33 / 227
閑話②
会社施設紹介:箱工房
しおりを挟む
「今日は何を作ったんでしょうね」
「さあねえ。でもあの興奮振り、期待できそうね」
社内の動く廊下に乗り、私と社長はとある場所へと移動中。向かう先は食堂でも、社長室でもない。というかさっき社長と朝ごはん食べたばっかだし。
動く廊下は曲がり降りを繰り返し、会社の外へと。目的地は会社の横に付設されているとある大きめの建物である。
そこにあるのは、通称『箱工房』。ミミックのための箱を作る専用の工場なのだ。
因みに余談だが、社長室等がある社屋も、その箱工房も外観は巨大な宝箱型をしている。社屋のほうが蓋が半開きになった派手な宝箱、箱工房のほうはしっかり閉まった黒めの宝箱といった見た目。
もっと言うなら、その箱工房のほうからはもくもくと煙が出ている。工房なのだから当然ではあるのだが。
もしあれが巨大なミミックだとするならば、間違えて爆弾とかを食べちゃった感じか。そう見てみると案外可愛らしい…?
話を戻そう。その箱工房で箱作りをしているのはミミックではない。ドワーフ達である。
流石に手先が器用な上位ミミック達とはいえども、物づくりは別。それに生半可なものを作って冒険者に簡単に負けるわけにもいかないため、社長が腕の良い職人たちをスカウトしてきたのだ。
…そりゃ彼らは物づくりの天才。あらゆる道具に通じているのは知ってるけど…。まさか箱状のものを作りたくて仕方ないって人達がいるとは思わなかった。
剣や防具ならわかるけど、箱専門て。どんな分野にも好きものはいるけど、そんなのもありだとは思わなかった。おかげで我が社は大助かりなのだけども。
ウィイと開く自動扉をくぐり、箱工房内へ。するとそこには―。
「わっ…!また数増えてる…!」
見渡す限りの箱、箱、箱。木箱に鉄箱宝箱。大きいものや小さいもの、中が広いものや狭いもの、装飾が華美なものや地味なものまでなんでもござれ。
勿論箱だけじゃない。花瓶や壺、樽に籠にタンスもある。巨大な花や鎧まで。
最もそれらは『それっぽく作られている』ものだから本物ではないのだけど。例えば花瓶を倒しても、パリンと割れることは無い。
因みに、あそこにある巨大な毛玉やこれまた巨大な蝸牛の殻とかはこの間依頼があったダンジョンに合わせて作った特注品。軽さと動きやすさを兼ね備えているらしい。楽しいのか、たまにそれで外を転がっているミミックを見かける。
まあ要は中にミミックが隠れられる隙間があるものならば何でも作ってしまうのだ。ドワーフ恐るべし。
「…ねえ、アスト。良い?」
と、うずうずした様子の社長は私をちらりと窺う。実はここに来るたび、社長はあることをやらなければ気が済まなくなるのだ。
「えぇ、どうぞ。その間にこの箱メンテに出しておきますね」
「わーい!」
私の言葉を聞くや否や、社長は入っていた箱をぬるんと抜け出し、近くの箱群へとダイブした。
「ひゃっほーっ!」
そしてみるみるうちにどこかへと…あっもうあんな高いところまで。目を凝らさなければわからないほどの位置だが、それでもはしゃいでいることは明確に伝わってくる。
簡単に言えば、ミミックとしての性。彼女達にとって、箱はベッドであり、服であり、家である。だから、惹きつけられてしまうのだ。
別に社長に限った話ではない。ここにある大量の質の良い箱群は、ミミック達にとってテーマパークのアトラクションに等しい。下位ミミック上位ミミック問わず、ほとんどの子達はここを遊び場にしている。
…前々から思っていたのだが、宝箱の姿をしている下位ミミックがそれより一回り大きい本物の宝箱の中で寝ている姿は中々にシュール。二重箱状態である。
「おはよっ、アスト!社長はもう遊び始めちまったかい?」
そんな折、私の背にとある声がかけられる。そこにいたのは社長ほどじゃないけど少女のような女性。
ボサッとした髪を後ろで束ね、へそ出しチューブトップとダボついたズボンを履いた彼女こそが箱工房の取り仕切り役、『ラティッカ』さん。この見た目でも私よりは少し年上である。
「おはようございますラティッカさん。はい、あそこに」
「どれどれ? あー、他の子達と箱もぐり競争始めたくさいな。ありゃ暫く帰ってこないね」
「ですねー。じゃあ今のうちにこの箱のメンテナンスお願いします」
「おうともさ!」
工房の一角。他のドワーフ達がカンカンキンキンと槌を打ち鳴らしているを横目に、社長の箱を診てもらう。
「とはいえ、これアタシらの最高傑作品だからな。どこも壊れてないし、塗料ハゲもなさそうだ」
「最近割と色んなダンジョンに出向いたんですけどね。流石ラティッカさん方が作った箱です」
「へへっ!褒められると悪い気はしないぜ!」
どうやら何も異常はないらしい。良かった良かった。
あ、そうだ。来た目的忘れかけていた。
「ところで、今回は何を作ったんですか?」
「良く聞いてくれた! この間のお祭りで着想を得たんだけど…ちょっとの試験場のほうに来てくれ!」
ラティッカさんに手を引かれ、着いたのは工房の横にある広い運動場みたいな場所。ここは出来上がったミミックの箱を試す試験場なのだ。
簡易的ではあるが、洞窟や建物といったダンジョンらしい施設が幾つも作られている。ちょっとした街みたい。なお、そこで居眠りしているミミック達もいる。
「よいしょっと…これこれ!」
ラティッカさんがどこからともなく取り出したのは、かなり大きな四角い筒。まるで宝箱がぴったり収まりそうな…。
「この間、お祭りに参加したろ? その時アタシも花火の手伝いをしたんだ。それでピーンと来てね!」
そう言いながら、彼女はその筒をガシャンと台座に設置する。ん…?
「なんでこの台座、車輪ついてるんですか? というか…なんでこんな斜めに設置したんですか? なんで導火線みたいなのついてるんですか…?」
筒先が空を向くようになっているそれに私はツッコみを入れる。なんか嫌な予感…!
そしてそれは的中。ラティッカさんはにんまり笑った。
「ふっふっふ…これぞ花火筒を改良し作り上げた、ミミック打ち出し機構。名付けて『ミミックキャノン』!」
「えぇ…」
「大丈夫だってアスト。しっかり安全確認は済んでるから! ほら、ミミック用のパラシュートも用意したしな!」
ドン引く私の背中をバシバシ叩いてくるラティッカさん。一応、恐る恐る聞いてみる。
「もしかして、これに社長を乗せようと…?」
「うん、勿論!」
いやいやいやいや…。どう見ても危険だし…。 社長秘書として止めたいが、まあ大体こんな時には…。
「なにそれラティッカ! 面白そうね!」
完全に乗り気の社長登場である。 もうどうとでもなれ。どうぜ事故って死んでも復活できるんだし…!
「よぅし!準備オッケー! ラティッカ、頼んだわよ!」
せめてこれつけてください…と私が渡したヘルメットをかぶり、筒の中に身を潜める社長。他のドワーフやミミック達もお披露目と聞いて集まってきた。
「おうよ社長! ド派手に行くぜ!」
いざ点火。ジジジ…と導火線は短くなる。3、2、1…!
ポゥンッ!
「いやっほーっ!」
小気味いい破裂音と共に、社長入り宝箱は大空へ打ち出される。工房の屋根をいとも簡単に飛び越え、見事な放物線を描き…。
パリィン!
「「「あっ」」」
そのまま奥にあった社屋の窓が一つに突っ込んでいった。
「ちょっ…!? 社長ー!?」
私は慌てて飛んでいく。 運がいいのか悪いのか、社長が落ちたのは社長室。そこに置かれていた箱の一つにホールインワンしていた。またも二重箱。
「だ、大丈夫ですか!!?」
急ぎ箱を覗き込もうとするが、それよりも先に社長がひょっこり顔を出した。 傷一つ負ってない…。
「ぷはっ…! アスト、これ楽しい! 空を飛ぶ感覚ってあんな感じなのね!」
「え、あ、はぁ…」
「でも着地点とか安全性とかもうちょっと練り直しが必要ね。あと個数も欲しいし…」
唖然とする私を余所に、社長は箱を動かし自らの机に。そして書類を出し、何かをパパパッと書いた。
「はい!これ回しといて!」
「えっ…『箱工房の予算増額』ですか?」
どんだけ気に入ったんだか。ミミック達の遊び道具に『ミミックキャノン』が加わるのも時間の問題だろう。
「さあねえ。でもあの興奮振り、期待できそうね」
社内の動く廊下に乗り、私と社長はとある場所へと移動中。向かう先は食堂でも、社長室でもない。というかさっき社長と朝ごはん食べたばっかだし。
動く廊下は曲がり降りを繰り返し、会社の外へと。目的地は会社の横に付設されているとある大きめの建物である。
そこにあるのは、通称『箱工房』。ミミックのための箱を作る専用の工場なのだ。
因みに余談だが、社長室等がある社屋も、その箱工房も外観は巨大な宝箱型をしている。社屋のほうが蓋が半開きになった派手な宝箱、箱工房のほうはしっかり閉まった黒めの宝箱といった見た目。
もっと言うなら、その箱工房のほうからはもくもくと煙が出ている。工房なのだから当然ではあるのだが。
もしあれが巨大なミミックだとするならば、間違えて爆弾とかを食べちゃった感じか。そう見てみると案外可愛らしい…?
話を戻そう。その箱工房で箱作りをしているのはミミックではない。ドワーフ達である。
流石に手先が器用な上位ミミック達とはいえども、物づくりは別。それに生半可なものを作って冒険者に簡単に負けるわけにもいかないため、社長が腕の良い職人たちをスカウトしてきたのだ。
…そりゃ彼らは物づくりの天才。あらゆる道具に通じているのは知ってるけど…。まさか箱状のものを作りたくて仕方ないって人達がいるとは思わなかった。
剣や防具ならわかるけど、箱専門て。どんな分野にも好きものはいるけど、そんなのもありだとは思わなかった。おかげで我が社は大助かりなのだけども。
ウィイと開く自動扉をくぐり、箱工房内へ。するとそこには―。
「わっ…!また数増えてる…!」
見渡す限りの箱、箱、箱。木箱に鉄箱宝箱。大きいものや小さいもの、中が広いものや狭いもの、装飾が華美なものや地味なものまでなんでもござれ。
勿論箱だけじゃない。花瓶や壺、樽に籠にタンスもある。巨大な花や鎧まで。
最もそれらは『それっぽく作られている』ものだから本物ではないのだけど。例えば花瓶を倒しても、パリンと割れることは無い。
因みに、あそこにある巨大な毛玉やこれまた巨大な蝸牛の殻とかはこの間依頼があったダンジョンに合わせて作った特注品。軽さと動きやすさを兼ね備えているらしい。楽しいのか、たまにそれで外を転がっているミミックを見かける。
まあ要は中にミミックが隠れられる隙間があるものならば何でも作ってしまうのだ。ドワーフ恐るべし。
「…ねえ、アスト。良い?」
と、うずうずした様子の社長は私をちらりと窺う。実はここに来るたび、社長はあることをやらなければ気が済まなくなるのだ。
「えぇ、どうぞ。その間にこの箱メンテに出しておきますね」
「わーい!」
私の言葉を聞くや否や、社長は入っていた箱をぬるんと抜け出し、近くの箱群へとダイブした。
「ひゃっほーっ!」
そしてみるみるうちにどこかへと…あっもうあんな高いところまで。目を凝らさなければわからないほどの位置だが、それでもはしゃいでいることは明確に伝わってくる。
簡単に言えば、ミミックとしての性。彼女達にとって、箱はベッドであり、服であり、家である。だから、惹きつけられてしまうのだ。
別に社長に限った話ではない。ここにある大量の質の良い箱群は、ミミック達にとってテーマパークのアトラクションに等しい。下位ミミック上位ミミック問わず、ほとんどの子達はここを遊び場にしている。
…前々から思っていたのだが、宝箱の姿をしている下位ミミックがそれより一回り大きい本物の宝箱の中で寝ている姿は中々にシュール。二重箱状態である。
「おはよっ、アスト!社長はもう遊び始めちまったかい?」
そんな折、私の背にとある声がかけられる。そこにいたのは社長ほどじゃないけど少女のような女性。
ボサッとした髪を後ろで束ね、へそ出しチューブトップとダボついたズボンを履いた彼女こそが箱工房の取り仕切り役、『ラティッカ』さん。この見た目でも私よりは少し年上である。
「おはようございますラティッカさん。はい、あそこに」
「どれどれ? あー、他の子達と箱もぐり競争始めたくさいな。ありゃ暫く帰ってこないね」
「ですねー。じゃあ今のうちにこの箱のメンテナンスお願いします」
「おうともさ!」
工房の一角。他のドワーフ達がカンカンキンキンと槌を打ち鳴らしているを横目に、社長の箱を診てもらう。
「とはいえ、これアタシらの最高傑作品だからな。どこも壊れてないし、塗料ハゲもなさそうだ」
「最近割と色んなダンジョンに出向いたんですけどね。流石ラティッカさん方が作った箱です」
「へへっ!褒められると悪い気はしないぜ!」
どうやら何も異常はないらしい。良かった良かった。
あ、そうだ。来た目的忘れかけていた。
「ところで、今回は何を作ったんですか?」
「良く聞いてくれた! この間のお祭りで着想を得たんだけど…ちょっとの試験場のほうに来てくれ!」
ラティッカさんに手を引かれ、着いたのは工房の横にある広い運動場みたいな場所。ここは出来上がったミミックの箱を試す試験場なのだ。
簡易的ではあるが、洞窟や建物といったダンジョンらしい施設が幾つも作られている。ちょっとした街みたい。なお、そこで居眠りしているミミック達もいる。
「よいしょっと…これこれ!」
ラティッカさんがどこからともなく取り出したのは、かなり大きな四角い筒。まるで宝箱がぴったり収まりそうな…。
「この間、お祭りに参加したろ? その時アタシも花火の手伝いをしたんだ。それでピーンと来てね!」
そう言いながら、彼女はその筒をガシャンと台座に設置する。ん…?
「なんでこの台座、車輪ついてるんですか? というか…なんでこんな斜めに設置したんですか? なんで導火線みたいなのついてるんですか…?」
筒先が空を向くようになっているそれに私はツッコみを入れる。なんか嫌な予感…!
そしてそれは的中。ラティッカさんはにんまり笑った。
「ふっふっふ…これぞ花火筒を改良し作り上げた、ミミック打ち出し機構。名付けて『ミミックキャノン』!」
「えぇ…」
「大丈夫だってアスト。しっかり安全確認は済んでるから! ほら、ミミック用のパラシュートも用意したしな!」
ドン引く私の背中をバシバシ叩いてくるラティッカさん。一応、恐る恐る聞いてみる。
「もしかして、これに社長を乗せようと…?」
「うん、勿論!」
いやいやいやいや…。どう見ても危険だし…。 社長秘書として止めたいが、まあ大体こんな時には…。
「なにそれラティッカ! 面白そうね!」
完全に乗り気の社長登場である。 もうどうとでもなれ。どうぜ事故って死んでも復活できるんだし…!
「よぅし!準備オッケー! ラティッカ、頼んだわよ!」
せめてこれつけてください…と私が渡したヘルメットをかぶり、筒の中に身を潜める社長。他のドワーフやミミック達もお披露目と聞いて集まってきた。
「おうよ社長! ド派手に行くぜ!」
いざ点火。ジジジ…と導火線は短くなる。3、2、1…!
ポゥンッ!
「いやっほーっ!」
小気味いい破裂音と共に、社長入り宝箱は大空へ打ち出される。工房の屋根をいとも簡単に飛び越え、見事な放物線を描き…。
パリィン!
「「「あっ」」」
そのまま奥にあった社屋の窓が一つに突っ込んでいった。
「ちょっ…!? 社長ー!?」
私は慌てて飛んでいく。 運がいいのか悪いのか、社長が落ちたのは社長室。そこに置かれていた箱の一つにホールインワンしていた。またも二重箱。
「だ、大丈夫ですか!!?」
急ぎ箱を覗き込もうとするが、それよりも先に社長がひょっこり顔を出した。 傷一つ負ってない…。
「ぷはっ…! アスト、これ楽しい! 空を飛ぶ感覚ってあんな感じなのね!」
「え、あ、はぁ…」
「でも着地点とか安全性とかもうちょっと練り直しが必要ね。あと個数も欲しいし…」
唖然とする私を余所に、社長は箱を動かし自らの机に。そして書類を出し、何かをパパパッと書いた。
「はい!これ回しといて!」
「えっ…『箱工房の予算増額』ですか?」
どんだけ気に入ったんだか。ミミック達の遊び道具に『ミミックキャノン』が加わるのも時間の問題だろう。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします
リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。
違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。
真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。
──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。
大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。
いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ!
淑女の時間は終わりました。
これからは──ブチギレタイムと致します!!
======
筆者定番の勢いだけで書いた小説。
主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。
処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。
矛盾点とか指摘したら負けです(?)
何でもオッケーな心の広い方向けです。
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる