まらなかっただけ。私がどれだけ怒っているか、身をもって知らしめたかっただけ。




――それに、私にも非はあるのだから。







指を一つ鳴らし、召喚悪魔たちに槍を下げさせる。そしてネヴィリーに顔を上げさせ、私の非を懺悔した。


「―えぇ。勿論、私も悪いんです。 事業内容や業務内容の詳細を、貴女に伝えようとはしませんでした。ごめんなさい」


出来る限り深く、ネヴィリーに謝る。彼女をここまで混乱させた理由の一つは、間違いなく私の稚拙な策なのだから。


……けど―。


「けど、それはネヴィリー、貴女がそのような性格だから。 私に合わぬと判断したら、先のように食ってかかる悪い癖が、貴女にはあるからなんです」






そうピシリと言い放つと、ネヴィリーは悲痛な顔を。言い過ぎ…かもしれないけど、これは事実。


ふと私はサッと手を振り、召喚悪魔を消す。そして自らしゃがみ込み、ネヴィリーの手を取り立ち上がらせた。



「そのような相手に、誰が詳しくを伝えましょうか。誰が知友を紹介しましょうか。…言いたくはありませんが、『お断り』です」



そう口にしながら、ネヴィリーの服についた砂や汚れを払ってあげる。 彼女は狼狽し拒もうとして来たが、そんなの気にしない。


そしてメイド服が綺麗になったのを確認し…改めて彼女の目を見つめ、こう語りかけた。




「相手の人となりを理解しようとせずに、凝り固まった…『箱にハマりきった』主観のみで全てを決めつける―。それこそがまさに『驕り』」



そしてちょっとおどけるように…社長が時折してるように、ウインク混じりで問いかけた。


「それこそが、貴族が…いえ、人が絶対にやってはいけない行為。 でしょう?」









「―は…はい……っ!! お嬢様…その通りでございます…!! わたくしは…私は…なんという無礼を…!!」


……ネヴィリー、感動してくれたのは嬉しいのだけど…。ちょっとこれ、駄目なやつ…。下手すれば責任を取って辞するとか言い出すかも…。


…ふぅ。仕方ない、ちょっと恥ずかしいけど…。 えいっ!





「―!? お嬢様…!? 何を…!!」


驚くネヴィリー。 だって私、彼女をぎゅーっとハグしたのだから。


「私を心配してくれるのは感謝しかありませんが…。私だってもう立派な大人。自分で判断できますし、悪い関係に囚われているか否かの判断も正しくできます」


……まあちょっと、社長の触手に囚われているというかなんというかだけど…。それは口に出さないでと…。


「でもそれは、ネヴィリー達の教育の賜物。貴女たちのおかげで、私は健やかに成長できたんです」


ハグを続けたまま、お礼の言葉を囁く。そして離れ、彼女の両手を優しく取った。



「ですからネヴィリー。どうか不必要に口を出さず、私を温かく見守ってくれませんか?」



そう伝えつつ微笑むと…あ、ネヴィリー…泣き出して! ハンカチハンカチ!











「いやー。アストのブチギレ、久しぶりにみた…。いや、このレベルは初めてかも…」


―と、離れていたラティッカさん(&社長入り宝箱)がこちらへ。そして苦笑いを。


「面倒な書類仕事から逃げる社長を叱り飛ばす時より、何倍も怖かったよ…。 最上位悪魔族の威厳、発動すると恐っそろしいな…」


そういい、宝箱を軽く震わせるラティッカさん。…もしかしたらあれ、中の社長の震えかもしれない。ドン引きされてなきゃいいけど…。




――でも確かに、今日一の『貴族の威厳』を出したかも…。貴族の優雅さこそ出せなかったけど、貴族の義務…というか責務な『失礼な召使を叱る』というのは果たせた…?



……ただ、全く嬉しいものではない…。あんまり怒りたくなかったし…。






なにせ、怒った影響は大きい。空気が悪くなっちゃって、とてもプレゼント購入の雰囲気では…。


「で? アスト、ジュエリーショップに用があったんじゃないのか?」


あ…!良かった、ラティッカさんが良い感じに話を振ってくれた…! 有難い…!


「そうなんです。ちょっと見たいというのもあるんですけど…。実は、ネヴィリーにアクセサリーのプレゼントを買ってあげようと――」



「お、お嬢様!? それはいけません! そのような高価な品は頂けません!!」







…えー…。 まさかのネヴィリーが拒否してきた…。 それは予想外…。


「受け取ってください。今まで出来なかったお礼の分なんですから…」


そう説明して手を引いても、彼女はイヤイヤ。というか、尋常じゃない拒否り方。



「アストにお金を使わせるのが嫌ってなら、アタシが作ったげようか? 素材なら倉庫に良いの残ってるし」


そんな様子に見兼ねて、ラティッカさんもそう提案してくれる。その言葉にネヴィリーは仰天していたため、私はラティッカさん製イヤリングを外して彼女へ。


「まあ…! これは…!!」


その細工の腕前に目を丸くするネヴィリー。…あ。ラティッカさんを見る目が明らかに畏敬へ変わった。


こういうことがあるから、しっかり相手のことを知らなければいけないのである。 なーんて。





ま、それはさておき…。 しげしげとイヤリングを眺めるネヴィリーへ、それが良ければそのままプレゼントするとも伝える。…しかし…。


「―いえ。やはり頂けません」


ゆっくり首を振り、返却してくるネヴィリー。 なんで…?







こうなれば私もちょっと意地。あの手この手を提案したが……なんと、どれもダメ。


そもそも宝石とかアクセサリーとかは要らないって。その頑なさは彼女らしいのだけど…。



一体どうしたものか。そう考えていたら…。 宝箱をやけに高め…顔の前らへんまで持ち上げていたラティッカさんが、コホンと咳払いを。



「あれじゃないかアスト? 下手に高い物貰うと、後が面倒になるとか」







先程まで『アクセサリー作りは任せろ~!』派だったラティッカさんが、突如の推測。…というか言わされてる感あるし、社長の入れ知恵なのは確か。



――って、そうか…。後が面倒…! ふとネヴィリーを見やると、おずおずと頷いていた。当たりらしい。


「えーと…。あんまり高級なものを貰って帰ると、『無理にねだった』と捉えられかねないし、1人だけズルいって話になるし…。なんだっけ…あぁ!『何かの口止め料』に思われるかもって!」


……だいぶ…ボロが…。もうちょっと頑張ってラティッカさん…!!






とはいえ幸い、ネヴィリーは気づいてなさそう。その通りにございますと頭をさげ、恥ずかしそうな顔を。


「それと…。金言たる訓戒を頂いた身でありますため、これ以上良き品を頂戴する訳には…」



…なるほど…。叱られた矢先に、高価な物を貰うのはバツが悪いと…。…まあ…確かに…。








――しかし…。 だからといってネヴィリーもてなし大作戦をここで終わらせるわけにはいかない。このまま別れたら、ただ彼女に怒っただけ。


やっぱり、日頃のお礼として何かをプレゼントはしたい。けどわからないから…。こういう時は―!



「ネヴィリー、何か欲しいものない?」


―もう直接聞いちゃう! 普通なら空気を読んでバレない内に探るのが秘書の仕事だが…相手はネヴィリーだし。


一方の彼女も、拒否したところで私が引き下がる気はないと察したらしく、諦めたように苦笑いで考えだす。


「えっと…えーと…そうですね……。 ……あ」


少し考えた後に何かを思いついたらしい。彼女が口にしたのは…。



のような物が欲しゅうございます」




そちら? 私が示された方向へ目を動かすと…そこにいたのはラティッカさん。…じゃなくて!?




「(社長入りの)宝箱……!?!?」










「こ、これは駄目!! えっと…私の専用品だから…! いや『品物』ではないんだけど…。わ、私専用…にしたい気持ちもあったりするんだけど…!!」


思わず社長入りの宝箱を庇うように、ネヴィリーの前に立ちはだかってしまう…! これだけは…渡せない…!


…というか自分でも、何を言ってるのかさっぱり……。さっき彼女を叱った際の思考の冷静さはどこへやら…。



もはや私の目はグルグル。複雑な魔法陣みたいに…。 ―と、宝箱を持ってるラティッカさんに宥められてしまった。




「いやアスト落ち着けって…。社長…じゃない、この宝箱…じゃなくて。 この宝箱のような、何かしらの特殊能力持ちのが欲しいって話だろ?」


「はい、ラティッカ様。その通りにございます。何かと役立ちそうですので…。 言葉足らずにございました。混乱させてしまい申し訳ございません」


「あ…そういう…」


ほっ…よかった…。ひと安心…。取られ…ゴホン、また変な詮索を入れられるのかと思っちゃった…。




……あれ、そういえばネヴィリー…。私があんな狼狽えたっていうのに、不審に思って問い詰めてこない…。


まさに、『不必要に口を出さない』という感じ。ということはさっきのお願い、守ってくれてる…!!





嬉しい……なんて思っている場合じゃない! ど、どうしよう…!





だってその特殊能力って、社長の力…! つまり、『特殊能力持ちの宝箱』はでまかせで、そんなものを売っているお店なんて……!




「なら、アタシについてきな!」



…え? ラティッカさん……?

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