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第四章 内政
【訪問者】
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【訪問者】
□■□ 謎の地下室 □■□
悠人の父親が所有するビルの地下室に転移して来ていた。
「お疲れ様です、無事に話は進みましたか?」
悠人の父親相馬氏が心配そうな顔をして聞いてきた。
悠人の父親、相馬氏は医薬品の製造会社を経営する社長だったりする、医薬品製造業と行ってもいわゆるゾロメーカー(ジェネリックの製造)で大手製薬会社に比べると規模はかなり小さいと言える。
「えぇ、今回は、順調に進みましたよ。特に問題はありませんでした。武器の方も少数ですが調達出来ましたしね。それに医薬品の輸出の許可の方も問題ないみたいです、詳しくは対策本部の方から話があると思いますが・・」
「そうですか、医薬品に関しては彼女を窓口に据えるつもりです、彼女には別会社として医薬品卸をやって貰うつもりですので・・・別会社とは行ってもいわゆるペーパーカンパニーですから問題はありません。」
「私は司代 直美と言います、これから宜しくお願いします。」
「ルーカス・ハミルトンです。こちらこそ宜しくお願いします。」
「主にどんな医薬品になりそうですか?、そうですねぇ、通常の一般薬内服薬の他に輸液関連の薬剤は医療器具と昇圧剤、抗毒素血清、抗生物質は外せませんね。破傷風用のワクチン、まあ、混合ワクチンでも構いませんが・・・」
異世界では外傷はポーションで大抵の場合解決出来るが外傷の場合、患部の洗浄が十分でないままポーションで治したりする事で破傷風で死亡する事も少なくなかった、何せワクチン接種という概念がなかったからだ・・・
「分かりました、至急用意させましょう。」
相馬氏はそっそく司代さんに指示を飛ばしていた・・・
俺はテーブルの上に10本ほどポーションと魔石を取り出した。
「これは外傷用の低級ポーションです、大怪我には使えませんがちょっとした切り傷なら傷跡も無くすぐに治す事が可能です。もし、そちらで再現、出来るのでしたら作って頂ければかなりの利益を生むと思いますよ。」
「これはもし、再現出来たらこちらの世界でも販売して良いって意味ですか?」
「えぇ、情報さえ隠匿して貰えれば構いませんよ。ただ、日本で許認可が取れるかどうかその辺は難しいかも知れませんね、いっそ海外のみで販売って言うのも有りかも知れませんね。どっちにしても作成には魔石が必要なので独占出来ると思いますよ。」
「分かりました、早速頂いて開発部の方に回してみます。こちらの代金は?」
「結構ですよ、悠人君のお父さんには色々とご迷惑をおかけしておりますからそのぐらい、と言っても異世界では安い物なんですけどね。」
「商業ベースになったら価格は相談しましょう。」
(まさか、あんたが死んだら奥さん貰うからなんてとても言えない。..)
現時点でルーカスは利益を出そうとは思わなかった傷跡が残らずその場ですぐに治る傷薬となれば応用範囲は広い、かなりの数量が見込めると思った、ただ、新薬に関しては殊更厳しい日本でどうなるかその辺はまだ、未知数だった。
「すいません、有り難く頂いておきます。」
「足らなくなったら言って下さい、またご用意しますから・・」
健吾はいつも緩やかな顔からビジネスマンの顔になっている。
健吾もルーカスと同様、製品が出来る出来ないと言うよりは出来た後の事を心配していた、10年以上の歳月を掛ける事はざらだ・・・
「開発者を一人ぐらい異世界によこしても良いと思いますよ、来るならば初級ポーションの作り方を教えます。そこに何らかのヒントがあるかも知れません。」
「それと奥様からの伝言ですが、出来れば来て欲しいそうです。」
「あぁ、ちょっと今日は行けませんねぇ、週末なら行けるんですが・・・」
「では、金曜の夜にでもお迎えに上がりましょうか?」
「いや、流石にそれは申し訳無いんですが・・・お願いしても?」
「えぇ、全然構いませんよ、奥様にも治療院で随分お世話になってますから・・・」
「では、金曜の20:00にこちらにお伺いします。」
そう言うと俺は都内の拠点へと転移した。
♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
都内の拠点
「ルーカス様、お待ちしておりました。」
「念話でも申しあげた通り、社長に会わせろと毎日来られて困っております。」
ソフィーがもう、うんざりといった様子で吐き捨てるように言ってきた。
どうやら俺に面会したいと毎日、やって来てるみたいだ・・・名刺にはSEエージェンシーとあるがネットで調べてもそれらしい会社はヒットしない。仕方ないので面会の日時を決めておいた。
相手は時間通りにやって来た。..
「やっとお会い出来て光栄です、SEエージェンシーの金田浩助と言います。」
「フェリークデエス商会の篠崎です。どういったご用件でしょうか?」
「あぁ、うちはこれから躍進する企業にスポットを当てて紹介すると言う業界専門誌の調査員です。御社の企業に付いてお話しをうかがえればと思ってやって来ました。」
この男を鑑定してみると島田真一郎と表示された、やっぱり偽名か?、職業の欄に調査員(CIA協力者:パシリ)と書いてあった。
氏名:島田真一郎(35)
武装:ポケットナイフ(12徳ナイフ)
装備:ICレコーダー、スマフォ
職業:調査員(CIA協力者:パシリ)
妻 :奈菜(33)
娘 :長女、春香、次女:春菜
備考:会話を録音している
あぁ、これじゃ、取材拒否では済みそうもないと判断して外に誘い出す事にした。
「金田さん、ここは事務所で応対する場所がありませんので外に出ましょうか?」
「近くのファミレスで構いませんか?」
「えぇ、お話しを聞けるなら何処でも構いませんが・・・」
近くのファミレスに行くと金田は饒舌に現在の世界経済の話や工業などの話を取り混ぜながらこちらにちくちくと探りを入れてくる。
「金田さん、もう良いでしょう。そろそろ本題に入りませんか?」
俺がそう言うと、金田はぎょっとした顔をしたがすぐに平静に戻ると話し始めた。
「高校生の失踪事件の話をご存じですよね、失踪後、2人が戻ってきました。何でも異世界に言っていたそうです。その後も2人が戻ってきました、そう事件について興味はありませんか?」
うーん、今日戻ってきた2人についてはまだ、知らないみたいだな。..
さて、どうあしらうか?
「別に不幸な事件とは思っていますが、特に知り合いもいないので興味はありませんね。」
「そうですかぁ、残念です。篠崎さんなら何かご存じかと思ったのですが・・・」
金田:(このままでは埒があかない、性格的には弱そうだ、ちょっと脅しを掛けてみるか。)
(こいつ何をかぎつけている、何かをかぎつけてカマを掛けているのは間違いないはずだ・・・何処まで気付いている。)
金田は余裕の顔して有利に進んでいると思ってるかのようにコーヒーを口に運んだ・・・
(どうする、聞き出すか、このまま放置するか・・・判断のしどころだ)
「しかし会社には殆どおられないんですねぇ、女性2人住んで居られる様ですが女性だけで会社に寝泊まりでは物騒でしょう。心配では無いですか?」
(此奴、脅しているつもりか?、パシリのくせになめた口を利きやがる)
「それって、脅してるんですか?、良い根性してますね。」
冷静に言葉を選びながら、威圧を掛けて金田へ話しかける
「元々こちらからラングレーとはお話ししたいと思ってましたけど、島田真一郎さん、あんたのハンドラーであるエージェントに伝えておいてくれ、行き成り脅しから入る様なそんな連中とはお付き合い出来ないとね。それから奈菜さんにも宜しくお伝え下さい。もう、あなたとお会いする事は無いでしょうけど。」
「そうそう、春香ちゃんと春菜ちゃんを悲しませる事は止めた方が良いですよ。」
おれはテーブルに500円玉を置いて立ち去った。
「・・・・・」
金田は何か言いかけたが声を発する事は出来なかった。
俺が席を立った時は自称、金田は真っ青になって口に運びかけたコーヒーを胸に飲ませていた、ズボンも濡れていたようだがそれがコーヒーなのかは分からない。。
(さぁ、次はどう出てくる、恐らく金田はもう現れないだろう、)
♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
某所の一室
金田は録音していたテープを聴いた後、前の座っている男から厳しい叱責を受けていた。
「誰が脅してこいと言った!!、この馬鹿もんが・・・この始末どう着けるつもりだ。」
「すいません、もう一度言って来ます。」
「もう、良い、お前には会わないだろう、無理に会えば始末されるかも知れないぞ!、そ、そんなぁ・・相手はただの日本人。では無さそうでしたね。確かに。」
「ただの日本人がどうやってお前の素性やましてやCIAまでたどり着く・・・」
「お前が監視している事ぐらいとっくに知られていて、その上で身元調査まで済んで泳がされていただけだ・・・」
「どうして、泳がされていたのでしょうか?」
「お前はバカか、本人が言ってるじゃないか、向こうはこっちが接触してくるのを待っていたんだろう。それをお前が相手の気に障るような事を言ったからこうなったんだろうが・・・」
「すいません。」
男はただ、うなだれるしかなかった。
「もう、良い、指示があるまで待機していろ、指示があるまでここには来るな」
金田は力なく立ち上がりよろよろと退出して言った。
男は考えていた。
考えてみれば悪い事ばかりではない、むしろ良かったと言える、交渉にしてもまだ決定的になった訳ではない。まだ、まだリカバリーは可能だろう。”そんな連中とはお付き合い出来ない”って事は”そんな”でなければまだ、交渉の余地はあるって事なんだろう。
だが、これであの篠崎という人物が異世界人と接点があるって事はハッキリとした訳だ・・・これだけでも成果は大きいと言える。そう言う意味では金田は十分につとめを果たしたとも言えるな・・・
男は静かに笑っていた。..
♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
都内の拠点のマンション
「お帰りなさい・・・お客さんはどうでした?」
「あぁ、外国の諜報機関の使い走りだったよ、恐らく近いうちに本命が来ると思うから都合を聞いておいてくれ・・・」
「はい、分かりました。」
「何か、不都合はないか?」
「特にありませんけど、花梨ちゃんはとっくに半年を過ぎてますけどまだ、傭っていて良いんですか?」
「あぁ、別に構わないよ、お前が良ければそれでいいぞ」
「うん、彼女がいた方が出かける時も都合が良いし・・・私的にはいてくれた方が嬉しいです。」
「じゃ、そのままで良いんじゃないの」
「はい、そうしますね。」
「あぁ、じゃ、連絡があったら教えてくれ・・・」
「はい、分かりました。」
「じゃ、俺は戻るよ・・」
そう言い残すと王都の屋敷へと転移した。
□■□ 謎の地下室 □■□
悠人の父親が所有するビルの地下室に転移して来ていた。
「お疲れ様です、無事に話は進みましたか?」
悠人の父親相馬氏が心配そうな顔をして聞いてきた。
悠人の父親、相馬氏は医薬品の製造会社を経営する社長だったりする、医薬品製造業と行ってもいわゆるゾロメーカー(ジェネリックの製造)で大手製薬会社に比べると規模はかなり小さいと言える。
「えぇ、今回は、順調に進みましたよ。特に問題はありませんでした。武器の方も少数ですが調達出来ましたしね。それに医薬品の輸出の許可の方も問題ないみたいです、詳しくは対策本部の方から話があると思いますが・・」
「そうですか、医薬品に関しては彼女を窓口に据えるつもりです、彼女には別会社として医薬品卸をやって貰うつもりですので・・・別会社とは行ってもいわゆるペーパーカンパニーですから問題はありません。」
「私は司代 直美と言います、これから宜しくお願いします。」
「ルーカス・ハミルトンです。こちらこそ宜しくお願いします。」
「主にどんな医薬品になりそうですか?、そうですねぇ、通常の一般薬内服薬の他に輸液関連の薬剤は医療器具と昇圧剤、抗毒素血清、抗生物質は外せませんね。破傷風用のワクチン、まあ、混合ワクチンでも構いませんが・・・」
異世界では外傷はポーションで大抵の場合解決出来るが外傷の場合、患部の洗浄が十分でないままポーションで治したりする事で破傷風で死亡する事も少なくなかった、何せワクチン接種という概念がなかったからだ・・・
「分かりました、至急用意させましょう。」
相馬氏はそっそく司代さんに指示を飛ばしていた・・・
俺はテーブルの上に10本ほどポーションと魔石を取り出した。
「これは外傷用の低級ポーションです、大怪我には使えませんがちょっとした切り傷なら傷跡も無くすぐに治す事が可能です。もし、そちらで再現、出来るのでしたら作って頂ければかなりの利益を生むと思いますよ。」
「これはもし、再現出来たらこちらの世界でも販売して良いって意味ですか?」
「えぇ、情報さえ隠匿して貰えれば構いませんよ。ただ、日本で許認可が取れるかどうかその辺は難しいかも知れませんね、いっそ海外のみで販売って言うのも有りかも知れませんね。どっちにしても作成には魔石が必要なので独占出来ると思いますよ。」
「分かりました、早速頂いて開発部の方に回してみます。こちらの代金は?」
「結構ですよ、悠人君のお父さんには色々とご迷惑をおかけしておりますからそのぐらい、と言っても異世界では安い物なんですけどね。」
「商業ベースになったら価格は相談しましょう。」
(まさか、あんたが死んだら奥さん貰うからなんてとても言えない。..)
現時点でルーカスは利益を出そうとは思わなかった傷跡が残らずその場ですぐに治る傷薬となれば応用範囲は広い、かなりの数量が見込めると思った、ただ、新薬に関しては殊更厳しい日本でどうなるかその辺はまだ、未知数だった。
「すいません、有り難く頂いておきます。」
「足らなくなったら言って下さい、またご用意しますから・・」
健吾はいつも緩やかな顔からビジネスマンの顔になっている。
健吾もルーカスと同様、製品が出来る出来ないと言うよりは出来た後の事を心配していた、10年以上の歳月を掛ける事はざらだ・・・
「開発者を一人ぐらい異世界によこしても良いと思いますよ、来るならば初級ポーションの作り方を教えます。そこに何らかのヒントがあるかも知れません。」
「それと奥様からの伝言ですが、出来れば来て欲しいそうです。」
「あぁ、ちょっと今日は行けませんねぇ、週末なら行けるんですが・・・」
「では、金曜の夜にでもお迎えに上がりましょうか?」
「いや、流石にそれは申し訳無いんですが・・・お願いしても?」
「えぇ、全然構いませんよ、奥様にも治療院で随分お世話になってますから・・・」
「では、金曜の20:00にこちらにお伺いします。」
そう言うと俺は都内の拠点へと転移した。
♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
都内の拠点
「ルーカス様、お待ちしておりました。」
「念話でも申しあげた通り、社長に会わせろと毎日来られて困っております。」
ソフィーがもう、うんざりといった様子で吐き捨てるように言ってきた。
どうやら俺に面会したいと毎日、やって来てるみたいだ・・・名刺にはSEエージェンシーとあるがネットで調べてもそれらしい会社はヒットしない。仕方ないので面会の日時を決めておいた。
相手は時間通りにやって来た。..
「やっとお会い出来て光栄です、SEエージェンシーの金田浩助と言います。」
「フェリークデエス商会の篠崎です。どういったご用件でしょうか?」
「あぁ、うちはこれから躍進する企業にスポットを当てて紹介すると言う業界専門誌の調査員です。御社の企業に付いてお話しをうかがえればと思ってやって来ました。」
この男を鑑定してみると島田真一郎と表示された、やっぱり偽名か?、職業の欄に調査員(CIA協力者:パシリ)と書いてあった。
氏名:島田真一郎(35)
武装:ポケットナイフ(12徳ナイフ)
装備:ICレコーダー、スマフォ
職業:調査員(CIA協力者:パシリ)
妻 :奈菜(33)
娘 :長女、春香、次女:春菜
備考:会話を録音している
あぁ、これじゃ、取材拒否では済みそうもないと判断して外に誘い出す事にした。
「金田さん、ここは事務所で応対する場所がありませんので外に出ましょうか?」
「近くのファミレスで構いませんか?」
「えぇ、お話しを聞けるなら何処でも構いませんが・・・」
近くのファミレスに行くと金田は饒舌に現在の世界経済の話や工業などの話を取り混ぜながらこちらにちくちくと探りを入れてくる。
「金田さん、もう良いでしょう。そろそろ本題に入りませんか?」
俺がそう言うと、金田はぎょっとした顔をしたがすぐに平静に戻ると話し始めた。
「高校生の失踪事件の話をご存じですよね、失踪後、2人が戻ってきました。何でも異世界に言っていたそうです。その後も2人が戻ってきました、そう事件について興味はありませんか?」
うーん、今日戻ってきた2人についてはまだ、知らないみたいだな。..
さて、どうあしらうか?
「別に不幸な事件とは思っていますが、特に知り合いもいないので興味はありませんね。」
「そうですかぁ、残念です。篠崎さんなら何かご存じかと思ったのですが・・・」
金田:(このままでは埒があかない、性格的には弱そうだ、ちょっと脅しを掛けてみるか。)
(こいつ何をかぎつけている、何かをかぎつけてカマを掛けているのは間違いないはずだ・・・何処まで気付いている。)
金田は余裕の顔して有利に進んでいると思ってるかのようにコーヒーを口に運んだ・・・
(どうする、聞き出すか、このまま放置するか・・・判断のしどころだ)
「しかし会社には殆どおられないんですねぇ、女性2人住んで居られる様ですが女性だけで会社に寝泊まりでは物騒でしょう。心配では無いですか?」
(此奴、脅しているつもりか?、パシリのくせになめた口を利きやがる)
「それって、脅してるんですか?、良い根性してますね。」
冷静に言葉を選びながら、威圧を掛けて金田へ話しかける
「元々こちらからラングレーとはお話ししたいと思ってましたけど、島田真一郎さん、あんたのハンドラーであるエージェントに伝えておいてくれ、行き成り脅しから入る様なそんな連中とはお付き合い出来ないとね。それから奈菜さんにも宜しくお伝え下さい。もう、あなたとお会いする事は無いでしょうけど。」
「そうそう、春香ちゃんと春菜ちゃんを悲しませる事は止めた方が良いですよ。」
おれはテーブルに500円玉を置いて立ち去った。
「・・・・・」
金田は何か言いかけたが声を発する事は出来なかった。
俺が席を立った時は自称、金田は真っ青になって口に運びかけたコーヒーを胸に飲ませていた、ズボンも濡れていたようだがそれがコーヒーなのかは分からない。。
(さぁ、次はどう出てくる、恐らく金田はもう現れないだろう、)
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某所の一室
金田は録音していたテープを聴いた後、前の座っている男から厳しい叱責を受けていた。
「誰が脅してこいと言った!!、この馬鹿もんが・・・この始末どう着けるつもりだ。」
「すいません、もう一度言って来ます。」
「もう、良い、お前には会わないだろう、無理に会えば始末されるかも知れないぞ!、そ、そんなぁ・・相手はただの日本人。では無さそうでしたね。確かに。」
「ただの日本人がどうやってお前の素性やましてやCIAまでたどり着く・・・」
「お前が監視している事ぐらいとっくに知られていて、その上で身元調査まで済んで泳がされていただけだ・・・」
「どうして、泳がされていたのでしょうか?」
「お前はバカか、本人が言ってるじゃないか、向こうはこっちが接触してくるのを待っていたんだろう。それをお前が相手の気に障るような事を言ったからこうなったんだろうが・・・」
「すいません。」
男はただ、うなだれるしかなかった。
「もう、良い、指示があるまで待機していろ、指示があるまでここには来るな」
金田は力なく立ち上がりよろよろと退出して言った。
男は考えていた。
考えてみれば悪い事ばかりではない、むしろ良かったと言える、交渉にしてもまだ決定的になった訳ではない。まだ、まだリカバリーは可能だろう。”そんな連中とはお付き合い出来ない”って事は”そんな”でなければまだ、交渉の余地はあるって事なんだろう。
だが、これであの篠崎という人物が異世界人と接点があるって事はハッキリとした訳だ・・・これだけでも成果は大きいと言える。そう言う意味では金田は十分につとめを果たしたとも言えるな・・・
男は静かに笑っていた。..
♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
都内の拠点のマンション
「お帰りなさい・・・お客さんはどうでした?」
「あぁ、外国の諜報機関の使い走りだったよ、恐らく近いうちに本命が来ると思うから都合を聞いておいてくれ・・・」
「はい、分かりました。」
「何か、不都合はないか?」
「特にありませんけど、花梨ちゃんはとっくに半年を過ぎてますけどまだ、傭っていて良いんですか?」
「あぁ、別に構わないよ、お前が良ければそれでいいぞ」
「うん、彼女がいた方が出かける時も都合が良いし・・・私的にはいてくれた方が嬉しいです。」
「じゃ、そのままで良いんじゃないの」
「はい、そうしますね。」
「あぁ、じゃ、連絡があったら教えてくれ・・・」
「はい、分かりました。」
「じゃ、俺は戻るよ・・」
そう言い残すと王都の屋敷へと転移した。
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