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顧客リスト№44 『ケット・シーのにゃんこダンジョン』

魔物側 社長秘書アストの日誌

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「ひゃにゃぁぁぁぁ…!」

とあるダンジョン内部で、私は変な声を漏らしてしまう。先に社長を降ろしていなかったら、落としてしまってたかもしれない…!


だって…だって…! あっちににゃんこ、こっちににゃんこ…! そっちににゃんこ、向こうににゃんこ…! 

右にもにゃんこ、左にもにゃんこ…! 足元にもにゃんこ、高所にもにゃんこ…!!

短毛にゃんこに長毛にゃんこ…でかにゃんこに仔にゃんこまで…!!!


どこを見回しても、にゃんこにゃんこにゃんこにゃんこ。敷き詰められたかのように、もふもっふ。

これはもう、にゃんこあつめ…!






コホン…興奮しすぎてしまった。反省…。

一応断っておくが、私は別に猫狂いってわけではない。犬とか兎とかハムスターとかも同じぐらい好きである。

でも…こんな猫まみれのダンジョンを見て、誰が正気でいられるだろうか。気持ちよさそうに寝ていたり、じゃれ合っていたりする猫たちのど真ん中にいて、誰が嬌声を上げずにいられるだろうか。


だから私はおかしくない。文字通りの『猫だまし』とかにあって狂わされているわけではない。ねこによる精神汚染を受けてるわけでもない。


…ただそりゃ、見ての通り、ねこはいますけど。よろしくおねがいします。










ッハ…!なんか今、変な感覚が…。…まあいいや…。

では改めて。ここは『にゃんこダンジョン』―。名前そのままの、猫が棲むダンジョンである。


誰が建てたのかわからないが、その外見は広いお屋敷。猫耳屋根付きで、髭みたいな模様がある。

そんな屋敷の至る所に猫用の小さい入口があるが、人が入るための普通の扉もある。そしてやっぱり猫マーク。


中は綺麗ではあるが、キャットタワーとかソファとかキャットウォークがそこかしこに。また、空箱や転がっているおもちゃとかで結構雑多にも見える。

しかし猫たちにはそれが一番心地よいらしく、悠々自適に過ごしている様子。ほら、そこの子なんて腹を思いっきり曝け出して寝ている。


ちょっと触らせて貰って…。あぁ…ぐるぐる喉を鳴らしてくれてる…!ふふふぅ…。









…あ。また虜にされていた…。説明の続きを…。


このダンジョンにも空間魔法がかかっており、結構広い。そして、猫のための魔法が幾つも備わっている。

具体的に言うと、ノミとり魔法とか水湧き魔法とか。猫好きの魔女や魔法使い達に頼んでわざわざ作って貰ったらしい。特に魔女って、黒猫が好きな人が多いから。


因みに二つ返事でOKしたどころか、寧ろ『私が私が』となったらしく、競うように思わぬ魔法まで仕込んでくれた様子。


例えば時折そこらへんを浮いているブラシ、自律式のブラッシング魔法らしい。猫が触れると暫く勝手に動き回るボール魔法とかもある。ご飯が無尽蔵に出る魔法すらも。

また、魔法以外にも色々と。明らかに高級志向な布団やお皿とかおもちゃとか、猫への『貢ぎ物』が沢山。もちろん、人から猫へのである。


実はこのダンジョン、一般の人の立ち入りも許可されているのだ。だから気軽に来て猫と戯れることができるし、お菓子やおもちゃを貢ぐ…もといあげることもできるとても人気な場所。

今も、色んな所に猫と遊んでいる…いや遊ばれている人が沢山。総じて猫撫で声で、猫のご機嫌を取っている。


猫は人を篭絡し、支配する存在と冗談混じりに言われたりもするが…これをみたら納得。流石、おネコ様。








さて、そんな猫たち。毛色も種類も様々。三毛、黒、白、トラ、ペルシャ、ロシアンブルー、マンチカンにシャム、エキゾチックやetcetc…

中には魔獣の猫や希少種なんかもいる。最も、このダンジョンでは正に借りてきた猫状態。他の猫に混じって喧嘩もせずにぐっすり。


…しかし私達は依頼を受けてここに来たのである。猫が手紙を書いたりするだろうか。ミミックを派遣して欲しいなんて言うだろうか。

そう、普通の猫ならしない。そもそもこの子達、人語を理解せども、話すことはできないのだから。

え? 喋る猫もいる? 『ごはーん』とか、『マグロおいしい』とか? それは空耳。 …多分。



…いやそうじゃなくて! ここには、ふつうじゃない猫…人語を話せる猫がいるのだ。彼らから依頼を受けたのである。どんな猫かというと―。





「ニャスト様、お食事の準備ができにゃした。どうぞこちにゃへ!」

ふと、私の背後から凛々しくも可愛らしい声。振り向くと、そこにいたのはー。


騎士の羽付き帽を被り、マントを羽織り、サーベルを下げ…そして長靴を履いた…灰色ショートヘアの…にゃんこ。


うん。猫。騎士のような格好した、二本足で立つ、それでも私の膝ぐらいしかない、ブリティッシュショートヘアの、可愛らしい子である。



「? どうかされにゃしたか? このダルタニャンの顔に、にゃにかついておりにゃすか?」

思わず私が見惚れてしまっていたら、ちょっと困惑気味な表情と耳をする『ダルタニャン』ちゃん…いや、さん……

あぁもう…! いいや、ちゃん付けで! 本もいいって言ってたし!


そう、このダルタニャンちゃんのような子達が、このダンジョンの仕切り役。種族名を『ケット・シー』という、猫の妖精たちである。


因みに彼ら、私の名前を『ニャスト』と呼んだりしているように、独特の猫訛り?を持っているのだけど…それもまた、良し!









「さ、ニャスト様こちにゃへ! レストランまでご案にゃいしにゃす!」

先導して、ちょこちょこ歩き出すダルタニャンちゃん。……もう限界である。

「ちょっと失礼します!」



「ふにゃっ!? ニャスト様にゃにを!? おにゃめくだされ、おにゃめくだされ!」

歩いているダルタニャンちゃんをヒョイっと抱き上げる。柔らかくて、暖かい…!もふもふもふもふ…!

「にゃ…ふにゃぁぁぁ…喉はぁ…ゴロゴロゴロゴロ…」

もふってあげると、大きく喉を鳴らし出してくれた。騎士然としていた姿はどこへやら。とろんとした瞳で見つめてきた。

「ニャスト様…抱っこ、お上手ですにゃぁ…。がっちりと掴んでいるのに、気遣った優しい押さえ方…素晴にゃしく、心地よいですにゃぁ…」

「そうですか? あぁ、多分いつも社長を抱っこしているからですね」

「にゃるほど…あぁその強さで…ゴロゴロゴロゴロ…」

あっという間にとろけ猫。液体みたい。








ダルタニャンちゃんを抱っこしたまま、レストランへ。その道中、ふと気付いた。

「そういえば社長はどこへ?」


最初にダルタニャンちゃんたちと顔合わせした後、社長とは別行動としたのだ。きっとどこかにいるのだろうけど…

「にゃぁ…ミミン様ならばお先に…ゴロゴロゴロ…」

溶けたまま、そう答えてくれるダルタニャンちゃん。なら安心である。 あ、そうこうしている内に到着した。



そうそう。説明しそびれていた。実はこのダンジョン、ケット・シーたちが作る食事やお茶も堪能できるのだ。言ってしまえば猫経営の猫カフェである。

え?猫が料理するのが不思議? どこぞでは猫が料理人をしていると聞くし、いいのではないだろうか。我が社だってポルターガイストたちだし。

毛が入るのではって? ご安心あれ。ケット・シーの中にも魔術師…にゃ術師がいる。そこらへんは魔法で対策済みらしい。


…あ、でも。ケット・シーや魔獣の猫たちにはともかく、普通の猫たちには人の食べ物をあげないように。あげるならばしっかり猫用のものを。売ってるから。








「こちにゃの部屋ににゃります!」

流石に他の客や他ケット・シーがいるレストランまで来て、抱っこされたままだといけないと思ったらしいダルタニャンちゃん。私の腕から飛び降りて、先程のされるがままを誤魔化すかのようにとある個室へと。

扉を潜ると、そこにあったのは猫マーク付きの豪奢な机や椅子、調度品、そして…

「……ん?」

床に置かれた、もふもふが詰まった宝箱…?





いやよく見ると…これ、社長の宝箱…!そして、もふもふの正体は…!

「にゃんこがぎっしり…!!」


みっちりと詰まっているのは、いろんな色のにゃんこたち。全匹がグルグル鳴いてリラックス状態。

「あ。アスト来たわね」

と、そんな猫まみれ宝箱の中から声が。ということは…。

「はーい皆どいてね~。ごめんね~」

猫の隙間から触手が伸び、一匹ずつ外に出していく。1…10…まだまだ出てくる…!?


私とダルタニャンちゃんも手伝い、よいしょよいしょと出していく。皆ちょっと残念そうに、別の場所へと寝直しに消えて行った。

えーと数は確か…合計…100匹…。いや、101匹だ…。101匹ネコちゃん。



「ふぅー! 重かったけど気持ちよかったぁ~。うへへ~」

直後、ポンっと出てきた社長。撫でられていた時のダルタニャンちゃんなみに顔が蕩けている。猫たちと一緒に箱の中に入れるなんて…羨ましい…!!!


…だが、それも仕方なし。なにせ猫は箱に目がない。箱に入る生態のミミックとは相性最高に決まっているのだから。

そう言えば出かける前に、ミミックの皆にここから依頼が来たことをぽろっと話したのだけど…速攻で誰が行くかの取り合いになってた。まだ派遣するかすら決めていないのにである。








ようやく席につき、少し待つ。すると控えていたダルタニャンちゃんの耳がピクッと動き、彼は声を張った。

「王様の、おにゃ~り~!」


直後、扉が開く。そして、何匹かの猫が引っ張る屋根なし車が。これがほんとのネコ車。なんちゃって。

そんな車の上に、頭に王冠を乗せ腰掛けている猫が…うわっ、とんでもなくフワッフワ…! 多分フォレストキャット系…!

「お待たせいたしましたニャァ。吾輩がここの王ですニャ。…勿論、名前はありますのでニャ。『ニャオウ』と申しニャす」

そう言い、ニャオウちゃ…いや流石に失礼かな…。ニャオウ様はにゃんにゃんにゃんと笑った。






ニャオウ様も席に飛び乗り、料理を頂くことに。並べられたのはお魚フルコース。鰹節もふんだんに使われていてとても美味しい。

あと、またたびティーもついてきた。のだけど…ニャオウ様はおろか、控えていたダルタニャンちゃんたちまで匂いを嗅いで酔っ払った様子になった。効果高すぎである。


それが少し落ち着いた頃合いを見計らい、社長はニャオウ様に問いかけた。

「ところでニャオウ様。私たちにご依頼のご用件とはなんでしょう? 少々切羽詰まった様子な文面でしたが…」

「ニャア…それがですニャア…吾輩たちの危機ニャのです…」


あぁ…ニャオウ様のお髭が、しな垂れて…。



「このダンジョンには、見ての通り人を招いておりニャす。撫でられるのが好きニャ子や、遊んでもらいたい子ニャどは結構おりますからニャ」

と、そこまで話してくれたニャオウ様。今度は耳までへちゃりとなった。

「ですが、その人のにゃかに…吾輩たちを捕まえて、毛や皮を剥いだり売り飛ばそうとする輩がおるのですニャァ…」







「「なんですって!!」」

社長と私、全くの同時に立ち上がってしまう。そんなこと、許せるはずがない!


そんな私たちの剣幕に、若干毛を逆立てビビってしまうニャオウ様。しかしすぐに安堵し毛を戻してくれた。

「とはいえ、ただの悪漢程度ニャらば吾輩たちで倒せもするのです。そこのダルタニャンのように優秀ニャ戦士がおりニャすからニャ」


そうニャオウ様に示され、ダルタニャンちゃんは小さいサーベルを引き抜きシャキンと構える。…どう握っているのだろうか…。

他の控えている猫たちも、皆爪や牙をシャキンをだし、強さアピール。…言っちゃいけないんだろうけど…それも可愛い。



しかし、ということは…。

「何か難敵が?」

私がそう問うと、ニャオウ様はコクリと頷いた。

「その通りですニャァ…。奴ら、猫じゃらしやボールに飽き足らず…吾輩たち猫の天敵を召喚するんですニャァ…。蛇、鷲のような猛禽類、そして魔狼や魔犬を…!」

プルプル震えだすニャオウ様。そして、手を…もとい肉球で顔を覆った。

「あれを目の前にすると、身が竦んでしまうのですニャァ…。クー・シー犬の妖精たちや優しい犬たちとは仲が良いのですが…。吾輩たちを狩ろうとしている天敵たちは怖くて怖くて…!」

ダルタニャンちゃん達も想像したのか、毛を逆立たせ身を伏せ、ごめん寝的なポーズに。なるほど…事情はわかった。




「お願いですニャ!吾輩たちにミミックの皆様のお力を!」

四つ手をついて頭を下げるニャオウ様。…まあ、普通の猫形態に戻ったようにしかみえないのだけども。

「お代金として我らケット・シーの毛や爪と、レストランの売上金の半分を差し上げますニャア!」

わっ…!キラキラした、猫のまんまる瞳で見つめるなんて…!反則…! そんなの、どんな悪条件でも頷いてしまう…!


…まあ、提示された金額的に充分だし、断る気なんて猫の額ほどもないのだけど。というかー。


「レストランのお金、良いんですか?」

そっちのほうが気になり、思わず聞いてしまう。するとニャオウ様はふわふわ尻尾をぐるん。

「猫に金貨は不要ですニャ。食材とかを買う時に使う分以外は、基本邪魔なので奥の方に放って置いてますニャ」


……むしろ猫誘拐犯たちはそれを狙うべきなのでは…?









「わっかりました! 我が社の選りすぐり達を派遣致しましょう!」

勿論社長も断る気なんてさらさらない様子。と―、何故か声を潜めた。

「ところで…。色んな箱、欲しくありません? 我が社にはミミックも垂涎ものなありとあらゆる箱が取り揃えてありますよ?」


「ほ、ほう…! ど、どんな…」

今度はニャオウ様がガタリと立ち上がる。社長はにんまりと笑みを。

「手始めに私の入っているような宝箱」
「ほう…!」

「柔らかドーム型ベッド」
「にゃ、にゃんと…!」

「深鍋に、壷、収納ボックス…」
「ニャァ…!? にゃにゃ…!」

「そして…段ボール箱!」
「ふにゃあぁん!!」


ノックアウトされたかのように、くねんくねんと身を揺らすニャオウ様。見ると、ダルタニャンちゃんたちも演劇のように派手な動きを。劇団みたい。劇団キャッツ。


「ぜ、是非! お、お幾らで…!?」

フスンフスンと鼻を鳴らし、社長に迫るニャオウ様。一方の社長は楽しそうにニヤついた。

「ふっふっふ…! 超格安で…いえ、タダで差し上げましょう!!」

「ニャ!? ニャンですとぉ!! あにゃた様は…神様ですか…!」

思わずグルングルンと大きく喉を鳴らすニャオウ様。社長はケラケラと手を振った。


「いえいえ!寧ろ神様はそちらの方じゃないですか! ほら、『ネ申』と『ネコ』って似てますし!」









猫たちとの別れを惜しみながらも、帰り道。私は猫ではなくいつも通り社長を抱えながら質問を。

「でも、どのミミックの子を派遣しましょうか。結構争奪戦になりそうですけど」

「まあそうよね。じゃ、派遣枠もっと増やしましょう!」

即断する社長。ちょっと驚き、内心良かったと思いつつも一応聞いてみる。

「良いんですか、代金分超過しても? 箱もタダであげるって宣言しましたのに」

「良いのよ!あんなに可愛い猫たちのためですもの!」


この様子…どうやら社長も、猫に思考を支配されたらしい。やはりにゃんこは最強…。
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