私の愛した召喚獣

Azanasi

文字の大きさ
上 下
53 / 116
第三章 領地改革

【運命の誤算】

しおりを挟む
【運命の誤算】

 「ねぇ、ルーカス、陛下が娘を送り込んで来たらどうするの?、ってどうしようも無いか、断れる訳もないしね。」

 「あぁ、するよ、第3夫人で良ければの話だが・・・」
 「へっ、へ、陛下の、国王の娘を第3夫人ってどういうつもりよ。それより第一夫人は誰なの?、」

 「はぁ、何言ってんの?、第一はお前に決まってるだろ!」
 「ひぇーーーっ、あ、あ、あ・たし!」
 アメリアはまさか自分が一番に言われるとは思ってもいなかったので壮絶にどもっていた・・
(え、ルーカス、、ちょ、ちょと待ってよ、私と結婚してくれる?、私は眷属で、妾的な存在かと思ってたけど・・・ううん、それでいいって思ってたけど・・・本当なの?)

 「アメリア、お前嫌なのか?」
 「えっ、い、いや、嫌じゃないわよ。」
 「じゃ、良いじゃないか、問題はないだろう、それからソフィーとも結婚するぞ!、ソフィーは第2だな」

 「ルーカスサマーーーっ」
 ソフィーはそう言って抱きついてきた・・・

 「私とも結婚して頂けるんですか?、嬉しいです。」
 「うん、だが、正式にはソフィーのお父様のお許しを得てからになるけどな。」
 「はい!!」

 「ルーカス、やっぱり私が第一は不味いんじゃ無いかな?、やっぱり陛下のご息女を立てないと不味いとおもう。陛下としては軽んじられたって思うわよ。」
  
 「別に言いさ、俺はもともとアメリアの召喚獣としてやって来た、本来仕えるべき相手と結婚するならお前が第一だ・・・文句を付けるなら別にこの国から出て他国へ行っても良いんだし・・・なに、受け入れてくれる国はあるさ・・・」

 「久志さん、そう言う問題では無いと思いますよ。」
いつの間にか恵さんが戻ってきていた・・・

 「私はこの世界の事を全く知りませんが、王様がいて、家臣の貴族がいる王権政治が行われている世界だと認識しています、その中でアメリアさんは貴族当主で、ソフィーさんは貴族のご息女ですね。」
  
 国王のご息女が嫁いで、ご息女だけでは足りずに他の嫁も貰うと。まあ、話を聞いてる限り、ご息女が割り込むと言った方が正しいのでしょうが・・それでも第一夫人、正室以外は認められないというのは仕方がないと思いますよ。陛下自身が認めないと言うよりはその周りが認めないでしょう。
 
 あなたにはきっとそれをねじ伏せてしまう力があるのかも知れません、きっとそうなんでしょう。だからといってそうして良いという訳ではないと思いますよ。あなたも男爵という貴族であるなら国王の臣下でしょう、臣下が自分の力を背景に我が儘を通せば国はまとまらなくなります。
 
 篠崎さんよく考えてみて下さい、あなたは第一夫人、第二夫人だからといって序列に寄って差別するつもりですか?。
  
  そうは考えていないのであれば順序なんか気にしなくても良いでしょう。逆に言えばあなたの考えがそうであるならば順位を気にするような女性はあなたにはふさわしくないと言えると思いますよ。
 
 「ん。。。」
  
 正直、正論だ・・・陛下の臣下なのも確かだしな、そう言われると返す言葉がない。
  
 むろん、順位で嫁に差を付けるつもりも無い。ふぅ、言い負かされてしまった。やはり苦労して子供を育ててきた経験が物を言わせる物かも知れないな。
 まだ、まだ、俺もガキって事なんだろう。
 
 「ルーカス私は順番など気にしていない、最後で構わないわ。」
 「私もです、ルーカス様」
 アメリアに続いてソフィーも順番は気にしていないと言う。...
 
 「処で篠崎さんお話があります。」
 「はい、何でしょうか?」
 
 「私を奴隷にして下さい。」
 「そのお話はもう、終わったはずですよ。」
 
 「いえ、娘のいえ、アトリアの奴隷を解放して欲しいと言ってる訳ではありません、私を奴隷にして欲しいと言ってるだけです。」
 「どういう意味でしょうか?」
 アトリアの母ちゃんは行き成り爆弾を放り込む癖は止めて欲しい・・・
 
 「はい、貴重な命を助けて頂きましたがその見返りを返す事が私には出来ません、なので生涯、奴隷として働いてご奉仕したいと思っております、ただ、ひとつだけお願いがあります。」
  
 「アトリアにあの、そのぉ、体を要求するのを待って貰えませんか?、娘はまだ10歳です。出来れば後、五年、待てないと言われるのなら後三年待って頂けないでしょうか?」
 
 「あぁ、そう言う事ですか?、それなら心配要りません、私はロリコンではありませんし、今のアトリアに手を出すつもりはありません、ただ、眷属なので将来はお約束出来ないですけどね。」
 
 「そ、そうなんですか?、小さい方もいらっしゃったのでそう言う方がお好きなのかと・・・」
  
  「「「「「ガーン」」」」」
  
 鐘を付く突棒で突かれたような衝撃をうけた・・・・
 俺はロリコンじゃねぇーーーーっ・・・でもソフィーは好きだ・・・ロリコンなのか?、ロリコンなのか?
 俺は犯罪者・・・変態の烙印を押されて社会から抹殺・・・あぁ・・・
 
 「私はソフィーが幼いから好きになった訳ではありません、知り合ってからいろんな経緯をへて好きになったのです。」
  
 「そうですよ~、ルーカス様はロリコンではありませんし、私ももう、幼子ではありません」
 
 「まあ、ご本人の同意があれば宜しいんじゃないですか、はい、その辺はお好きに良いと思います。」
  
 こ、この人怖い・・・
 恵さんて怖いひとかもしれない。言葉の裏には娘でなければお好きなようにって聞こえた気がするんだけど違ったのか?、えっ、ちがわないのか?
 
 「ま、そう言う事なので奴隷にはならなくて良いですよ、明日お送りします。」
 「では、私を見捨てると・・・右も左も分からない異境の地でどうして女一人生きて行けましょう、その辺でのたれ死にしろとおっしゃるのですね。」
 
 「はぁ、?、明日お送りすると言ってるではありませんか?、向こうでは生活の基盤もお持ちですし今までと同様だと思いますが・・・どうしてそう言う事を言われるのですか?」
 
 「はい、先程休んでいたところ、あなたの主神有ると名乗るフィーネという女神様、もしくはそう呼称すべき対象の物である方が私の元に現れました。」
  
 「私は無宗教ですが何故か感覚的にそう言う存在なんだと認識しました。」
 「その方がおっしゃったのです、あなたをこちらへ連れてきたのは私の判断ですが、死を回避したため地球の管理神が怒り、地球への帰還は死体以外、認めないと言ったそうです。フィーネ様はこちらの管理神であり地球には権限が及ばないのでどうしようも無いそうです。」
 「申し訳ないが帰還はさせられないのでこちらで暮らして欲しいと言われました。」
 
 「あちゃーーーっ、、、」
  
 フィーネ様の名前が出た時点で間違いはないだろう。恐らく事実なんだと思う。
 本来、死ぬはずの予定だった者を勝手に助けちゃったから地球神の怒りを買った訳か・・・
 しかたない・・・アトリアは怒るかなぁ・・・どっちにしてもうちで面倒を見るしかないわな。
 取り敢えず、うちの調理人にアドバイスをして貰うかなぁ・・・
 
 「そうですか、そう言われたのであらばそうでしょう。フィーネ様は私の主神にあたりますので意義は唱えられません、帰りたいかも知れませんがどうにもならないので諦めて下さい。
 アトリアに怒られそうですね。」
 
 「私は全然、気にしてませんよ、むしろ一度死んだ者としてこちらで新たにやり直すって考えればそれはそれで楽しいと思います。」
 
 「そういってもらえれば少しは気が楽です。
 恵さんの今後ですが・・・うちで働くなら奴隷になる必要はありませんが、従属して貰う必要があります、自立されるつもりなら自立出来るまでの援助は責任持ってします。どうしますか?、とは言ってもそう慌てて決めなくても良いですよ。暫くうちでのんびりして決めて貰ったら良いと思います。」
 
 「では、従属させて下さい。お願いします。」
 「慌てて決めなくていいですよ。そもそも従属の意味すらご存じないと思いますが・・・」
  
 「はい、正確には分かりませんが、雰囲気はわかりますし、もともと奴隷になるつもりでしたからそれに比べればずっと緩い気がしますから・・・」
 
 「確かにそうなんですが・・・様は私やフィーネ様に関すると秘密を他人に喋れないだけです。細かく言うとまだありますが、奴隷のように行動を束縛される事も自由を害される事も有りません、まあ、社則みたいな者と考えて貰えれば良いです。」
 
 では、そこに立っていて下さい。
 胸の高さまであげた手のひらから光が放ちだして球状の光が手のひらを包む。
  
 「行きますよ。」
 「はい」
 手のひらから離れた光は恵の胸へと吸い込まれていった。
 
 「はぁ・・・・何だかとっても暖かいです。幸せな気分です。」
 「はは、、あっ、それからこっちではルーカスと呼んで下さい。」
 「はい、分かりましたルーカス様」
 
 「いや、様は付けなくて良いです。」
 「いえ、ここで働くんですからこれはけじめです。」
 はぁ、恵さんは言い出したら引かなそう、ま、いいかぁ・・・
 
 「恵さんは当面、うちの調理担当に色々とアドバイスをしてあげてくれませんか?、特に日本の料理を指導して頂けると助かります。」
 「それなら今までの仕事とあまり変わりませんが、分かりましたお請けします。」
  
 「アドバイスするにしてもこっちの世界をある程度分かってからが良いと思いますので当面はのんびりして結構ですよ。」
 
 「はい、そうですね、こちらの食事事情にも興味がありますし、食材も見てみたいと思ってます。」
 「買い物などは付いて行かれると良いでしょう。あ、忘れてました。」
 「影狼、出ておいで・・・」
 
 恵さんの足下から狼が現れた。狼と言っても大きさは虎よりも二回りほど大きい漆黒の狼だ。
  
 「ひぃーーーっ」
  
 「動物は嫌いですか?」
 「き、嫌いじゃないですが・・・食べられませんか?」
  
 「大丈夫ですよ、この子は恵さんの専属のボディーガードです、何時も恵さんの影に潜んでいますので呼べば出てきますし、危険を察知すると自分の意思で出てきます。」
  
 「この子にはまだ名前がありませんので付けてあげて下さい、名前を付けてあげる事で恵さんに絶対服従となります。」
 
 恵さんは恐る恐る、影狼の頭をなでた。。影狼は嬉しそうにしっぽをブンブンと振っている。
  
 「じゃ、なまえを付けてあげなきゃね。うーん・・・そうだ、ラスカルにしましょう。あなたはラスカルですよ」
  
 「バウッ、バウッ・・」
 恵さんの顔を盛んに舐めて喜んでいる。
 (きゃっ、凄い可愛い・・・なんて可愛いのこの子、あぁ、毎日抱っこして寝ようかしら・・・)
 
 「街中では緊急時以外は出さないで下さいね、騒ぎになりますから・・・」
 「はい、分かりました。」
 返事もそぞろに、ラッシーとスキンシップしている・・・犬好き・・いや、狼好きなのかぁ・・ま、何にしろ良かった。
 「あの、部屋では出しても構いませんか?」
 「はい、ご自由に・・・」
 
 「あのう。。。」
 本の今までラスカルと戯れていた恵さんが急に真剣な顔になった。

*+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:
2018/09/05:誤字、脱字、誤用の修正
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。 そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!! こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!! 感想やご意見楽しみにしております! 尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

転生したら、なんか頼られるんですが

猫月 晴
ファンタジー
旧題:転生したら、なんか頼られるんですが。俺は楽しんでいただけですよ? ブラック企業に勤めていた会社員の江崎塁。彼は、帰宅途中交通事故に遭って死亡したことを、謎の白髪の少女に告げられた。 矢継ぎ早に自身が転生することを告げられ、訳の分からないまま気を失う。 次に目を覚ましたのは、知らないはずなのに、どこか見覚えのある高級そうな部屋だった。 なんと江崎塁は、エルティードという名の幼児に転生したのだった。 魔法の使える世界で楽しく、時にはトラブルに巻き込まりして過ごす中、いつしかエルティードは頼られるようになっていく。 ※書籍の続きは聖女編からとなっております。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~

udonlevel2
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。 それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。 唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。 だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。 ――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。 しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。 自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。 飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。 その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。 無断朗読・無断使用・無断転載禁止。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

処理中です...